空中に佇んでいた仮面の男はフリードと木場の間に刺さっている槍を引っこ抜き、器用にクルクルと回して構えを取る。
突然乱入されたのでフリードも現れた人物に文句をぶつけた。
「ちょっ!?何勝手に邪魔してくれてるんですかねぇアンタ!もう少しでクソイケメン君の首をチョンパできたのにぃ!?」
『あん?うるせぇよクソ野郎。生憎、お前の言っていた旦那とやらとそこにいるクソジジイを始末しろとリーダーから言われたんでな、邪魔をするなら…………テメーから消えろ』
仮面の男はフリードに槍を向けて放った。
『いけ!カシウス!』
「そんな攻撃当たりましぇん!」
ヒュンッ!
先程と同じように天閃の聖剣の能力で楽々と躱された……かに見られた。
躱されたカシウスが勝手にフリードの元へと再び迫ってゆく。
「何ぃ!?このッ!?」
ガキンッガキンッガキンッ!
一人出に動くカシウスと聖剣が鍔迫り合い火花が飛ぶ。だがしばらくこの状態が続きこれでは埒が明かないと思ったのか、持ち主である仮面の男に剣先を向け斬りかかる。
「アンタを殺っちまえば生意気な槍も止まりまっすよねぇ!」
「っ!危ない!」
木場が叫ぶが剣は男の目前で斬られそうになった……が男はいつの間にか聖剣の端を親指と人差し指で止めていた。
「!こんなのマジでございますか!?」
『…こんなもんか、大した事ねえ、なッ!』
男は指に力を入れると…
パキッ!
摘んでいた場所からヒビが入り
ピキピキッ!バリンッ!
『なっ!?』
…聖剣が真っ二つに折れた。
これには全員が驚いた。たった指に力をいれただけで自分達が苦戦していた聖剣が折れたのだから。
『融合した聖剣だと聞いてそこそこは期待していたんだが……期待外れもいい所だな』
「ク、クソッタレェ!この化け物がぁぁ!」
正気じゃなくなったフリードが折れた聖剣を男に振り下ろすが、勿論の事、柄を握られ止められた。
『ヤケ狂って突撃とか、正気の沙汰じゃねぇな。いや元々正気じゃないか。んじゃ、邪魔だしそこらへんに転がってな………それに、俺は化け物だ。間違っちゃいねぇよ』
グサッ
「っ!?グボッ!?」
男はカシウスをフリードに突き刺した。そしてすぐに呪文を唱える。
『我は天に見放されし者、全てに復讐を誓いし者、そして…全てを源に還す者なり』
カシウスが反応したかのように紅く輝き始め、フリードが紅いオーラに呑み込まれていく。
「ちょ!?マジで洒落にならないンスけど!?」
『今更後悔かよ。安心しな、しばらく仮死してもらうだけだ。こんな風になって恨むなら突っ込んできたお前を恨めよな』
そして………カシウスを引き抜く。
ビシャッ!
身体から槍を引き抜かれたフリードから血が噴き出し、仮面を血が濡らす。
鬱陶しいと思ったのか男は仮面につけられた血を腕で拭う。
そして視線の先をバルパーへと向けた。
『さて、次はテメーだクソジジイ』
「フン!貴様などに殺されは『グサッ!』グボッ!?」
バルパーの身体に光の槍が突き刺さった。放たれた方向の先にはコカビエルが翼を広げ、浮かんでいた。
「バルパー、貴様は大いに役に立ってくれた。だから安心して逝くがいい」
そしてバルパーの身体は光となり、…消滅した。
コカビエルは仮面の男へと視線を向ける。
「中々腕が立つ様だが、俺はフリードのように弱くはないぞ?」
『余裕のつもりか?何ならすぐに肉片にしてもいいんだぜ?』
「ふん、これを見てもそう言えるか?」
コカビエルは異空間からある物を取り出す。それは全面が紅い血の色の球体だった。
男はそれを見て声を荒げる。
『!テメー!まさかここでそれを解き放つつもりか!』
「ちょうど良い余興の様なものだ、精々足掻いてみせろよ?」
そして球体を高く放り投げる。球体は突然と光り始めて形を変えていく。……それはまるで人を思わせるものだった。
「フフフッ、さあ!奴等と戯れて来い!
使徒よッ!!」
早くも使徒登場です。