Spirit   作:藺草影志(OVERBLOOD)

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目次

luterlude 1.「G退治奮闘記」

luterlude 2.「お姫様抱っこ」

luterlude 3.「secret night」

finai luterlude.「私の妹たち」


End luterlude film「色々」

luterlude 1.「G退治奮闘記」

 

木組みの家と石畳みの街。

 

爽やかな風が草木を揺らし、暖かい風が吹き抜け始めた季節。

 

小さな喫茶店、ラビットハウスで『そいつ』は姿を現した……。

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

チノ「っ……!!!!!??」

 

 

G カサカサ

 

 

チノ「ご、ごごごご……っ!!」

 

 

カサカサ

 

 

チノ「ひっ!?ひ、ひとまず退却ですっ!!」ダダッ

 

 

ガチャッ バタン

 

 

 

チノ「はぁ……はぁ……!」

 

 

チノ「くっ……ついに現れましたか!」

 

 

チノ「ココアさんもリゼさんも父もいない間を見計らって侵入するとは……さてはプロですねっ!」カッ

 

 

チノ「相手は真冬の地獄を乗り越え、生き抜いてきた不死身の黒光り……油断できません!」

 

 

チノ「まずはこちらも武器を整えましょう!ママレモン、冷却スプレー、殺虫剤にハエ叩き……」

 

 

チノ「ハエ叩きと殺虫剤は……あった!あとは台所からママレモンを……――っ!?」

 

 

G ドアノスキマ カサカサ

 

 

 

チノ「っ~~~~っ!!!?」

 

 

チノ(簡単にやられるわたしではありません、2階へ退却!!)ダダッ

 

 

 

 

チノ「はぁ……はぁ……!」

 

 

チノ(間違いありません、彼奴は白昼堂々とわたしを殺るつもりです!)

 

 

チノ(このままここに身を隠していても見つかるのは時間の問題……ならば、こちらから一気に畳みかけたほうが!)

 

 

チノ(こちらの戦力はわたしひとり、しかも武器はハエ叩きと殺虫剤だけ……しかし、飛び道具と近接攻撃を手に入れられただけ幸いです)

 

 

チノ(それに相手は一匹……プロとはいえ、所詮はG……この勝負、いけます!)

 

 

チノ「負けられません……っ!」ゴゴゴ

 

 

チノ「っ!」タタタ

 

 

 

 

チノ「…………」ゴクリ

 

 

チノ「…………」キョロキョロ

 

 

チノ(いませんね……厨房のほうでしょうか)

 

 

――ガチャッ

 

 

 

チノ「……見当たりません」

 

 

チノ(まさか……危険を察知して逃げた?彼奴はプロ、ありえますね)

 

 

チノ「むっ……!」

 

 

チノ「殺気!?」バッ

 

 

G カサカサ

 

 

チノ「現れましたね……!逃げずに立ち向かってくるとは心意気だけは褒めてあげます!」

 

 

チノ「しかし、勇気と無謀は違います!あなたの無謀は命取りです!」シューッ!

 

 

バッ

 

 

チノ「なっ……弾道を見切った!?」

 

 

ガサガサガサ!

 

 

チノ「ひっ!?通常の3倍速……!」

 

 

チノ「ならば白兵戦です!とりゃーっ!!」バシッバシッ!

 

 

ブゥーン

 

 

チノ「と、飛ぶなんて卑怯です!」ブンブン!

 

 

カサカサ!

 

 

チノ(逃げられましたか……敵ながらあっぱれです)

 

 

チノ(しかしあの様子、奴は完全にわたしを恐れています)

 

 

チノ(今なら一方的に押し切れます、いざ!)ダダダ

 

 

 

チノ「2階に上がりましたね、わたしの直感がそう言っています!」

 

 

チノ「……!?」

 

 

チノ(ということは……まさか!)

 

 

 

 

――チノの部屋――

 

 

 

――ガチャッ

 

 

チノ「っ!」バッ

 

 

G サササ

 

 

チノ「やはり……わたしとココアさんの愛の巣に土足で侵入するとは、許せません!」

 

 

チノ「その罪、死して償ってもらいます!とぁ!」バシバシッ!

 

 

ベッドノシタ ササッ

 

 

チノ「あっ」

 

 

チノ「往生際の悪い……もう隠れても無駄ですよ」

 

 

チノ「せめてもの情けです、そのまま隠れてスプレー攻めか、潔く出てきてハエ叩きか、決めさせてあげます」

 

 

シーン……

 

 

チノ「無視ですか、ならばスプレーです!」プシューッ

 

 

ガサガサ

 

 

チノ「今さら降伏なんて手遅れ――……っ!?」

 

 

G×2

 

 

チノ「に、二匹!?そのためにわざわざここをフィールドに……!」

 

 

ガサガサ ブーン

 

 

チノ「うにゅ~伏兵なんてずるいです!このっこのっ!」バシバシッ

 

 

グシャッ!

 

 

チノ「や、やりました!あとは隠れていた方を……!」

 

 

ササッ

 

 

チノ「逃がしません!――あれ?」

 

 

シュ~……

 

 

チノ「弾切れ!?そんな!」

 

 

カサカサ!

 

 

チノ「あっ……」

 

 

チノ「……まぁ良いでしょう、次で最終ラウンドにしてやります」ゴゴゴ

 

 

チノ(飛び道具はこれでゼロ……お互い白兵戦のみで、1対1の対決……)

 

 

チノ(ママレモンや新しい武器を補充に行けますが、わたしはそんな卑怯なことはしません)

 

 

チノ(いざ、尋常に!)バッ

 

 

 

ガチャッ

 

 

 

チノ「廊下にいない……!?」

 

 

チノ(しかし気配は残っています……まだ2階にいますね)

 

 

チノ(様子を伺っているのでしょうか、もしくはまた増援を……)

 

 

チノ「――!」

 

 

チノ「………………」

 

 

チノ「…………」

 

 

チノ「……」

 

 

チノ「」

 

 

 

――ココアの部屋――

 

 

チノ「…………」ガチャッ

 

 

チノ「!」

 

 

G ココア ベッド

 

 

チノ「」

 

 

チノ「……やりましたね」

 

 

チノ「とうとう……わたしを本気にさせましたね!」ゴゴゴ

 

 

チノ「この世で一番神聖な場所を侵した罪……覚悟!!」

 

 

チノ「ふみゃああっ!」バシッバシッ

 

 

G ブーン!

 

 

チノ「捨て身特攻ですか!今更そんなものに怯むわたしではありません!」

 

 

ヒョイ

 

 

チノ「ああっ!ココアさんのベッドに乗っちゃダメです!そこはわたしの場所です!」バシバシッ

 

 

G ブーン ピタッ

 

 

チノ「っ……!?」

 

 

カサカサ!

 

 

チノ「ひっ……ひ……!」

 

 

 

チノ「ひゃああああっ!!!」

 

 

 

……。

 

…………。

 

………………。

 

 

 

タカヒロ「ココアくんリゼくん、すまなかったね」

 

 

リゼ「いえ、こんなのお安い御用ですよ」

 

 

ココア「チノちゃん一人で寂しがってないかな」

 

 

タカヒロ「ただいま」ガチャッ

 

 

ココア「チノちゃーん、ただいま!って、あれ?」

 

 

ココア「チノちゃんは……?」

 

 

フミャアアアア!

 

 

リゼ「!?」

 

 

リゼ「チノの悲鳴……!」

 

 

ココア「リゼちゃん!」

 

 

リゼ「分かってる!いくぞっ!」ジャキ

 

 

 

 

ココア「部屋にいない……まさかわたしの部屋!?」

 

 

リゼ「こっちか……!」

 

 

ガチャッ!

 

 

リゼ「チノっ!無事か!?」ジャキ

 

 

チノ「」

 

 

ここあ「チノぢゃんっ!!?」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

チノは気を失った状態で発見された。

 

ココアのベッドの上で倒れていたその表情は、なぜか穏やかで満たされていたという。

 

 

聞くところによると、留守の間にどうやらGと遭遇しててんやわんやの騒動があったらしい。

 

1匹は仕留めたらしいが、もう1匹には逆に仕留められてしまったようだ。

 

4人で探し回ったが、結局生き残りのGは見つからなかった。

 

逃げたのであれば別に良いが、営業中にまた現れたりしたら大変だ。

 

 

こうしてチノの奮闘記は幕を閉じた……はずだったのだが。

 

 

 

チノ「…………」プクー

 

 

ココア「ねぇリゼちゃん、最近のチノちゃんなんだかご機嫌斜めじゃない?」ヒソヒソ

 

 

リゼ「ああ、たぶんやられてしまったのが余程悔しかったんだろうな」ヒソヒソ

 

 

チノ「」ピクッ

 

 

チノ「わたしは負けていませんっ!!」バンッ!

 

 

ココア「ひゃあっ!」

 

 

リゼ「聞こえてたのか!?」

 

 

チノ「飛び道具を補充していればわたしの勝利だったんです!彼奴を信じてフェアプレイを挑んでしまったのが勝敗を分けただけです!」

 

 

リゼ「そ、そうか、すまない」

 

 

ココア(飛び道具ってなんだろう)

 

 

チノ「今度会った時は全力で仕留めるんです、それまでこの勝負は向こうに預けておきました」

 

 

リゼ「ゴキ〇リに勝負を預けてどうするんだ……――って、ココア!?足元っ!」

 

 

ココア「へっ?」

 

 

G カサカサ

 

 

ココア「ヴぇああああっ!!?」バッ!

 

 

チノ「そいつは……あの時の!ついに現れましたね!」

 

 

リゼ「分かるのか!?」

 

 

チノ「こやつです、間違いありません!今日こそ雪辱を晴らしてこの戦いに終止符を打ちます!」

 

 

チノ「待っててください、台所からママレモンを――」

 

 

ココア「チノちゃん早くしてぇ!!」バタバタ

 

 

カサカサ ――グシャッ!

 

 

ココア「あっ……」

 

 

チーン……

 

 

リゼ「ココアの足元に……どうやら自滅したようだな」

 

 

ココア「うぅ~最悪だよ、わたしのブーツが――」

 

 

ココリゼ「……はっ!!」

 

 

 

チノ「………………」

 

 

 

チノ「わたしの、カタキが……」

 

 

リゼ「ち、チノ、きっとお前を倒したのはこいつじゃなかった!気のせいだ、なっ?」

 

 

ココア「そ、そうだよ!それにわたしとチノちゃんは姉妹だし、代わりにお姉ちゃんが倒したってことでも――」

 

 

チノ「っ……!」プクー

 

 

ココア「あわわ……!」

 

 

チノ「もう知りませんっ!みんな敵です!嫌いですっ!!」ジタバタ

 

 

リゼ「チノっ!落ち着けぇ!」

 

 

ここあ「お姉ちゃんが悪かったからぁ!!」

 

 

 

こうしてチノちゃんの真の戦いは、ココアちゃんのスタンピングによって幕を閉じた……。

 

この後、タカヒロさんがチノちゃんにバレないようこっそりゴキブリホイホイを仕掛けておいたのは言うまでもない……。

----------------------

 

luterlude 2.「お姫様抱っこ」

 

――

 

――――

 

――――――

 

 

リゼ「……………………」

 

 

リゼ(2月14日……今日はわたしの誕生日、そしてバレンタインデー)

 

 

リゼ(優しいみんなのことだ、恐らくお祝いしてくれるだろう)

 

 

リゼ(しかし、一方的にサプライズされるだけというのも面白みがない)

 

 

リゼ(そこで今年は裏をかいてこちらからもサプライズを仕掛けることにしよう)

 

 

リゼ(……そうだな、いきなりお姫様抱っこでもしてみるか)

 

 

リゼ(さて、まず最初は――――)

 

 

 

Case1 シャロ

 

 

 

――待ち合わせ場所――

 

 

リゼ「………………」

 

 

シャロ「リゼ先輩、お待たせしました!」

 

 

リゼ(おっ、来たか)

 

 

シャロ「遅くなってすいません」ハァハァ

 

 

リゼ(手に提げているのは恐らくわたしへのプレゼントとチョコレートだろうな)

 

 

 

リゼ(さて、どのタイミングでいこう……)

 

 

シャロ「あの、リゼ先輩……?」

 

 

リゼ「んっ?ああ、すまない、ぼっとしてた」

 

 

シャロ「いえ……その……」モジモジ

 

 

シャロ「こ、これ……」スッ

 

 

リゼ「?」

 

 

シャロ「お誕生日、おめでとうございます!」

 

 

リゼ「!」

 

 

シャロ「2月14日、今日ですよね?あと、バレンタインデーですのでチョコレートも入ってます」

 

 

リゼ「これを……わたしに……」

 

 

シャロ「その……一生懸命選びましたので、受け取ってもらえますか?」

 

 

リゼ「…………」

 

 

シャロ「……?リゼ先輩……?」

 

 

リゼ「…………」

 

 

リゼ「……シャロ」

 

 

 

――スッ ヒョイ

 

 

 

シャロ「!」

 

 

リゼ「…………」

 

 

シャロ(こ、これ、お姫様抱っこ……!!?)

 

 

シャロ「りり、りぜしぇんぱいっ……!!?//」

 

 

リゼ「ありがとう、嬉しいよ」

 

 

シャロ「は、早く降ろしてくださいっ!!わたし重いですから!//」

 

 

リゼ「重くないぞ、全然」

 

 

シャロ「あわわ……き、急にどうしてこんな……!?//」

 

 

リゼ「ごめん、嬉しくてつい、な」

 

 

リゼ「優しいシャロを見てたら、なんだか抱っこしたくなった」ニコッ

 

 

シャロ「はぅゎ……ぁ……っ!//」

 

 

リゼ「ありがとう。わたしからのお返しも受け取ってもらえるか?」

 

 

シャロ(リゼ先輩からのお返し……!?それってまさか……キス!!?//)

 

 

リゼ「シャロ……」

 

 

シャロ(待って、まだ心の準備が……ぁあ……っ!!//)

 

 

リゼ「チョコレート、かばんに入れてあるからそろそろ降ろしても――」

 

 

シャロ「~~~っ//」ガクッ

 

 

リゼ「!?」

 

 

シャロ「ほぇ……ぇぁ……//」プシュー

 

 

リゼ「シャロ!?どうしたんだ!しっかりしろ!おい!」

 

 

シャロ「しあわせぇ……」

 

 

リゼ「シャロぉ!!?」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

リゼ(なぜか気を失ってしまった……)

 

 

リゼ(唐突過ぎたのかな、シャロは臆病だしこれからは気をつけないと)

 

 

リゼ(まぁ無事にお返しのチョコレートは渡せたし、良しとしておこう)

 

 

リゼ(さて……次は――)

 

 

 

 

Case2 千夜

 

 

――帰り道 甘兎庵前――

 

 

リゼ「♪~♪♪」

 

 

千夜「リゼちゃん」

 

 

リゼ「んっ?」

 

 

千夜「おかえりなさい」ニコッ

 

 

リゼ「千夜か、ただいま」

 

 

千夜「これからラビットハウス?」

 

 

リゼ「ああ、このまま向かおうと思う」

 

 

千夜「そう……」

 

 

リゼ「とはいっても、今からだと少し早いが」

 

 

千夜「ほんと!それなら少しだけ寄っていかない?リゼちゃんにごちそうしたいメニューがあるの」

 

 

リゼ「……そうだな、なら30分だけ」

 

 

千夜「リゼちゃんご案内~♪」

 

 

リゼ(次は千夜か、反応が楽しみだ)

 

 

 

 

千夜「はいリゼちゃん、お疲れさま」コトッ

 

 

リゼ「んっ、ありがとう」

 

 

千夜「そしてこちらがバレンタインデーの特別メニューです」

 

 

リゼ「チョコの代わりに餡子を使ってるのか、おいしそうだな」

 

 

千夜「あとでココアちゃんやシャロちゃん、チノちゃんにもごちそうしてあげるの」

 

 

千夜「リゼちゃんのだけ特別に、上からきな粉のトッピングよ」

 

 

リゼ「はは、わたしだけ贔屓していいのか?」

 

 

千夜「もちろん。だって今日は、リゼちゃんのお誕生日だもの」

 

 

リゼ「!」

 

 

千夜「はい、これ」スッ

 

 

リゼ「……!」

 

 

千夜「お誕生日おめでとうリゼちゃん、これからもずっと仲良くしてね」ニコッ

 

 

リゼ「…………」

 

 

千夜「そのプレゼント、シャロちゃんと一緒に選んだの。気に入ってもらえるといいんだけど……」

 

 

リゼ「…………」

 

 

千夜「あら……リゼちゃん?」

 

 

リゼ「……千夜」ガタッ

 

 

千夜「どうしたの?」

 

 

リゼ「…………」

 

 

千夜「?」キョトン

 

 

 

――スッ ヒョイ

 

 

 

千夜「!」

 

 

リゼ「おっ……千夜も軽いな」

 

 

千夜「えっ……え……」

 

 

リゼ(いい香りがするな、着物からだろうか)

 

 

千夜「り、リゼちゃん……?」

 

 

リゼ「んっ、なんだ?」

 

 

千夜「どうしたの?これ、お姫様抱っこよね……?」

 

 

リゼ「んー…友達想いの千夜を見てたら急にしたくなった」

 

 

千夜「え……」

 

 

リゼ「ありがとう、このためにわざわざ誘ってくれたんだよな」

 

 

リゼ「千夜のそういう優しいところ、好きだぞ」

 

 

千夜「!」

 

 

リゼ「プレゼント、大切にするよ。いつもありがとうな、千夜」ニコッ

 

 

千夜「っ………//」

 

 

リゼ「驚かせてすまない、すぐに降ろすから――」

 

 

千夜「リゼちゃん、待って」

 

 

リゼ「?」

 

 

千夜「……もう少しだけ、このままがいい」

 

 

リゼ「……千夜」

 

 

千夜「ごめんなさい……リゼちゃんの誕生日なのに、わたし……」

 

 

リゼ「クスッ……いいぞ、別に」

 

 

千夜「……」ギュッ

 

 

リゼ「千夜の髪はサラサラだな」

 

 

千夜「ふふっ……これじゃあわたしの誕生日みたいね//」

 

 

千夜「リゼちゃん、ありがとう……//」ニヘラ

 

 

リゼ「わがまま言いたいときは、これからもちゃんと言ってくれよ」

 

 

千夜「うん……//」ニコッ

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

リゼ(甘えんぼうな千夜、可愛かった)

 

 

リゼ(喜んでくれていたし、サプライズは成功か)

 

 

リゼ(千夜は意外と奥ゆかしいから、これからも気を配ってやらないと)

 

 

リゼ(さて、次は……)

 

 

 

 

Case3 ココア

 

 

――更衣室――

 

 

リゼ(ギリギリ間に合ったな……)ホッ

 

 

リゼ(さて、早く着替えて……)

 

 

ゴトン

 

 

リゼ「!」バッ

 

 

シーン

 

 

リゼ(人の気配……まさか、泥棒か!?)

 

 

ゴトッ ガタッ

 

 

リゼ(このロッカーの中から音が……間違いない!)

 

 

リゼ(弾は……よし、満タンだな)

 

 

リゼ「……っ!」

 

 

――ガチャッ

 

 

リゼ「手を上げろ!武器を捨てて大人しく――」ジャキ

 

 

ココア「ヴェアアアアっ!!?」

 

 

リゼ「――って、ココア!?」

 

 

ココア「リゼちゃん落ち着いて!まずは銃を下ろして!」

 

 

リゼ「どうしてこんなところに……てっきり泥棒だと思ったぞ」

 

 

ココア「初対面の時のわたしの気持ち分かってくれた?」

 

 

リゼ「ごほん!で、一体何をしてたんだ?」

 

 

ココア「ほんとはサプライズのつもりだったんだけど……見つかっちゃった」ガサッ

 

 

リゼ「んっ、それって……」

 

 

ココア「リーゼちゃん、はい!」

 

 

ココア「お誕生日おめでとう!これ、チョコレートと誕生日プレゼントだよ」

 

 

リゼ「!」

 

 

ココア「今年のはすごいよ~、チノちゃんのお父さんがミリタリーに詳しいから一緒に選んでもらったの」

 

 

ココア「リゼちゃんが喜んでくれるものは、いつも一緒にいるわたしが一番良く知ってるからね」フンス

 

 

リゼ「……!」

 

 

ココア「リゼちゃん、喜んでくれた?びっくりした?」ワクワク

 

 

リゼ「………………」

 

 

ココア「……?リゼちゃん?」

 

 

リゼ「………………」

 

 

リゼ「……ココア」

 

 

 

――スッ ヒョイ

 

 

 

ココア「!」

 

 

リゼ「…………」

 

 

ココア「リゼ、ちゃん……?」

 

 

リゼ「ココア……ありがとう。サプライズ、大成功だぞ」

 

 

ココア「う、うん……良かった//」

 

 

リゼ「ふふっ」ニコッ

 

 

ココア「リゼちゃん……?」

 

 

リゼ「んっ、どうした?」

 

 

ココア「えっと……これって……//」

 

 

リゼ「知らないのか?お姫様抱っこだ」

 

 

ココア「うん、それは分かるけど……//」

 

 

リゼ「……?」

 

 

ココア「うぅ……//」

 

 

リゼ「……嫌か?」

 

 

ココア「ううん、嫌じゃないよ!ただ……その……//」ゴニョゴニョ

 

 

リゼ「嫌じゃないならもう少しだけ」ギュッ

 

 

ココア「あ……//」

 

 

リゼ(ココアにしてはやけに大人しいな、心なしか顔も赤いし……)

 

 

ココア「…………//」ジッ

 

 

リゼ「わたしの顔になにかついてるか?」

 

 

ココア「ううん。……リゼちゃん//」

 

 

リゼ「んっ……?」

 

 

ココア「ありがとう……逆にサプライズされちゃったね//」ニコッ

 

 

リゼ「どういうことだ?」

 

 

ココア「ううん、なんでもない//」

 

 

ココア「えへへ、リゼちゃん……//」

 

 

リゼ「おいおい、どうしたんだ」クスッ

 

 

ココア「いつも優しいリゼちゃんが大好きだよ//」ニヘラ

 

 

リゼ「……ありがとう//」

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

リゼ(ココアの新たな一面が見られた、デレデレココアは可愛い)

 

 

リゼ(しかし眠ってしまったのは予想外だった、とりあえず部屋のベッドにうつしておいたが)

 

 

リゼ(まぁこの後チノに仕掛ける予定だし、ちょうど良かったかな)

 

 

リゼ(さて……いくか)

 

 

 

 

CaseFinal チノ

 

 

リゼ「チノ、すまない遅くなったな」タタタ

 

 

チノ「リゼさん、ココアさんは?」

 

 

リゼ「部屋で寝てるよ、更衣室で話してたら眠ってしまった」

 

 

チノ「まったく、しょうがないココアさんです」

 

 

リゼ「もう4時半か、お客さん来るといいけど」

 

 

チノ「今日はバレンタインデーですね……リゼさんは、やはり?」

 

 

リゼ「ああ、後輩たちからどっさりもらったよ」

 

 

チノ「例年どおりですね」

 

 

リゼ「今年もホワイトデーが大変だ」

 

 

チノ「……あの、リゼさん?」

 

 

リゼ「?」

 

 

チノ「……これ、わたしからリゼさんに」スッ

 

 

リゼ「チョコレート?」

 

 

チノ「はい、いつもお世話になっているお礼です」

 

 

リゼ「くすっ、ありがとうチノ、あとでわたしからもあげるからな」

 

 

チノ「はい。……それと」モジモジ

 

 

リゼ「んっ?」

 

 

チノ「これ……」スッ

 

 

リゼ「!」

 

 

チノ「リゼさん、お誕生日おめでとうございます」

 

 

チノ「今年のプレゼントはココアさんや千夜さん、シャロさん、みんなと相談して決めました……きっと、喜んでもらえると思います」

 

 

チノ「いつもわたしのことやラビットハウスのこと、みんなのことを気にかけてくださってありがとうございます」

 

 

リゼ「……チノ」

 

 

チノ「これからもずっと、優しいリゼさんでいてくださいね」

 

 

チノ「できることなら、ずっとラビットハウスに……」ボソッ

 

 

リゼ「………………」

 

 

チノ「リゼさん……?どうかしましたか?」

 

 

リゼ「………………」

 

 

――スッ ヒョイ

 

 

チノ「!」

 

 

チノ「リゼさん……?」

 

 

リゼ「大丈夫、これからもずっとそばにいるぞ。……いや、違うな」

 

 

リゼ「チノさえよければ、ずっとここにいさせてくれ」

 

 

チノ「!」

 

 

リゼ「ラビットハウスに来てほんとによかったよ」

 

 

リゼ「ココアと出会えて、千夜やシャロと友達になれて……チノとも仲良くなれた」

 

 

リゼ「わたしはチノも、ラビットハウスのことも、みんなのこと、大好きだぞ」

 

 

チノ「リゼさん……」

 

 

リゼ「チノ……ありがとう」

 

 

チノ「……はい//」ニコッ

 

 

リゼ「それにしてもチノは軽いな。ちゃんとご飯食べてるか?」

 

 

チノ「そんなことないです、ココアさんはわたしのこともふもふしてるって言いますし……」

 

 

リゼ「あれはそういう意味じゃないと思うが」

 

 

チノ「ならどういう意味ですか?」

 

 

リゼ「……そうだな」

 

 

――ギュッ

 

 

チノ「!」

 

 

リゼ「ただ、チノに抱きつくとあたたかいからだと思うぞ」

 

 

チノ「……むぅ//」

 

 

リゼ「ははっ、納得いかないか」

 

 

チノ「……いきなりお姫様抱っこなんて驚きました//」

 

 

リゼ「すまないな、急に」

 

 

チノ「いえ、嬉しいです。リゼさんも、あたたかいですから……」ギュッ

 

 

リゼ「……チノ?」

 

 

チノ「これからもずっと、一緒にいてくださいね、ずっと……」

 

 

リゼ「……ああ、もちろんだ」

 

 

チノ「リゼさん、お誕生日おめでとうございます」ニコッ

 

 

結論:みんな反応が可愛い。

 

 

 

CaseEXTRA リゼ

 

 

 

リゼ(今日はいい一日だった……)フゥ

 

 

――トントン

 

 

リゼ「?」

 

 

リゼ父「リゼ、俺だ」

 

 

リゼ「んっ、親父か。入っていいぞ」

 

 

リゼ父「……」ガチャッ

 

 

リゼ「どうしたんだ?」

 

 

リゼ父「……今日、誕生日だろう。ほら」

 

 

リゼ「……!覚えててくれたのか?」

 

 

リゼ父「家族の誕生日を忘れるはずないだろう」

 

 

リゼ「親父……」

 

 

リゼ父「今年から大学生か。頑張るんだぞ」ポンッ

 

 

リゼ「…………」

 

 

リゼ父「明日も早いだろう、早く寝ろよ。……おやすみ」

 

 

リゼ「親父、待ってくれ」

 

 

リゼ父「?」

 

 

リゼ「……これ」スッ

 

 

リゼ父「チョコレート?」

 

 

リゼ「今日バレンタインデーだから……これ、親父の分」

 

 

リゼ父「俺の分?リゼが、俺のために……?」

 

 

リゼ「これからもずっと、尊敬できる父親でいてくれ」

 

 

リゼ父「!」

 

 

リゼ「お父さん……いつも、ありがとう//」ボソッ

 

 

リゼ父「……!」

 

 

リゼ父「………………」プルプル

 

 

リゼ「お、親父?どうしたんだ?」

 

 

リゼ父「……リゼぇぇっ!!!」ブワッ

 

 

リゼ「うわっ!?」

 

 

リゼ父「好きだ!!だいすきだ!!」ヒョイ

 

 

リゼ「うわぁあ!!や、やめろっ!//」

 

 

リゼ父「いくつになっても俺の娘は天使だっ!」スリスリ

 

 

リゼ「わかったから離れろ!髭痛いって!!」

 

 

リゼ父「リゼ、嬉しいぞ、リゼぇ……」グスグス

----------------------

 

luterlude 3.「secret night」

 

――天々座家――

 

 

リゼ「ただいま」ガチャッ

 

 

ここあ「ただいま!」

 

 

使用人「お嬢!小さぇお嬢もおかえりなさいませ!よくぞご無事で……」

 

 

リゼ「ただの合宿だろう、おおげさだな」クスッ

 

 

ここあ「ゆうしゃさん!」タタタ

 

 

使用人「おっと……」ポスッ

 

 

ここあ「きょうからまた、よろしくおねがいします」ニヘラ

 

 

使用人「こちらこそ、お嬢のこと頼みますよ」

 

 

ここあ「わたしにまかせなさーい」ガシッ

 

 

リゼ「ところで……親父は?」ファイティングポーズ

 

 

使用人「お嬢、警戒せずともあの方でしたらまだ帰宅していません」

 

 

使用人「恐らく8時ごろまで帰ってこないと思いますのでご安心くだせぇ」

 

 

リゼ「よし、ひとまず第一関門はクリアか。あとは奇襲されないように警戒しないとな」

 

 

 

ここあ「おとうさん、まだかえってこない?」

 

 

使用人「明日には帰っていますよ、心配なさらずとも大丈夫です」

 

 

リゼ「汗でべとべとだ、お風呂湧いてるか?」

 

 

使用人「もちろんです。夕食はその後に?」

 

 

リゼ「いや、わたしもここあももう食べてきた」

 

 

ここあ「『らびっとはうす』でぱーてぃーしたの、たのしかったよ」

 

 

使用人「そうでしたか、それはよかった」

 

 

リゼ「さてここあ、挨拶も済んだしお風呂に入るか」

 

 

ここあ「うん!りぜちゃんとおふろ~!」タタタ

 

 

リゼ「あっ、走ったら危ないぞ」

 

 

使用人(やっといつもの日常が……この1週間、正直かなり辛かった)ガクッ

 

 

メイド「?」

 

 

ここあ「りぜちゃんはやく~」

 

 

リゼ「そんなに急がなくても大丈夫だぞ」クスッ

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

――バスルーム――

 

 

リゼ「かゆいところ、もうないか?」ワシャワシャ

 

 

ここあ「うん、だいじょーぶ」

 

 

リゼ「よし、つぎは顔を洗うからちゃんと目を瞑っておけよ?」

 

 

ここあ「んっ」

 

 

リゼ(言われた通りに眼を瞑ってる……可愛いな)ポワン

 

 

ここあ「りぜちゃん?」

 

 

リゼ「……それ!」コチョコチョ

 

 

ここあ「ひゃっ!?あははっりぜちゃんだめぇ!//」

 

 

リゼ「油断しているやつが悪い!」コチョコチョ

 

 

ここあ「ひぁん!おなかだめぇ!あはははっくすぐったいよぉ!//」

 

 

リゼ「……//」ゾクゾク

 

 

リゼ(いかん、変な気分になってきた……//)スッ

 

 

ここあ「はぁ……はぁ……もう、りぜちゃんきらい//」プクー

 

 

リゼ「ごめんな、久しぶりにここあとお風呂に入れたのが嬉しくて」

 

 

ここあ「えへへ♪もう、しょうがないからゆるしてあげるね」ニコッ

 

 

リゼ「ありがとう、ここあは優しいな」ナデナデ

 

 

ここあ「りぜちゃん、はやくおかおあらって?」

 

 

リゼ「ちゃんと目、閉じてるんだぞ」ゴシゴシ

 

 

ここあ「うん♪」

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

リゼ「いま一緒にお風呂に入ったところだ」

 

 

千夜「そう、ここあちゃん喜んでたでしょ?」

 

 

リゼ「ああ、湯船でもはしゃいで大変だったよ」

 

 

千夜「リゼちゃんも同じくらいはしゃいでいたりして」クスッ

 

 

リゼ「うっ、相変わらず鋭いな千夜は……」

 

 

千夜「リゼちゃんとここあちゃんのことは特にね」

 

 

リゼ「ははっ……あっ、そういえばまだ改めて言ってなかったな」

 

 

千夜「?」

 

 

リゼ「千夜、1週間ありがとう。お礼に今度昼食でも奢らせてくれ」

 

 

千夜「うーん、それよりリゼちゃんのおうちの夕飯にまたお呼ばれしたいわ。ダメかしら?」

 

 

リゼ「そんなものでいいのか?もちろん大歓迎だぞ、千夜さえよければいつでも来てくれ」

 

 

千夜「ありがとう、嬉しいわ」ニコッ

 

 

リゼ「ほんとに世話になったな、ここあもわたしも……親父も」

 

 

千夜「リゼちゃんのおうちでサバゲー、楽しかったわ。お父さんもたくさんおもてなししてくれて」

 

 

リゼ「そっか……千夜が楽しかったなら、またみんなでやろう。今度はわたしも参加するぞ」

 

 

千夜「リゼちゃんが入ったら戦力が偏っちゃうわね、その時は3チームかしら」

 

 

リゼ「わたしはここあと絶対離れないからその辺はよろしく頼む」フンス

 

 

千夜「最近あからさまねリゼちゃん、むしろすがすがしいわ」

 

 

ここあ「りぜちゃーん!」

 

 

リゼ「あっ……」

 

 

千夜「ここあちゃんが呼んでるわね」クスッ

 

 

リゼ「すまない千夜、明日のお昼にでも今日渡し損ねたお土産持ってそっちに行くから」

 

 

千夜「ええ、待ってるわ。……リゼちゃん?」

 

 

リゼ「ん?」

 

 

千夜「1週間ぶりの二人きりの時間、思う存分楽しんでね」

 

 

リゼ「……ああ、ありがとう」

 

 

千夜「くれぐれもここあちゃんに変なことしちゃダメよ?」

 

 

リゼ「変なこと……!?そ、それって……//」

 

 

千夜「おやすみなさーい♪」プチッ

 

 

リゼ「あっ、おい千夜……!」

 

 

ツー ツー

 

 

リゼ「まったく、千夜のやつ……そんなことするわけ……」

 

 

リゼ「………………」

 

 

『ここあ「ひぁん!おなかだめぇ!」

 

 

リゼ「……っ~~~//」

 

 

リゼ(ちがう、わたしはロ〇コンじゃないぞ!)フルフル

 

 

ここあ「りぜちゃん?」ガチャッ

 

 

リゼ「ここあ、遅くなってごめんな」

 

 

ここあ「ちやちゃんとでんわ?」

 

 

リゼ「ああ、すごく良い子にしてたって褒めてたぞ」

 

 

ここあ「ほんと?よかったぁ……」ホッ

 

 

リゼ「……さて、まだ7時か」

 

 

リゼ「どうする、ゲームでもするか?それとも絵本でも……」

 

 

ここあ「ううん――えいっ」ポスッ

 

 

リゼ「!」

 

 

ここあ「りぜちゃんに、たくさんなでなでしてもらう」ニヘラ

 

 

リゼ「……そうだったな、電話で約束したもんな」ナデナデ

 

 

ここあ「んっ……♪」

 

 

リゼ「まずは部屋に戻ろうか」

 

 

――ガチャッ バタン

 

 

リゼ「よっと……」ベッド ポスッ

 

 

ここあ「りぜちゃん……」

 

 

リゼ「ここあ……おいで」

 

 

ここあ「!……りぜちゃん♪」ギュッ

 

 

リゼ「ここあ……」ナデナデ

 

 

ここあ「りぜちゃん……えへへ//」

 

 

リゼ「1週間も寂しい思いさせてごめんな」

 

 

ここあ「ううん……」ギュッ

 

 

リゼ「もう二度とここあを置いて行ったりしないぞ」ギュッ

 

 

ここあ「やくそくだよ」

 

 

リゼ「ああ……」

 

 

リゼ「………………」ナデナデ

 

 

ここあ「ふぇ……♪」

 

 

リゼ「撫でられるの、好きか?」

 

 

ここあ「うん、すき……」

 

 

ここあ「りぜちゃんのて、あったかいからだいすき」スリスリ

 

 

リゼ「わたしも好きだぞ、こうしてここあをナデナデするの」

 

 

ここあ「じゃあ、きょうはずっとなでなでして?」

 

 

リゼ「いいぞ、ここあの気が済むまで」ナデナデ

 

 

ここあ「ふぉぇ……」ポワーン

 

 

リゼ「…………♪」

 

 

リゼ「よっと……」ゴロン

 

 

ここあ「!」

 

 

――ポスッ

 

 

リゼ「まだ早いけど、横になっていようか」

 

 

ここあ「!……うん」ギュッ

 

 

リゼ「…………」セナカ ナデナデ

 

 

ここあ「……」スンスン

 

 

リゼ「んっ?なにか匂うか?」

 

 

ここあ「ううん……りぜちゃんのにおいだよ」

 

 

リゼ「……!」

 

 

ここあ「りぜちゃんのにおい、あんしんするからすきなの」スンスン

 

 

リゼ「…………//」

 

 

ここあ「もっとくんくんしてもいい?」

 

 

リゼ「……ここあがしたいなら」

 

 

ここあ「んっ……」スンスン

 

 

リゼ「…………」ナデナデ

 

 

ここあ「りぜちゃん……」スリスリ

 

 

リゼ「…………」

 

 

――ギュッ

 

 

ここあ「?」

 

 

リゼ「…………」スンスン

 

 

ここあ「りぜちゃん?」

 

 

リゼ「実はわたしもここあの匂いが好きなんだ……一緒だな」

 

 

ここあ「わたしのにおい?」

 

 

リゼ「ああ、甘くて優しい、ここあのいい匂いだ……」スンスン

 

 

リゼ「こうしてかいでいたら、わたしも安心する」

 

 

ここあ「うぅ……でも、ちょっとはずかしいよ//」

 

 

リゼ「ここあもクンクンしてただろ、ならお互い様だ」

 

 

リゼ「んっ……」スンスン

 

 

ここあ「りぜちゃん……くすぐったいよぉ//」

 

 

リゼ「ダメだ、離さないぞ」グイッ

 

 

ここあ「ぅぅ……//」

 

 

リゼ「ここあ……」スンスン

 

 

ここあ「……っ//」

 

 

リゼ(あのここあが恥ずかしがっている……)

 

 

リゼ(………………)

 

 

リゼ「…………」スッ ナデナデ

 

 

ここあ「ひゃっ!?りぜちゃん……//」

 

 

リゼ「……っ」モミモミ

 

 

ここあ「そこ、せなかじゃないよ……?//」

 

 

リゼ「……ここあ」

 

 

ここあ「?」

 

 

リゼ「わたしのこと、好きか?」

 

 

ここあ「うん……だいすき」

 

 

リゼ「わたしもここあのこと、だいすきだ」

 

 

ここあ「えへへ……//」ニコッ

 

 

リゼ「だから……少しだけ、ここあにいけないことしてもいいか?」

 

 

ここあ「いけないこと?」

 

 

リゼ「ああ、できれば誰にも言わないでほしい……」

 

 

ここあ「……りぜちゃんが、したいの?」

 

 

リゼ「……」コクリ

 

 

ここあ「わかった、誰にも言わないね」

 

 

リゼ「ここあ……いいのか?」

 

 

ここあ「うん」ニコッ

 

 

リゼ「っ……!」ガバッ

 

 

ここあ「きゃっ……」

 

 

リゼ「はぁ……はぁ……//」

 

 

ここあ「りぜちゃん……?」

 

 

リゼ「ここあ……//」スリスリ

 

 

ここあ「んっ……//」

 

 

リゼ「……」スッ

 

 

ここあ「ぱじゃま、ぬがすの……?」

 

 

リゼ「っ……//」プチ……プチ……

 

 

ここあ「……?」

 

 

 

――ガチャッ!

 

 

 

リゼ「っ!!?」ビクッ

 

 

リゼ父「お前たち、帰ってきたのか!」

 

 

ここあ「あっ、おとうさん!」

 

 

リゼ「おお、親父っ!?」

 

 

リゼ父「んっ……リゼ、どうしたんだ?」

 

 

リゼ「い、いや、なんでも……!」

 

 

ここあ「おとうさん、ただいま」ギュッ

 

 

リゼ父「おう、よく帰ってきたな」

 

 

ここあ「おとうさんもおかえりなさい」

 

 

リゼ父「んっ?パジャマのボタンが外れてるじゃないか。ちゃんとしてないと風邪ひいちまうぞ」

 

 

ここあ「あっ……」

 

 

ここあ「……」チラッ

 

 

リゼ「っ……すまないここあ、わたし――」

 

 

ここあ「さっきあついからとってたの、ありがとうおとうさん」

 

 

リゼ父「お風呂上りは暑いもんな、わかるぞその気持ち」ワシャワシャ

 

 

リゼ「……ここあ」

 

 

ここあ「……♪」シーッ

 

 

リゼ「……!」

 

 

リゼ父「まだ7時だな、良かったら客室でボードゲームでもしないか?使用人も巻き込んで10人くらいで」

 

 

ここあ「ぼーどげーむ?やりたい!」ピョンピョン

 

 

リゼ父「リゼはどうだ?眠たくないか?」

 

 

リゼ「あ、ああ……いいぞ、やろうか」

 

 

リゼ父「よし、そうと決まれば客室に集合だ!使用人共を招集するぞ」ピッ

 

 

リゼ「ここあ……」

 

 

ここあ「さっきのつづき、きょうのよる『ないしょ』でしよう?」シーッ

 

 

リゼ「……!」

 

 

ここあ「りぜちゃんのしたいこと、だれにもいわないよ」ニコッ

 

 

リゼ「――っ!」ギュッ

 

 

ここあ「ふぉぇ……りぜちゃん?」

 

 

リゼ「ここあ……すまない、わたしがどうかしていた」

 

 

リゼ「さっきのことは忘れてくれ」ナデナデ

 

 

ここあ「いけないこと、しなくていいの?」

 

 

リゼ「ああ……ここあを見ていたら、もうその気が無くなった」

 

 

リゼ「今日も一緒に寝よう、たくさんナデナデしてあげるからな」

 

 

ここあ「ぁ……!うん!」

 

 

リゼ父「よし、準備完了だ。リゼ、いくぞ」

 

 

リゼ「……親父?」

 

 

リゼ父「んっ?」

 

 

リゼ「ありがとう……助かった。やっぱり親父は最高の父親だよ」

 

 

リゼ父「……!」

 

 

リゼ父「リゼぇ!!!!」ダキッ

 

 

リゼ「うわっ!?」

 

 

リゼ父「良く分からんが嬉しいぞ!!お前は俺の最高の娘だ!!」スリスリ

 

 

ここあ「おとうさんとりぜちゃんずるい!わたしももふもふする!」ギュッ

 

 

リゼ父「もちろんお前もな。二人とも、俺の命より大事な娘だ」ギュッ

 

 

リゼ「ははっ……」

 

 

イチャイチャ ワイワイ

 

 

使用人「…………♪」

 

 

使用人(良かった……いつもの光景だ)フッ

----------------------

 

finai luterlude.「私の妹たち」

 

――ラビットハウス――

 

 

ココア「チノちゃーん!もふもふ~」ギュッ

 

 

チノ「やめてくださいココアさん、仕事中ですよ//」

 

 

リゼ「相変わらず仲がいいなぁ」

 

 

ココア「当然だよ、お姉ちゃんだもーん!」モフモフ

 

 

チノ「んにぅ……くすぐったいです//」

 

 

ガチャッ

 

 

マヤ「やっほー」

 

 

 

メグ「お邪魔します~」

 

 

ココア「マヤちゃんメグちゃん!」バッ

 

 

チノ「あっ…………」

 

 

ココア「私の妹たちー!」ダキッ

 

 

ココア「二人とも今日も可愛いねぇ」モフモフ

 

 

マヤ「うひゃあっ」

 

 

メグ「びっくりしたよぉ」

 

 

ココア「えへへ~♪」

 

 

チノ「……………………」

 

 

ティッピー「チノは、混ざらんでいいのか?」

 

 

チノ「はっ……い、いえ、別にもふもふされたいわけじゃないですから」

 

 

チノ「……………………」

 

 

チノ「…………」チラッ

 

 

リゼ「チノ……コーヒー零れてるぞ」

 

 

チノ「えっ……はっ!す、すいません」

 

 

リゼ「いいよ、それより火傷してないか?」

 

 

チノ「はい…………」チラッ

 

 

リゼ(ココアのことが気になるんだな…………)

 

 

ココア「もふもふ~♪」

 

 

チノ「………………」モヤモヤ

 

 

―――――――――――――

 

 

 

チノ「というわけなんです」

 

 

リゼ「えっと……もう一度説明してくれるか?」

 

 

チノ「ですから、メグさんとマヤさんへのモフモフ時間が私へのモフモフ時間よりも遥かに長いんです」

 

 

リゼ「……いや、偶然だろ?」

 

 

チノ「そんなことありません!」ダン

 

 

リゼ「わっ!?」

 

 

チノ「今週の私たち全員のモフモフ時間を平均で表すとマヤさんが7秒半、メグさんが8秒、私が7秒なんです」

 

 

リゼ(そんなに変わらんじゃないか……)

 

 

チノ「もしかすると私をモフモフしすぎて飽きてしまったのでは……」

 

 

リゼ「いや、間違いなく考え過ぎだ」

 

 

チノ「ではどうして…………」

 

 

リゼ「チノが嫌がるからじゃないか?」

 

 

チノ「確かに嫌がってはいますが、仕事が終わって以降は常にフリーモフモフオーラを出し続けています」

 

 

リゼ(なんだその謎オーラは)

 

 

チノ「なのにココアさんときたら、まったく……」

 

 

リゼ(ココアが悪いのか……?)

 

 

リゼ「じゃあ直接ココアにモフモフしてほしいと言ったらどうだ?」

 

 

チノ「モフモフしてほしいわけではありません」

 

 

リゼ「えっ?」

 

 

チノ「ただ、モフモフの平均時間が違うので不公平だと思っただけです」

 

 

リゼ「いや、だからモフモフしてほしいわけだろ」

 

 

チノ「違います、どう聞いたらそうなるんですか」

 

 

リゼ(どう聞いてもだよ……)

 

 

チノ「私はただ、公平でないことに不満を感じているだけです」

 

 

リゼ「それじゃあ結局チノだけが長くモフモフされてもダメじゃないか」

 

 

チノ「……………………」

 

 

チノ「ココアさんと一緒にいる時間を含めて計算すると、私が長くても平均になります」

 

 

リゼ「もうわけが分からん」

 

 

チノ「とにかく、これは由々しき事態です。早く何とかしないと……」

 

 

リゼ「はぁ…………チノ、明日まで待っててくれ。私がなんとかしてやる」

 

 

チノ「ほんとうですか」

 

 

リゼ「ああ、だから大人しくしてるんだぞ。いいか、ココアに当たっちゃダメだぞ?」

 

 

チノ「わかりました、よろしくお願いします」

 

 

リゼ「………………」ポチッ

 

 

 

リゼ>ココア

 

 

もっとチノに構ってあげたらどうだ?

 

寂しそうにしてたぞ

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

チノ「♪~♪♪」

 

 

リゼ「今日はえらくご機嫌だな」

 

 

チノ「リゼさん、ありがとうございます。おかげで私のモフモフ時間が以前より長くなりました」

 

 

リゼ「そうか、よかったな」

 

 

チノ「別に私としてはどうでもいいのですが、公平というのは気分が良いものです」

 

 

リゼ(どこが公平なんだ……)

 

 

ココア「リゼちゃんチノちゃん、おはよー!」タタタ

 

 

リゼ「ああ、おはようココア」

 

 

チノ「!」

 

 

ココア「チノちゃーん、もふもふ~」ギュッ

 

 

リゼ「はは、相変わらずだなぁ」

 

 

チノ「…………………………」

 

 

バッ

 

 

ココア「えっ……チノ、ちゃん……?」

 

 

チノ「」スッ

 

 

ティッピー「おや、チノ……?」

 

 

チノ「………………」タッタッタ ガチャッ バタン

 

 

ココア「……………………」ポカーン

 

 

ココア「……うっ……ううっ……」グスッ

 

 

ココア「うわぁぁぁん!チノちゃんが反抗期になった~!」ビェェー

 

 

リゼ「お、おい、ココア、落ち着け」

 

 

ココア「リゼちゃーん!チノちゃんが、チノちゃんが家出したー!」

 

 

リゼ「大丈夫だ、きっと夕飯までには帰って来るって」ヨシヨシ

 

 

ケイタイ ♪~♪♪

 

 

リゼ「んっ?」

 

 

ポチッ

 

 

 

チノ>リゼ

 

リゼさんの裏切り者

 

 

 

リゼ「なぜ!?」

 

 

ココア「?」

 

 

 

―――――――――――――

 

 

チノ「というわけなんです」

 

 

シャロ&千夜「………………」ポカーン

 

 

シャロ「あ、あのう、チノちゃん?」

 

 

千夜「ごめんね、もう一度だけ説明してくれる?」

 

 

チノ「ですから、挨拶の順番がいつも私が後なんです」

 

 

チノ「どうしていつもリゼさんが先で、私が後なんでしょう……」

 

 

シャロ「えっと……そんなことで飛び出してきたの?」

 

 

チノ「そんなことではありません!」ダン

 

 

シャロ「ひっ!」

 

 

チノ「メグさんとマヤさんへの挨拶に至っては、チマメ隊であるにも関わらず「チ」である私がいつも最後なんです」

 

 

千夜(それは既に朝に会っているからじゃ……)

 

 

チノ「どうしていつも私が……寝食を共にしている仲だと言うのに……」

 

 

シャロ&千夜(だからこそでは……)

 

 

千夜「それで、チノちゃんはどうしたいの?」

 

 

チノ「この疑念を晴らすためにも、ココアさんに真っ先に挨拶してほしいです」

 

 

シャロ「でも、毎日チノちゃんがココアを起こしてるんでしょ?」

 

 

シャロ「いつも起きた時におはようって言い合わない?」

 

 

チノ「……………………」

 

 

チノ「これとそれとは別です、プライベートとビジネスですから」

 

 

千夜(ビジネスなの!?)

 

 

チノ「とにかく、いつも挨拶の順番で私が後回しなんです」

 

 

チノ「これは由々しき事態です、なんとかしないと……」

 

 

シャロ(帰って休みたい……)

 

 

千夜(ココアちゃんも大変ねぇ)

 

 

千夜「……くすっ、わかったわ」

 

 

千夜「シャロちゃんと私でなんとかするから、今日はおとなしくラビットハウスに戻ってね」

 

 

チノ「ほんとうですか」

 

 

シャロ「うえぇ!?私も!?」

 

 

千夜「明日までにきつーく言っておくから安心して。だから今夜はココアちゃんに当たっちゃだめよ?」

 

 

チノ「わかりました。千夜さん、シャロさん、よろしくお願いします」

 

 

チノ「ちなみにリゼさんには裏切られてしまったので、くれぐれも暗々裏に」

 

 

千夜(リゼちゃん、巻き込まれちゃったのね)

 

 

シャロ(先輩、浮かばれません……)

 

 

 

 

シャロ「千夜、あんな安請け合いして大丈夫なの?」

 

 

千夜「ココアちゃんのことだもの、チノちゃんが拗ねてるよ~って教えてあげればそれだけで解決しちゃうわ」

 

 

シャロ「なるほどね……今回私がいる意味あった?」

 

 

千夜「ん~、マスコット?」

 

 

シャロ「どういう扱いよっ!」

 

 

 

――後日――

 

 

リゼ「なぁ、ち、チノ……?」

 

 

チノ「なんでしょう?」

 

 

リゼ「昨日のメールは、その、どういう……」

 

 

チノ「昨日……あっ、それでしたらもう解決したので大丈夫です」

 

 

リゼ「そ、そうなのか……?」

 

 

チノ「リゼさん、昨日はごめんなさい、協力してくださってありがとうございました」ペコリ

 

 

リゼ「いや……また何かあったらいつでも相談してくれていいぞ」

 

 

チノ「はい」

 

 

リゼ(千夜、助かったよ……)ヘナヘナ

 

 

 

ココア「チノちゃんリゼちゃん、おはよー!」タタタ

 

 

リゼ「おはよう、ココア」

 

 

チノ「おはようございます」

 

 

ココア「朝の景気づけに~チノちゃんもふもふ!」ギュッ

 

 

チノ「いきなり抱き付かないでください//」

 

 

ココア「もふもふ、もふもふ♪」

 

 

チノ「まったく、もう……//」

 

 

チノ「ココアさんは、本当にしょうがないココアさんです♪//」

----------------------

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