東方雰囲気録   作:島夢

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113話 「やはり人間は素晴らしい…」

 慧音の家に妹紅を届け、異変解決の続きへ行く…。 夜の里には子供の声のかごめかごめが響き渡る…。

 

 いやな感じだ…。

 ちょくちょく妖怪の雰囲気もただよってくる…。妖力を垂れ流して、わざと子供に浴びせ、操ってるのか?

 

 霊力や妖力の扱いなんてわかるはずがない子供はそれで操れたとしても、妹紅はどうなる?不可能だ…妹紅の霊力の扱いは、数百年、もしかしたら千年を越えるほどの年数を鍛えたものだ…。

 

 操れるわけがない…妹紅が幻覚を見せられるくらいなら俺を操ることもできるだろう…というか、妹紅を混乱させることのできるほど強い相手なら、正直俺の手におえる相手じゃない…。

 

 

「とはいえ…放っておくのは無理だよな」

 

 

 雪那には心配かけたくないけど…やっぱり見て見ぬふりなんてできねぇ…。

 なら動くしかないだろう…この異変を解決する…!

 

 

 

 

 

 

―――ドゴォッ!!―――

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

 爆音が響く…なんだこの音!? 雰囲気を感じ取る…爆音の方からは紫の雰囲気がする…なんだ?もう一つ嫌な雰囲気がある…いや、この雰囲気はあの雨合羽の雰囲気だ!

 

 足に霊力を込め、走る…駆真からスぺカを受け取ったときから、なぜか飛ぶよりこっちの方が得意なのでこっちの方が速いんだ…。急いで走る…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

失笑物打世(失笑ものだよ)孤之程度野存在雅幻想郷之賢者ァ(この程度の存在が幻想郷の賢者ァ?)

 馬鹿馬鹿恣意(馬鹿馬鹿しい)弱過技手話似成蘭(弱すぎて話にならん)…」

 

 

 紫の雰囲気と雨合羽の雰囲気のする方へ行くと、雨合羽がボロボロになって、雨合羽を睨み付けている紫を見て、不機嫌そうにひどく聞き取りずらく、不快な声でそう言っていた…。

 

 藍さんが紫の近くに全身から血を流して倒れている。

 

 紫は…紫色のドレスが血で染まっている…。特に右腕の傷が酷く、真っ赤に染まっている…。出血の量が激しく、今にも倒れそうだ…。そんな状態でなおも雨合羽を睨み付ける…。

  

 対して雨合羽はまったくの無傷、汚れの一つすらついていない…。疲れも感じさせない…ただ失望しているようだった…。紫のことを弱いと言えるくらいにこいつは強いのか…?

 二人が、全力でかかってもこいつは無傷だったのか…?冗談みたいな強さだ…。

 

 

「あなた…何者?」

 

唯之妖怪差(ただの妖怪さ)君戸同字(君と同じ)妖怪(妖怪)尤藻、(もっとも)妖怪出ㇵ無区、人二成集ッ 野田雅音、(妖怪ではなく、人になりたかったのだがね…)…」

 

 

 そう言い終わった瞬間、雨合羽は俺の方をいきなりグルンッと向く…一気に体が緊張する…怖い…そう素直に思った。

 俺を見て、雨合羽は楽しそうに笑う…。

 

 

非日比ッ(ひひひっ!)! 弥ァ…殺気振李種(やぁ…さっきぶりだね)、…絵ェ戸(えぇと…)名前ヲ聞居手否刈田音(名前を聞いていなかったね)

 

「灰咲…大夢」

 

 

 俺は答える…なんで答えたって? こいつには何を言っても読まれる気がするんだ…だから、素直に言っておいた方がいい気がする…。

 こいつの勘に触ることは言えない…。

 こいつからは本当にやばい雰囲気がする…いや、雰囲気ではなく、本能がやばいと言っている。

 素直に怖いと思う、足がすくむ…あいつから一歩でも離れたい…だけど、引けない…もしかしたら行方不明になった子供のことを知っているかもしれない。

 いや、知っているのだろう…大体の雰囲気でわかる。本能が逃げろと叫び、だが理性がそれを拒む…。

 

 

蒼海(そうかい)大夢君階(大夢くんかい)覚得手億世(覚えておくよ)…本能に逆らって私の前に立つその覚悟…やはり人間は素晴らしい…」

 

 

 そう言って笑ったと思ったら雨合羽はまるで『幻想』だったように消えてしまった…。

 雨合羽が消えるまで一切油断できなかったしあいつもその気なら俺をここで殺せたのだろう…。

 

 人間は素晴らしい?それに途中から聞き取りやすくなった…?

 そういうことだ…?いや、今はそんなことより紫と藍さんを助けなくては…そう思い、急いで紫と藍さんの方へ駆け寄る…。

 

 

「大丈夫か!?」

 

「大丈夫…よ、スキマを使えば、すぐに永遠亭あたりにいけるわ」

 

 

 全然大丈夫そうにみえねぇぞ!?

 そう思い、紫を支えようとすると、紫は手で制す…。

 

 

「時間がないわ…雨合羽は何をしようとしているかはわからない…けれど、かなりやばいことというのは確かよ…それこそ、幻想郷が消えてなくなってもおかしくないほどの…ね」

 

 

 幻想郷が消えてなくなってもおかしくない…?あいつは何をしようとしているんだ…?

 

 

「あいつの妖力は桁はずれだし、あいつなら簡単に博麗大結界を破れるでしょうね…」

 

「なっ…じゃあ、はやく止めねぇと!」

 

「だから…今あなたは私たちに構っている暇はないのよ…魔理沙と霊夢には橙が知らせに行ったから伝わっているでしょうけど、人数は多い方がいい…はやく行ってちょうだい」

 

 

 紫はそういうと、藍さんの方へ片足を引き摺りながら進み、スキマを開いて入って行った…紫の歩いた後にはおびただしい量の血の痕がついている…。

 本当に大丈夫なのか、心配だし、できれば無事だというところを見届けたいが、さっきの説明を聞くと、時間がないのがわかる…。

 

 紫があそこまでやられるなんて…な。

 

 異常な強さだ…。

 

 

「迷ってても仕方ねぇ…行くか!」

 

 

 俺は自分を鼓舞し、霊力を足に込め、駆け出す…まだまだ異変解決は無理そうだ…。

 

 嫌な雰囲気が漂ってやがるぜ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




雨合羽…どれくらい強いのか、そこが見えませんね…
とりあえず、藍様とゆかりんを同時に相手して無傷、汚れひとつつかない強さ…ですね

そして人間は素晴らしいのセリフ…こいつは人間に憧れてるんです…まぁ、あんまり言いすぎるとネタバレになりますね…


さて、みなさんの方でも色々考えてしまいかと思いますが、雨合羽のことは後々わかりますので…それまでお楽しみに…

大夢くん大丈夫でしょうかね?

ゆかりんと藍様は無事永遠亭につきました、あとは永琳がなんとかしてくれるでしょう…



では、感想待ってます

次回も頑張って編みます!
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