ポンコツ世界異聞=【終幕を切り刻む者達《ハッカーズ》】   作:きちきちきち

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襲撃【ドゥナ・ロリヤック】

―――高山『ドゥナ・ロリヤック』の周辺部落。

 その防壁の上にて来訪者の3人がいた。

 

「―――これが、僕らの経緯です」

 彼らの事情を、同じく”異変”の調査を進めているという『蒼天』のバルムンクに話して。

 とりあえず事前に決めていた通り、事情を通した。

 ”事変”を解決して、お互いの行方不明になっている大切な人を助けたいのだと言う事を。

 その為に協力させてもらえるなら、是非協力させてもらいたいと。

 しかし。

 

「―――まるで話にならん。帰れ」

「なんでさ!?」

 だがそれは菅の無く断られ、ローズが大声で疑問を突っ込む。

 それは明確な拒絶であり、取りつく島もないと言った具合であった。

 

「現実を見ろ。今回の事件では正規の人員が行方不明となっている。それを冒険者のCランク(駆け出し)になにができる?」

 正論である。こちらの情勢不安が”事変”に繋がっているかは不明であるが。

 現状の話だけでも、彼等の手に余る事は確実の事だった。彼の様に異名と実績もある冒険者でなくては、出る幕はないだろう。

 時期Sランクと呼ばれる様な、『蒼天』の足を引っ張らない自身もなかった。

 それでも、諦めきれない。そんな半端者が彼等であるのだが。

 

「まぁ、そうですよねぇ……」

 カイトは苦笑しながら頬を搔き、その反応に内心気持ちを落ち込ませた。

 妥当な反応であり、想定内である。

 彼等はまだ称号的にはCランク(駆け出し)のままである。活動地元以外の信頼は相変わらずない。

 以前の例え通りに、仮に乞食が協力したいと申し出たとて、誰が真に受けるであろうか。

 

(やっぱり、何かしらの手土産が必要だったかなー)

 後悔先立たないが、まぁ出会ってしまった物はどうしようもないと、気持ちを切り替えた。

 カイトは物事を認識し、解釈を加えて吞み込んでしまう処世術の癖から、常識の範囲で明確に拒絶されてしまうと、諦めが良すぎるのが悪い癖だった。

 

「ちょっと、納得してんじゃないってばカイト!ダメ元でも少しは聞いておく事位あるでしょ!あたし等だってきちんと動いてるんだからね。情報だってあるのよ」

 それに快活なローズが憤り噛みついた。しかし、『蒼天』は涼しい顏で、既に視線すら寄越さない。

 その程度に『蒼天』の言葉は、容赦のない無為乾燥な刃である。

 

「えっと、その」

「全て忘れ諦めて、平穏に生きろ。俺からはそれが全てだ」

【修羅道】

 その後は、『蒼天』は彼等の全ての言葉を無視して。

 同じ志を持ってるはずの相手を、にべもなく全て否定する。そんな刃の言葉は、カイト達の言い分にも少し由来する。

 この『蒼天』が”異変”の調査を専攻するのは、『蒼天』の冒険者としての”相方”であった。

 伴に十罰さえ討った同じく『十罰スレイヤー』の冒険者”【蒼海】のオルカ”。

 彼が失踪前に調べていた案件であり、当然の帰結として失踪の要因と予想される物だったからだ。

 

 しかし、それは仇を取ると言う意味であり、既に相方自身の生存自体は諦めている。

 それはそうだろう、この世界は甘くないのだから。

 

 だが、しかし。この調査の協力を申し出た駆け出し達は、”助けたい”と言った。

 その動機を聞いて、この世界の厳しさを、現実を知らない”子供の言葉”だと判断したのだ。

 彼も精神に余裕がない事も合わさって、突き放すような言葉に繋がっていた。

 そんな覚悟で足を踏み入れれば確実に死ぬだろう、そんな配慮も少しは紛れてるのだが、彼等に察せられる訳もない。

 

「むっかーっ、少しは何か聞いてならともかく勝手に決めつけてさ、そういう態度ならいいわよ。こっちだってアンタには頼らない。こっちはこっちで勝手にやるわ。行くわよカイト!!」

「あ、ちょっとローズ!?あの、あのすみません。ちょっとそっちに僕等が知ってる情報の紙を起きましたからから、良ければ!!」

 『蒼天』には国のバックが付いている。

 だから。、全て既知の事だろうかと思いながらも、せめて意味のある物にしたくて。

 カイトは、暫定の推測の要点だけを纏めたメモ紙を、『蒼天』の足元に転がして、引き摺られていくのだった。

 

「……騒がしい連中だったな。何だったのだ」

 それを見送って、ぽつりとつぶやく『蒼天』ことバルムンク。

 自身と同じような目的を持っている冒険者、しかも駆け出しのCランクという存在に、偶然出会うと言うのは彼にとっても困惑するしかない。

 しかもペア(ふたり)である。

 理不尽に腐って、口だけで慰めている訳でもなく、その武装は確かに使い込まれているのが見て取れた。

 精神的に余裕がないとはいえ、冒険者の嗜みとして、その位には目を配っていたのだ。

 

「―――どうせ、大した事は書いてないだろうがな」

 気紛れに足元に置かれた、”カイト”とやらが言う情報の書かれたと言う折り畳まれた紙を、手に取って開いて目を通し…。

「………」

 それに、その”情報屋”や、目的である”親友に対する推測”を含んだアンバランスな内容に。

 彼はしばらく沈黙する事となった。

 

 

 

 ●●●

 

 

 

 変わって、カイト・ローズの視点。

 相変わらず彼等は防壁の上に居たのだが、ローズ『蒼天』とは反対側の壁の上で、風景を観察していた。

 続いてやる事は変わらず、周辺の環境を知識と感覚で解して書きとめていく作業である。

 

「失礼しちゃうわ!なによ冒険者のAランクがそんなに偉いのかしら!!」

「そりゃ、実際偉いんだよ。実績と信頼が違うからねぇ」

【ムードメーカ―】

 大きく張り上げるローズの直情的な憤りに苦笑する。

 カイトにとっては『蒼天』の対応は予想していた、それも真っ当な反応であるのだが。

 彼女が自分の為に怒ってくれているのは、なんとなく感じ取られて、彼はあまり強く言えなかった。

 

「カイトは悔しくないの!?アンタ一生懸命頑張ってきたじゃん!今回だって、遠出して足がかりみつけてさー」

「それ僕の成果じゃなくて、”情報屋”の成果だよ」

 彼女にとってはカイトと伴に歩いて来て道筋は、彼等の立場からの精一杯の真っ当で正しい物である。

 だからこそ、それを感じているからこそ、彼に判断を丸投げしているのであって、実際に彼女が何も考えていない訳ではないのだから。

 

 それを何も価値のない如くに、いや唾棄して吐き捨てた様な態度には頭に来たのだ。

 明確にはわかっていないが、見るべきところは、きっと何かあるはずなのである。

 そう感覚派の彼女は己の”相棒”を強く信じている。

 

「駆け出しだからね、僕等。力がある言葉は、価値のある人間の物だよ。残念だけど僕らはそうじゃない」

「うー、納得いかなぁい」

「まぁ、頑張れば、解決してくものだから。そろそろCランクに上がって一年が経つ、きっとBランクが見えて来るんじゃないかな」

 死んじゃわなければと、密かに心の中で付け加えながら。

 冒険者で、無理な大望を抱いているのだ。長生きしようなんて贅沢は微塵も彼は考えていなかった。

 ローズとはその時どうあるかはわからないが。

 

 また少し時間が経ったか。

 陽はそろそろ落ちる。風の小精霊達も大陽の力を多少要因にしているのか、少しその緑色の帯の勢いを落す。

 

―――だが、少し勢いが落ちすぎな気がしなくもない。

【死の恐怖】

 少し寒気さえ感じる。何かしらの強い違和感が、彼の在るべき想像を刺激する。

 しかし、それはまだ、彼程度の感覚(センス)では確信には至らない。

 

「どうしたのさ」

「…?なんか、変だ」

【レンジャー:野狩人】【精霊術:マナ体感】

 温度の急激な変化を察する様に、カイトはそんな疑問を漏らす。

 周囲の見張りの”精霊弓手”達も困惑しているのか、ざわざわと捲し立てる音が聞こえた。

 その一方で。 

 

 ふさぁ。

「おい、貴様」

「へ、『蒼天』とかいうの、あんだけ突き放して今更何の様よ」

【修羅道】【超絶美形】

 彼等の傍に、純白の翼を拡げた『蒼天』のバルムンクが舞い降りる。

 今度はしっかりその鋭利な視線を、睨みつけるようにカイトに向けて、詰問するかの如くだ。

 

「答えろ貴様、【蒼海】を知っているな?」

「はぁ、知ってるも何も僕は、多分”親友”を助けたくて……、初心者だった僕を庇って彼は」

【凍結記憶:ギアス】

 違和感を呑みこんだ”封じられた記憶”から、推察して事実として憶えている事実を言葉にする。

 一番の根である動機をギアスで縫い止め、曖昧なままに、ただ進まねばと歩んだのがカイトだ。

 その歪さを認識しないまま、その違和感はそのまま『蒼天』の張り詰めた精神を刺激する。

 

「―――有り得ない。『蒼海』の事件の調査をしたのは俺だ。生存者などいない。アイツは出身の辺境村と伴に何者かと交戦して……」

 その返答を待たずして。

 その言葉を遮る様に夜が襲い来る……ッ!

 

『――――――』

【影ヲ疾走スル者:気配隠蔽】【ファストアクション】【円環魔術:犠牲詠唱】

 そのヒトガタは潜んでいた。

 それは先兵であるが故に、後の大きな流れを作る為に潜んで、狩り続ける機構を設計されている。

 勿論、それでも大魔法の魔法の詠唱を行いながら、その身を隠し続けるのは不可能だ。

 

「―――襲撃だーッ!」

「いい度胸ね!精霊の牙にて死ねぇ!!」

シュバ!!シュバッシュバ!!

【妖精射手:合成魔矢】【シュートアロー】【錬気法:オウルビジョン】

 部落の屈強な戦士達が反応してヒトガタに、マナスポットで育まれた木々を縫い、特殊塗料により”呪”を籠めた矢を一斉に射掛ける。

 その一矢一矢は、並みのモンスターを一撃で仕留めるに十分な威力を持つ、必殺の矢である。

 

『―――ブゥゥウン』

【円環魔術:犠牲詠唱】+【凍結の櫃】(フリーズ)【固有権能:JUDGEMENT】(ジャッジメント)

キィイイイイン!!

 だがそれには、『死神』には関係ない。鬱陶しいだけの些事だ。

 それは【八相】の一つたる【死ノ恐怖】の固有機能。”凍結”にして”凍結”に非ず、虚属性によりマナというエネルギーと同調、”凍結”(フリーズ)し、冷気を伴わず動きを縛り封印する

 奇襲によるその構成するリソースの一部を使い、範囲を拡大させ集落の全体を凍結させて封じに掛かった。

 

 放たれた矢は凍り付き落ち、岩壁に配置された戦力を凍り付かせ動きを止め無効化させ、居住地である木々ですら凍らせえ、封印された。

 

【領域作成:禍々シキ波】

 その大魔法に続いて、ヒトガタからざらついたノイズの波長が放たれ、辺りを浸食する。

 ”画一化された法定空間”が大地が波立つ。【八相】と呼ばれる存在の共通能力である。

 【紋■砲】と同じく電子魔術(テクノマンサ―)の応用によって空間のマナを連立化させて、純粋に波長を大きく伝播させる”禍々しき銀砂波”。

 それは特に大地に沿って伝播され、歪み揺らす。

 並みの戦士では大地にすら立たせない、”格下殺し”の領域。

 とある人類の最前線(王族)ならば、画一化された空間なら慣れればいいというだろうが、在野には出来るかチクショウと言った所だろう。

 

―――個体で地形を周辺を浸食しうる異能と、実現する【超絶魔力】。

 それを持って可能にする規格外存在が【魔王級】である。

 

 だが、それから逃れる修羅もいるのが、この厳しい世界の道理だ。

 シィイインン!!

 だが、とある一方の区画にてそれを纏めて、炸裂する光によって薙ぎ払われるのが見えた。

 

「チィここで襲撃か、……貴様等は早く逃げろ」

「な、ぁ」

【聖剣技:北斗骨砕打】【修羅道】【迎撃態勢:怨敵覚悟】

 元より、襲われることを覚悟で危険地帯に身を置いて活動をしていた『蒼天』のバルムンクである。

 マナ原理の干渉を、凍結する前に一般的に聖剣技と呼ばれる技術で、生命力を燃焼して威力を強化した連鎖魔法剣で薙ぎ払ったのだ。

 

 ”異名持ち”。

 この世界の修羅の一角である『蒼天』、それを自身の円環から参照して、ヒトガタは認識し。

 

『フォン』

―――活きのいいデータに歓喜する。

「待っていたぞバケモノ!貴様がここらの”異変”の下手人らしいな!!」

【人魔身:白風の翼】【月衣:マニガンス】【風の担い手】【生命燃焼】

 背後の駆け出し達の無事を確認し、その手順のままその大きな翼を拡げ、命を燃やして空に踊り出た。

 彼は地上に縛られず、【禍々シキ波】の干渉についてもある程度、魔法剣の術式を交えた【月衣】の自己制御で対応できる。

 故に『死神』との相性は悪くなかった。

 

『―――――――!』

【憑神の杖】【怪力】【継承・夢幻羅道】

―――バキャン!!

 ヒトガタいや、『死神』相手に魔法剣による剛剣を伴って袈裟に斬りかかる。

 『死神』は骨子となった、修羅から継承したロジックを参照し、余計な事をする余裕はないと判断した。

 

【浮遊】【影ヲ疾走スル者】【光鱗の衣】

【白風の翼】【生命燃焼】【風の担い手】

 そして、互いの魔力を放出して、高機動に魔力の尾を引きながら。

 その手に持った剣と、まるで血の煮詰まったような真紅の十字杖を持って殴り合った。

 

ッツ!!

 響き渡る連続した”破裂音”。『死神』の持つ杖は犠牲になった魂を塗り固めた結晶体である。

 干渉されれば、怨霊たちが死にたくないと拒絶抵抗反応を起し衝撃波を巻き起こす。

 それがヒトガタであるが巨体故に、”骨子に参照した”微妙に噛み合わないその駆動を埋め合わせた。

 

破裂、破裂、破裂、破裂ッ!!

 その翼は力強く、移動する『死神』に対して前進して、その命を奪おうとする。

「覚悟しろ。貴様は俺が打ち倒す…ッ!!この命に代えてもッ!!貫き穿て【デリウランス】!!」

【魔法剣:デリウランス】【月衣:マニガンス】

 衝撃波に翻弄されながら、月衣で姿勢を制御した『蒼天』が放った、剣に折り重ねる硬質化した風の魔法剣。

 その風は槍の如く硬質化し放たれて、喰らい付けば表皮を剥がすように新鮮な刃が露出し続け、貫き打ち払うッ!

【プロテクト:貫通】

 彼が一番多用する魔法剣であり、間違いなく一流水準(Lv3)から放たれるそれは、『死神』の纏うフィールドを貫き、確かに傷を入れる。

 

だが…。

『―――ヴブブ』

「っぐ、再生能力か。厄介だな」

【円環魔術:超再生】

 その傷は周囲のマナを吸収し、埋める様に修復してしまう。

 この間たった二分の高速戦闘である。

 

 【聖剣技】まで用い、以前と生命を燃焼し続ける『蒼天』は、刻一刻と消耗し続ける。

 【聖剣技】というのはこの世界の代表剣技『五大流儀』(ソードアート)の一つである。

 絶大な火力の代替に、一般的基準の修練で扱えば、肉を削ぎ衰弱する程の乾坤の剣技である。

 仮に『蒼天』が、一人にみで【凍結の櫃】(フリーズ)から逃れるならば、魔法剣でよかった。

 だが、背後の駆け出し二人を庇う様に薙ぎ払ったのは、彼の甘さゆえか。

 

 

 対しての空間自体を掌握しつつある『死神』の威容は全く衰えない。

 これが過去の大戦で恐怖を刻んだ、超越者に類すると【魔王級】と呼ばれる存在の理不尽である。

 

 

 

 

―――対して、『蒼天』の背後で初撃の【凍結の櫃】(フリーズ)を免れた彼等の視点。

 

 

 

「―――ど、どうするカイト!?介入しようにも、あっち空飛んでるし、なんかこのザラザラで立ってるのもやっとだし!!」

 ローズの判断を急かす声が聞こえる。何時も通りなら考えるより先に突っ込んでいるだろう。

【死ノ恐怖:プレッシャー】

 しかし、【死ノ恐怖】は、その仇名の通りに忌避される怨霊を纏ってプレッシャーを放っており、敵対者の精神を圧迫し続ける。

 【魔王級】の純粋な圧力もあって、彼女は信を置く”相棒”に判断を委ねたのだ。

 

 しかし、カイトは答えない。それが耳に入っていない。

 ”相棒”の声ですら、彼を引き戻すに足りない。ただその光景を瞳孔を見開く様に、目に焼き付けていた。

 

【凍結記憶:デジャブ】

 頭の割れんばかりの痛み、避けがたい既知感と重なり揺らいで現実に引き戻れない。

 頭で再生される今と過去二つの”滅びの記憶”。

 更に本能が逃げろ逃げろと、警鐘を鳴らし続ける。

 あぁ、そうだ。カイトはこの存在を知っている。許せない、理不尽、これを探していた。

 

「カイト…?」

「オマ、エが……ッッツ!!」

【凍結記憶:解凍】(アンロック)

 『碑文八相』への遭遇をトリガーに、植えつけられたギアスが解除された。

 己の”故郷の村”が滅びた”新鮮に再生”(リフレイン)される。

 殺意が、漏れ出す。

 あぁ、”思い出した”。彼が故郷の事を回想のようにしか想わないのは、既に無惨な残骸として滅んだ事を、無意識に知っていたからだ。

 あの貧しくて日々を生きるのが精一杯でも、穏やかに時が流れた彼の原風景は、もうない。

 彼はただ無力で、偶々帰郷していた”親友”の手を引かれてただ一人、生き残った。

 

 それは意図された爆弾、”呪い”(祝福)である。

 正気にて”英雄”はならず、仕掛けた術者は修羅に対する理解を解析と観測のみで当て嵌めて、逸脱した感情が”我が娘”への”理想の英雄”(守護者)を作り出すと結論を出した。

 それの人工的なアプローチ、あぁ二重の滅びの記憶が霊魂、脳神経その物を焼き切らんがばかりに。

―――『”英雄”は例えて、ガケから転げ落ちるかのような物だ。故に運命に愛された者は駆け落ちる様に至るモノ……』

―――『おめでとう。誰だかはわからぬ勇者よ。これで君は、戻れない』

 白髪の優男の本気で祝福するかの様な、声が何処かから響いた様な気がした。

 

 

 獣の眼光が奔る。

「カイ、ト……?」

「―――コロ、シタアァアあああああ!!」

【狂羅輪廻】(一時的発狂)

 『死神』のプレッシャーも、足を取るノイズも反発し発条に、取るに足らないと殺意のままに大地を蹴る。

 生来のカイトの強靭な精神力が、『死神』を屠る為に磨いた芯を忘却させずに。

 積み上げ歩んできたそれを殺意と刃に乗せて。

 

「ッおい、貴様!逃げろと言ったはずだ―――!?」

「殺すッ!!」

【二刀流】【狂化:リミッターカット】

 宙で舞う『蒼天』の言葉も無視して、戦場の最前線に踏み込み躍り出た。

 纏われる魔法剣は、オドは殺意の一方に導かれて限界を超えて、普段とは収束率も出力も一段階異なる。

 

ブゥウン!

【憑神の杖】【怪力】

 対し『死神』が、弱き愚か者に天罰を下さんと杖を振う。

 だが、『オルカ』が戦い、既に何十も見続けた十字杖の駆動と機能は焼き付いている。

 ”鮮やかな二重の記憶”で無力さを噛みしめ何度も脳髄に刻んだ、それを当たり前の様に予測して……。

 

【魔法剣:爆葬竜刃】【舞武:重心操作】【ダンシングヒーロー】

ギキャァ!!

 上から二刀を叩斬り込む、杖の衝撃波を逆に利用して、更に”疑似魔力撃”を破裂。

 弾き提げた所を、更に踏み込んで、十字杖自体を足場にを跳ね飛んだ。

 あぁ、あの時はただ無力で、歯を食いしばって見ている事しか出来なかった。

 空中で重心を回して、立て直して正面に、死神へと向けて刃を重ね。

 

「死ね」

 迷いなく、切札を、ワイズマンから渡された”妖精術”により、雷属性の精霊が憑依した魔法石。

 反動も構わず至近で砕いて、解放された精霊に吞まれ自分事燃やしながら、燃料に、まだ再現に乏しい”破裂”の術式さえ咬ませて。

 振るわれる双剣が極度の殺意が、その収束の方向性を導活して、彼が想い描く最強の剣(オルカの剣)を再現する…っ!

 

『黄昏の腕輪:電解介入(ゲートハッキング)』+『絆の双刃』【蛍火:精霊燃焼】=【魔法剣:裂破轟雷刃(ボルテクスアタック)

 それは例えて、双極の対方向に交差するミキサーの刃、連ね重ねる炎刃と雷霆の渦をでもって、敵対象を粉々に撃ち砕く。

 以前用いた時とは違いその魔法剣の完成した、かつての『蒼海』とアプローチは異なる物が、”全力の威力だけは既に比類する”。

 彼の可能性の一つ上を行くものである。

 

―――ギャガガガガガッッ!!

【プロテクト:破壊】

 

『――――――ががが、ギ』

【憑神の杖:ガード】【円環魔術:超再生】【継承・夢幻羅道】

 それは『死神』が纏う防壁を砕いて、杖を構えた右腕を斬り裂きにそのまま、胴体を引き裂いたのが確認できた。

 しかし、ただの機械質な思考(AI)であれば、羽虫を侮り真面に喰らい。

 この一撃で死神の機動力を奪っていただろが。

 元になった骨子が、稼動経験が、染み付いた戦闘経験がその躯体を反射的に動かさせた。

 

 先程から、カイトが自由にこの画一化された【領域作成:禍々シキ波】、それも【月匣】と呼ばれる程な空間で思うままに動けている理屈は、『黄昏の腕輪』による機能の一つである。

 【電解介入】(ゲートハッキング)”解析済みの法定空間”を問題とせず、担い手に適応性を与える機能。

 法定されるマナ原理を分解して、時には利用さえする。

 製作者が同じだからこそ、『腕輪』にとって原理は既知で、それはそのまま素直に【八相】(とある存在)への特攻となるのだ。

 

「浅っ―――次は殺す」

【輪廻狂羅】【舞武】

 カイトは呻きながら、姿勢を低くバネの如く、過稼動した自身を冷却する様に、構え。

 反撃に振るわれる杖を、踏み込んで躱す。

 

 彼は精霊を纏いながら、【蛍火】と伴に燃やして燃料にした影響で、全身は文字通り焼かれて、特に手の絶縁マナグローブなど、焼き切れて手の皮膚と火傷が露出している。

 【領域作成】、マナによるノイズ粒子空間に適応する為に『腕輪』が代謝・呼吸し、逃していなければ、今頃、重症となっていただろう。

 

 だが、それでもいい。ただ殺す、その衝動に今の彼は支配されている。

「チィ、仕方ない!邪魔をするなよ貴様!」

【修羅道】

 その一幕を、『蒼天』はその豹変と戦いに困惑したが、おかげで呼吸を整えられたのも事実である。

 こちらも射線をずらして、即席の連携を、斬りかかるタイミングを伴に伺い始める。

 

 対して『死神』は、いや、その骨子となった経験は判断する。

『――――――――』

【影ヲ疾走スル者】【光鱗の衣:固定座標機動】【継承:夢幻羅道】

 互いに消耗した、自身の誇る”必殺”で屠るタイミングであると。

 紅い幾何学的なマントを靡かせ、虚属性の幻影を撒き散らしての高速移動を行う。これならば外すまいという、『死神』の修羅を相手した際も必勝ルーチンである。

 

「…っ!逃がすか!?」

「―――待っゲホ」

【白風の翼】【風の担い手】

 その逃げの様な動作に、機動力を翼をもつ『蒼天』が追撃しようと、再び空を駆けあがった。

 カイトはその手順も知っている。”親友”いや『オルカ』と正面競り合った同じように。

 しかし、いつもと同じように声が出ない。殺意ばかりが先ばしって、脳まで焼けているのだ。

 

「―――ッ」

 故に、ただ右手を前に出した。

 

『―――ポーン』

『碑文八相:腕輪』【紅の三眼】【漂神の杖】

 『死神』はその真紅の十字杖を前に突き出して、そこから六燐花の幾何学装甲が花咲く様に、砲塔が展開する。

 カイトにとって見慣れたそれは……。

 ”あらゆる生物にとっての致死の吐息”である。

 

「く、なにが来ようと、食い破るのみ!!」

【ソードマスタリー】【聖剣技:チャージ】【修羅道】

 『蒼天』もそれの正体はともかく意図を、戦闘経験の修羅場で察した。

 だが、普段なら取るであろう高速機動の選択肢は【月匣】のマナ(ノイズ)に妨害され、そのキレに確信できない。

 故に自身の最大火力を持って食い破り、そのままその首を噛み砕こうと乾坤一擲に構えた。

 

 このままではあの時の再現。

 『蒼天』は破れ、堕ちる。それは確定事項である。

 

「さぜ、るかっ!」

『黄昏の腕輪』

 否定する。そんな事は認められない。カイトは既に同じく幾何学の装甲花を咲かせて展開している。

 それは間違えなく同一の力、故に対抗できるこの場で唯一の可能性である。

 

【紋章砲】(データドレイン)

 次の瞬間、『死神』から放たれる、光帯の怒涛の奔流(サーカス)……っ!。

 

―――”紋章砲”と呼ばれるこの技術は基本的に必中である。

 形式上の”概念”が存在しないこの世界では、真に必中と言う物はない。

 だが、これは演算を持って、目標を決定して引金が意識できるのは、自動的に高度に計算された”当たる”機動とタイミングだ。

 

「したが、え!!」

 その概念ではなく、”機械的な必中”は、ある種不可能を可能にする。

 意思の力で、その引金を不合理だとエラーを吐き出し続ける『腕輪』を捻じ伏せて、自身の脳処理も貸して強制的に演算を執行させ。

 

―――ヒュウィウンンッツ!!!

 【円環紋章砲】(ドレイン・アーク)

 それぞれに別れた幾何学光線の帯が交差して、一寸も違わずぶつかり合い絡まり合い。

 お互いをお互いに”相殺した”。

 

 そして、大爆発。

 内包していた、過粒子の衝撃波が空間を砕き、空間を脈動させる。

 

 その圧倒的な光景への反応は三様に、様々である。

 『蒼天』は衝撃波に吹飛ばされながら、修羅場を潜った経験から、動揺しながらも臨界させた聖剣技の暴走を何とか収めた。

 『死神』はここで初めて『黄昏の腕輪』の担い手が、この場に存在する事を初めて確認した。

 

「ど、どうしたら…っ」

【死ノ恐怖:プレッシャー】【禍々シキ波:行動制約】

 ローズは大剣を構えながら、一部始終を見ているしかなかった、涙目で身体を振るわしていた。

 『腕輪』を暴力的に振るい、まるで別人の様にオドを荒立たせる己の”相棒”に、派手に散る”戦闘”に。

 この重い身体でどう介入したらよいかわからない。

 

『――――――ルルル』

 『死神』は思考する。

 『黄昏の腕輪』の担い手を感知できなかったのは想定通りである。”造花の花”にならぬ様、『元式魔具』の様な無粋に互いを識る機能はオミットされているのだから。

 しかし、しかし。”英雄”を作り出すには、より悲劇的で残酷な舞台が望ましい。

 

―――その相応しき舞台は、この程度の場所ではない。

『碑文八相』

 もっと凄惨で陰鬱で、より”英雄”の覚醒を奮起を促す者でなくてはならない。

 製作者の意図の通りの結論を導き出して。

 

【影ヲ疾走スル者】【光鱗の衣】

 『死神』は虚属性の幻影を残し、この場を逃走した。

 

「逃げ―――」

「あの方向は……不味いな、『ドゥナ・ロリヤック』の方か」

 そう『蒼天』は呟いて、こちらを一瞥して苦い顏をしながら、言葉を掛ける。

 

「本来なら、貴様には聞かねばならない事が山ほどある。釣り合わぬ知識、『蒼海』の事、その『死神』と同じ力、だが今はそんな余裕はないようだ―――だから、死ぬなよ」

バシュン!

 緊迫した精神ながら、案じる言葉を残して。翼を広げて、街の方向へと【人魔身】の彼は空を駆ける。

 向かった方向は一目瞭然だろう。

 

 『死神』が去り、【凍結の櫃】(フリーズ)が段々と溶けて行き、集落が開放される。

 これは冷気に寄らぬ凍結だ。長く続けば酸欠に死ぬだろうが、幸い致命まで至る者はおらず、

 一部の屈強な戦士達は呼吸を大きく、無理に自身を癒活して、周りの救護活動を開始した。

 

「―――チィ、何があった!大きな魔力反応があったと思えば、周辺が固まって動かなくなりやがった!」

「すまない。【陰陽術】で侵食を止めるのに精一杯だった、無事か!?」

「ガタガタ、ぶるぶる」

 建物の中に居た彼等の連れは無事らしかった。

 脱出できなかったのは、単純に狭いスペースに缶詰めになった為に、誰かを撒き込む為に、食い破る大技を行使できる隙間が無かった為である。 

 

 その様子を一目だけ確認して、安堵の溜息を漏らして、意識を切り替えた。

 

「動け、る?」

 焼けた脳回路で、たどたどしく言葉を紡いだ。これは無理だ、無茶だ。”仲間”は付き合わすわけにいかない。

 故にローズに手を伸ばして、”相棒”として彼女を誘った。

 

「う、動けるってアンタ、アレを『死神』を追うつもり!?無茶よ!そんな怪我して、あんなの、勝てる訳ないじゃない!!」

 対して、彼女はまだ震える手で強く掴んでカイトを引きとめる。

 当然だろう『死神』は【魔王級】、それも犠牲者の悍ましい怨念を纏う。

 【禍々シキ波】の先兵である【死ノ恐怖】、これの畏れは在野の冒険者には耐えがたい物である。

 ローズは死ぬときは伴に死ぬと決めていたが、現実に見合えば、死にたくないし、死なせたくない。

 だって、”幸せ”なのだから、それが本音なのだ。

 

「―――そ、う」

【輪廻狂羅】

 カイトはそれに少しだけ悲しそうに顔を顰めて、いつもより強い力で”相棒”の手を振り払った。

 もう理屈では止まれない。その理性は狂気に塗りつぶされた。

 あの『死神』を引き裂いて地に埋める。この痛みも苦しみも渇きも殺意も、己を壊してしまうだろう。

 その先に『オルカ』はいなくても、そうしなければ狂気が済まない。

 

「待ちなさ…っ」

【レンジャー】【ファストアクション】【精霊術:疑似俊足】

 掴もうとする手をすり抜ける様に離れ、カイトは街へと目指し、壁を跳ね谷の中に消えて行った。

 【レンジャー】として”野狩人”の技能を専攻する彼にとって、危険性はあるが、単独で山道を行っても既に踏破する可能性はあった。

 『死神』に対峙する為に必用なら、可能性だけ十分だった。

 

 混乱に満ちて介助に回っていガルデニアが、それに気が付いて声を掛ける。

「どうしたのだ。カイトは?外に見回りにでも行ったのか…?」

 『宝物』が自分から離れてしまった。このまま見送ればきっと永遠に失われてしまう。

 推定上級魔具の『腕輪』があろうと、『死神』と対峙すれば死ぬだろう。

 その位に、在野の冒険者にとっては、【魔王級】と言うのは絶対的な絶望で……。

 

 彼女は決意を抱いた。

 

「聞いて、さっきの襲撃の事よ、相手は単独、あたしは話だけしか聞いたないけど【G級】、いや【魔王級】だと思うわ」

「な、【魔王級】だと…!?確かにこの規模は……っ!」

 ローズの眼に見た先の戦闘をその特徴を、話していく。

 重苦しい空気が周囲を包む。これから彼女が頼む事にとっては、都合の悪い事実だろう。

 けど、伏せて頼んでもきっと、道ずれを増やすだけで、彼女が求める結末を手に入れられない。

 

「アイツはそれを、『死神』を追っていた、よくわからない。とにかくそれがカイトにとっての仇なんだと思う」

 傍から見たら、突拍子もなく突然繋がった付箋。

 しかも、【魔王級】が仇とは更に突拍子もなく、冗談のように絶望的な話である。

 見捨ててしまうのが、賢いだろう。 怖かった、彼女だって今でも思い返せば怖くて震えてしまいそうだ。

 

「お願い。一緒に闘ってちょうだい。カイトを、助けるの!」

 精一杯、頼み込む。

 知らぬ誰かに仕込まれた爆弾で感情が振り切れた彼とは違い、【死ノ恐怖】への畏れは強い。

 それでもだけど、できれば囲んで殴って、『死神』をぶち殺す。

 

 自分らしく行こう。

 わからない事もある、カイトの反応も”劇的”すぎた。それでも己にはそれだけしかできないのだから。

 例え単独だろうと、それを成して望む物を掴む。”死の恐怖”を踏み倒して。

 

―――仲間からの解答はまだない。重たい選択肢だ。

 

「話は傍耳に聞いた。行くなら、早く行くと良いのである。……何やら不穏な影が見える」

【風詠み】

 彼等の話は部落の代表者が言葉を挟んだ。

 『死神』の能力【凍結の櫃】(フリーズ)に強い攻撃性はない。ただ相手を意識のまま封じる機能だ。

 故に彼も戦闘の様子を、凍り付き固定された角度で見ていた。

 

「見ていた、翼の男とあの子供が”我ら血族”が窮地を、『死神』を押し返したのをな。ならば借りは返さねばならないのである」

 それは裁きの十字架、捕えられた者は、意識のまま忍び寄る”死の恐怖”におびえながら蹂躙される。

 ”生に執着する心”つまり恐怖を与える事に特化し、吸収し学習し大いなる者の繭となる為の権能の一つ。

 

「―――私は」

「ふん」

「……ボクは」

 カイトに、あの年甲斐もなくしっかりとした、日々に精一杯な少年に関わった者達が。

 そして快活なローズの真摯な願いに。

 それぞれに出した結論は。

 

 

 

 ●●●

 

 

 

―――そして『部落』から、来訪者が飛び出していく。

 部落では借りとして、彼等には部落からの案内人を一人付けてあった。

 

「矢を放てぇ!!」

ヒュンヒュンヒュン!!

【妖精射手:呪魔矢】【アローレイン】【錬気法:オウルビジョン】

 それを援護するかのように、森の方向に一斉射が行われる。

 その方向の木々の上には、幾つかの影が見えた。

 

「おいおい、まるで無事じゃないか。話が違うぞ」

「だが、随分動ける戦士の数は減ったようだなぁ”エシオ”よォ、それでも余所者を逃がそうってか、相変わらずで反吐が出る」

【呪魔矢】【パルク―ル】【■ドの■薬:ト■■ス】

 返答に、反撃の矢が返って来て岩壁に突き刺さる。

 

「その装束……、”西のブラギラ族”か。我らが縄張りに何の用である」

「おいおい、救援しに来た谷の同族に何て言い草だ?両手を拡げて迎えてくれてもいいんだぜ!」

「ふん、冗談はその背後の”黄金”をしまってから、言ってもらおうか」

【円環精霊】

 ”エシオ”と呼ばれた部落の代表者が防壁に立って、応対した。

 しかし、それは形式上の事である。この辺りを騒がせる【黄金の精霊】を一体引き連れてる時点で、その意図は明白なのだから。

 

「おい、よしてくれよ、俺等を導いてくれるこれは”精霊様”だぜぇ。そっちの教えにもあっただろう”エシオ”」

「そんな無粋な精霊は知らぬな」

【敵対部落】【■ドの■薬:ト■■ス】

 何処か陶酔した様子で、黄金に付いて語る西の部族の男。

 

「不遜だぞ、”エシオ”!これは”精霊様”の怒りが形を成した者だッ!山の上のあいつ等は『調律器』(はーもないざ)とやらで精霊を遮りやがる、どんどん規模も影響も大きくなって、中央の侵略が俺等の誇りを塗りつぶしていく、許せるわけないだろうなぁ!」

 激怒し、少し錯乱した様子で”西の部族”は唾と言葉を飛ばす。

 どうやら本気で”黄金”を信奉しているらしい。

 しかもその手勢の中には、外の人間まで混ざっているのも見えた。

 

「だから今度は、こっちが塗りつぶしてやる。見ろよォ、外の人間がこんなに”精霊様”に感化されて集まった、やっと始まるんだ。邪魔する馬鹿どもも全部潰してやる」

 首を振る。もう聞くに堪えない。

 

「ほほう、それで谷に生きる同胞を、こんな形で潰して来たのであるか」

 その様子は何処か異常である、だが、それは関係ない、これ以上無様を晒す前にその首を落すと決めた。

【筆頭戦士:プライド】

 その錯乱の真実等に興味はない、これは戦士としての介錯である。

 

「―――恥を知れ俗物、貴様等は誇りの意味を履き違えた」

【アックスマスタリー】【呪魔戦士】(カースア)【ストロングアーム】【風の担い手】

 奔る鏑矢、撃ち合う閃矢と呪魔の応酬。

 『死神』達の舞踏と連動して。

 均衡を崩した高山都市『ドゥナ・ロリヤック』の部族抗争が、切って落とされるのだった。

 

 




ポンコツ世界の、何処かで誰かが理不尽を殴り返してる感じが好きです。

【魔王級】”死の恐怖”スケィス。
結構炙られて立派になりました。現状予定では【継承・夢幻羅道】持ってるのは彼だけです。

王国在住の”死の恐怖”ハセオさんとは多分何の関係もありません。
ソラ君(.hack)が別にいた想定となります。
ついでにほかにも結構要素捻じ込まれてます。

 取り込みキャラ関係で、エシオさん(グラブル)の口調は設定急に捻じ込んだ為に、原作通りではありません、申し訳ありません。

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