東方雰囲気録   作:島夢

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120話 

 俺のせいか?

 俺のせいで?

 なんでこんなことになった?

 

 どうして? なんで?  

 

 何が起こった?

 

 

 どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? 

 

 どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして?

 

 どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして?

 

 どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして?

 

 どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして?

 

 

 なんで…? 俺しかいない…?

 

 わからない、何があった?

 俺が…俺がやったのか…?

 

 なんで何もない…?

 幻想郷はどこに行った?

 

 ―――違う、どこかに行ったんじゃない…。ここが幻想郷だ。

 

 ―――これは近い未来、お前が巻き起こすこと…………。

 

 

 ―――そうさ、何故ならお前は―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ろ……ん、大夢…ん。大夢さん!」

 

「ん…? ぁ…」

 

 

 目が覚める、目の前には雪那の心配そうな顔。

 なんだろう…?本当に嫌な夢を見ていた気がする…。

 

 でも、思い出せない…。取りあえず。

 

 

「ゆ、雪那? 心配してくれるのはありがたいんだが…顔が近い…」

 

「あっ、す、すいません! 」

 

 

 顔を真っ赤にしながら急いで俺から離れる雪那。

 というか、雪那が俺より先に起きるなんて珍しいな…。

 いや、俺が寝坊したのか?

 

 

「今、何時だ?」

 

「多分、八時くらいです」

 

 

 八時…いつも俺は六時には起きてるから、やっぱり寝坊したか…。

 夜更かししたつもりはないし、したとしてもいつも起きている時間には起きられる体質なんだけどな…。

 なんで起きれなかったんだろ?

 

 

「大夢さん、うなされていたので、起こした方がいいと思って起こしてしまいました。すみません」

 

「いや、謝らなくてもいいよ。起こしてくれてありがとな。雪那」

 

「大丈夫ですか…?」

 

 

 本当に心配そうに聞いてくる雪那。

 

 

「いや、大丈夫だ。けど…風呂入るよ…。汗が気持ち悪い。あと今日は布団洗濯しなきゃな。いい天気だし」

 

「そう…ですね。何かあったら教えてくださいよ?」

 

「ああ、悪いけど、布団洗濯しといてくれよ。後で手伝うからさ。そのあとにご飯にしよう。少し遅くなるけどたまにはいいだろ」

 

「はい、ゆっくり汗を流してきてくださいね」

 

 

 俺は雪那を部屋に残して風呂場へ行く。

 ちなみに、うちの風呂は普通に薪を燃やして温めることもできるが、霊力を使って温める。

 原理的には魔理沙が使っているミニ八卦炉の大きいバージョン。八卦炉が風呂のしたにあって、霊力を流し込んでお湯を沸かすことが出来る。

 雪那の親の代に霖之助さんに作ってもらったそうだ。

 

 なので、霊力を送り込んでお湯を沸かして桶でそのお湯をすくって体にかけてから、風呂に入って温まる。

 

 

「ふぅー…やっぱり風呂はいいなぁ…」

 

 

 落ち着けて、ゆっくりできて…。

 

 ある程度の時間入ったら雪那のところに行かなきゃな。

 一人で布団を洗濯して、干すのは大変だろうし…。

 

 なんか嫌な夢見た気がするんだけど…まぁ、いいか。

 

 

 

 

 俺は風呂をあがって、きちんと体を拭いて着流しを着て雪那のところへ行く。

 雪那は丁度布団を干そうとしていたところだ。

 

 

「雪那、重いだろ。俺が干すよ」

 

「大夢さん、ありがとうございます」

 

 

 雪那の隣に言って布団を貰い、干す。

 さて、布団は干せたし、どうするかね。

 

 今日は寺子屋に行かない日だし…。というか、寺子屋が休みの日だし…。

 

 

「雪那、今日の夕ご飯何にする?」

 

「そうですね…。鍋でもしましょうか」

 

「あ~。いいね、鍋。んじゃあ、材料買いに行くか。ついでに昼飯も里で食べよう」

 

「はい!」

 

 

 そんな会話をしながら家に入り。準備をして家を出る。

 里までは歩くと結構かかるけど、雪那と一緒なら長くは感じない。

 

 二人で黙って歩いていくけど気まずさは感じない…。心地の良い雰囲気だ。

 

 うん、こんな雰囲気を感じられるのは、雪那だけだからな…。

 だから好きなのかなぁ…。

 

 

「!?」

 

 

 人里についてみると、緑色の髪の棒というか板切れのようなものを持っている少女が人里の少し素行が悪いことで知られる青年(多分俺と同じくらいの年齢)に説教をしていた。

 これは…どういうことだろう?

 

 すると、説教が終わったのか、青年はふらふらとした足取りで歩いて行った。

 かなり疲れている様子なのだが、どれくらいの間説教していたのだろう?

 と思っていると、緑色の髪の棒というか板切れのようなものを持っている少女、四季 映姫はこちらを見つけると、俺と雪那のところに歩いてくる。

 

 俺は、この人のせいで雪那を泣かせるはめになったので、少し警戒してしまう。

 雪那も一応は事の顛末をすべて知っているはずだが、にこにこ顔のまま、いつも通りだ。

 

 

「こんにちは、雰囲気の少年と雪の少女」

 

「はい、こんにちは、映姫さん」

 

「こんにちは…ってなんだその呼び方」

 

「おや? 知らないのですか? 貴方はよくこう呼ばれてますよ。そうですね、二つ名のようなものを短縮したものです」

 

「二つ名?」

 

 

 俺にそんなもんついてるのか?

 雪那は昔から幻想郷にいるからついていても不思議じゃないけど、俺にまでついていたのか…。

 

 

「例えば、博麗の巫女ならば『素敵な楽園の巫女』と呼ばれています、雪の少女ならば『雪原の中の小さな安らぎ』、そして貴方ならば『幸運を呼ぶアトモスフィア』『雰囲気と夢の曖昧な少年』」

 

 

「二つ名って二つあるもんなのか?」

 

「それを言えば博麗の巫女の二つ名など十をこえます」

 

 

 二つ名ってそんなに大量生産するのかよ…。

 というかそれは誰が考えるんだ…?

 本人に許可を取らずにつけるもんなのか? いつの間についたんだ?

 疑問はつきないが、まぁいいか。

 

 と考えていると、映姫は俺の顔を見ている。

 

 

「な、なんだよ」

 

「ありがとうございました」

 

「?」

 

 

 なんかお礼を言われた。

 何に対してのお礼だ?

 

 

「なんに対しての礼かわからない、という顔ですね。それでいいのです、むしろわかられたら驚きです。取りあえず、貴方は私が貴方に感謝しているということを知っていればいい」

 

 

 どういうことだよ…。

 まぁ、本人がいいっていってるんだし、別にいいか。

 気にはなるけど、構わないさ。

 

 

「ああ、それと、一応言っておきますが、私は貴方を外に出したことを後悔していませんし間違っていたとも思っていません。今でも正しい判断だったと思っています」

 

 

 少し目を細めながら映姫は淡々と言う。

 

 

「ですが、弾幕ごっこ、というこの幻想郷の戦い方のルールに縛られている現状、貴方に勝利は出来ない。故に貴方を放置することにしました」

 

「そうか」

 

「昔、とある私の知り合いが言っていました。『正しさは幻想のようなもので、誰にでもわかるがたくさんあるものだ』とだから、貴方を幻想郷に残すのは私以外の誰かの正しさだと考えることにします」

 

 

 映姫の知り合いって…どんな人だろう?

 幻想ってワードには結構引っかかるけど…まぁ、いいか。

 

 

「それと、雪の少女、貴女には謝っておきましょう、貴女は生きているという罪以外でならば限りなく、雪のように白に近い人生を歩んでいる珍しい人です。そんな貴女を悲しませるような状況を作ってしまい、申し訳ありませんでした」

 

 

 そういって、棒というか板切れのようなもの、というか(しゃく)の上の方を口の当たりになるような持ち方にして頭を下げる。

 それを見て、雪那は少し驚いた顔をしたあとに語り掛ける。

 

 

「貴女は真面目な方なのですね、貴女が頭を下げる必要はありません。貴女は貴女の正しいと思ったことを成そうとしただけです。正しいことを成そうとすることに許可は要らないでしょう? ですから、貴女が謝る必要はありません」

 

 

 映姫はそれを言われたあと、二秒ほど頭を下げたままだったが、頭を上げ、困ったように笑いながら雪那に「忠告です」と言い、続ける。

 

 

「優しさは美徳ですが、優しさも過ぎれば罪となることを努々(ゆめゆめ)忘れぬようにしなさい」

 

「はい」

 

 

 雪那は微笑を浮かべたままその忠告を受け入れる。

 それを見た映姫は満足そうに鷹揚に頷く。

 

 

「貴女は説教のし甲斐がないですね、大変よろしい。なのでもう一つ言いましょう、いくら頑固ものの閻魔とて、よっぽどでなければ優しさなどで出来た罪を悪く思うことはない、さっきと言ったことが異なりますが、安心なさい」

 

「はい、ありがとうございます」

 

「ですが、貴女、というより貴方達は一つ罪を犯している、そう、貴方達は人を待たせ過ぎている」

 

 

 待たせすぎているってなんだ…?

 何を待たせてるんだ?

 わかんねぇ…。雪那を見てみると、雪那も頭の上に?を浮かべて少し首をかしげていた。

 

 

「確かに、恋愛ごとにはそれぞれの歩む速度というものがありますが、それにしても待たせすぎている」

 

 

 なんで恋愛ごとってのが出てくるんだ?

 恋愛ごとで待たせていること?

 わけわかんねぇんだけど…。

 

 

「では、言いたいことは特に雰囲気の少年よ、貴方にはたくさんありますが、今日はここまでにしておきます。さようなら」

 

 

 映姫は言いながら、体を反転させ、歩いていこうとする。

 

 

「ああ、またな」

 

「はい、また会いましょう」

 

 

 俺と雪那があいさつを返すと、映姫は少し驚いた顔をして「別れの挨拶は、また、と言った方がよいのかもしれませんね」と呟いたあと、こちらに向き直り

 

 

「ええ、また会いましょう」

 

 

 そう言ったあと、今度こそスタスタと歩いて行った。

 俺と雪那はその背中を見送ったあと…。

 

 

「じゃあ、行くか」

 

「はい」

 

 

 顔を見合わせて笑いあったあとに買い物をしに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 




 お久しぶりの雰囲気録更新!

 いやぁ、大夢くんと雪那さんはやっぱり鈍感!
 書きやすくて書きやすくて!


 さて、夢ですが…これは大夢くん自身の問題。

 ヒントはたくさんありますよ~。そもそも雰囲気ってなんでしょうね? 
 まぁ、答えはたくさんありますが、俺が考えてる雰囲気が何かに行きつけばもしかすると大夢くんのことがわかるかもね。

 感想待ってます!
 
 次回も頑張って編みます!
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