スーパーロボット大戦OG+A   作:おぐけい

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逃げられない過去

 アースクレイドル

「強化型グラビリオン……装甲にマシンセルが投入されていると聞きましたが……」

 現在急ピッチで進められているグラビリオンを見ながらアーチボルトは呟いた。

「それはあたしが使うぞえ」

 突如後ろから現れたアギハ・セトメがそう言った。

「何をするつもりなんです?セトメ博士」

「ハガネに乗っているサンプル、ラトゥーニ11そして最高傑作アウルム1を回収するんじゃ……今後の研究のためにな」

 セトメはさも当たり前の様に言った。

 

???

 目覚めよ、目覚めよ、お前はいつまで敵の中にいる?

「敵?」

 目覚めよ、お前は私、私はレビ・トーラ

ハガネ

 マイはそこで目を覚ました。あれは夢だったのか、いやどんな夢を見ていたかはもう覚えていない。だが耳に残っていることがあった。

「レビ、レビ・トーラ」

 何のことかはわからない。だが何度も呟いた。

 

本日テスラ研をインスペクターから奪取したからと言って闘いは続く、だがたった三人でテスラ研を奪取に成功したため、ハガネやヒリュウ改に戦力を補充することができた。ヴィレッタとアヤ、マヤが合流したので、SRXチームが揃ったことになった。だが一つ問題があった。それはマヤの過去だ。

「アヤとマイの念が動力すれば、バスターキャノンを使える話は分かった。でも、事情を知らないみんなが過去の話を知ったら、それにマヤがそのことを知ったら!」

 SRXチームだけで集まり、極秘の会議をしていた。R-1、R-2、R-3が揃ったことによりSRXの合体可能となり、さらにSRX専用の武装システムとして開発された機体R-GUNパワード配備され、その説明を受けたが会議の理由はそれだけではない。

「緘口令が引かれた本当の理由は何です?」

 レイは薄々気づいていたのか、ヴィレッタの方を見つめた。リュウセイは気づいていなかったのか、リュウセイもヴィレッタの方を見た。

「我々にも言えないことですか?」

 誰もが話さない状況の中ヴィレッタは口を開いた。

「……わかったわ、お前たちには本当のことを教える」

「隊長!?」

 アヤはヴィレッタに反応したが、ヴィレッタはそれを制した。

「マイの中には……レビ・トーラの残留思念が存在している」

 レビ・トーラとは先の大戦L5戦役で敵であった人物、そして敵の総司令官。マイは洗脳されて、レビという人物入れられていた。だが、その過去をマイは忘れている。そしてそれを知っているのはごくわずかだった。

「あの子にはまだ別人格化したレビが存在しているの」

「じゃあ、もしレビの念に支配されたら、また俺たちの敵に」

 リュウセイがそう言うと会議をしている扉が開いた。そおの扉を開けた人物はマイだった。

「私は……敵」

「それは違う!」

 リュウセイはすぐそう言うがマイは何処かへ走り出してしまった。そしてすぐにリュウセイとアヤはマイを追いかけた。

 

ようやく、真実に気づいたな

「やめろ!」

 恐れることはない、ただ受け入れればいい

「いやだ、わ、私は、お前じゃない……!」

 いや、お前は私……ジュデッカの巫女、レビ・トーラ

「私は、私は!!」

 

マイは走りながら誰かにぶつかった。それはアラド達だった。その勢いで、マイは転んだ。そして何度も呟いた。アラドに何かを言われた気がしたが、聞きたくない。また自分を敵だと言われるのが恐かった。

「私が、レビ……レビ・トーラ」

そうして立ち上がりまた走り出した。

 

「あの大丈夫ですか」

 アラドはぶつかり転んでいるマイに声をかけた。アクセルが戻ってくるとすぐにシミュレーターで今自分が使っている機体ビルドビルガーを使い、アクセルはかつてアラドが使っていたリオンに乗り闘っていた。そしてハンデとしてアラドは機体が撃破されたら負け、アクセルはアラドから一発を被弾したら負けと言う、アラド有利の闘いの中アクセルは使い慣れてない機体でありながら、アラドの攻撃を全て避け、被弾なしと言う圧倒的な強さだった。そのシミュレーターの帰りで、アラドの他には、アクセル、ラトゥーニ、シャイン王女そしてオウカがいた。

 そして倒れたマイにアクセルは何かを感じた。だがそれを言う前にマイは走り去った。その後すぐにマイが来た所からアヤとリュウセイが走ってきた。

「マイを見なかったか!?」

 何か慌てているようにアラド達に言った。

「あっちに走って行きました」

 アラドも何か異常状態に気が付いたのか、すぐにリュウセイに言った。

「わかった。」

「待て、リュウセイ……あいつは一体何者だ?」

 走りだそうとするリュウセイにアクセルはそう尋ねた。ヴィレッタ達が合流している時はアクセルはテスラ研にいて、さらに帰還してすぐにアラドとシミュレーターにいたため、まだ顔を合わせていなかった。だがリュウセイはアクセルがただ顔を合わせてないからマイのことを聞いているのではないことに薄っすらとだが気が付いていた。

「後で話す今は!」

 そう言うとリュウセイとアヤはマイが向かった先に走りだした。

「ラトラト、さっき奴が言っていたレビとは何だ?」

 状況がわからないアクセルはこの中で一番リュウセイたちと関わりのあるラトゥーニ尋ねた。

「前に話したL5戦役を覚えていますか?」

 ラトゥーニにアクセルにそう尋ねた。アクセルは無言で頷いた。

「その時の……敵の総司令官だった人です」

 そう言うとアラド達はリュウセイを追いかけた。そして何とか追いつきマイを探すためエレベーターに乗った。

「さぁ、話してもらうぞ、リュウセイ……あいつは一体なんだ?」

 アクセルはすぐに口を開いた。

「マイだ」

「いや、俺が聞きたいのは奴の奥底にいる邪気だ」

「邪気?」

 リュウセイはアクセルの言う邪気に反応した。

「ああ、そのマイと言うものの心は戸惑いがあった、だがその奥底には何かどす黒いモノを感じた……そいつは一体何だ?いや、一体何者だ?」

 アクセルそう感じたままのことをリュウセイに言った。

「それは……」

「いいわ、私から説明します」

 アヤはそう言いアクセルたちにマイのことを説明した

「マイはレビと言う人格を植え付けられ、その代償として過去の記憶を無くしたの」

「……あの時俺余計なこと言っちまったから」

「いえ、貴方の言う通り無理があったのよ」

 エレベーターが到着し、アヤは覚悟を決めたのか顔を上げた。

「過去と向き合わなければならない。あの子も私も」

 そうしてエレベーターから降りるとハガネからサイレンが鳴り響きR-GUNパワードが発進してしまった。

 

 

 そうしてアヤたちにも連絡が来てマイを追う任務が入ってきた。

「わかりました。直ちに追います」

「俺も手伝おう」

 そういいアクセルはリュウセイに言った。

「でも、アクセルあんた、休みなしで大丈夫なのか!?」

「ふん、心配するな、元の世界でも連戦は当たり前だ。こういうことには慣れっこさ、こいつがな」

「大尉、私も行きます」

「でしたら、私も向かいます」

「俺も!」

「私も行かせてくださいませ!」

 そういい、アクセル以外にもアラド達もそういった。

「ありがとう、副長には私から言っておくわ」

 そうして皆自分の機体に乗り込みマイを探しに向かった。

 

 

 マイは逃げていた。何から逃げているのかはわからなかったが、きっと自分自身、それにハガネからだったのだろう。マイは何も考えずに恐いものから逃げていた。だがその時機体から危険信号がでた。

「はっ!?ここは!?」

 マイは気が付いた。何も考えずに逃げていたため危険信号によりはっと目を覚まし周りを見ていた。

「敵?」

 モニターを確認すると約10機の小隊がこちらに近づいてくるのに気が付いた。

 

「認識終了、敵機体R-GUNです」

「ならT-LINKシステムを搭載しているかもしれんの」

 グラビリオンではセトメと数人の部下が乗り込み近くにいるR-GUNパワードを捉えていた。

「あやつはサンプルを誘き寄せる餌となる。それにパイロットが念動力者なら、ワシの研究に役にたつかもしれん、ブロンゾ27、奴R-GUNを捕え」

「はい、わかりました。母様」

 ゼオラはアギハからの命令を聞き、R-GUNパワードの方へ一機だけで向かった。

「ここで逃げたら……」

 マイはここで逃げたらハガネが見つかってしまう。そう思った瞬間心の奥底でささやく声がした。

 彼等は利用するんだ。そして

「い、いやだ!……私は」

 マイはそれを否定する。だがそうしている間に、攻撃が始まった。ファルケンからの銃撃を避けていった。

「うわぁああ!?」

 だが落ち着いている時ならまだしも、マイは完全にパニックを起こし、R-GUNで反撃しようにも簡単に避けられてしまった。

「抵抗をやめなさい!私たちの所に来れば、もう攻撃はしません」

 ゼオラから通信が入りマイはさらに困惑していた。

「わ、私をどうする気だ!?」

 マイはおびえながら答えた。

「あやつは、間違いない。特脳研にいたころの被検体の一人」

 セトメはゼオラと通信しているマイの姿を見てかつて自分が所属していた特殊脳研究所を思い出していた。

「おもや、生きていたとはの」

 

 

彼らを利用し

「いやだ!!」

 マイが心の中の声に対し叫んでいると、さらにファルケンからの攻撃が激しくなっていった。

「うわあぁ!!」

 被弾したR-GUNは危険信号を送っているがマイにはどうすることもできなかった。

「いやぁああ!」

 マイは死を意識した。だがファルケンから止めを刺すことはなかった。変形したR-ウイングがファルケンを牽制し、マイを救った。

「大丈夫か、マイ!」

 R-1に変形し、リュウセイはマイに通信を送った。

「リュウセイ?どうして私を?私はお前達の敵だったのに」

 マイは助けに来たリュウセイに困惑していた。

「今はそうじゃねー!」

「でも、私は存在しては行けない人間……」

「そんなことないわ!」

 マイはその通信にはっとし、空を見ると、R-3、さらにビルトビルガー、フェアリオン、ラピエサージュそしてソウルゲインが飛んでいた。

「過去がどうあれ、今は私の妹よ!あなたに真実を教えずにPTに乗せたことは謝りわ。でも私たちには貴方の力が必要なの」

 アヤはマイにそう言った。今は妹として、家族の一員として受け入れたマイに対してそう言った。

「アヤ」 

「これからの闘いを生き延び、インスペクターに襲われた人を救うためにも」

 

 

「ゼオラ!」

 アラドは目に前にいる機体・ビルトファルケンを見てそう呟いた。オウカもラトゥーニに気が付いたようで通信を入れようとするが、それはグラビリオン、セトメによって憚れた。

「かかか、懐かしい顔が揃ったな」

 

「その声は、セトメ博士!?」

「セトメ博士……」

 アラド達がそう呟いた。

「久しぶりじゃな、ラトゥーニ11よ」

「11?」

 セトメが言ったことにリュウセイは反応した。

「それがそやつの本当の名じゃ、ラトゥーニクラスの11号、だからラトゥーニ11」

「ふん、どこの世界でも同じことをする奴がいるか……ふん、業は深いか」

 アクセルはそのことを聞いて、かつての戦乱を思い出した。彼が救えて、救えなかった彼女たちを思い出した。

「ほう、何じゃ……お前は?ワシの研究材料の価値もない男が」

 セトメに取っての人間とは自分の研究に役に立つか、立たないかのその二つしかないためアクセルに対し、目の前に蟲が飛んでいるような感覚でしかなかった。

「ラトラト、俺の世界にも同じような仲間がいた……それにマイと言ったな、俺たちの世界にも世界を滅ぼそうとした仲間がいた……そもそも俺自身も世界の敵だったんだ、だから気にする必要はない」

 アクセルはかつての自分を思い出しながらマイやラトゥーニの二人に、いや、そこにはオウカやアラドも含まれていただろう

「何が言いたい?」

 自分の喋っている途中に自分には価値もない男に邪魔されたため、セトメは苛立っていた。

「……貴様の『戦争』には何もない。理想も大義も……信念すら、『人形』以下の下衆が……失せろ、世界からな!!」

 

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