ポンコツ世界異聞=【終幕を切り刻む者達《ハッカーズ》】   作:きちきちきち

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この話は個人的な妄想(IF)です(重要!)。



剪定事象【霊亀VSグラン】

―――『大国・ナポリオン城』

 未だに、時世は革命戦争の初期である。

 現在、その過去に栄光に包まれていた城は、更にその姿を絶対零度に変質させていた。

 光さえ、歪んだ歪んだ世界、その中に傷を負った女帝が一人。

「がぁあああああ!!」

【全動疾走:超々俊足】【力翼制御】【生命燃焼:不惜身命】=【天駆ける白竜】(シュツルムファング)

 その白翼を千切り、それを軌跡の如く血を飛ぶように。

 焼き尽くす天、全駆疾走する【蒼天の剣】のみが、ただ地形の如く霜氷を砕き疾く、亀裂を入れた。

【竜戦姫(ドラグーン):氷翼破損】

 その一閃は纏った異形たる氷竜片翼に亀裂をいれ、斬り落としたのだ。

 

 しかし。

【傀儡たる理想郷(セント・アルカディア):絶対ナル孤独】

 

 発動した奥義、停止した世界、それは半径数百メートルの絶対凍結である。

 氷の如く凍り付いた大気と共に、刻すら凍らせて、それは本来"女帝"以外の動くものを許さない。

 マナ原理による数百メートル単位の氷の装甲、それでいて、その主たる彼女のみが、自由に振舞える。

 

―――『古代魔女』アンナ、脱落。

―――『フォレストレンジャー』ウェルダー、脱落。

―――『蒼天』バルムンク、脱落。

 

 ……そのはずだった。

【夢幻修羅】【修羅道】

 しかし、この世界に絶対の能力などない。

 それを証明するように。その孤独の楽園にて、未だに活動し続ける影が二つあった。

 

「―――"まだだ"、まだ届かせて見せる!」

【蒼空万装(グラン・ブルー):疑似才牙】【戦闘続行:ヒーロー】【超頑強】【修羅道】

 一人はグラン、ある種まっとうな手段、竜属性には竜属性を。軋み悲鳴を上げる体を活性させて。

 自身の影によって成される龍闘気の万武装を、重ね身を潜らせ、ただ進むだけの狭き道を作り出した。

【未開領域(アーカルム)踏破者】

 

 勿論、龍闘気で形取られようと彼が操る武具は、龍闘気の記憶特性により内包した彼の扱いうる武具の蒼き影でしかない。それぞれに洗練された"妖精"という意識総体を宿らせる女帝のそれに比べて大きく劣る。

 そもそも『才牙』と呼ばれるようなこの技能は、才は在れど本来は生短い少年が手の届く範囲ではない。

 己を削り昇華する術を開拓した"蒼炎"、師の『霊亀』が築いたアプローチに、過去万を生んだ竜帝たる『■■アマット』の躯の由縁の竜、【バハムート】から伐り出し加工した『バハムートウェポン』の容量をもって可能にした邪流。

 真似そのまま用いて、極まり法定された【月匣】たる、女帝の領域は割れても絶やせないだろう。

 

 しかし、蒼天色の影武装を順繰りに折り重ねて切り裂き、完全に染め上げて道とする。

 

【万霊継し者:模倣合剣(レンゲキ)】【闘気の才:ウェポンバースト】

 それはかつての"蒼炎"の剣。重ね剣、合い剣と言われた。

 己の最強の幻想(アコガレ)を脱し、己の"蒼炎"と"剣精霊"と共に"現実"に落とし込んだ。

 グランの師匠の『霊亀』とて知らない、過去に明確な師が居らず憧れと現実の矛盾に生き詰まり。

 鋭く重く、"譜面"と共に血反吐を練り上げた矛盾する魔双剣である。

 その双剣は合いの拍を打つが如く、集えば"譜面"に喝采するが如く、合い重ねれば―――

 

 なお、当の"蒼炎"は自身の獲物を握って、次の瞬間に"巫器"に共感し初歩を真似られた事に遠い目をしていた。

 才能など、上を見ればきりなどないのだ。

 

 

 

「―――………っ!!」

『アースブレイド』【ダブルストライド】【鑑■眼:真贋】【夢幻修羅】

 もう一人は修羅の道、その卓越した鑑定眼にて長らく観察に徹していたこともあり。

 起こりうる次の手の現象を予測しており。

 己の切り札である、過去の魔導時代の遺産たる"聖騎士の鎧"、そのコアたる愛剣を投げつけた。

 

【無窮の武錬:必要なら投げる】【黒幽機の翆玉(リューナイト):スピリットエヴォリューション】

 深く被った兜に鋭い眼光を目に宿し、マントを翻しながら駆け抜ける。

 前方に投げ付けたそれを顕現し、その巨体が凍り付く間にそれを壁として利用。

 更に、空を疾走するほどの身軽さをもって。

 凍り付きゆく己の愛機を影に足場に蹴り上げて、その奥義たる凍結範囲を上空に離脱したのだ。

 

ズガン!!

『六式魔装銃:チャージボム』

 そして連続銃撃、かつての"紅の聖女"の如く"バレットバースト"。

 時に重力さえも無視する修羅の領域である。

 しかし、この手に愛剣はなく、銃の弾とて上昇に使い切り既に尽きた。

 このままでは己は重力にとらわれて、再び"理想郷"に捕らわれ凍りつくだろう。 

 

 しかし、この極限状態が想いに呼応し。練り上げ吹き上がる自身の内面の息吹に変える。

「……っ"闇を斬り裂き、光を齎すは我が右手"、"光なき道を進む道標となれ"―――」

【想いは流星となって】【無窮の武錬:投射術】【奇跡の■術:雷の■■】(ギガディン)

 かつての祝福にって得た槍を再現した"固有魔法"である 。

 大気を蹴り上げて姿勢を角度を維持、踏ん張る地がない空中にてマントを翻し、身体を発条に曲げて構えて。

「―――……ブチ抜けッ!!」

 "傀儡の理想郷"を駆け抜ける少年を、道を拓き援護する為に投げ付けた。

 それは彼が『アデュー』の持つ資質の名の如く、雷の尾を惹く雷槍流星の体現である…っ!

 

【傀儡たる理想郷(セント・アルカディア)

ザザザザ、パキン!

 そして、その弩級の修羅は地に落ちて、その領域の摂理通りに氷像と化した。

 

 

―――放浪の修羅、『アデュー』脱落。

 

 

 そして変わらず氷霊武具と応戦し、その付き添う影を全て喪いながら。

 上空より更に飛来した雷槍により、焼かれ開かれた空間をも踏みしめて。

 

「うおおおおおおおおおおおおお!!」

 その援護も含めて、少年は過去に通り、再び未開未踏破たる領域を駆け抜ける。

【氷傀儡半減】

 女帝の率いる氷霊、即席の魔剣の軍勢は『闘炎少女』(コロッサス)の奥義たる【次元斬】にてその数を減らした。再度作り直すにも時間が掛かる。

 歯を食いしばる、凍る氷、肉体の芯はすでに硬い。

 

「っ、おもい」

ぶん!!

【食いしばり】【バランス感覚】【継承の御技:アーマーブレイク】

 すでに"蒼天"の剣が翼を折り、その移動速度を鈍らせている。

 自身の原初に回帰するように、重心移動だけで繰り出されるひずみを穿つ剛剣が。

 確かに孤独の女王に確かに届いた。

 

そして。 

―――氷鎧が砕け、血飛沫が飛び散る。

 原始的だが竜属性を纏った剣は、確かに彼女の"絶対防御"を穿ち抜いたのである。

 それは力を束ねた、一つの奇跡というべきだろう。

 

 しかし。

「―――ごふっ」

 彼らが対峙するのは聖錬北部が柱『霊亀』である。

 "竜属性"の武具は流石に凍らせづらい。故にただ『霊亀』は、己に迫る剣を無視し……。

 そのを華奢な指を伸ばして、不肖弟子の手の甲に触れたのだ。

「……なっ!?」

【戦術眼】【オルギア・フリーズ】【氷の担い手】

 そして直接凍らせてぶれる。延びる前に剣筋を”硬直”させ、砕けた己の装甲を膨張させて縫い止めたのである。

 戦闘経験や理不尽への対峙は在れど、彼女は決して修羅ではない。

 当たり前の事を当たり前に行い。本来なら致命傷に至るほどの怪我に、通常通りの稼働はできないのだ。

 

 しかし。

「―――減点、1です。ええ、頭を殴りつけでもすれば、もしやも、ありましたのに」

【戦闘続行:師の矜持】

 ただ、ただ。

 この場限り、かつての弟子に、先征くものとしての意地を張っただけである。

 

「くそ……っ、確かに届いたのに…っ!」

【バランス感覚】

 まだだと、足は、腰は、重心は生きている。故に諦めずに飛び退いて。

ぴきぴき……っ!

 しかし、竜武具を手放した摂理のままに、全身から末端から刻を忘れて凍り付いていくのだ。

 

「わかりません。なぜそこまで必死になるのです」

「きっと、正しさでしか……、あなたを…師匠を……救えないと……思ったからだ」

【ヒーロー】【純朴青年】【修羅道】

 それは焦りだ。全く手の届かない領域であるのを、まざまざと見ながら。

 少年は、グランは最後の時までその瞳から闘志を消すことなく…。

 しかし、その姿のままに凍り付かせた。

 

 それをゆっくり見届けながら『霊亀』は呟いた。

「ええ、余計な世話というものです。不出来な我が弟子よ。―――では次の時代まで、さようなら」

 

―――"蒼空"『グラン』脱落。

 そしてこの【傀儡たる理想郷】(セント・アルカディア)に、動く物体すら何も居なくなった。

 

 それを最後に、戦場であった『ナポレオン城』に静寂が戻った。

 

 

 

―――しばらく時間が経ちて。

 

 

 

「かふっ……、流石に竜属性での傷は、治りずらいですね」

 激戦のその後。『霊亀』は玉座に腰を掛けて、その身を休ませていた。

 その姿は竜具の稼働を、最低限の休眠状態(スタンバイ)に落として、異形としての姿でなく、二房の髪を卸し竜具【氷結傀儡】ローブを被った和服姿である。

 

【無窮の守護者:迎撃態勢】

 しかし、油断などない。

 先の苦戦もあってその氷点の目は常に辺りを見渡している。

 

「手こずりました。自身の傷を癒すのは、いつぶりでしょう」

【陰陽術Lv2】【操霊術Lv3】【高等医療技術】

 それは重症と言っていい程の傷である。斬りつけられた傷を、自身の氷により傷を覆い。

 生命放射を包み停滞させながら、受けた疵を繋ぎとめてそれを癒していた。

 

【聖人】

 『聖錬』北部の一柱『霊亀』、その異名の中の一つとして、"聖人"として呼ばれていた。

 他者を護り疵を繋ぎ留め、治療を施し生還させる。”氷の奇跡”として知られていたのである。

 その彼女を以っても。その受けた傷は容易に塞がらない。"竜属性"により復元すべき霊体情報が焼かれてしまっているのである。

 

 そんな中で、『霊亀』はただただ理性的に、先の戦闘を振り返り整理し反芻する。

「わかってはいました。私を……『霊亀』を殺すなら不意を付くしか在りませんもの」

【無窮の守護者】【戦術眼】

 ただ当たり前の努力と戦術眼と経験を積んで、人類未踏の最前線を行く彼女は、全ての実験を経験を意味を見出す。そして研鑽を積み上げる。

――出来ることのみを成功し続けたこと。

 それが彼女の隙になる事を、未だに気が付かぬままに、理性の儘に彼女は稼働し続けるのだ。

 

「常に警戒していましたが、まさかこうも抜かれるとは、慢心でしょうか」

 思い返すのは己が、己が弟子の竜具級の武装の武闘形体に目を奪われた際に。その隙を刺した。

 マント姿に独特なヘルムを纏った冒険者である。

 それは推定、Sランク級、ヘタすれば武力に鳴らす王国の"六神武貴党首"に届きかねない戦士である。

 破格に手札が多く、その一つ一つが鋭い。

 

 確固たる自信を誇り、まさしく究極と呼べる奥義をも対処して、己に至るその道を焼き拓いた。

 『霊亀』が操る【傀儡たる理想郷】(セント・アルカディア)の強度は数百メートルの鋼鉄に匹敵するのだ。

 それを本体から遠いと言え、貫き穿ったあの"昏き稲妻"(ギガ・ディン)は驚異的である。

 風貌から暗殺者染みて相応して技能も持ち、併せて一流以上の近接技能を持ち、魔術を扱えば殺傷に優れ、隠し札として巨人を召喚する。

 

「ふむ、解析するに、"火に雷に冥"の属性の混合……、三属性に純粋に雷を持つのは珍しい」

【知識の蒐集者】

 凍り付いた氷像から、血液を採取して解析したのだ。

 国に幾多もの幾千幾多もの死刑囚をもって実験を繰り返し切り刻み、その肉体を糧にて"永遠"の探求を、研鑽を積み重ねた。

 そのまるで魔導の探求『七色の札』の如く、マッドな探求者の一面も彼女の顔である。

 

「惜しいですね。卸せるならば最優の九十九巫女を宛がうのも吝かでないのですが」

 ノーブル、施政者の目線。そんな風に片手間に考えた。

 なお、凍り付かせた故に、損傷はなく。その存在が『霊亀』が欲してやまない。 

 "永遠"に手が届いた存在だというのは知るよしもない。

【不死不滅】(ダークソウル)

 それを知った時に、彼女がどういう反応を示すのか、誰もまだわからないだろう。

 

「ええ、絶対の奥義だと思い込んでいましたが」

 一呼吸おして。

「改良の余地はまだありますか、次の課題は意識総体を分割してでの制御、そのアプローチを、娘にもそう伝えるとしましょう」

 そう『霊亀』は総括して、再び外へと目を向ける。

 至る所から"狼星"が見え、彼女が乱入者と交戦した間にも戦争の状況が動いているのがわかる。

 

―――「32将---戦死」、「戦姫--・---戦死」。

【不老の聖女】【戦術眼】

 それを単純に情報の羅列として理解して、ただ冷徹に氷の如く思考を回す。

 既に自国である『ナポレオン』の抱える戦力はほぼ外征に回している。

 そうでもないと回らないと理解したのだから。

 

 そして、この"革命戦争"の時世は、大襲撃(スタンピード)も跨いでいる。

【政治知識Lv4】

 八罪・十罰に備える歩哨は、女帝の手腕にてそのまま戦時の警戒網として機能しているのだ。

 北方の乱、『革命戦争』…、苛烈に苛烈に、人死に繰り返され、凄惨を極めていた。

 

―――ぴくっ。

「また、物騒な訪問者ですか」

 その"狼星"の中に、物騒な集団を感知したという知らせが紛れていた。

 事前で掴んでいた刺客である、暗殺特化の一の矢、武力の象徴"三二将"が複数、"四聖"が一人、それを牽引する"鬼人八門衆"が一人。そんな集団が目立たない訳がない。

 密かに強硬するには時世が悪すぎる、こんな時世で町の外に出歩くもの好きなどいない。

 先んじて発見すればそれすなわち軍事目的だ。

 

「いいでしょう。返り討ちにしてあげます」

【模倣の権技】【水の集い手】【超絶魔力】

 砕かれた氷が浮き上がり、修復されその魂の如く女帝の忠実な兵隊として積み上がる。

 『大国・ナポレオン城』、象徴たるそこには巨大な水脈が流れている。

 そういう立地を選んだ。

 女帝のみが、その環境放射(マナストリーム)を手繰り永遠たる、【月匣】停滞を作り出すことができるのである。

 故に防衛戦にて最強、重症でありながらその自負が、また彼女を孤独にするのだ。

 

 

 

 

 そして。

 その目の端に、凍り付いた先の自身の敵対者を映し、溜息をついた。

 傷は痛む、胸の痛みと混ざって。

「―――……」

 不肖弟子、グランという少年はその器用性と歩いてきた経歴に、弱点らしい弱点は存在しない。

 少年の幼馴染である『ジータ』は、それを越え万能とまで昇華させうる才能を持っていた為に、それと対比して自覚していないが、この世界においても稀有の才能だ。

 

 それ故に、目を付けた。磨き上げ様とした。その英雄(ヒーロー)の如き在り方も卸しやすいと踏んで。

「……まぁこの痛みも、不出来な生徒の卒業証明と誉めて笑って許してあげましょうか」

 それを容易に手放したその心の動きは、女帝自身にも理解できてない。

 その在り方もあって在り得ない仮定だが、仮に、彼が未だに手元に在り続けたならば、"女帝"は少年を有力な戦力として認識しただろう。

 

「その"炎"を扱っていた人物は死にました。その意味が分からない訳じゃないでしょう?」

 そして、戦闘後の分析の後に、不肖弟子の扱った技法の出所は認識している。

 呟く様に、"蒼炎"の存在は、ある程度の興味を惹かれ独自に実態を調査していた

 何のことはない。それは命を削る。生命力と後戻りできぬ契約にて、精霊を練り上げる。

 【闘気の才】を持つグランならば、ただの少年であった彼に比べ、適性があるとはいえ、その感覚の拡げ方のアプロ―チは正気とは思えないものだ。

 

「表向きには行方不明(ロスト)ですが。しかしこの世界で大した違いはありません」

 "蒼炎"の名を今更覚えている者はいないだろう。

 厳しい殺伐とした世界。世間に謳われし者、次期Sランク冒険者候補と言われる"鬼人八門衆"とて。

 時に頻繁に入れ替わる。"蒼海"も、王国に流れたが"ガユス"も"ギギナ"という者もそうである。

 

 永遠などない。そして、己の同格である"四端・応竜"とて―――

 

「あぁ、何処までも愚かな我が弟子。あなたは結局、私の擬氷・霊氷からだけで私自身からは何も受け継がなかったもの、そんな炎まで扱って」

【全傀儡制御】

 自身の領域に氷霊に働きかけて、その氷塊を宝物庫に運び入れ、その奥に沈た。

 彼女の氷は刻すら凍り付く、水の様に、溶かし浸透する停滞(コールドスリープ)としての性質もあるのだ。

 手順をもって解凍を成せば死にはしない。

 勿論、この手を少し捻れば、呆気なく皆殺せる。

 他意もない。

 あの稀有な資質の修羅の事もある、惜しいから"とっておく"だけであると女帝は思う。

 

「ただ、その愚かさ―――嫌いではありませんでしたよ」

『氷結傀儡』(ザナキドル)【英雄への情景】

 ただ、そんな事をぽつりと呟いて、再び竜具『氷結傀儡』を稼働状態に。

 重症の儘に 平常時の形取り、少しの乱れによりその"絶対防御"に群ができている事に気が付かぬまま。

 再び水と氷結の竜たる異形の姿を変性した。

 

 

 永遠を、楽土を、その女帝は狂ってなどいない。その生い立ちから、一般より隔絶した感性はあれど。

 ただただ何処までも現実的な、"刻"に追われて、手が届くのだと抗い続ける。

 そんな彼女の行き着く先は…。

 

 

びぃいいいいん!!

 弦をはじく様に。

 

―――そんな歩み出したその陰から、不意に殺意が強襲する。

 

【狂哭銀狼】(シルヴァリオクライ)【影を駆け抜ける者】【血染めの衣】

 共鳴、偽装、無音、破裂。

 様々な音による技巧が彼女を襲い。女帝はその全てを凍らせて平然と待ち構えた。

 

「ふむ、この手癖は『武器壊し』"銀狼"(シルヴァリオ)、暗殺特化の一の矢ですか」

【オルギア・フリーズ】【政治知識Lv4】

 その正体を、女帝はその卓越した政治知識から容易に推測する。

 『武器壊し』…、国家の武器に対する壊し屋、時に竜具を持つ戦姫、三十二将、六神武貴をも壊すという。

 軍部にて暗殺者"銀狼"、もしくは"ゼファー"と呼ばれた男は、その低すぎる自己評価に反して実力は隔絶しており、その牙が向けうる対象にとっては真しやかに、その存在を語られているのだ。

 

「後続をこうも簡単に捕捉できたのも陽動の意味もありますか…。しかし、無意味です」

【氷紋剣:仙境神山】【オルギア・フリーズ】【全傀儡制御】

 

「それだけの応用性がありまして、貴方に敵が多いのは卑屈なのと、仕事が悪いんでなくて?」

 その挑発に返事はない。音もない。

【冥界賛歌(スフィアレーザー):マナ反粒子】

 それを氷霊によって防ぎ、視界を覆い隠した瞬間に放たれる特異な現象、徹底的な初見殺し。

 霊亀の死角より、人ほどの半径がぽっかりと穴開き道を拓く。

 局所的に"マナ原理"を無力化する。極めて珍しい"無属性"に変換し、魔法や、マナ由来の生物に対しての特効性を有する技能である。

【狂哭銀狼】(シルヴァリオクライ)【英傑殺し】【影を駆け抜ける者】

 そして、領域が絶たれた軋みにて、動揺に漬け込み片手剣を頸へと捻じ込もうとしたのだ。

 

「っ、ならば質量で薙ぎ払うとしましょうか」

「―――!?」

『水龍の涙眼:水集積抽出』【水の集い手】【超絶魔力】

 女帝には珍しい、技巧も何もない単純な物理。髪飾りを、稼働。

 掌を扇の様に広げ、水を湛えてくるりと一舞を。

 水を水の儘に滴り上がらせ、全方位に散弾として放つ。

 彼が不幸だったのは先の戦闘により、似た鋭い影の手筋にしてやられた事だろう。

 認識を改訂し、可能性を当たり前のように対処するのだ。

 

 刺客の男は音を、振動を操り器用に暗の技とし、そして局所的な破壊力とする。

ザバァ!!

【見切り】

 しかし局所的故に、絶やすことができぬ流体の質量攻撃には、己の物理(カラテ)で対処する他なく。

 

「捉えました」

【オルギア・フリーズ】

 ここは己の領域であると、氷霊武具の掃射をもって凍りつけに堕とした。

 重症とはいえ、変わりない。

 己は"柱"、防衛戦にて最強であるとの自負が永遠への希求が、身体を変わらず動かし続けるのである。

 

 それを、一瞥することなく、更に歩みを進めて。

【氷結傀儡(ザナキドル):氷結拡大】

 後続の敵対者を屠る為に、迎撃せんとその冷気を更に大きく波及させた。

 

「聖錬、柱たる"四端・霊亀"。我が永遠、我が安寧。決して崩れる事はないと知りなさい」

 どこまでもどこまでも、孤独の女帝は、ただこの国と私から続く永遠安土のために。

 その眼は、ただ永遠だけを見つめていた。

 

 

 

          

           

 




 ゼファーさんは投稿案から、返り討ちに在ったらしいので。
 超絶魔力は持ってないと判断。

 ちょっと今回の件で、アデュ―君を六神武貴党首級相当に格上げしたくなる。
 おのれ【ダブルストライド】に【鑑定眼(真贋)】に【リューナイト】ェ!
 足場になったリューナイト君は、巨体がカモなこともありますが、
 騎乗時スキルがないので、そのままの方が動かしやすかったので…。
 覚醒ぐらいするさ、勇者の集合体みたいなものだもの。
 詠唱で発動したけど、固有魔法なので自己意識の誘導みたいなものと判断しました。
 実際どんな性質があるんだろう火・雷・冥(昏き稲妻)というのは。


亀さん解釈(おそらく間違え)

亀さんのMAD度:ボ卿との交流はあれど、優秀な人材の交配とか。
        意図的に繰り返すまで行ってないので、札党首級よりはましな想定。
        興味ないと言っても、ルリアの多属性に固有魔法は魅力的ですし。
        掛け合わせれば、異端が生まれるとか札は考えそう(ジェスター感)。
        【英雄への情景】が歯止め?
亀さんの戦略:人を率いる技能が充実してるに反して。
       大国ナポレオンの戦力が全く彼女の周囲にいないのもあって、他に回している想定。
       彼女は【政治知識Lv4】【戦術眼】ですし玉の重要性も、その権威の活用も理解してる想定。
       それでも戦力が足らないから、チェスのクイーン単騎駆けならぬ防衛。
       一言でいえばギレンの野望で拠点に籠ったハマーン&キュベレイです。
       SLGでプレイヤーがやる手口、超強力ユニットにより地形補正を受けた防衛戦を
       やろうとしたと想定しました。絶対防御に領域作成、状態異常即死亡のくそげーが始まる。
       どんどん戦力バッチこい。少なくとも私は死にません(なお)。
亀さんの娘への感情:父親のフラグも不明ですし、
          スペアの肉体とか考えてる可能性もあるので不明。
          もしかして父親、氷紋剣の人?
亀さんのダークソウルへの興味度:きりきざんででも、ぶんかいしてでも、うばいとる。
                魂の劣化の問題を理解しても、それでも欲する。
                ただの人魔身では永遠足り得ない。私の永遠の為にそれをよこせ。

 今回グラン君が使った"蒼炎"のスキル|【模倣合剣】(レンゲキ)ですが
 元ネタ/hack、鬼滅の刃。背景的には双剣士でありながら、理想形が親友の大剣士の"蒼海"オルカであるために。
 その独自に練り上げた魔法剣。幻想から脱し、修練で取り込んで昇華したスキルです。
 具体的には魔法剣に実体剣を重ねて威力を打ち込む、またはその逆。制質の異なる魔法剣同士の干渉で造形を強固に重ねるとかを。【精霊剣士】を先行することで獲得した”譜面”によって行うスキルでした。なお、【三爪炎痕】(妖精剣奴)と合わせて、疑似参刀流、練度によって疑似四刀流で互いに剛剣の如く威力を重ねて打ち込む予定だった。
 本来、ナツメとコミュを主軸に取って取得予定でしたが、テイルレッドが師匠枠になりそうで考え中。
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