魔法少女リリカルなのは~転生者達の波瀾万丈な物語~ 作:白銀の勇者
またまたやらせていただきます
序章1
とある孤児院。そこに、一人の少女が居た
彼女の目には、明るい未来など、写されてはいなかった
彼女は生まれてすぐ、両親に捨てられた。それを保護された
が、成長して待っていたのは、過酷な苛めであった。初めての苛めは三歳の頃。今は八歳になった。体は弱く、しょっちゅう病気にかかってしまう
彼女の体の至る所には傷がある
切り傷、火傷等々。服で隠れて見えない部分にはアザが何ヵ所もある
彼女は、その日も窓から空を見上げていた
青い空を見て、もしも両親が居てくれたら。そう思って窓の縁に置いていた肘を離して、憂鬱そうに溜め息を付きながら、その場で振り替える
何時もなら誰も居ない、廊下が見えるはずだった
が、彼女が見たのは、男子の手だった。計六つ。合計三人分の
彼女は驚きで抵抗できずにその手に押された
彼女は窓の縁に体を当てた。当てただけなら良かった
彼女の体は縁を軸にして、一回転し、あろうことか、そのまま空に放り出された
「……あれ?」
彼女は空に手を伸ばした
今なら、空に手が届きそうな気がした。が、現実は非情だった
彼女の手は空から離れていく。地面に向かって彼女は落ちていく
自分を押した男子が身を乗り出してこっちを見てくる。三人とも、後悔に押し潰されそうな顔をしていた
彼女は目を閉じ、全てを諦めた
その日、その孤寺院では、一つの……真っ赤な花が、少女の頭を中心に咲いた
悲しい……悲しい花が
「あ~……今日も面倒だったわ……」
とある街中で、一人の女子高生らしき人物が面倒事を揉み消すように頭を掻いた
周りには友人と思える人物は一人も居ない
そして、これから家に帰ってやることを思い出すと溜め息が自然と口から零れた
「帰ってご飯作って、洗濯して、掃除して、宿題やって、時間割に鞄の中身を合わせて……めんど……」
言ってどうにかなるものでは無かった
が、彼女は口から出さないと、気がすまなかった
彼女に両親は居る。居るのだが、父、母共々何処をぶらついてるのか、深夜になるまで帰ってこないのである
しかも、洗濯も掃除もしない。居ても居なくても同じような両親だった
昼食代に金を机の上に置いているが、それも生きてく為の最低限の金額。昼食を満足に食べたらすぐに尽きる程度の金だ
彼女はその金だけで、朝、昼、晩を凌いでいた
満腹感を味わったのなんて、中学の給食が最後だろう
彼女は若干の空腹を感じながら、暇潰しに何をしようかと考える
最近のマイブームは深夜アニメを見ることだった。金が無いから、インターネットで
今日は何を見よう。それを考えながら帰路を歩く
すると、何か、中年の男性らしき人物が彼女にぶつかった
「あ、すいません」
彼女は謝りながら、歩き続けようとした
が、何か左胸辺りに違和感を感じた
生暖かい。それに、何か冷たい異物が左胸に直接着いている
彼女は自分の左胸を見た
「……は?」
自分の左胸から何かが生えていた
銀色の刃物のような物、それを持ち出すための取手のような物
彼女はそれが何か理解した。理解してしまった
包丁だった。一本の、出刃包丁
「……嘘でしょ?」
彼女はその場で倒れた。足に力が入らなくなったのだ
「こんな所で死ぬの……?私……」
その問いに答えるものは居なかった。聞こえたのは、野次馬の悲鳴だった
悲鳴あげるなら救急車呼んでくれと叫びたかったが、呼吸がうまく出来ない
何度か咳き込んだ後、自然と瞼が下りてきた
彼女は自虐気味に少しだけ笑った後、完全に瞼を閉じた
「あ、見終わっちゃいました……」
とある家のとある部屋
一人の少女は部屋着と思える姿でテレビにかじりついていた。壁には中学生の物と思える制服がかけられていた
が、それも終わったらしく、気だるそうに椅子から降りるとテレビを消してDVDプレイヤーからDVDを取りだし、レンタル用のカバーに入れて、袋の中にしまった
やることが無くなった彼女は部屋着から着替えて、引き出しを見たが、細かいお金がなく、渋々千円札を取りだし、レンタルDVDの入った袋を手に持って部屋を出た
彼女の部屋は二階で、階段を降りながら、家族に一言だけ叫ぶ
「レンタル屋行ってきますね~」
返事は帰ってこなかった
彼女は昔、捨て子だった
が、孤寺院から引き取られて、この家にお世話になった
しかし、彼女はそこまで優遇されず、基本は放置される状態だった
お世話になった時からしている敬語もすっかり癖になってしまい、学校の同級生と話すときも敬語で喋ってしまう
彼女は靴を履いて、玄関を出た
自転車やバイクはある筈も無く、数百メートル先のレンタル屋まで歩く
その途中、解体中であろう、鉄骨が剥き出しの建物を発見した
ここを抜ければ少しだけ近道になる。彼女は少し考えた後、その建物の中に入った
入ったとは言っても、通り過ぎるだけである
「なんだか不気味ですね……」
コンクリートの壁は一切無く、鉄骨だけが建てられていた
しかも、錆ていて風に吹かれるとギシギシと音が鳴る
帰りは普通に帰ろう。そう思いながら一歩ずつ、足を進めていく
が、数本目の鉄骨を過ぎた後、いきなり背後から何者かに捕まれ、口を塞がれた
「むがっ!!?」
彼女は余りの驚きに対応できず、その人物に押し倒された
「な、何ですか!!?」
「まさかここでこんな当たりが引っ掛かるとはな」
彼女はその人物の目を見た
完全に自分を犯そうとしている目だった
逃げ出そうとしたが、馬乗りにされ、腕を掴まれて逃げ出せそうになかった
「離して!!」
「こんな当たりを離すわけねぇだろうがよ!」
彼は乱暴に彼女の服を引き裂いた
服が引き裂かれ、その下の下着が露出する
「久々にこんな上玉とヤれるなんて、俺はついてるぜ」
彼女は必死に抵抗するが、彼の力は強く、身動き一つ出来ない
唯一動く足も、どれだけ動かしても彼には当たらない
このままだと好き勝手に体を弄ばれる。そう思ったとき、彼女の目に涙が溜まる
段々と、彼の顔が近付いてくる
こうなったら頭突きでも何してでも逃げてやる。そう決心したとき、真上からガン!ガン!と何かが外れるような音が響いた
彼は彼女を犯すことしか頭に無いからなのか、その音が聞こえていない様子だ
が、彼女には聞こえた。ヤバイと思った時には、何十本もの鉄骨が、自分目掛けて降ってきていた
「イヤァァァァァ!!!離してぇぇぇぇぇ!!!!」
「このっ!大人しく……」
彼が手を振り上げた時……鉄骨は二人を押し潰した
何十本の鉄骨が地面に突き刺さり、辺りに砂塵が巻き起こる
砂塵が晴れたことには、鉄骨の間から赤色の液体が地面に広がっていた
一人の少女の手が、鉄骨の間から見えたが、その手は騒ぎを聞き付けた人が発見したときも、その後も、動くことは無かった
とある街。一人の男は上機嫌に歩いていた
手には、一つの袋が握られていた
「いやぁ、予約して待った甲斐があったって物だな」
今は平日の夕方
待ちに待った物が買えた大学生かと思われる彼はスキップしたくなる衝動を押さえながら家に向かって歩いていく
袋の中は一つのDVD。よっぽど嬉しいのか、袋の中をチラチラと覗きながら、歩いていく
事情を知らない人から見たら、袋の中を見ながらニヤニヤして歩いている変態である
「講義を聞き逃さないようにちゃんと聞いてたが、こういう日はほんと長く感じるよな~……」
と、一人言をボヤきながらニヤニヤしつつ、歩いていく
ちなみに、今は夏なのだが、財布の中は一足早い冬を迎えた
「ひったくり!!!」
急に後ろから女性の悲鳴が聞こえた
振り向くと、サングラスとマスク、帽子を被ったいかにも怪しい男と、倒れている女性が見えた
男の手には女物の鞄が握られていた
「退けぇぇぇ!!!」
男は彼に向かって叫んだが、彼は避けず、すれ違い様に、男の肩を掴んだ
「その鞄を離せ!!」
「このっ!!」
男は激しく抵抗したが、彼は女の人の鞄を持ち、逃がしまいと、必死に抵抗する
「へっ、甘い!!」
彼は隙を縫って男の股間を蹴り上げた
「うごっ!!」
短い悲鳴と共に手が緩んだ。その隙を逃さず、バッグを取り返し、女の人に向けて投げた。自分の袋と共に
「あ!!しまった!!」
彼はそれに気をとられ、後ろを向いた
男は、何やらポケットをがさごそと漁っていた
「って、ひったくり犯を……」
振り返った彼が見たのは、ナイフを持ち、切っ先を向けるひったくり犯だった
「いぃっ!!?」
彼は最初の一撃を避けた。が、足が縺れた
しまったと思ったときには既に遅い。男のナイフは彼の首を貫いていた
「がっ……」
全身の力が一瞬で抜ける。ナイフが抜かれると共に、彼は力無く倒れた
ひったくり犯は血濡れのナイフを片手に走り去っていった
その数瞬後、女の人が彼の体を揺する
何か叫んでいるが、何も聞こえない
意識が深い闇の底に沈んでいく感覚がした
あぁ、これが死か。どうせなら光に飲まれたかった。そう下らないことを思うと同時に、意識は完全に闇に飲まれた
「急げ急げ急げェーーッ!!!」
彼は学生服を着ながら、全速力で走っている
どうやら、中学生らしい。そんな彼は息切れを起こしながらも走っていた
「今日はあのゲームの発売日ッ!買い逃す訳にはいかないッ!!もっとクセを出して走れ!!」
始業式の後なのか、辺りはまだ朝だが、もう十時はとっくに過ぎていた
彼は部活に所属してはいるものの、幽霊部員だった
店は開いている。早く家に帰って金を取り、店まで走らなければ。その思いが彼の足をがむしゃらに動かしていた
だが、今は夏。彼の全身から汗が吹き出していた
このままノンストップで走って家に帰ってゲームショップまで走れば脱水症状で倒れてしまうかもしれない。そんな事が起きればゲームをもれなく買いそびれてしまう。そう判断した彼は公園に立ち寄り、水を飲んだ
そして、少し息を整えようと、近くのベンチに座った
公園では、小さい子がボールで遊んでいた
「あぁ~……、慣れねぇ運動はするもんじゃあねぇな……」
ボヤきながらも近くにある時計を見る
何時も歩いて帰るときよりもかなり早い。これなら買いそびれる事は無いと、フラグを建てながら、彼はその場で立つ
彼が立つと同時に、子供の持っていたボールが道路に飛び出た
彼はそれを後目に公園から走り去ろうとしたが、あろうことかその子供はボールを取りに行った
しかも、さらに不幸なことに、車が接近していた
「あの子……不味い!!!」
彼は進行方向ではなく、その子供の方に走った
子供は車を見つめて動かない。車も急ブレーキをかけた
ぶつかる数瞬前、彼が子供の横にたどり着いた
「ドラァ!!!」
彼はその子供を反対側の通路の芝生に向けて投げた。子供は芝生に体を打ち付けたが、大きな怪我は無かった
「もう二度とするんじゃあねぇぞォーーッ!!!」
彼はその子供に叫んだ後、車に轢かれた
彼は空を舞った。が、これならまだ助かる見込みはある
が、不幸な事に、彼は反対車線に跳ねられ、あろうことか、もう一台の車がそこを走っていた
冗談じゃねぇぜと思いながら、彼はなにも抵抗が出来ずに頭から反対車線に落ちる
車の方は上から彼が降ってきている事なんて知らない。ブレーキなんてかけていない
彼は、側頭部と、車でインパクトを起こした
ぐちゃっと音を立てながら、彼は道路を滑っていく
完全に止まった頃には、彼の命は既に散っていた
投げられた子供は彼に起きてと言いながらその体を揺さぶる
が、彼は起き上がることは無い。子供は何で起きてくれないの。お寝坊さんと、無邪気な声で彼に問いかけた
救急車が来るまで、時間はそうかからなかった
いきなりのdieジェスト!
見て分かる通り、女3人、男2人のパーティ構成です