ポンコツ世界異聞=【終幕を切り刻む者達《ハッカーズ》】   作:きちきちきち

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鍛冶師【訪問】

【ラインセドナ:中級市街地】

 

 月日が経って数週間。彼等は相変わらず日銭に追われる生活を送りながら、

 また、徐々にゴルを貯める日々を送っていた。

 

 今日の彼は所用で”情報屋”のワイズマンの拠点、邸宅に足を運んでいた。

 何時も通り決まった符号のノックを繰り返し、妖精印の入った仕掛け扉を開け、戸をくぐる。

「ようこそ…あぁ君か。活躍は聞いているよ。冒険者として働き詰めらしいが大丈夫かね」

「こんにちわ、ワイズマンさん、まぁなんとか頑張ってます」

 陽気な陽の光を受け紅茶を机に、重そうな本を片手に寛ぐワイズマンに挨拶をした。

 それは隠者の理想の一つが如く優雅な様子であった。

 

「すみません、これが今月の依頼の更新料で宜しくお願いします」

「あぁ、今日がそうだったか、確かに受け取ったよ」

 更に、彼等には目的というかもはや野望もあり常にカツカツの状態、その理由の一つがこれだ。

 月も替わり、”情報屋”のワイズマンに対して長期依頼の更新を頼んでいた。

 例えば情報屋を雇う。”親友”の伝手でもなければ破格に安いと言えるのだが、それでも実際問題、大きな負担にもなっているのだった。

 

「その、やっぱり”異変”について新しい情報はないんでしょうか」

「特にはない。そもそも冒険者の失踪案件なんて珍しいモノでもないのだ。聖錬南部に限っただけでも日に何件も起きている」

 事故の様にモンスターに襲われて死ぬ、賊に襲われて死ぬ、属性災害に巻き込まれて死ぬ。

 人間関係のトラブルで死ぬ、ゴルのトラブルで死ぬ、魔具に適合できなくて死ぬ、欲を貪り衰弱して死ぬ。

 冒険者の社会の最底辺故に、身を削り生きていくしかなく、運が悪いと死ぬものだ。

 だから、大体の冒険者は死ぬまでに”どれだけいい思い”ができるか。

 それに終始して生きる者が大半になる。

 

「君が報告した”異変”の特徴は溶断された円形地面に虚属性と電磁波の観測…、それが再び観測されたという情報は未だない。まだ暫く待ちたまえ」

「そう、ですか」

 心情風景に焼き付いたこの光景が”異変”の証明。

 がっくりと肩を落とす。ワイズマンの情報屋としての腕は疑いようがない。

 ただ信じて待つしかないのだろう。だが…。

 

(ん…?ちょっと待て”何でそんなに正確に”事象を判別できたんだ?)

【凍結記憶】

 自分で提示したハズの情報に疑問を持つ。

 聖錬の一般人には遠い知識だと言うのに、仮に目撃したとして判別出来る筈がないと理性が呟く。

(なら、この記憶は知識は何処から…?)

 背筋が寒くなる。正しい道を歩いてる自覚が覚束なくなるが。

 

(うん、きっと”親友”の受け売りでどこかで色々聞いてたんだ。そうに違いない)

 深みに嵌る前に呼吸を一つ頭を整理し、精神をケリを蹴り付け建て直した。

 違和感に構ってるのも、悩んでる余裕もないのだから。

 

「まぁここで一つ朗報だ。同じように聖錬南部で”冒険者の失踪及び、集落の壊滅に付いての調査”を積極的に行っている者がいるらしい。【蒼天のバルムンク】聞いた事はあるか。ここらではかなり有力な冒険者となる。接触できれば、何か情報を得られるかもしれない」

「それは、本当ですか!?」

 話に聞けば、過去に十罰スレイヤーの一人であるAランク冒険者らしい。

 冒険者の中でも戦闘特化のAランクとなれば、国の常備軍の精鋭の比較となる水準であり、その中でも世間に認識される異名持ちとならば、また格が変わってくる。

 一般兵、一人一人が戦闘特化のAランク級との悪夢の【王国】の噂もあるが、流石に冗談の類だろう。

 と、一般冒険者の彼は自己完結する。

 

「まだ確定したわけではないが、動きから明確な目標が見える。”異変”に関するモノかは判別できないがな」

「そっか、僕ら以外にも」

 自分たち以外にも”異変”に付いて調べている人がいるかもしれない。しかも有力な冒険者が。

 それはある種の心強い希望であり、無謀とも野望とも言える先の見えない目標の中での発展だった。

 志が同じかもしれない人がいるのは心強い物だ。一人じゃないという実感が彼の歩みを強くする。

 

 

「ゴルでも情報でも何か用意しないと、何も持たずに接触しても失礼だし、それに意味がない」

「君は妙に律儀だな。だが、それが妥当だろう」

 こういうのは大体初対面の印象が重要だ。彼等はまだ数の足しにもならない吹けば飛ぶ様な、Cランクの冒険者である。

 このまま接触しても寄り掛かる枝葉でしかないし、そもそも居場所もわかってない。

 また何かしらの名目でゴルを留保する必要になるかなと、頭を回して、気が遠くなる。

 魔具の更新も遅くなりそうだ。生活も、まだ安定していないのだから。

 

「あとすみません。これは優先ではないのですが、”月長石”という銘の鍛冶師に心当たり有りませんか?【ラインセドナ】で活動してるらしいんですが。ゴルは出します」

「ふむ、鍛冶屋……か?銘を持っているという事は鍛冶師としてはある程度の一人前か。あぁこの程度の情報ゴルはいらんよ。君も余裕はないかろう」

【知識の蛇】【妖精術:検索妖精】【マルチタスク】

 そう言うと、彼は手元の杖からまた背後の本棚から検索を開始した。

 【精霊術】は自然環境におけるマナ、それを己が魔力と術式によって誘導し、使役する魔術。

 【妖精術】は精霊を作り出し、それを調整・調律する事で精霊を利用する事で差別される技術だ。

 専用に調整した妖精を従え複数扱い、精密作業を行わせる。

 彼、ワイズマンはこと”妖精術”の非常に高い技量を持っている事が推測できた。

 

「ふむ、なるほど。北東部の離れにて工房を持っているようだな。詳細な場所はここだ、何の用があるかはは知らないが気難しい人物と聞く、気を付けて行くといい」

「その、いつもすみません。ありがとうございます」

「なに、この辺りの土地は私の庭の様なものだ。こんなもの手間でもないよ」

 件の刀匠の人柄に付いて、忠告すら付いてきた。

 比喩でもなくその通りなのがこの男の恐ろしい所だった。本当にアウト行為とかしてないのだろうか。

 本人は趣味と言っている通りに、対価は依頼人次第であり気分屋な点も含めて、異質な存在であった。

 

「じゃあ僕はこれで。色々ありがとうございました」

「ああ、こちらとしても面白い課題だ。引き続き調査をしよう。幸運を祈っているよ」

 契約更新の手続きも終わり、礼を言いながらその場を後にする。

 建物から出れば、妖精術による仕掛け扉がガチャリガチャリと大仰に閉まった。

 

 この仕掛け一つにきっと、カイトの全財産をはるかに超えるゴルが費やされているのだろう。

 聞けば、符号の合図を行っても、悪意のある物にはその扉は開く事はないと言う。

 

(相変わらず、不思議な人だなー)

 ゴルには困ってないだろうに、何故”情報屋”なんて事をしているのだろうか。

 幾度も助けられているとはいえ、進行系で不思議な事は不思議だ。

 何か隠された彼の正体とか、目的とかを悪戯に考えてしまうが。

(まぁどうでもいいか)

 害されてた事もない。そういう人だと、”情報屋のワイズマン”として受け入れた。

 認識をありのままに受け入れる。これが彼の性格とも言えた。

 

 

 

 

 ●●●

 

 

 

 

 再び場所を移り。

【ラインセドナ・外周部の小屋】

 街を探索して、やっと目的地の場所に辿りついた中級住宅街からはかなり遠く。

 見慣れているはずの町の違う側面をそこに伺わせた。

 

「んーと、ここが…”月長石”印の鍛冶屋、その工房なのか」

 周囲の様子を見渡してみると寂れた様子であり、周囲に似たような建物は見当たらない。

 この外周部は町の範囲、人類の生存圏を維持する調律器(ハーモナイザ)の範囲のギリギリで有る為に、

 多少の危険と治安の不安さが知られている地帯であった。

 掘りと木の柵はあるが、石の防壁は手前にある【ラインセドナ】の第二外周部だ。

 

「大きいけど…その、随分とボロボロな。自力で探しても見つからない訳だ」

 掲げられている看板も傾いて、そこの文字の【月長石工房】の一部が剥がれているように見える。

 事前に軽く人に聞いたり歩いたりとして探したが、”情報屋”に頼ったのも正解かもしれない。

 例え地元民でも、なかなか見つける事はできないだろう。そんな立地だ。

 

 その幽霊屋敷さながら様子に少し気押されるが、ここで留まっては何も意味がない。

 これを使い続ける事が出来ないか、その万一の可能性があるのは、きっとこの先にしかないのだから。

「すみませーん、誰かいらっしゃいませんかー!」

 入口に吊り下げられて呼び鈴を響かせ、ついでに扉を叩く。

 それでも反応が無い為に大声をだしてみるが、それでも反応はなかった。

 

「んー、留守かなぁ」

「……何か用か」

「わあっ!?」

【気配遮断】

 いつの間にか背後に詰め寄られていた。容易く背後の至近を取られた事に冷や汗が出た。

 この辺りは治安は多少不安があるとして警戒したのに、全く気取らされず近づいてきたらしい。

 周囲の怪しい雰囲気も合わさり、不安な心が加速する。

 

「あの、その月長石…さんですか?」

「そうだ」

 ”月長石”と答えた男の見た目は青み掛かった鋭利な単発、目元と肌を隠し軽い武具を纏った。

 どちらかと言えば、鍛冶屋というより、暗殺者染みた見た目をした若い男だった。

 その姿を見て一目で鍛冶師と言い当てる者はいないだろう。

 思わず、言葉に疑問詞が付く。

 

「何の用だ」

 短く端局に必要な言葉だけで会話を斬る彼は、ある種、威圧的な雰囲気を纏っている。

 少し、いやかなり怖い。

 懐から頼りの【素人の双剣】を握り、自身を振るい立たせる。

 

「いきなり尋ねてすみません。僕はカイト、冒険者です。今日は普段使っていた武器で、この工房の印の入れられた双剣について、相談があってきたんですが」

「そうか。入れ」

 その言葉を聞いて、表情を一つ変えず頷き。

 彼は工房の重く暗い扉を開いて、その中にカイトを招き入れれた。

 

(この人本当に、鍛冶師なのかな)

 対して彼はまだ半信半疑で、警戒状態だ。暗殺者染みた初対面の影響である。

 内部は案外普通の様子ではあったが火炉や金床や鎚やハサミ、一般的な鍛冶道具が揃い。

 煤汚れて草臥れてはいるが、小奇麗に整備されている様子に見えた。

 

「座れ」

「あ、はい」

 完全に埃に塗れたイスを奥から引っ張り出し、そこに掛けこちらに座る様に促された。

 敷物が有る方をこちらに差し出す辺り、一応こちらに配慮している、のだろうか。

 彼の視線からはその本意を窺い知る事はできない。

 

 そして。

「要件、言え」

「あ、はい。その…この双剣なんですが、あなたの作品で合ってるでしょうか」

 早速、言葉少なく本題に入ろうと切り出す男。

 それに応じて懐のホルダーの得物、【素人の双剣】を取出し、手頃な作業台の上に乗せた。

 一応、制作者に会うにあたって精一杯見た目は奇麗にしたのだが、遣い込んだ痕は隠しきる事は出来ずグリップは黒染み、刃は削れたのを切れ味の鈍りを誤魔化す様により悪戯に鋭利に。

 その芯にはオドによる焼き付きの痕跡すら見えた。

 

「……あぁ、そうだ」

(大丈夫かなぁ、不安だ)

 どんな印象を抱かれるだろうか、生活に余裕もなく丁寧に扱ってこれた訳でもない。

 鍛冶師、月長石はそれをただ静かに手に持ち、下から上からと見つめ時折指でなぞりながら、じっくりと観察していく。

 【素人の双剣】は何も答えない。

 

「この双剣をまた使いたいんです。でも、この剣の特性が……」

「知っている。俺が鍛えた剣だ。これは長く使い続ける物ではない」

「はい。それはわかってます。だからその、鍛え直してもらう事って、できないでしょうか?」

「!」

 恐る恐る、本題を切り出す。割と無茶苦茶な言い分だと言うのはわかっていた。

 ”魔法剣習得の補助輪”として設計し、その通りに実際機能していた物だ。

 この剣は役目は果たした。その上でこれを使いたいというのは彼の完全な我儘であるし、職人から言えば我慢ならない事かもしれない

 

 鍛冶師、”月長石”は長らく見つめ。

 また触り確認し、深く考えているように見えた。

【鍛冶師:打手のカン】【金属精査】。

「―――良く遣い込んでいる。元々この剣は特殊な金属と、金属モンスター”ガラン・ジン”の素材を中心とした特殊な合金を芯に鍛えた剣だが。その芯を中心として”強い染色金属”になっている。色も混ざっているな変な物を殺したか、元々オドを保有し緩やかに放出する性質とは言え有り得ん。どれだけ振るったのだコレは」

「は、はぁ。まだ一年位…だと」

 いきなりの長言に驚く。

 その様子は気迫に満ちており、それだけで彼を鍛冶師としての姿を感じられた。

 属性金属とは濃いマナに影響を受け、その性質を伝播効率が良い発振体となる金属の総称である。

 火属性に染まれば自然に発熱し、雷属性に染まれば通電効率百%の金属線が出来たりする。

 これらが出土するのは、大体属性値が極端に濃い土地である【魔王領】等が有力である物だ。

 

 特定対象に付いてだけ雄弁になるのは、だいたい趣味に生きる酔狂者の特徴である。

 

「……一級品及ばないが、使い手に限定すれば良い魔術増幅素材になる。これを取出す為に打ち直せ、と?」

「あ、いや。剣として打ち直してほしいんです。出来ればこの形のままで」

 魔術発信素材にされても困る。彼にはまともな魔術なんて使えない。

 剣としてまたこれを使いたくて今日はここに足を運んだのだ。

 切れ味の不足と魔法剣の発展性のなさが露呈し、双剣を置き換えた今でも。

 一番うまく使える剣がこれだろう、その形と重さ、重心の感覚は今も手に残ってる。

 

「これを一年も、か。何故、使い続けたい」

「大事な物…というのは違うか、これが一番心強い得物だからです」

 ”思い出””安心感””心強さ””使いやすさ”その全てが篭められた剣だ。

 それはおよそ合理的な判断ではないだろう。だが、欠落によりそれに彼は依りかかる。

 幽霊と呼ぶべき存在が珍しくないこの世界では、強い想いと言うのは力、形を持つものだ。

 その一念が剣を染め上げ、別の可能性を拓いた。

 

 鍛冶師、月長石は少し考え…。

「…そうか、可能はある」

「はい。あのこれも重要なんですが、そのゴルの方は、どれくらいかかりますか」

 とりあえず今日は、見積もりというか検討だと言えた。

 余りに身に合わぬようであったら、片隅の意識を置いておく程度にする事も考えていた。

 入れ込んで破滅しない程度の、分別はあるつもりだった。

 現状使っている主兵装である”相鉄の双剣”も彼の手による物だ。製作者に、顏の繋ぎを取っておくのも意義のある事だと考える。

 

「金、か。その前に確認だ」

 鍛冶師、月長石は慣れぬ言葉を選ぶために一呼吸おいて。

「鍛えたとて、より良い剣になるという保証もない。数度使えば折れる可能性も、ある。それでもいいのか」

「うん、構いません。一抹の望みがあれば、形が残っていれば何度でも」

 ホルダーに仕舞われた、”相鉄の双剣”を軽く撫でた。

 間違いなくこれが現在の彼の相棒だ。暫くはこれを同時に頼りにするつもりであった。

 

「”相鉄の双剣”それも俺の作品か。わかっているなら、いい」

 ガサゴソ。

 そういうと月長石は、工房の奥に引き戻り、幾つかの設計図と本を持ち出してきた。

 それを真剣に見比べ、うんうんと唸り出す。

「―――これじゃない―――金属を打ち直す―――純度は―――ガン・ジンの金属外皮は反応装甲の―――限界が―――魔術的なアプローチができない―――強度と伝導率を両立―――いっそ機能を特化し―――」

【鍛冶師:一鉄錯誤】【酔狂人】【努力の才能】

 なんかエライ事になった。明らかにただの剣を打ち直すのに、不釣り合いな気迫と物々しさ。

(えぇ、何か、凄い事に」

 余りの力の入れように申し訳ない気持ちになり、彼がうんうん唸る度にそれが加速する。

 その情熱に見合う大層な対価など出せる訳がない。

 

「その、えっと対価は、速めに言ってくれると」

「肉体労働と、素材代でいい。探究だ、とにかく探究だ」

 それだけのやり取りでまた資料に目を戻してしまう。

 意外な反応過ぎて困る。”親友”とは正反対だが、似たような雰囲気を感じた。アレは絶対止めても止まらない奴である。

 

「手を、手袋を外せ、両手だ」

「あ、はい」

「ん―――火・空属性で間違いない―――挺はなし魔法剣か―――グリップと蛸の加減から―――」

 手を出すように言われ、カイトは平と甲を交互に見せた。

 すると彼はじっくりとその状態を観測し、推定される最善を模索する。

 直接聞けばいいと思うかもしれないが、月長石は自身が極度の口下手な事を自覚しており、それを補う為に得物の状態から、使い手の得手や癖を読み取る観察眼を鍛えていた。

 努力の方向音痴である。カイトは困惑したが、職人とはこういう物かと、認識のまま受け入れた。

 

 

 そして暫くして、素材が足りないと呟き。

「古龍は狩れるか」

「―――ムリです!!」

「……冗談だ」

 とんでもない事を言い出した。大声で断言し、断固拒否する。

 Cランクのそろそろ駆け出しを抜け出す程度の冒険者に何を言い出すのか、少し血迷い過ぎである。

 確かに古龍は伝説の武具の素材の代名詞である有力な素材ではあるが、国の精鋭が揃い囲んで殴って倒せるかどうかという”災害級”であると聞く。

 冗談にしても割と性質が悪い。

 

「素材が無くて何もできない。付きあえ」

「は、はぁ、予定は大丈夫ですけど、何をしに、何処に行くのでしょう」

 そしてまた予想外な事を言われた。

 古龍じゃなくとも大物討伐とかをいきなり言われても困るので、きっちりと詳細は聞きだす。

 ゴルが最低限でもいいと言うのもそうだが、普通鍛冶師は素材の調達まで自力でやる物なんだろうか。

「心配はない。鉱脈に行くだけ」

 彼は相変わらず言葉を小さく区切り答えるだけ。

 情報屋(ワイズマン)と都会の市場で出会ったドワーフおじさんが言ってた言葉が頭をよぎる。

 彼は”偏屈者”であると、その片鱗を感じさせられた気がする。

 

 彼はまだまだ知らない。

 ”月長石”という鍛冶師は腕は確かだが、鍛冶に関しては飛び切りのストイックな変態だと言う事に。

 そして彼は翌日の予定を肉体労働と言った形で、取り付けられたのだった。 

 

 

 

 

 

 

 




ゲームとかで初期武器を鍛える展開が好きです。
原作カイトがイメージで持ってる武器は後半使えませんし。
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