次の投稿は5月19日(土)となります。
9月2日
~ヨークシン路地~
「んで?こんな路地に出店構えたあとは?」
キルアが片眉を上げてレオリオを見る
「競売するんだよ」ニヤリ
「このダイヤで?」
ゴンが掲げるダイヤは、先ほど中央区の宝石店で買ってきたものだ
「一個しか買ってねぇし、しかもこんな路地で300万ジェニーの宝石なんて売れねぇよ」
不満げに言うキルア
「いや、これでいいんだ」
クイッとサングラスを持ち上げるレオリオ
「ねぇ、レオリオもうそろそろ教えてよ」
気になるゴンもレオリオに尋ねる
「いいか━━━」
そしてレオリオは説明する
<条件競売>
ダイヤは景品。
ゴンと腕相撲をして買ったら贈呈。
参加費は一回1万ジェニー。
「な、簡単だろ?ギリギリで勝つ、そしてたまに疲れた振りをしてたら更にOKだ」
どうだ?と2人を見るレオリオ
「まぁやれそうかな」
「いいぜ、面白そうじゃん」
そして条件競売、腕相撲が始まる
~ベーチタクルホテル フロント~
「おじさん、スーツ?っていうのある?」
ホテルマンに尋ねるトランクス
「君が着るのかい?」
まだまだ子供なトランクスを見ていぶかしむ
「うん、あとこっちの悟天の分と、大人2人」
大人がいることに気づいて頷くホテルマン
「さ、どうぞ」
そう言って大人用2着、子供用2着を渡した
~ヨークシンシティ ホテル一室~
「今日が競売、か…」
落ち着かなげに、クラピカは部屋をうろつく
「落ち着いて♪」
センリツが笛を奏でてクラピカを落ち着かせる
「あぁ、すまない」
「いいのよ。あなたの大事なものが何かも教えてもらったことだし。理由が理由だものね」
緋の目、その競売の行方が気が気ではないクラピカ
だが、護衛の任から外れられずやきもきしていた
センリツの音色で落ち着いてはいるが、このヨークシンに幻影旅団がいる、その事も静かにクラピカの怒りを再燃させていた
~ヨークシン路地~
「さぁさぁ!次の挑戦者は!?」
レオリオが手を叩いて競売へ集客する
スッ
女性が手を挙げる
「お、可愛らしい女の子が挑戦かな」
鼻の下を伸ばすレオリオ
女性はずり下がったメガネを持ち上げながら席に着く
ゴンと手を握りあって準備は完了
(あれ?この女性…)
ゴンが不思議に思った瞬間
「レディー ファイッ!」
レオリオの合図で始まる
ミシッ
拮抗するゴンと女性
「んー」
「…………!」
そして
グググググッ パタン
徐々にゴンの側へ傾き勝敗がつく
女性はペコリと挨拶をして去っていく
「おいゴン、いま本気じゃなかったか?」
ボソリと呟くキルア
「うん、一体なんだろう…?」
「腕相撲のチャンピオンとかじゃねぇのか?」
キルアが茶化してその場は終わる
そしてその後も難なく競売は順調に進んでいた
~オークション会場~
「へ~、ここがなんとかっちゅう場所かぁ」
「お父さん、オークションだよ」
「パパ、楽しみだね!」
「一々服装を変えねばならんとは面倒なことだ」
悟空、ベジータ、悟天、トランクスの4人は、オークション会場へとやって来ていた
目標はグリードアイランド
そして受付で呼び止められる
「オークションカタログはお持ちですか?」
「なにそれ?」
悟天が聞き返すと、あからさまに侮蔑の目をして続ける受付員
「このオークション会場で行われる、全ての目録が掲載され、且つ入場チケットの代わりとなっております。購入できる方のみ入場が許可されております」
「ふーん。で、おばさんこれで足りる?」
ガチャ、とアタッシュケースを開けるトランクス
中には4億ゼニー
「…!も、もちろんですとも!ようこそオークション会場へ!」
1200万ゼニーを払い、カタログを受け取った悟空たちはオークション会場へと入っていった
~ヨークシン路地~
「さぁ、次は誰だ!?そろそろ疲れてきてるからやり時かもしれないぜ!」
レオリオが言葉巧みに挑戦者を誘う
「じゃぁやらせてもらおうか」
顔にターバンを巻いて素顔のわからない男が手を挙げる
肩には見慣れない動物も乗っている
「おい、ゴン。なんか…」
「うーん、なんか…」
顔が全くわからないため、見覚えがあるとは言えないが、何かが引っかかる2人
レオリオは何も感じていないようだ
ゴンと男は腕相撲の体勢に入る
「レディー ファイッ!」
ガギッ
ゴンが歯を食い縛って力を入れるが、全く動かない
「一般人にしてはだいぶ鍛えてるな…すまない」
ドンッ
そして腕は男性の側に倒れる
「ま、まじか…勝者、男性!」
呆気に取られるも、急いで勝ちを宣言するレオリオ
ここで渋れば客は付かなくなる
「さぁ、このダイヤは君のものだ!受け取ってくれ!」
鑑定書と共にダイヤを手渡す
受け取った男は顔は見えないが喜んでいるようだ
そして立ち去っていく男性を見ながら、レオリオたちは店じまいをする
「レオリオ、全然儲かんねぇじゃんか」
口を尖らせるキルア
「キルアの言うとおりだよ。まだ100人ともしてないよ?200万ジェニーくらい損してるもん」
2人の攻め口が上がるが、レオリオはニヤリと笑っている
「いいんだ、餌撒きってことよ。今日はもうすぐ日が暮れるし終わりだな。明日もやるぜ」
そして3人はホテルへ戻って行った
~ヨークシンシティ 廃墟ビル街~
幻影旅団のメンバーが揃っていた
ヒソカを除いて…
「欲しかったなぁ」
ダイヤを思い出して呟くシズク
「盗めばいいんだよ。オレたちは盗賊だからな」
大柄の男、フランクリンの手がシズクの頭を優しく包む
「そういうことだ」
スクッ と団長クロロが立ち上がる
「オークション会場の競売品、全てを盗む」
「そいつはやべぇよ、ここのマフィア全てを敵に回すことになるんだぜ!」
毛皮を纏った男、ウボォーギンが叫ぶ
「なんだ?怖いのか?」
「嬉しいんだよ…命令してくれ団長!!」
ふっ、と笑むクロロ
そしてクロロは言う
「全てを盗んでこい」
~オークション会場~
「長いよぉ」
「つまんねーの」
悟天とトランクスは完全にダレきっていた
目的のグリードアイランドの競売までが長く、入札が繰り返される同じシーンばかりで飽きていた
暫くしてすやすやと眠りに着く2人
「しょうがねぇなぁ」
頭をポリポリと掻く悟空
そして次の商品が運ばれてきたとき
次回はオークション会場で何かかが起こる!?
そのとき悟空たちは!?
皆さん、あたたかい声援ありがとうございます。
お陰さまで、執筆への力が湧いてきました。
再開は5月19日(土)の予定です。
それまでは少しずつメモ書きしながら書き溜めていきます。
本当にありがとうございます。