DATE・A・LIVE The Snatch Steal   作:堕天使ニワトラ

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プロローグ

―――白、白、白。そこは辺り一面何もない真っ白な空間。

音も光もなく、完全な『無』を体現しているかのような世界が広がっていた。

無の静寂が漂う中、そこに何の前触れもなく、天から一筋の光が照らされる。

スポットライトのように照らされた箇所に金色の輝きを放つ粒子が集まり、それは人間のシルエットを思わせる姿を象った。

 

―――目覚めよ。

 

人の形をした『それ』が発した言葉は、空間全体に行き渡るように響く。

するとその目の前に金色、銀色、青銅色、灰色の様々な色の粒子のような光が灯った。

しばらく空中を漂うと、それが1ヶ所に集まって人のシルエットを形取る。

そこへ上空から黒い宝石のような球体が飛来し、その中心へと入り込んでいく。

すると粒子の集合体が霧散し、中から銀色の髪を長く伸ばした青年が出現した。

 

「ん……」

 

それからすぐに青年は目を開き、その白一色しかない世界を見た。

 

「……!?……な、なんだここは……!?」

 

見慣れぬ光景に青年は困惑し、慌てて周囲を見回す。

 

―――旅立ちの時だ。零。

 

「え……?」

 

突如として聞こえてきた声に反応し、青年はそちらを見る。

そこには金色の輝きを放つ粒子で構成された、人のシルエットのような何かがいた。

 

「……!……だ、誰だあんたは……!?」

 

目の前の謎の存在を前に、青年は後退りながら身構える。

ここはいったいどこなのか。なぜこんな場所にいるのか。

そんなことを考えていると、そこで青年は自分の身に起こっている異常に気付いた。

世創零(よつくり れい)。それが自分の名前であることは理解できる。

……だが、それ以外のすべてが記憶になかった。

自分が何者で、何故こんな場所にいるのか。そしてここに来る前に何をしていたのかを。

 

―――零。

 

金色の何かは、手に持っていたものを零に差し出す。

 

「……?……何だよ?」

 

零は恐る恐るそれを受け取り、それがごく普通のサバイバルナイフであることがわかった。

 

―――これから1年間、ただ生き残ることだけを考えろ。これを乗り越えれば、どんな困難にも立ち向かって行けるだけの強さが身に付くはずだ。

「は?なにを言って―――」

 

零がその言葉の意味を問いただそうとした瞬間、金色の『何か』の光がより強くなる。

 

「うぉっ……!?」

 

零は咄嗟に腕で防ぎ、何が起こるのかわからない状況に備えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――数秒後に光が止み、零は恐る恐る腕を下ろす。

 

「…………は?」

 

目の前に広がっていたのは、ジャングルを思わせる密林地帯だった。

 

 

 

 

 

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