マキシさんの編んだ世界の東方聖霊夜より、神崎 駆真くん、大夢くんの親友にちょっと色々任せました
では、ゆっくりしていってね
いつも通りだ
兄ちゃんに色々言われてもう二週間
病室で目が覚めてからもう一ヶ月だ
俺はずっとむしゃくしゃしていた
みんなと一緒にいるときはそういうことを思い出さないようにして、いつも通りに接していた
でも一人になっとときは自分自身に怒りが涌いてきてイライラする
正直、もう一人自分が居たら殴って半殺しにするくらいにはイライラしている
「はぁ…なんなんだろうなぁ…」
俺は夜、一人で丘の上でぼーっとしている
もう時刻は深夜12時といったくらいか…
こうしていると、自分にイライラしてくる
でもなぜか一人でいたい
何でだろうな、ずっと矛盾を抱えた思考がぐるぐる回ってる
「イライラする」
「よう、大夢」
俺が呟いたとき…
後ろから声をかけられる
誰だ?俺の名前を知っている?
この声…聴いたことは無い…はずだ
なんだろう…でも懐かしい感じがする…
「あんた…誰だ?なんで俺の名前を知ってる?」
俺は立ち上がって声のしたほうを向きながらそういう
振り向くと俺と同い年くらいの青年がたっていた
妙に親近感がわく顔だ
見たことなんてないはずなのに…
というか、イケメンだなこの野郎…
「やっぱ忘れてるのか…俺の名前は神崎 駆真だ」
神崎…駆真か…
妙に頭に残る名前だ…
というか、元々覚えてたみたいな…
そんな感覚
イライラする…なんなんだ、なんで思い出せないんだ…俺の行方不明だった二年間の記憶だ…そこに大切な何かがあるはずなのに…
「イライラしてんなぁ…」
目の前にいる…神崎 駆真がそう呟く…
初対面のはずだ…はず…なんだけど…
「イライラ?誰が」
わかるわけがない、この人とは俺は話したことは無い
会った事もない
俺がイライラしてるなんてわかるわけがない…
自分で言うのもなんだけど俺はあんまりそういうことを表に出さないタイプだから…な
「お前がに決まってるだろ?他に誰が居るんだよ、自分自身にイライラしてるんだろ?お前」
「はぁ?なんであんたにそんなことわかるんだよ…」
なんだ…?こいつ
相手のことは知らないのに自分のことは知られてるって結構いやな気分だな…
しかも、自分に対する苛立ちまでわかってる…
ちょっとずつ自分に対する苛立ちが相手に向かう
なんなんだ、俺の考えてることならわかるって顔しやがって…
なんなんだ…なんでこいつの言葉はこんなにも…
「大夢、楽しいか?平和に…ずっと平凡な…椅子に座ってとんとん拍子に進んでいく日常…楽しいか?命の危険も無い、仲のいい友達がたくさんいる、自分のことをわかってくれる親もいる………楽しいか?
ずっとそうやって、
なんでこんなにも心に響くんだッ!!頭に残るんだッ!
気づいたら思いっきり拳を振りかぶって殴ろうとしていた
でも簡単に受け止められた…
「楽しいか…って、きいてんだよ…!」
俺の拳を受け止めたまま俺の目を真っ直ぐ見てそういう
その目はまっすぐで…俺にはお前の考えてることなんてなんでもわかる、そう主張しているように見えた
なんでなのかはわからない…自分の知らない自分をこいつが知っている気がして…
「あんたに…何が分かるんだよ!俺のことをなんでわかるんだよ!」
俺は憤りを隠さずにそう叫ぶ…あいつも怒ったような顔をして叫ぶ
「わかるわけねぇだろうが!お前のことを理解しようとして…理解してずっと隣にいるのは俺の役割じゃねぇんだよ!俺の役割は、いや、俺の願いはッ!想いはッ!
お前と自分の本音ぶつけ合って時には協力して、お互いを認め合って一緒に喧嘩しながら進んでいく!
俺はお前にとってのそういうやつになりたいんだよ!」
なんなんだ…なんでこんなにも心に響く、なんでこんなにも心に刺さる…
お前はなんなんだ、誰なんだ、俺にとってのなんなんだよ…!
お前が誰なのかはわからない、けど俺の考えてることがわかるほど俺のことを理解しているやつが…違うっていうのなら…
こいつの言う『俺のことを理解しようとして、理解してずっと隣にいる』そういう人は誰なんだよ…!
「じゃぁ!俺のことを理解してずっと隣に居てくれる人って誰なんだよ!もうわけわかんねぇんだよ!」
もうわけがわらない、ただただ、自分の感情をぶつけてるだけ…
その答えが知りたくて…
それが俺のずっと忘れているなにかのはずなのに…思い出せない自分に嫌気が差して…
「お前は忘れてるだろうけどさ…そういう人は確かにいるんだぜ?そういうのは自分で思いださねぇと…意味ねぇんだよ」
もう意味わかんねぇ…
俺の隣に居る人?しらねぇよ…
もうわけわかんねぇよ…畜生…絶対…忘れちゃいけないことなのに…
「ん?雪か…季節外れだな、でも…こういうのもいいもんだな」
あいつがそういう…
雪…白くて白くて………白くて…
月明かりに照らされて…銀色にも見える…
誰かわからないのに、そんな印象を受ける人を知っている
ずっと一緒に居たい人…
あたまの奥で誰かが俺に笑いかけてくれている
『大夢さん、私はずっと待ってますから』
「雪…那………雪那…?誰…だ?」
とっさにそういった、そういった瞬間自分自身に殺意が涌いた
なんで忘れてるんだ、なんであいつのことを誰だ、だなんて言えるんだ…自分自身にそう思った
次の瞬間には、俺は吹っ飛んでいた
「誰だ?誰だと言ったか?今お前は自分自身に殺意が涌いただろ?ああ、俺も同じだ、一瞬お前に殺意が涌いたぞ?よく自分の好きな女にそんなことがいえるなお前…!」
あいつは本気で怒っている
自分自身に怒る必要なんてない…俺の変わりにこいつが怒ってくれるから…勝手だけどそう思った
吹っ飛ばされて、仰向けに転んで…
ひらひらと降ってくる雪を見る…
あいつが俺のところまで歩いてくる
そして俺に一枚のカードを渡してきた
不思議なカードだ、なぜか光っている
「忘れているかもしれねぇけどよ…忘れてる状態でも関係ねぇ、選べ…お前が選択しろ。
これを破って残るか、これを持って『解決』させにいくか。二択だ」
…カードを眺める…
なんだろうな…妙に手にしっくり来る
元々よく持っていたもののように…
「チッ、時間切れかよ…」
アイツのほうをみるとちょっとずつ体が透けていっている
あいつは俺を睨みながら
「最後に言っておく、お前には選ぶ権利と義務がある、そして…お前には待ってる人がいる…そんな雰囲気だ」
そう言った瞬間、あいつは消えた
手渡されたカード…いや、
「友符『駆け抜ける雰囲気』…か、ああ、そういう雰囲気だな…」
まったく…
「お前に雰囲気は似合わねぇよ…
いい親友ですね…この二人、本当にいいコンビだ…
この話の中のどの部分で記憶が戻ったか…それはみなさんの判断に任せます
でも、ちゃんと記憶は戻りました
次回も頑張って編みます