Spirit   作:藺草影志(OVERBLOOD)

20 / 20
目次

unpublished 6.「ココアの携帯」


unpublished flim 4「携」

unpublished 6.「ココアの携帯」

 

――ラビットハウス――

 

 

シーン

 

 

リゼ「……………………」

 

 

――カチャッ

 

 

リゼ「!」

 

 

シーン

 

 

リゼ「なんだ……風か」

 

 

リゼ「……………………」

 

 

リゼ「……暇だな」

 

 

 

リゼ(ココアとチノはティッピーを連れて動物病院に行ってしまったし……)

 

 

リゼ(そもそも、どうしてうさぎが二日酔いで倒れるんだ?)

 

 

リゼ「……仕方ない、武器でも磨いておくか」

 

 

ブルブルブルブル!

 

 

リゼ「な、なんだ!?」

 

 

ブルブルブルブル!

 

 

リゼ「これ……ココアの携帯」

 

 

リゼ(あいつ、忘れていったのか)

 

 

リゼ「……………………」

 

 

リゼ(……誰からのメールだろ?)

 

 

リゼ(いや、通知メールの可能性も)

 

 

リゼ(……気になる)

 

 

リゼ「…………」スッ

 

 

リゼ(――って、いかんいかん!人の携帯を勝手に見るなんて!)ブンブン

 

 

リゼ(こういう安直な行為が友人関係にヒビを入れかねない、ここはスルーだ)

 

 

リゼ(…………でも)

 

 

リゼ(ココアは、わたしたち以外にも仲の良い友達がたくさんいるんだろうな……)

 

 

リゼ(……わたしも、その中のひとりなんだろうか)

 

 

リゼ(……………………)モヤモヤ

 

 

リゼ(ああ!わたしの中で悪魔と天使が戦っている!)

 

 

悪魔リゼ『大丈夫、ばれなきゃ誰も傷つかないじゃないか』

 

 

天使リゼ『そういう問題じゃない、モラルの問題だ』

 

 

悪魔リゼ『あのココアだぞ?モラルもなにもあったものか』

 

 

天使リゼ『うっ…………』

 

 

悪魔リゼ『ココアは優しいから、万が一ばれても怒らないって』

 

 

天使リゼ『……そうかもしれないが』

 

 

悪魔リゼ『いま見ないと一生後悔するぞ?』

 

 

天使リゼ『…………っ』

 

 

悪魔リゼ『欲望には忠実に!』

 

 

悪魔リゼ Win

 

 

リゼ「」キョロキョロ

 

 

リゼ(ココア、すまない…………)パカッ

 

 

リゼ(これは……シャロからか)ピッ

 

 

『リゼ先輩の誕生日のことだけど、サプライズって一体なにやるの?』

 

 

リゼ「……!」

 

 

リゼ(そういえばもう二月か……すっかり忘れていた)

 

 

リゼ(わたしの誕生日にサプライズ……ココア……)

 

 

リゼ「……まったく、あいつは」カチッ

 

 

リゼ「……えへへ//」ニヘラ

 

 

リゼ「♪~♪♪」キュッキュッ フキフキ

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

リゼ「よし……ピカピカだ」

 

 

リゼ「……それにしても、暇だな」

 

 

ブルブルブルブル!

 

 

リゼ「!」

 

 

リゼ(またか……メールって普段こんなに来るものなのか?)

 

 

リゼ(……わたし、やっぱり友達少ないのかな)シュン

 

 

リゼ「……………………」ゴクリ

 

 

リゼ(大丈夫、ばれなきゃ問題ない!)パカッ

 

 

リゼ(……千夜からか)ピッ

 

 

『リゼちゃんはかっこいい系よりむしろ可愛い系の服が似合うと思うわ』

 

 

リゼ「……!」

 

 

リゼ(可愛い系が似合う……わたしが……)

 

 

リゼ(千夜…………)

 

 

リゼ「――まったく、趣味でもない」カチッ

 

 

リゼ「……えへへ//」ニヘラ

 

 

リゼ「掃除でもしておくか♪」

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

リゼ「よし、だいぶ片付いたな」

 

 

リゼ「……お客さん、まったく来ないな」

 

 

リゼ(ラビットハウスの経営、大丈夫なんだろうか)

 

 

ブルブルブルブル!

 

 

リゼ「!」

 

 

リゼ(なに!まただと!?)

 

 

ブルブルブルブル!

 

 

リゼ(いくらなんでも続けざまで……まさか、ドッキリか?)キョロキョロ

 

 

リゼ「……………………」ゴクリ

 

 

リゼ「……二回も三回も変わらないだろう」パカッ

 

 

リゼ(……チノから?一緒にいるんじゃないのか?)ピッ

 

 

『検査が滞りそうなので、ココアさんは先に帰ってください。リゼさん一人ではきっと辛いでしょうし』

 

 

リゼ(なるほど、ココアは待合室で待機しているのか)

 

 

リゼ(……チノのやつ、相変わらずだな)クスッ

 

 

リゼ(ココアが来る以前よりも距離が縮まったような気がしていたが、どうやらまだまだみたいだ)

 

 

リゼ(ここは年上のわたしが、もっと積極的にならないとな)

 

 

リゼ「……でもな、安心しろ」

 

 

リゼ「悲しいことに、お客さんは誰一人いない」ガラーン

 

 

リゼ(……これからはもっとチノと仲良くしよう)

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

リゼ「」チラッ

 

 

リゼ(もう2時間になるな……ティッピーのやつ、ただの二日酔いじゃなかったのか?)

 

 

リゼ「……心配になってきたな」

 

 

リゼ(ココア、チノ、早く帰ってきてくれ)ソワソワ

 

 

ガチャッ

 

 

リゼ「!いらっしゃいま――」

 

 

シャロ「こ、こんにちは」

 

 

リゼ「おっ、シャロか、よく来てくれたな」

 

 

シャロ「あれ……リゼ先輩お一人ですか?」

 

 

リゼ「ああ、実は――」

 

 

カクカクシカジカ

 

 

 

シャロ「そうですか、ティッピーが病院に」

 

 

リゼ「シャロが来るまで誰一人来なかったし、店のほうは問題ないがな」

 

 

シャロ「それでもココアくらい帰ってきてもよさそうな気がしますけど」

 

 

リゼ「チノとティッピーが心配なんだろう、なんだかんだ言ってもあいつはしっかりお姉ちゃんやってるよ」

 

 

シャロ「……………………」

 

 

シャロ「すいません、お手洗いお借りします」

 

 

リゼ「ああ、そこの突き当たりだ」

 

 

リゼ「……………………」

 

 

リゼ「……暇だな」

 

 

リゼ「シャロにカフェ・ラテでも奢ってやるか」

 

 

ブルブルブルブル!

 

 

リゼ「!」

 

 

リゼ(これで四度目か……)

 

 

リゼ(仏の顔も三度までと言うし、さすがにばれたらココアも……)

 

 

リゼ「……………………」ゴクリ

 

 

リゼ(いや待て、毒を食らわば皿までということわざもあるじゃないか)

 

 

リゼ(それにまだばれてないし、一度目なら許してもらえるはずだ)パカッ

 

 

リゼ(……シャロから?)ピッ

 

 

『リゼ先輩が一人で寂しそうにしてるわよ、せめてあんただけでも帰ってきてあげなさいよ』

 

 

リゼ(……シャロ)

 

 

リゼ(確かに寂しくはあったが……まさか悟られているとは)

 

 

リゼ(トイレに行くなんて嘘ついてまで、あいつ……)クスッ

 

 

シャロ「すいません、遅くなってしまって」ササッ

 

 

リゼ「……シャロ、これはわたしの奢りだ」コトッ

 

 

シャロ「いえそんな、奢りだなんて……ちゃんとお金払いま――って、ブルーマウンテン!?」

 

 

シャロ「あの……わたしカフェインはちょっと……――!」

 

 

リゼ「えへへ……♪」ニヘラ

 

 

シャロ(なんだか先輩がニヤけてる……でも可愛い!)

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

――1時間後――

 

 

ガチャッ

 

 

ココア「ただいま~!」

 

 

チノ「リゼさんすいません、すっかり遅くなってしまって」

 

 

リゼ「気にしなくていいぞ、それよりティッピーは?」

 

 

チノ「ただの二日酔いです、注射を嫌がって獣医さんと格闘すること2時間、やっと検査が終わりました」

 

 

リゼ「そ、そうか」

 

 

リゼ(長引くってそっちの理由か!)

 

 

ココア「ねぇリゼちゃん、それよりわたしの携帯見なかった?」

 

 

リゼ「あ、ああ……ほら」

 

 

ココア「やっぱりここに忘れてたんだ、よかったぁ」

 

 

ココア「無くしちゃったと思って心配したよぉ~あれ?」

 

 

ココア「おかしいな、チノちゃんからのメールが届いてないよ?」

 

 

リゼ「!?」

 

 

チノ「変ですね、ちゃんとココアさんに送ったはずですが」

 

 

パカッ ピッ

 

 

ココア「あれ、既に開かれてる……」

 

 

リゼ「」ダラダラ

 

 

チノ「……まさか、リゼさん」

 

 

リゼ「っ……す、すまない!実は――」

 

 

チノ「ココアさんが携帯を忘れていくのを想定して、わたしからの連絡を……!」キラキラ

 

 

リゼ「……へっ?」

 

 

ココア「なるほど!さすがはリゼちゃん、アクシデントも想定済みなんだね!」キラキラ

 

 

リゼ「い、いや……」

 

 

チノ「ハンドシグナル無しでも分かり合えました、これでマヤさんメグさんと同レベルです」

 

 

ココア「ええっ~二人だけでずるい!わたしも入りたいよぉ」

 

 

キャッキャッ

 

 

リゼ(……チノとココアが良い子で助かった)ヘナヘナ

 

 

リゼ(しかし、この罪悪感…………神様ごめんなさい、もう二度とこんなことしません)

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

――深夜――

 

 

リゼ(……携帯を見てただけなのに、今日はなんだか色々あったような気がする)

 

 

リゼ(……ココア、チノ、シャロ、千夜…………)

 

 

リゼ「……ふふっ♪」ゴロッ

 

 

リゼ「どうだワイルドギース、わたしには良い友達がたくさんいるぞ」ニコッ

-------------------

end.

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。