ヨークシンシティでオークションすっぞ!   作:KTケイティ

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書き溜め分です。
次の投稿は5月19日(土)となります。


【64】地下競売とオークション ”9月2日”

9月2日

 

~ヨークシン路地~

 

「んで?こんな路地に出店構えたあとは?」

 

キルアが片眉を上げてレオリオを見る

 

「競売するんだよ」ニヤリ

 

「このダイヤで?」

 

ゴンが掲げるダイヤは、先ほど中央区の宝石店で買ってきたものだ

 

「一個しか買ってねぇし、しかもこんな路地で300万ジェニーの宝石なんて売れねぇよ」

 

不満げに言うキルア

 

「いや、これでいいんだ」

 

クイッとサングラスを持ち上げるレオリオ

 

「ねぇ、レオリオもうそろそろ教えてよ」

 

気になるゴンもレオリオに尋ねる

 

「いいか━━━」

 

そしてレオリオは説明する

 

<条件競売>

ダイヤは景品。

ゴンと腕相撲をして買ったら贈呈。

参加費は一回1万ジェニー。

 

「な、簡単だろ?ギリギリで勝つ、そしてたまに疲れた振りをしてたら更にOKだ」

 

どうだ?と2人を見るレオリオ

 

「まぁやれそうかな」

 

「いいぜ、面白そうじゃん」

 

そして条件競売、腕相撲が始まる

 

 

 

 

 

 

~ベーチタクルホテル フロント~

 

「おじさん、スーツ?っていうのある?」

 

ホテルマンに尋ねるトランクス

 

「君が着るのかい?」

 

まだまだ子供なトランクスを見ていぶかしむ

 

「うん、あとこっちの悟天の分と、大人2人」

 

大人がいることに気づいて頷くホテルマン

 

「さ、どうぞ」

 

そう言って大人用2着、子供用2着を渡した

 

 

 

 

 

 

~ヨークシンシティ ホテル一室~

 

「今日が競売、か…」

 

落ち着かなげに、クラピカは部屋をうろつく

 

「落ち着いて♪」

 

センリツが笛を奏でてクラピカを落ち着かせる

 

「あぁ、すまない」

 

「いいのよ。あなたの大事なものが何かも教えてもらったことだし。理由が理由だものね」

 

緋の目、その競売の行方が気が気ではないクラピカ

 

だが、護衛の任から外れられずやきもきしていた

 

センリツの音色で落ち着いてはいるが、このヨークシンに幻影旅団がいる、その事も静かにクラピカの怒りを再燃させていた

 

 

 

 

 

~ヨークシン路地~

 

「さぁさぁ!次の挑戦者は!?」

 

レオリオが手を叩いて競売へ集客する

 

スッ

 

女性が手を挙げる

 

「お、可愛らしい女の子が挑戦かな」

 

鼻の下を伸ばすレオリオ

 

女性はずり下がったメガネを持ち上げながら席に着く

 

ゴンと手を握りあって準備は完了

 

(あれ?この女性…)

 

ゴンが不思議に思った瞬間

 

「レディー ファイッ!」

 

レオリオの合図で始まる

 

ミシッ

 

拮抗するゴンと女性

 

「んー」

 

「…………!」

 

そして

 

グググググッ パタン

 

徐々にゴンの側へ傾き勝敗がつく

 

女性はペコリと挨拶をして去っていく

 

「おいゴン、いま本気じゃなかったか?」

 

ボソリと呟くキルア

 

「うん、一体なんだろう…?」

 

「腕相撲のチャンピオンとかじゃねぇのか?」

 

キルアが茶化してその場は終わる

 

そしてその後も難なく競売は順調に進んでいた

 

 

 

 

 

 

~オークション会場~

 

「へ~、ここがなんとかっちゅう場所かぁ」

 

「お父さん、オークションだよ」

 

「パパ、楽しみだね!」

 

「一々服装を変えねばならんとは面倒なことだ」

 

悟空、ベジータ、悟天、トランクスの4人は、オークション会場へとやって来ていた

 

目標はグリードアイランド

 

そして受付で呼び止められる

 

「オークションカタログはお持ちですか?」

 

「なにそれ?」

 

悟天が聞き返すと、あからさまに侮蔑の目をして続ける受付員

 

「このオークション会場で行われる、全ての目録が掲載され、且つ入場チケットの代わりとなっております。購入できる方のみ入場が許可されております」

 

「ふーん。で、おばさんこれで足りる?」

 

ガチャ、とアタッシュケースを開けるトランクス

 

中には4億ゼニー

 

「…!も、もちろんですとも!ようこそオークション会場へ!」

 

1200万ゼニーを払い、カタログを受け取った悟空たちはオークション会場へと入っていった

 

 

 

 

 

 

~ヨークシン路地~

 

「さぁ、次は誰だ!?そろそろ疲れてきてるからやり時かもしれないぜ!」

 

レオリオが言葉巧みに挑戦者を誘う

 

「じゃぁやらせてもらおうか」

 

顔にターバンを巻いて素顔のわからない男が手を挙げる

 

肩には見慣れない動物も乗っている

 

「おい、ゴン。なんか…」

 

「うーん、なんか…」

 

顔が全くわからないため、見覚えがあるとは言えないが、何かが引っかかる2人

 

レオリオは何も感じていないようだ

 

ゴンと男は腕相撲の体勢に入る

 

「レディー ファイッ!」

 

ガギッ

 

ゴンが歯を食い縛って力を入れるが、全く動かない

 

「一般人にしてはだいぶ鍛えてるな…すまない」

 

ドンッ

 

そして腕は男性の側に倒れる

 

「ま、まじか…勝者、男性!」

 

呆気に取られるも、急いで勝ちを宣言するレオリオ

 

ここで渋れば客は付かなくなる

 

「さぁ、このダイヤは君のものだ!受け取ってくれ!」

 

鑑定書と共にダイヤを手渡す

 

受け取った男は顔は見えないが喜んでいるようだ

 

そして立ち去っていく男性を見ながら、レオリオたちは店じまいをする

 

「レオリオ、全然儲かんねぇじゃんか」

 

口を尖らせるキルア

 

「キルアの言うとおりだよ。まだ100人ともしてないよ?200万ジェニーくらい損してるもん」

 

2人の攻め口が上がるが、レオリオはニヤリと笑っている

 

「いいんだ、餌撒きってことよ。今日はもうすぐ日が暮れるし終わりだな。明日もやるぜ」

 

そして3人はホテルへ戻って行った

 

 

 

 

 

 

~ヨークシンシティ 廃墟ビル街~

 

幻影旅団のメンバーが揃っていた

 

ヒソカを除いて…

 

「欲しかったなぁ」

 

ダイヤを思い出して呟くシズク

 

「盗めばいいんだよ。オレたちは盗賊だからな」

 

大柄の男、フランクリンの手がシズクの頭を優しく包む

 

「そういうことだ」

 

スクッ と団長クロロが立ち上がる

 

「オークション会場の競売品、全てを盗む」

 

「そいつはやべぇよ、ここのマフィア全てを敵に回すことになるんだぜ!」

 

毛皮を纏った男、ウボォーギンが叫ぶ

 

「なんだ?怖いのか?」

 

「嬉しいんだよ…命令してくれ団長!!」

 

ふっ、と笑むクロロ

 

そしてクロロは言う

 

「全てを盗んでこい」

 

 

 

 

 

~オークション会場~

 

「長いよぉ」

 

「つまんねーの」

 

悟天とトランクスは完全にダレきっていた

 

目的のグリードアイランドの競売までが長く、入札が繰り返される同じシーンばかりで飽きていた

 

暫くしてすやすやと眠りに着く2人

 

「しょうがねぇなぁ」

 

頭をポリポリと掻く悟空

 

そして次の商品が運ばれてきたとき

 

 




次回はオークション会場で何かかが起こる!?
そのとき悟空たちは!?



皆さん、あたたかい声援ありがとうございます。
お陰さまで、執筆への力が湧いてきました。
再開は5月19日(土)の予定です。
それまでは少しずつメモ書きしながら書き溜めていきます。
本当にありがとうございます。

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