東方雰囲気録   作:島夢

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タイトルあれですが…かなりかなしい話となっております…


ゆっくりしんみりしていってね…


106話 はやく帰ってこないとみんなにぼこられるよ大夢くん…

side雪那

 

 

「大夢さん…帰ってくるの遅いですね…」

 

 

私はすぐに夕食を作れるように準備して、大夢さんを待っています

夕食には帰るといっていたのでもうそろそろ帰ってくると思うんですけど…

戸がコンコンと叩かれる

 

 

「帰ってきたんでしょうか?」

 

 

私はそう呟きながら、玄関に向かう

帰ってきてくれたことに少し安心しながら笑顔がこぼれる

 

私は微笑しながら扉を開ける

 

扉の向こうには紫さんが居た

大夢さんじゃなかったことに少し落胆しながらも表情は崩さずに言う

 

 

「どうしたんですか?紫さん、大夢さんならまだ帰ってきてませんよ?」

 

「ええ…わかってるわ…ちょっと大事な話があってね…大夢にじゃないわ、あなたによ…雪那」

 

 

大事な話…嫌な予感がします…とてもとても…

 

 

「上がっていい?」

 

「ええ、どうぞ」

 

 

私は紫さんを家に招き入れる

大夢さんが帰ってきてないのに紫さんが来た

そして大事な話…嫌な予感です…本当に…

 

 

紫さんは椅子に座る

私も向かいの椅子に座る

間には机があります

よく大夢さんと二人で座って色々な話をするところです

 

 

「こういうことは変に誤魔化しても意味がないのはわかっている…だから単刀直入に言うわ」

 

 

紫さんが真剣な顔をして言う

…何を言うか…薄々わかっています

大夢さんに貰った霊力の結晶のついた腕輪…

いつも淡く光っていたのにその光もなくなっています…

つまり、大夢さんになにかあったということ…

でも大夢さんはちゃんと帰ってくる…そう言っていました…

 

 

「大夢はもう帰ってこない」

 

 

わかっていました、言われる前から…

でも…ずっと心のどこかで否定していました

 

 

「雪那…」

 

 

頬がぬれています…

なんででしょうね…なんででしょう…

涙が止まりません…

 

 

「大夢さんは…帰ってくると言っていました…だから…だから…」

 

 

勝手に想いが口に出る

こんなことを言っても仕方がないとわかっているのに…

何も変わらないとわかっているのに…

ダメですね、私は…

 

 

「雪那…ごめんなさい…私は…」

 

「紫さんは悪くないです…大丈夫です…すいません…一人に…してください」

 

「ええ、わかったわ…」

 

 

紫さんはスキマの中へ入っていきました

涙が止まらない…

どんどんどんどん溢れてくる

 

私はフラフラと縁側へ歩いていく…

 

大夢さんとよく一緒に腰掛けて色々な話をしました

とてもとても楽しかった…でもこんなにも儚い…

 

私は縁側に座り込む

 

なんで…なんで…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで…帰ってきてくれないんですか………大夢さん………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう呟いた瞬間、心のどこかに押しとどめていたものが一気に流れ出る

 

 

「あぁぁぁあああああああああああああああああああああああああっっっ!!」

 

 

声をあげて泣く…

今までではじめてです…いつもいつも泣く時は声を殺して泣いていました…

でも…今は…今回だけは…

 

大夢さんの霊力の結晶の入った腕輪を胸に抱く

ぎゅっと強く強く…

 

 

「なんで…帰ってきてくださいよ…私は…大夢さんが居ないと………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ずっと一緒に居たいと願っていたのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一緒に居れると想ってたのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたと一緒に見たものならすべてが愛しかったのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたと一緒に聴くものならすべてが美しかったのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつもいつも隣で笑っていてくれたのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ずっとあなたと居ることが幸せで…ずっと夢を見ているかのように思えたのに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでこんなにも儚く、簡単にあっさりと消えてしまうの…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの人といつも笑いながら見上げたのに…いつもと変わらない夜空なのに…

 

なんでこんなにも…涙が止まらない…

 

 

 

 

 

いつも想っているのに…

あなたとなら夜はいつもすぐに過ぎたのに…

 

 

「大夢さん…大夢さん…」

 

 

あの人がいないだけでこうも変わる…

星はいつもと変わらず輝いてるのに…

いつもと同じで優しく美しく輝いているはずなのに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたとの時間が永久に続けばよかったのに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたもこの星空が見えているのでしょうか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せめて…せめてあなただけでも…幸せでいて欲しい…私はそう想う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もしもう会えないなら…私のことなんて忘れて欲しい

そうすれば、悲しくなんて無いはずだから…寂しくも無いはずだから…

 

でも…あなたが私を忘れても…私はずっとあなたのことを覚えています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつか帰ってきてくれるように…いつかあなたが帰ってきて、私に笑いかけてくれるように…

 

とてもとても自己中心的な考えです、あなたの気持ちなんて全然考えていない…

 

でも…私は今思ったことと同じように、子供のわがままのようなことを言ったとき、あなたはそんな私を肯定してくれました

 

こんなわがままでもちゃんと守ってくれる…あなたはそういう雰囲気の人です

 

だから…ずっと待っています

 

都合が良過ぎるかも知れません…

 

 

 

 

 

でも…ずっと待っています…

 

だから…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日くらいは…泣いてもいいですよね?大夢さん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




かなしい…
はやく帰ってこないと雪那さんが、ずっとかなしい…
このままじゃ大夢くんはみんなにぼこられることに…!
正直俺は今すぐにでも大夢くんを張っ倒して記憶を戻させてやりたいですが…俺には手が出せませんので…

次回も頑張って編みます
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