unpublished 4.「病んだシャロ」
unpublished 5.「鬱なシャロ」
unpublished 4.「病んだシャロ」
千夜「………………………」
千夜「シャロちゃん…………」
――桐間家――
千夜「」トントン
…………シーン
千夜「シャロちゃん、わたしよ」
シャロ「…………千夜?」
千夜「うん、入るわね」
ガチャッ
千夜「シャロちゃん…………」
シャロ「ぅ……千夜ぁ……早くそばに来て……」グスッ
千夜「よしよし……ごめんね遅くなって」ナデナデ
シャロ「ううん…………」ギュッ
千夜「あら、シャロちゃんたら甘えんぼうさんね」
シャロ「……ダメ?」
千夜「そんなことないわ、私もシャロちゃんギュッ」ギュッ
シャロ「んっ………………」
千夜「………………」ナデナデ
千夜「ところでシャロちゃん、今日はいい天気ね」
シャロ「う、うん…………」
千夜「……ちょっとだけ、お外出てみない?」
シャロ「!」
シャロ「……ぅぇ……ぁ……!」ポロポロ
千夜「シャロちゃん!?ごめんなさい、冗談よ」アセアセ
シャロ「ぇぅ……いや……いや…………」ガクガク
千夜「大丈夫、ここに居ましょ……ここにはシャロちゃんを傷つけるものはなにも無いわ」ギュッ
シャロ「千夜…………」グスッ
千夜「ごめんね……」ナデナデ
――――――――――――――――――――
千夜「………………」ナデナデ
シャロ「」ギュッ
千夜「」チラッ
AM8:00
千夜「シャロちゃん、わたしそろそろ学校だから……行くわね?」
シャロ「ぁ……うん…………」
千夜「お昼ご飯は冷蔵庫に用意しておいたからちゃんと食べるのよ?」
シャロ「……ありがとう…………」
シャロ「……………………」ウツムキ
千夜「……シャロちゃん?」
シャロ「」ジワッ
シャロ「千夜……いつもごめんね……」
シャロ「迷惑かけてごめん……ごめんなさい…………!」ポロポロ
千夜「シャロちゃんは迷惑なんてなにもかけてないわ。おばあちゃんも私もお世話したいからしてるだけよ」
千夜「だから何も気にしなくていいの……」ギュッ
シャロ「ぅ……千夜ぁ……わたし、もういなくなりたいよ…………!」
千夜「そんなのダメよ……シャロちゃんがいなくなったらわたし、生きていけないわ……」
千夜「落ち着こう……大丈夫、大丈夫よ」ナデナデ
千夜「わたしはずっとシャロちゃんの味方よ」ニコッ
シャロ「千夜ぁ……うぅ…………」ポロポロ
千夜(こんな風になって……可哀そうなシャロちゃん……)
シャロ「………………」Zzz
千夜(撫でてたら寝ちゃったわ……)
トントン
千夜「はぁい」
ココア「千夜ちゃん、わたしだよ」ガチャッ
千夜「ココアちゃん……」
ココア「やっぱりシャロちゃんのところにいたんだ」
千夜「ごめんなさい、放っておけなくて……」
ココア「ううん…………シャロちゃん、大丈夫?」
千夜「今眠ったところよ、やっぱりまだまだ不安定ね」
ココア「そっか…………」シュン
ココア「千夜ちゃん、今日は甘兎庵の仕事があるよね。帰りに私が寄ってみるよ」
千夜「ココアちゃん……ごめんなさいね」
ココア「ううん、私がしたいからするんだよ。千夜ちゃんも同じでしょ?」
千夜「ふふっ……そうね」
ココア「いこっ、早くしないと遅刻しちゃうよ?」
千夜「それじゃあシャロちゃん……行ってきます、いい子にしててね……」ナデナデ
ガチャッ バタン
――――――――――――――――――――――
ココア「シャロちゃんがああなってから、もう3週間か……」
千夜「学校、アルバイトにまで勤しんでたあの頃が懐かしいわ……」
ココア「鬱病とかじゃ、ないよね……?」
千夜「心の病であることは間違いないけど……どちらかというとトラウマかしら」
ココア「……原因は、きっと学校だよね」
千夜「ええ……なんだか小さい頃に戻ったみたい」
ココア「小さい頃……?」
千夜「シャロちゃん……小学校や中学校でもずっといじめられていたの」
千夜「家が貧しいのを理由に、いつも陰湿ないじめに遭って……」
ココア「そんな……ひどい……」
千夜「小さい頃のシャロちゃんは気が弱くておとなしくて、すぐに泣いちゃう弱虫な子だったから余計にね」
千夜「泣きじゃくるのを、いつも私が必死に慰めて……」
ココア「……………………」
千夜「そのせいかしら、高校生になったシャロちゃんは私と同じ学校に行かず、お嬢様学校に進学したの……きっと人間関係を一からリセットしたかったのね」
ココア「だから特待生になってまで……」
千夜「あの子はたくさん傷付いて、ボロボロになって……それでも勇気を出して、私から離れて自立したの……」ブルブル
千夜「いつしか愛想笑いもできるようになって、アルバイトができるまで成長して……」
千夜「ココアちゃん、リゼちゃん、チノちゃん……たくさんお友達もできて、やっとシャロちゃんの笑顔が見られるところまで来たのに……またこんな……」ギリッ
ココア「千夜ちゃん落ち着いて、まだそうだと決まったわけじゃあ」アセアセ
千夜「シャロちゃんのことをいじめるなんて……あの子の幸せを壊そうとする人は、たとえ誰であっても許さないわ」
千夜「ああ……シャロちゃん……シャロちゃん……」ポロポロ
ココア「千夜ちゃん…………」
ココア「……うん、そうだね」
ココア「でも今は、みんなでシャロちゃんのこと守ってあげよう……またきっと、笑顔を見せてくれる時が来るよ」
ココア「千夜ちゃん泣き止んで……でないとわたしまで……」グスッ
千夜「ココアちゃん……」
ココア「大丈夫……今度はわたしたちもいるよ」
―――――――――――――――――――――――――
――ラビットハウス――
チノ「……………………」
リゼ「チノ、お客さんが来たらいつも通りに接客だぞ」
チノ「あっ……はい、すいません」
リゼ「……まぁ、わたしも人のこと言えないけどな」カガミ チラッ
チノ「…………シャロさん」
リゼ「なんだか最近身の回りが静かになった気がするよ……ココアが沈んでるからかな」
チノ「それもあるでしょうが……やはりシャロさんがいないせいでしょうね」
チノ「あの楽しかった毎日はきっと、誰が欠けてもダメなんです……」
リゼ「そっか……そうだな…………」
チノ「……また、戻れるといいんですが」
リゼ「いいや戻そう、私たちの手で」
チノ「……そうですね」
リゼ「さぁチノ、ココアの分まで頑張るぞ」ニッ
チノ「はい」クスッ
―――――――――――――――――――――――
――桐間家――
ココア「…………」トントン
シーン…………
ココア「シャロちゃん、私だよ?」
シャロ「……ココア?」
ココア「入ってもいい?」
シャロ「うん…………」
ココア「おじゃましまーす」ガチャッ
ココア「シャロちゃん、久しぶり」ニコッ
シャロ「……ごめんね……いつも…………」
ココア「ん~なにが?わたしはシャロちゃんとお話ししたいから来てるだけだよ」
シャロ「ココア…………」
ココア「えへへ、おじゃましまーす」ベッドポスッ
シャロ「きゃっ……」
ココア「シャロちゃんモフモフ~」ギュッ
シャロ「ぁぅ………………」モジモジ
ココア「んっ、シャロちゃん?」
シャロ「あの、ね…………わたしも、モフモフしてもいい?」
ココア「もちろん!」
シャロ「……もふもふ」
ココア「違うよシャロちゃん、こうだよ、モフモフ♪」
シャロ「…………っ」ギュッ
シャロ「」ジワッ
シャロ「ぅ…ぇ……………」ポロポロ
ココア「シャロちゃん!?ごめんね、私何かしちゃった?」
シャロ「ココア…………ココアは、どうしてわたしのこといじめないの……?」グスッ
ココア「……!」
シャロ「千夜じゃないのに……どうして…………」ブルブル
ココア「…………」
ココア「……そんなの、当たり前だよ」ギュッ
ココア「だって、私はそんなの全然楽しくないもん……シャロちゃんとこうして仲良くしてる方が、ずっとずっと楽しいよ」
ココア「安心してシャロちゃん……わたしは絶対、シャロちゃんのこといじめたりしない」
ココア「千夜ちゃんだけじゃない……私もチノちゃんもリゼちゃんも、みんなシャロちゃんの味方だよ……」
シャロ「ぅぇ………っ……ココア……」ポロポロ
ココア「よしよし……辛いよね」ナデナデ
ココア「いいんだよ……どうしようもないときは、立ち止まっても」
ココア「……また、一緒にお泊り会しようね」
―――――――――――――――――――――
千夜「シャロちゃんお待たせ――あら?」
ココア「あっ、千夜ちゃん!助かったよぉ」
千夜「ココアちゃん!こんなに遅くまでごめんなさい、途中で帰ってくれてもいいのに」アセアセ
ココア「あはは、それが――――」
シャロ「………………」ギュッ Zzz
ココア「シャロちゃんに抱き枕代わりにされちゃって……」
千夜「あらあら……ふふっ」クスッ
千夜「小さい頃にずっと持ってたぬいぐるみの夢でも見てるのかしら」スッ ヌイグルミ
ココア「ありがとう……ねぇ、千夜ちゃん、その笑顔だよ」
千夜「えっ……?」
ココア「シャロちゃんを笑顔にしてあげられるのはきっと、憎しみとか仇討ちとかじゃなく、千夜ちゃんの笑顔じゃないかな?」
千夜「笑顔…………」
ココア「思い出してみて?きっと小さい頃から、シャロちゃんが助けられてきたのは千夜ちゃんの優しい気持ちだったはずだよ」
ココア「シャロちゃんをこんなにした相手が憎いとか思う心じゃなく、シャロちゃんを可哀想にって想う千夜ちゃんの気持ち……」
千夜「…………!」
ココア「恨まないでっていうのは無理かもしれない……わたしも、シャロちゃんをこんな目に遭わした人が憎いよ」
ココア「けどその気持ち以上に、シャロちゃんの笑顔が恋しい……また笑顔になってほしいの」
ココア「だから千夜ちゃん……お願い、シャロちゃんにまた、笑顔を見せてあげて?」ニコッ
千夜「……うん♪」ホロリ
千夜「ココアちゃん、ごめんなさい……ありがとう」
千夜「そうよね……仇なんて討っても、シャロちゃんの心は晴れたりしないわよね」ジワッ
千夜「余計悲しくさせちゃうだけよね……だってシャロちゃんは、とっても優しいもの……」
千夜「……でも……っ!」
千夜「頭で分かっていても……悔しくて……悲しくて……どうしようもなくて……!」ポロポロ
ココア「うん……分かるよ……」グスッ
ココア「優しいってほんと、残酷だよね……」ポロポロ
千夜「ココアちゃん……!」ギュッ
ココア「千夜…ちゃん……っ!」ギュッ
――――――――――――――――――――――
――夜――
千夜「シャロちゃん、お風呂入りましょ?」
シャロ「!……うん…………」ブルブル
千夜「大丈夫、手を繋げば怖くないわ」スッ
シャロ「千夜…………」
千夜「目隠し、今日もする?」
シャロ「っ…………ううん」
シャロ「……外して、みる」
千夜「シャロちゃん…………わかったわ」
千夜「……いい、開けるわよ?」
シャロ「……うん」ブルブル
ガチャッ
シャロ「………………!」
シャロ「お外…………」ガクガク
千夜「大丈夫、大丈夫よ……わたしが側にいるわ」
千夜「もうちょっとよ、頑張ってシャロちゃん」
シャロ「うぅ…………」ギュッ
ガチャッ バタン
千夜「シャロちゃん……すごいわ♪」
シャロ「外……出られた」ジワッ
千夜「さすがはシャロちゃんね」ニコッ
シャロ「ぅ……千夜ぁ…………」グスッ
千夜「よしよし、頑張ったわね」ナデナデ
千夜「ゆっくりでいいのよ……一緒に進んでいきましょ」
――――――――――――――――――――――――
千夜「♪~♪♪」ドライヤー
シャロ「千夜……自分でできるよ?」
千夜「いいのよ、わたしがしたいだけ」
千夜「♪♪~♪」クシ サッサッ
シャロ「んっ…………」
千夜「はい、オッケーよ♪」
シャロ「ありがとう……いつもごめんね」
千夜「ううん……さぁ、晩ご飯食べましょ?」
シャロ「……でも」
千夜「今日は麻婆豆腐よ」ニコッ
シャロ「……うん」
千夜「おばあちゃんも喜んでるわ、小さい頃に戻ったみたいだって。だから気にしないの」
シャロ「うん……♪」
―――――――――――――――――――――――
シャロ「ぁ…………」オドオド
千夜「こうして二人で寝るのって久しぶりね」
シャロ「千夜……せまくない?」
千夜「大丈夫よ、シャロちゃんの方こそ平気?」
シャロ「うん……すごく安心する……」ギュッ
千夜「シャロちゃん…………」
シャロ「わがまま言ってごめんね……」
千夜「ううん、嬉しいわ。シャロちゃんの方から泊まっていってくれるなんて」ギュッ
シャロ「……離れるの、怖いから…………」
千夜「それじゃあこのままシャロちゃんと結婚しちゃおうかしら♪」
シャロ「………………」グスッ
千夜「あっ……ごめんなさい……」
シャロ「…………ねぇ、千夜?」
千夜「どうしたの?」
シャロ「……どこにも行かないでね?」
千夜「うん……大丈夫……前も言ったでしょ」
千夜「私たち、ずっと一緒よ……」ギュッ
シャロ「千夜…………」グスッ
千夜「明日は朝ご飯食べたら家まで送るわ」
千夜「……また目隠し、する?」
シャロ「……ううん……頑張る」
千夜「偉いわ」ナデナデ
――――――――――――――――――――
――翌日――
リゼ「………………よし」
トントン……
シーン
リゼ「シャロ、わたしだ」
シャロ「!……リゼ先輩」
リゼ「ああ、入るぞ」
ガチャッ
リゼ「元気だったか?」
シャロ「はい……おかげさまで……――――っ!?」
シャロ「ぁ……あ…………!」ガクガク
リゼ「シャロ!?」
シャロ「いや……もういや…………千夜ぁ、助けて…………!」ポロポロ
リゼ「どうしたんだ!とりあえず落ち着け……!」オロオロ
リゼ(何か落ち度が……――――はっ、そうか!この制服か!)バッ
シャロ「ぅえ…………ぅ…………」ブルブル
リゼ「シャロ、こっち向いてみろ。もう大丈夫だ」
シャロ「!…………ぁ……リゼ先輩……?」
リゼ「良かった……正気に戻ったか」
シャロ「ごめんなさい……わたしまた…………」シュン
リゼ「気にするな、わたしの方こそ配慮が足りなかった」ポンポン
リゼ「お詫びにほら……このマグカップ、受け取ってくれ」スッ
シャロ「!こ、こんな高価なもの頂けません……」アセアセ
リゼ「みんなでお金を出し合って買ったんだ、シャロが早く笑顔になれるようにって」
リゼ「これは私たち4人の気持ちだ……チノが言ってたよ、またみんなでどこか遊び行きたいって」
シャロ「チノちゃんが…………」
リゼ「ちゃんとみんなで願いも込めた……受け取ってくれないか?」
シャロ「」ジワッ
シャロ「うぅ…………ぇぅ…………」ポロポロ
リゼ「シャロ!?すまない、わたしまたなにか――」
シャロ「違うんです……ごめんなさい…………」
シャロ「嬉しくて……自分が情けなくて……勝手に涙が出て……」
リゼ「…………そっか」クスッ
リゼ「その気持ちは、たぶん『感謝』というやつだ……でも、どうせ応えてくれるなら、涙よりも笑顔の方が嬉しいな」
リゼ「シャロ……またいつか、みんなでどこか行こうな」ナデナデ
シャロ「はい……ありがとうございます……♪」ポロポロ
リゼ(この前より明るくなった気がする……千夜とココアのおかげか)
リゼ(わたしも先輩として、どうしてこんな事になる前に止めてあげられなかったんだろう……ごめんな、シャロ)
リゼ「」グスッ
シャロ「先輩…………?」
―――――――――――――――――――――――――
――甘兎庵――
千夜「こんなに遅くまでごめんなさいね」トンッ
リゼ「…………なぁ、千夜?」
リゼ「……千夜はわたしのこと……恨んでないのか?」
千夜「わたしがリゼちゃんを……どうして?」
リゼ「シャロと同じ学校に通っていたのに、それに気付いてあげられなかった……」
リゼ「千夜ならきっと気付いてあげられただろうに……わたしの鈍感さが祟ってこんな事に……」ギリッ
千夜「リゼちゃん…………」
リゼ「千夜……一度だけでいい、思い切り殴ってくれないか……でないとわたし、罪悪感で……」グスッ
千夜「………………」
千夜「リゼちゃん……ぎゅ~」ギュッ
リゼ「ひゃあっ!」
千夜「よしよし……」ナデナデ
リゼ「千夜……?」
千夜「バカね……そんなことできるわけないじゃない」
千夜「自分のことを差し置いて人に罪をかぶせられるほど、私は器用じゃないわ……」
千夜「リゼちゃんはね、自分に厳し過ぎるのよ……優しくて、それでいてずるいわ」
リゼ「えっ…………」
千夜「……リゼちゃんの言ったとおりよ」
千夜「わたしは誰よりもシャロちゃんのことを見てきて、だれよりシャロちゃんのことを知っているわ……」
リゼ「………………」
千夜「……なのに」
千夜「こんなになるまで追い込まれていたのにも気付かず……ずっとシャロちゃんのことをほったらかして……!」グスッ
千夜「事が荒立ってから、のうのうとシャロちゃんの側にいて……頼られて……!」
リゼ「千夜…………」
千夜「心のどこかで慢心してた……きっとシャロちゃんなら大丈夫だろうって……!」
千夜「わたし……幼馴染失格よ…………!」ポロポロ
リゼ「……よせ」
リゼ「ごめんな、わたしが悪かった……みんなそうだよな」
リゼ「自分のことを責めてほしいのに、互いに誰も責めないから余計に苦しいんだよな……」
リゼ「わたしは確かに卑怯者だ……」
千夜「リゼちゃん…………」
リゼ「……けど」
リゼ「せめて年上として、お前たちの心の支えになりたいと思う……それが私の罪滅ぼしだ」ニコッ
リゼ「千夜……ごめんな」ギュッ
千夜「っ……リゼちゃん……!」
千夜「わたしの方こそごめん……ごめんなさい……!」ポロポロ
リゼ「ああ…………♪」ナデナデ
――――――――――――――――――――
――翌日――
トントン
チノ「シャロさん……いますか?」
シャロ「ぁ……チノちゃん?」
チノ「……入ってもいいですか?」
シャロ「うん……」
チノ「シャロさん、お久しぶりです。お元気でしたか?」
シャロ「ごめんね、チノちゃんまで……」
チノ「いえ……あっ、これココアさんからです」メロンパン
シャロ「わぁ、ありがとう……♪」
チノ(シャロさん……いまちょっとだけ微笑みました……)
シャロ「チノちゃん、この前はマグカップありがとう……大切にするわ」
チノ「はい、またシャロさんの紅茶、ごちそうしてくださいね」
シャロ「…………ねぇ、チノちゃん?」
チノ「?」
シャロ「……今から作っても、いいかな?」
チノ「!……はい、もちろんです」
シャロ「ありがとう……ちょっと待っててね」
――――――――――――――――――――
チノ「……おいしいです」
シャロ「ほんと…………よかった」
チノ「またみんなでこうして、お茶会したいですね」
シャロ「……ごめんね」
チノ「あっ……すいません、そういう意味では無く……」アセアセ
シャロ「うん……分かってるわ」
シャロ「ただ……年下のチノちゃんにまで気を遣わせてる自分が情けなくて……」
チノ「シャロさん…………」
シャロ「ごめんね……こんなのが憧れだったなんて……」グスッ
チノ「……そんなこと無いです」スッ
テ ギュッ
シャロ「……!」
チノ「シャロさんは、今でもずっと私の憧れですよ」
チノ「わたしはシャロさんみたいに、独り立ちできる勇気なんてありません」
チノ「わたしよりももっと辛い境遇にいたにも関わらず、愛想笑いも出来て、自立して……とてもわたしには無理です」
チノ「シャロさんは、すごいと思います」
シャロ「チノちゃん…………でも……今は……」
チノ「大丈夫です、人生は長いですから……シャロさんの心の傷は、みんなで癒します」
チノ「だからあせらないでください……」
シャロ「……ぅ…………ぇぅ……」ポロポロ
チノ「シャロさん……またラビットハウスに来てくださいね」
―――――――――――――――――――――
――夜――
千夜「シャロちゃん、そろそろ寝ましょうか?」
シャロ「千夜……帰らなくていいの……?」
千夜「明日は土曜日だもの、今日はシャロちゃんとずっと一緒にいるわ」ニコッ
シャロ「ぁ……ありがとう……♪」
千夜「シャロちゃん……やっと笑ってくれたわね」
シャロ「うん……みんなのおかげかも……」
千夜「そうね……でもそれはシャロちゃんが頑張ったからよ」ナデナデ
シャロ「ん…………」
千夜「さてと、お布団入りましょう」
シャロ「ぁ……ま、待って……千夜……」
千夜「どうしたの?」
シャロ「……ぇと……その…………」
シャロ「……怖いけど、ちょっとだけ……一緒にお外行ってほしい……」
千夜「!……シャロちゃん」
シャロ「」ブルブル
千夜「……わかったわ。けど、我慢できなくなったらすぐに言うのよ?」
シャロ「うん…………」
―――――――――――――――――――――
――裏庭――
千夜「怖くない……?」
シャロ「……怖い……けど、千夜となら大丈夫……」テ ギュッ
千夜「そう……♪」
シャロ「手……離さないでね?」
千夜「大丈夫よ、なにがあっても絶対離さないわ」テ ギュッ
千夜「……………………」
千夜「シャロちゃん……不謹慎なこと言ってもいいかしら?」
シャロ「……?」
千夜「わたしね……シャロちゃんがこうなってから、すごく悲しい反面、どこかホッとしてるの……」
千夜「遠くにいってしまってたシャロちゃんが、小さい頃と同じわたしの隣に戻ってきてくれたみたいで……」
シャロ「千夜…………」
千夜「悲しみや憎しみ以上に、寂しかった気持ちが満たされてる……そんな自分が、すごく嫌」グッ
千夜「ごめんなさいシャロちゃん……わたしきっと、こんな人間なのよね……」
シャロ「……………………」
シャロ「千夜…大丈夫……あのね、わたしも一緒だから……」
千夜「……?」
シャロ「千夜と一緒にいられる理由ができて、それを喜んでる卑怯な私がいる……」
シャロ「小さい頃みたいに千夜に甘えていたいって気持ちが……まだどこかにあるんだと思う」
シャロ「……だから、ごめん…………」
千夜「……やっぱり私たち、幼なじみね」
シャロ「どういうこと……?」
千夜「お互いに嘘付けないってことよ♪」
シャロ「わたし、千夜に嘘ついたことなんてないわよ……」
千夜「そうだったわね」
千夜「……………………」
千夜「……もう少しだけ、このままでいたいわ」
シャロ「でも……早く元に戻りたい、でしょ?」
千夜「ええ、早く元気だったシャロちゃんの笑顔が見たいわ」ニコッ
千夜「そして……あの頃の日常を、取り戻したい……」
シャロ「……頑張るから……もうちょっとだけ、側にいて……」
千夜「言ったでしょ……もうちょっとじゃない、ずっといるわ」
千夜「またお隣に住む幼馴染として、前向きに生きるシャロちゃんをサポートしないと」
シャロ「……千夜」
千夜「大好きよ、シャロちゃん」
シャロ「うん……わたしも」
シャロ「ココアもチノちゃんも、リゼ先輩も……千夜のことも、みんな大好き」
千夜「……なんだかはぐらかされたみたい」
シャロ「ぁ……ご、ごめん、千夜だけは特別だから……」
千夜「ふふっ、冗談よ」
千夜「シャロちゃん……心の拠り所がたくさん出来て、良かったわね」ナデナデ
シャロ「うん…………♪」
千夜「辛いことを味わったシャロちゃんにはきっと、これから先幸せがたくさん待っているわ……」
千夜「……シャロちゃんがまた、笑顔になれますように♪」
-------------------
unpublished 5.「鬱なシャロ」
ココア「千夜ちゃんまたね!」
千夜「さようなら」フリフリ
千夜「♪~♪♪」
――――――――――――――――――
――甘兎庵――
千夜「…………あら?あれは――」
シャロ「」サッサッ
千夜「シャロちゃん!」
シャロ「あっ、千夜……おかえり……♪」
千夜「シャロちゃん!どうしてお外にいるの!?」ガシッ
シャロ「!……ぁ……ぅ…………」ブルブル
千夜「あっ……ごめんね、怒ってるわけじゃないのよ」
千夜「ただ、もう一人でお外出ても平気なのかなって……」
シャロ「…怖いけど……千夜のお手伝いしたいから……」
千夜「そう……でも無理しちゃダメよ、ほら、お家に戻りましょ」
シャロ「……ごめんなさい」シュン
千夜「………………」
ギュッ
シャロ「千夜…………?」
千夜「ありがとうシャロちゃん、お手伝いしてくれて助かったわ」ニコッ
シャロ「ぁ……!」
千夜「今度は一緒にお掃除しましょうね」
シャロ「……うん♪」
―――――――――――――――――――――
千夜「♪~♪♪」
シャロ「千夜……今から甘兎庵?」
千夜「ええそうよ、ごめんなさいね」
シャロ「ううん……わたしの方こそ、ごめん……」
千夜「しょうがないわ、あんこがいるものね」
シャロ「」シュン
千夜「仕事が終わったらすぐに戻るから、シャロちゃんはおいしい晩御飯作って待っててくれる?」
シャロ「!……うん♪」
千夜「シャロちゃんのお料理楽しみにしてるわ、それじゃあ行ってきます」
シャロ「行ってらっしゃい……」
シャロ「…………千夜、ありがとう」
―――――――――――――――――――――――
――ラビットハウス――
リゼ「なに!千夜とシャロが同棲だと!?」
ココア「しーっ!リゼちゃん声が大きいって」
ガヤガヤ ソワソワ
リゼ「す、すまない……//」カァァ
ココア「チノちゃんに聞かれたりしたら大変だから、ねっ?」ヒソヒソ
リゼ「にしても同棲とは……二人で一緒に住んでるってことか?」ヒソヒソ
ココア「うん、学校と仕事の時以外はずっとシャロちゃんと一緒なんだって」
ココア「お泊りする家はどっちにするか気分によって変えてるらしいよ」
リゼ(うっ、ちょっとうらやましい……)
ココア「なんだか楽しそうだよね♪」
リゼ「!あ、ああ」アセアセ
ココア「このままシャロちゃんが元気になってくれればいいんだけど……」
リゼ「……そうだな」
リゼ「……また、戻れるといいな」
ココア「あともうちょっとだよ、頑張ろっ」
チノ「ココアさんリゼさん、話してないで仕事してください」
ココア「あっ、はーい」
リゼ「おっと、お客さんが呼んでる」
チノ「ふぅ…………」
チノ「ところでおじいちゃん?」
ティッピー「なんじゃチノ?」
チノ「同棲ってなんですか?」
ティッピー「」
―――――――――――――――――――――――――
――桐間家――
千夜「ただいま」ガチャッ
シャロ「千夜……お疲れ様」
千夜「あら、勉強してたの?」
シャロ「うん……遅れると嫌だから」
千夜「偉いわね」ナデナデ
シャロ「んっ…………」
千夜「この匂い……今日はカレーかしら」
シャロ「お肉は入ってないから、野菜だけだけど……」
千夜「お掃除までしてくれたのね、シャロちゃんこそお疲れ様」ナデナデ
シャロ「いちいち撫でなくていいから……//」
千夜「さてと、ご飯にしましょうか♪」
シャロ「用意しておくから、千夜は着替えてきて」
千夜「はーい」
千夜「おいしいわね」モグモグ
シャロ「うん………………」モグモグ
千夜「お肉がないのもヘルシーで悪くないわ」
シャロ「うん………………」モグモグ
千夜「……シャロちゃん?」
シャロ「っ!な、なに?」
千夜「どうしたの、今日なにかあった?」
シャロ「……ううん、なにも……」
千夜「…………なにか、悩みごと?」
シャロ「……ぅ…………」
千夜「図星ね……あとでお風呂で聞かせてもらうわ」
シャロ「あ…………」
千夜「冷めちゃう前に食べましょ、すごくおいしいわよ」ニコッ
シャロ「……うん、ありがとう」
―――――――――――――――――――――――
――お風呂場――
千夜「先のことを考えると不安になった?」
シャロ「うん…………」
シャロ「ずっとこのままじゃいけないことは分かってるから……」
シャロ「単位取らないと、いずれは特待生じゃ無くなっちゃうし……そしたら学費が……」ウツムキ
千夜「………………」
シャロ「学校行きたい……ちゃんと勉強して、元の生活に戻りたいのに……」
シャロ「………………」グスッ
シャロ「千夜……わたし、どうすればいいのかな……」
千夜「シャロちゃん………………」
シャロ「……ごめん……こんなこと言われても困るわよね……」
千夜「……………………」
シャロ「千夜……ごめんなさい……怒ってる?」ウルウル
千夜「…………そうね、私としてはずっとこのままでもいいけど――」
ギュッ
シャロ「!」
千夜「それがシャロちゃんの望みなら、私は全力でサポートするわ」
シャロ「千夜…………」
千夜「小さい頃に約束したでしょ」
千夜「シャロちゃんの幸せは、絶対に私が守るって……」
千夜「……あの頃の幸せな毎日を、一緒に取り戻しましょう」
シャロ「ぅ……千夜ぁ……っ!」ギュッ
千夜「……お風呂から出たら、少しお散歩しましょうか」
シャロ「うん…………」ポロポロ
――――――――――――――――――――――――
――数日後――
シャロ(千夜は今日から作戦開始だって言ってたけど……)
シャロ「……………………」
シャロ「……なにをすればいいのかしら」
ココア「シャロちゃんおはよー!」ガチャッ
シャロ「ひゃぁ!こ、ココア……驚かさないでよ」
ココア「ちゃんとカギかけないと危ないよ」
シャロ「こんな家に泥棒なんて来ないわよ……それより、朝からどうしたの?」
ココア「あれ、千夜ちゃんから聞いてない?」キョトン
シャロ「?」
ココア「シャロちゃん日常復帰作戦その一だよ」
シャロ「日常復帰作戦?」
ココア「シャロちゃんにはしばらくの間、休日にわたしとたくさん遊んで、夜は千夜ちゃんと一緒に毎日お散歩をしてもらうよ」
シャロ「まずは外に慣れろってことかしら…………でも……」
シャロ「………………」ウツムキ
ココア「シャロちゃん……大丈夫、ゆっくり慣れていこう」
ココア「そうだね……今日はお家で遊ぼっか」
シャロ「えっ……いいの?」
ココア「いきなりお昼はハードル高いもんね――――あっ、そうだ!」
ココア「シャロちゃんが裏庭で育ててるっていうハーブが見たいな、その後二人で甘兎庵の周りを掃除しよっ」
シャロ「ココア…………」
ココア「綺麗にしたら、きっと千夜ちゃんも喜んでくれるよ」
シャロ「ち、千夜は関係ないでしょ//」
ココア「まずは裏庭に行こっか」
シャロ「……ありがとう」
ココア「これから一緒に頑張ろうね」フンス
シャロ「うん……♪」
―――――――――――――――――――――
――夜――
シャロ「今日はいきなりで驚いたわ」
千夜「ごめんなさい、シャロちゃんをびっくりさせたくて」
シャロ「充分びっくりはしたけど……」
千夜「成果は上々ね、お掃除ありがとう」ナデナデ
シャロ「いちいち頭撫でなくていいから//」
千夜「ココアちゃんにお礼言わなくちゃね」
シャロ「……でも、外では怖くて遊べなかった」シュン
千夜「いいのよ、最初はそれで……ゆっくり慣れていきましょ」
シャロ「うん…………」
千夜「真夜中ならこうしてお外に出られるようになったんだもの、シャロちゃんはちゃんと成長してるわ」
シャロ「……でも、千夜がいないと……一人だと、まだ怖いし……」
千夜「この前は一人で甘兎庵の前を掃除してくれたじゃない」
シャロ「あれはその……千夜のお手伝いがしたくて…………」ゴニョ
千夜「大丈夫、もっと自分に自信を持って……」ギュッ
シャロ「ん…………」
千夜「明日のお散歩は、もう少し遠くに行けると良いわね」
シャロ「……千夜となら、大丈夫……かも」
―――――――――――――――――――――――――
――1週間後――
ココア「しゃーろーちゃーん、あーそーぼー!」
ガチャッ
シャロ「おはよう……」
ココア「あれ、その恰好……」
シャロ「っ……こ、ココア」
シャロ「今日はその……外で、遊びたいなって……」
ココア「……!」
シャロ「ココアが一緒にいてくれるなら、大丈夫かもしれない……だから、お願いします……」
ココア「…………シャロちゃん!」ダキッ
シャロ「ひゃっ!」
ココア「いいよ!どこにでも行こう!なんなら私の実家にだって付いて行くよ!」
ココア「うぅ……できれば最初は近くがいいんだけど……」
ココア「近くだね!よーし、クレープ屋さんに行こう!」
シャロ「はゎ…………千夜ぁ、わたし……大丈夫かな……」
―――――――――――――――――――――――
――夜――
千夜「公園まで行けたの?偉いわシャロちゃん♪」ナデナデ
シャロ「だから頭撫でるな!//」
千夜「やっぱりココアちゃんに頼んで正解だったみたいね」
シャロ「うん…………おかげでお昼も外に出られるようになったわ」
シャロ「身体の震えも、徐々にだけどマシになって来たし」
千夜「そう……嬉しい反面、なんだか少し残念だわ」
シャロ「なんでよ」
千夜「シャロちゃんがお外にすら出られない頃は、ずっと私を頼ってくれてたのに」
シャロ「………………」
ギュッ
千夜「!……シャロちゃん」
シャロ「今でも千夜のこと、一番頼りにしてるわよ……だからそんな顔しないで」
シャロ「……これからも、一緒にいてね」
千夜「……ふふっ、今日はシャロちゃんのお家で寝ましょうか」
シャロ「……うん♪」
――――――――――――――――――――――――
シャロ「」モクモク
シャロ(勉強って、慣れれば独学でも結構いけるわね……)
シャロ「あっ……違う」ケシケシ
トントン
シャロ「!」
シャロ(誰かしら……今日は平日だからココアでもないし……)
シャロ(…………千夜?)
シャロ「はい」ガチャッ
チノ「シャロさんこんにちは、お久しぶりです」
シャロ「チノちゃん!」
チノ「お元気でしたか?」
シャロ「うん……みんなのおかげで、なんとか外に出られるようになったわ」
チノ「そうですか、なら頃合いですね」
シャロ「?」
チノ「日常復帰作戦その二を決行しに来ました」
シャロ「またその妙な作戦名なんだ……」
チノ「ちなみに命名したのはリゼさんです」
シャロ(やっぱり……)
シャロ「ところで、次はどんな作戦……?」
チノ「はい、突然ですがシャロさん……」
チノ「しばらくの間、ラビットハウスで働いてみませんか?」
シャロ「えっ…………」
シャロ「ええっ!」
チノ「ラビットハウスで人慣れすることによって、またアルバイトに復帰できるようになるのではと千夜さんが」
シャロ「うっ……確かに甘兎庵にはあいつがいるし……」
チノ「ラビットハウスにはココアさんやリゼさん、私もいますし……シャロさんさえよければ、ぜひ」
シャロ「チノちゃん…………」
チノ「あの頃に戻りたい気持ちは、みんな一緒です……シャロさん」
シャロ「……うん…!」グッ
シャロ「こちらこそお願いします……ラビットハウスで働かせてください!」
―――――――――――――――――――――――
――夜――
千夜「シャロちゃんおめでとう、明日からアルバイト復帰ね」
シャロ「ココアの時もそうだけど、こういう重要なことはあらかじめ教えてよ」
千夜「サプライズの方が驚いてくれると思って」
シャロ「考える時間の方が大事でしょうが……まぁ、ありがとうね」
千夜「……………………」
ギュッ
シャロ「!……千夜?」
千夜「明日からのアルバイト、絶対に無理はしちゃだめよ」
千夜「怖くなったらすぐに厨房に回してもらうのよ……わかった?」
シャロ「……心配しなくても大丈夫よ」
シャロ「みんながいるもの……それに」
ギュッ
千夜「!」
シャロ「こうして千夜が応援してくれるなら、きっと大丈夫……♪」
千夜「シャロちゃん……偉いわ」ナデナデ
シャロ「んっ…………//」
――――――――――――――――――――――――――
――ラビットハウス――
シャロ「ご注文はお決まりですか?」
シャロ「ミックスサンドとカプチーノですね」
ココア「シャロちゃん、思ってたよりいい感じだね」
チノ「はい、正式にウチで働いてほしいくらいです」
ココア「えっ!そうなったら今度こそわたしリストラ!?」
チノ「そうかもしれませんね」
ココア「ヴェアアア!追放だけは嫌ぁ!」
シャロ「ココア、くだらないこと言ってないで向こうのお客さんから注文取ってきてよ」
ココア「あっ、はーい」タッタッタ
チノ「どっちが先輩かわからないです……」
シャロ「チノちゃん、カプチーノをひとつ。先輩、ミックスサンドをお願いします」
チノ「わかりました」
リゼ「了解した!」
リゼ「♪~♪♪」
リゼ「んっ……メールか?」
『シャロちゃんの様子はどう?ちゃんと働けていますか?』
リゼ「まったく、千夜は心配性だな」フッ
リゼ「」ポチポチ
――――――――――――――――――――――
――桐間家――
シャロ「あ~疲れた」グッタリ
千夜「お疲れ様。はい、抹茶よ」
シャロ「んっ、ありがとう……なんだかこの疲れ、久しぶり……」
千夜「リゼちゃんから聞いたわ、たくさん頑張ったのね」
シャロ「うん……なんとか人と普通に話せるようになってきたわ」
千夜「もう少しね……後は――」
シャロ「……学校」シュン
千夜「……ねぇ、シャロちゃん?」
千夜「今日、シャロちゃんの学校の近くまで歩いてみない?」
シャロ「!」
千夜「シャロちゃんさえよければだけど……あっ、無理はしなくていいのよ」
シャロ「……………………」
千夜「シャロちゃん……?」
シャロ「……手、繋げば、大丈夫かも…………」
千夜「……!」
シャロ「千夜がいいなら……だけど……」
千夜「ふふっ……シャロちゃん可愛い♪」
シャロ「なっ……!//」
テ ギュッ
シャロ「あっ……」
千夜「これで大丈夫ね、さぁ行きましょう」
シャロ「……ありがとう……//」
―――――――――――――――――――――――
――甘兎庵――
リゼ「なるほど、最後は学校復帰か」
千夜「ええ、リゼちゃんにもぜひ協力してもらいたいの」
リゼ「もちろんそのつもりだ。だが……」
リゼ「わたしがシャロのことをいじめないように一喝してもいいが、それだと逆効果になる可能性もあるとチノ(ティッピー)が言っていた」
リゼ「こういう問題は、一筋縄じゃいかないんだろうな……」
千夜「大丈夫よ♪」
リゼ「え?」
千夜「ただリゼちゃんには、シャロちゃんのことをいじめていたクラスメイトの写真を撮ってきてほしいの」ニコッ
リゼ「写真……?それくらいならお安い御用だが……どうするつもりだ?」キョトン
千夜「わたしが直接会って注意するわ」ニコニコ
リゼ「……………………」
千夜「ふふっ♪」
リゼ(気のせいだろうか、なんだか千夜から危ないオーラが……)
リゼ「い、一応聞いておくが……暴力はダメだぞ?」
千夜「ええっ、大丈夫よ、向こうが素直に納得してくれれば……ね」
リゼ「……納得しなかったら?」
千夜「さぁ、その時は相手の態度次第かしら♪」
リゼ「……………………」
リゼ(怖いけど、シャロのためにも触れないでおこう……)
リゼ「そ、そうか……なら私は写真を撮って来よう」
リゼ「その後の注意は……わたしは付いて行かなくて大丈夫か?」
千夜「ええ、一人の方がやりやすいわ」
リゼ(どういう意味だ……!?)
千夜「リゼちゃんはまたシャロちゃんと一緒に学校に行ってくれるだけでいいの」
リゼ「わかった……以前と同じようにということだな」
リゼ「じゃあ千夜……ま、任せたぞ?」
千夜「ええ」ニコッ
千夜「あぁ……かわいそうなシャロちゃん……」
千夜「待っててね……もう少しで元に戻れるわ」フフフ
リゼ「」ブルブル
――――――――――――――――――――――
――1週間後――
シャロ「せ、先輩……」タッタッタ
リゼ「!シャロ……どうだった?」
シャロ「それが……教室に入った瞬間、いじめてた子達全員に謝られて……」
シャロ「まだみんなよそよそしいですけど、なんとかなりそうな気がします」
リゼ「そうか!よかったなぁ!」
シャロ「はい、これもみんなのおかげです♪」ニコッ
リゼ「はは、シャロが頑張ったからだよ!ははは…………」
リゼ(千夜、いったい何をしたんだ……)
リゼ(気になる……けど)
リゼ「」ブルブル
シャロ「り、リゼ先輩!?大丈夫ですか!?」
―――――――――――――――――――――――
――さらに1週間後――
千夜「シャロちゃんおめでとう、とうとうフルールドラパンに復帰できたのね」
シャロ「うん……店長の計らいでなんとか」
千夜「シャロちゃんは店長さんに気に入られてたものね」
シャロ「ラビットハウスも良かったけど、やっぱりあそこが落ち着くわ」
千夜「これで何もかも戻ってめでたしめでたしね」
シャロ「うん…………千夜?」
千夜「?」
シャロ「リゼ先輩やみんなから聞いたわ……本当にありがとう」
シャロ「千夜のおかげで、またこうやって元に戻れた」
シャロ「小さい頃からずっと迷惑かけっぱなしで……また今回も……ごめんなさい」
千夜「シャロちゃんのためだもの、迷惑だなんて思ってないわ」
千夜「いっそこのままウチに居候しない?アルバイトはフルールドラパンだけにして」
シャロ「ありがたいけど……遠慮しとくわ」
シャロ「いつまでも千夜に頼ってたら、成長できないし……それに」
シャロ「あの幸せな毎日は、このカタチだったし♪」
千夜「シャロちゃん……そうね、そうだったわね」
千夜「……なんだか寂しいわ、シャロちゃんはまたリゼちゃんにぞっこんしちゃうのね」
シャロ「なっ!へ、へんな言い方やめてよ!//」
千夜「小さい頃みたいにギュッしてくれてたあのシャロちゃんが懐かしいわ」
シャロ「…………」
ギュッ
千夜「きゃっ!……シャロちゃん?」
シャロ「これくらい、千夜にならいつでもしてあげるわよ」
シャロ「何もかもが元に戻ったわけじゃないってこと……//」
千夜「……シャロちゃん」
千夜「まさかシャロちゃんからプロポーズされるなんて思ってもみなかったわ」
シャロ「プロポーズ!?こ、これは、そう言うんじゃなくて……はわゎ……//」カァァ
千夜「ずっと一緒ってこういうことだったのね」
シャロ「違うわよ!おバカァ!//」
千夜「ふふっ……ねぇ、シャロちゃん?」
千夜「私たち、これからもずっと一緒よ?」
シャロ「……そんなの、当たり前でしょ//」
ギュッ
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