嫌われの贋作天使(エヴァンゲリオン)   作:カフェ・オーレ

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第9話

 

 会議室のテーブルでは三大勢力のトップ達が各勢力の状況について話していた。先日のコカビエルの件で聖書の神が死んだという事が顕になった。そして元々、聖書の神が使っていたというシステムは天使長のミカエルが担当しているらしい。アザゼルの話だとミカエルは昔、神よ神よと神至上主義だったらしい。よくまともになったな。にしてもアザゼルの発言には舌を巻いたよ、『神がいなくても世界は回る』…か。所詮聖書の神も世界のほんの一部に過ぎなかったって訳だ。

 

−−チョイチョイ…

 

『ん?』

 

 服の裾を引かれたので先を見ると細くて綺麗な指で朱乃ちゃんが引いていた。やべっ、そういや朱乃ちゃんと一緒にいるように言われてたな。

 

「その…元気でしたか?」

『あ、ああ。この体になってからは嫌というほど元気だった』

「ッ」

 

 質問に返答すると朱乃ちゃんは下唇を噛んだ。いけね!俺の体の事はNGワードだったか!?

 

「…ごめんなさい」

『?なんで謝るんだ?』

「……おじさまから貴方がその体になった事を聞いた時、私は私自身を許せませんでした」

『何故君が君自身を許せないんだ?この体になってしまったのはあのクソジジイのせいなのに』

 

 まあ、元凶は戦争狂(コカビエル)が消したわけだが。

 

「確かにそれが一番の原因です。けれどその前に出来た事があった筈です」

『…』

「父様から貴方が誘拐されたと聞いて私はずっと後悔しました。何故あの時、貴方と一緒に行かなかったのか。私は『あの約束』を守れなかった…少なくとも貴方を庇う事ができたかもしれないのにッ」

『朱乃ちゃん……』

 

 ……そっか、そういえば小さい頃言ってたな。『カヲル君はもう悲しまないでいいんだよ?私が守ってあげるからね』って。あの時の俺はその言葉に泣いた。そして泣いている俺を朱乃ちゃんが優しく抱き締めてくれた。初めて家族が温かいと感じられた。

 

「…まだ私を名前で呼んでくれるのですね」

『呼ぶのを許してもらえているのならね。…逆に俺が君の名前を呼ぶ資格があるか疑わしいよ。俺は怪物だ。自分の欲の為に他のものを犠牲する……怪物だよ』

「カヲル君……」

 

「話変わるが……」

 

話が変わったのかアザゼルさんが俺に視線を向けると共に各勢力の目線が俺に移す。

 

「さて、リリン。先日の件でコカビエルが元々天界に封じてあった使徒の核を教会から盗んだというが、それは本当に使徒だったのか?」

「正直、あれが使徒だとは…考えられません」

『!!』

 

 アザゼルさんから聞かれた質問にはすこし疑問があった。どうも俺の中の奴等の話だと『昔よりもかなり弱すぎる』らしい。なんでも中には分裂して二体になり、それぞれの核…コアを同時に破壊しなければいけない奴や触手が紙のように薄くて切れ味が鋭く手足を切断した奴もいたそうだ。……はっきりいってグロい。

 

「ほう、その理由は?」

『はっきりいって『弱すぎる』。何より反応速度が遅かった。自然体の使徒ならすぐにでも回避できた筈。だがあの使徒は人型だった、本来の使徒は人型ではありません。もっと異形な形をしています』

「ふむ、なるほどな…」

 

 確かに使徒が人型になるのは珍しくない。だが使徒が人型になるのは人間や人間に近い生物を喰らった時になるのが本来の過程だ。だがあの使徒は最初から人型だった。となるとあれは人工的に創られた使徒と考えるのが妥当だと思う。だが使徒は生産などできない。あくまで出来たとすればそれは使徒に似たナニカだ。

 

「それでリリン、アイツ等は元気に暴れまくっているのか?」

「アザゼル……」

『??』

 

 アザゼルの言葉にミカエルがトーンの低い声で止めた。他の人達は何の事かわからないといった表情だ。

 

『ええ、絶賛俺の中で早く暴れたいと蠢いていますよ』

「ヴァーリから話を聞いたときは驚いたが、まさかお前がエヴァシステムを取り込んでいたとは俺も思わなかった。だが今回の件では好都合だったな、そうだろミカエル?」

「エヴァシステム……かつて使徒が私達の手に負えなくなった時に創られた対使徒用殲滅システム、それがエヴァシステムです」

『!!』

 

 創った側の話を聞くと確定だな。俺の中には合計六個のエヴァシステムが機能している。

 

・プロトタイプ(ファースト)

・セカンド

・サード

・markーⅥ

・markーⅧ

 

そして、禁忌のエヴァシステム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダブルエントリーシステム、名称第十三号機

 

 

 

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