魔法少女リリカルなのは~転生者達の波瀾万丈な物語~ 作:白銀の勇者
祈梨が転生してから既に三年の時が経った
彼女は両親と共に毎日平和に、幸福感に包まれながら暮らしている
前世での暗さはもう微塵も残ってはいなかった
さて、彼女の実体化ペン。実は、彼女は両親に実体化ペンの事を話した
半信半疑の親に実際に使って見せて無理矢理納得をしてもらったのだ
が、彼女の両親はそのペンは大事にとっておけと言うと、何事もなかったかのように何時もの生活を始めた
前世の事は話していなかった。いや、最早忘れ去りたい記憶の中にあった
そして六歳になった彼女は近所をぶらりぶらりと歩いていた
ポケットの中には実体化ペンとメモ帳が入っている
「えっと……あっちが公園で……」
彼女はよく外には出てたが、もうすぐ小学校に入学するため、改めて道を確認していたのだ
初めての小学校に彼女は心を踊らしていた
ちなみに、彼女が入学する学校は聖祥大附属小学校という小学生から大学生までエスカレート式の私立学校だった。が、彼女はそんな事言われても頭に?を浮かべるだけだ
「ちょっと休憩しよっと」
彼女は公園に入り、ベンチに座って周りに人が居ないかを確認する
三度ほど確認した後、メモ帳と実体化ペンを取りだし、ジュースの缶をパパっと書いた後、実体化させた。が、十秒くらいはかかる
そして、自分が開けやすく、さらに中身も少な目の缶ジュースを開けて、すぐに飲み干す。ちなみに、缶にはオレンジジュースとだけ書かれている
その缶をすぐにゴミ箱に捨てて彼女は公園を離れる
「えっと、次は……」
彼女は何処に行こうか少し迷った
すると、後ろから足音がして、自分の後ろで止まった
「おい、お前」
「はい?」
彼女がくるりと後ろを向くと、黒髪の黒目の自分と同じくらいの歳の男の子が立っていた
が、彼女は少し後ろに踏み出した
何だか、危険な予感がしたからだ
「お前、転生者だな」
「え!?って事は……貴方も?」
自分と同じ境遇の人が居た。ちょっと嬉しさ混じりに彼に近づく
「否定しないな……なら死ね」
「え?」
余りにも唐突だった
彼女に向けて何か、黒い腕のような物体が高速で向かっていく
「きゃっ!!?」
何とか避けることは出来たが、その場で尻餅をついてしまった
慌ててどうにかしようと実体化ペンとメモ帳を取り出そうとするが、慌てすぎてそれを投げてしまう
「あっ!」
「転生者はなぁ……邪魔なんだよ。ってな訳で殺す。皆殺しだ」
彼は余りに身勝手な事を言うと、黒色の手を彼女の左胸目掛けて一直線に伸ばした
何が何だか分からない彼女はそれを黙って見てるしか無かった
殺った。彼が心の中で呟いた瞬間、横からの路地から何かが飛んできた
「ッ!?」
それを黒色の腕を戻して防御する
飛んできたのは『鉄球』だった
「もいっぱぁぁぁぁぁぁぁつ!!!」
鉄球が飛んできた方から一人の、祈梨と同じ歳くらいの男が飛び出し、鉄球をもう一発投げてきた
「チッ、増援か」
彼はそれを余裕をもって避けた
が、飛び出してきた少年は武器が無いにも関わらず、そのまま突っ込んできた
そして、叫んだ
「『ゴールド・エクスペリエンス』ッ!!!」
黄金体験……そう訳せる
それを叫びながらも、少年は彼に突撃してくる
「死にさらせ!」
彼はその少年に向けて腕を伸ばした
「無駄ァ!!」
が、その腕は下から打ち上げられたように上に向けて弾かれた
少年は腕と足は全く動かしていない
「なっ!?」
驚く間に、少年は五メートルの距離に入っていた
「ウォォォォ!!」
その場で止まり、雄叫びを上げる
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!!」
無駄を連呼すると同時に、彼の体に無数の殴られた後が出来上がる
「ぐぁぁっ!!」
彼は吹き飛ぶが、意識を飛ばさずに耐えた
「さらに、『
少年は叫ぶと、見えない何かが発射された
「くっ!」
それを横ステップで彼は避ける
背後の壁に穴が空いた。まるで、レイピアで穴を空けられたようだった
「一部始終……見てたぜ。テメェはこの
いつの間に拾ってきたのか、鉄球をホルスターにしまい、指をさす。もう一つは反対の壁に当たって地面に転がってた
「たかが一人で……」
「ほぉ、一人じゃ無かったら……どうなんだろうな」
声は祈梨の後ろから聞こえた
「アイスラッガー!!」
祈梨の後ろに居る少年は手に持っていた銀色のブーメランのような物を投げつけた
それは一切回転せず、刃を向けて彼に突進する
「くっ!」
それを間一髪で避けるが、ブーメランは過ぎ去った後、その場でUターンした
「何だと!?」
それを黒色の腕で側面から打ち落とす
が、打ち落とされても尚、そのブーメランは動き、少年の目の前でもう一度曲がった
「ワイドショット!!」
少年は両腕をL字に組んで光線を発射した
その光線はブーメランに当たり、ブーメランはなんと五つに分身した
「全部打ち落としてやらァ!!」
そのブーメランを全て彼は叩き落とす
ブーメランはもう一度一つに戻って少年の手元に戻った
そのブーメランをポケットに無理矢理突っ込んで、今度は腕に着けているブレスレットに手を当てる
「ウルトラブレスレット!!」
少年のブレスレットは光を放ち、矢に変化する
「よい……しょぉ!!」
それを思いっきり振りかぶり、投擲した
「当たるわきゃねぇだろうがよ!」
彼はそれの側面に拳を当てて軌道を逸らした
矢は空中で半回転し、少年の手に収まった。そして、矢は光を放ってブレスレットに戻った
「っつー事で、もう一人追加だ。條助……だったか?」
「おうよ!」
少年は祈梨の盾になるように進み、ブーメランを構える
「ったく、うっさいわね……防音の結界とか張らなかったらバレバレよ?まぁ、今この近くには誰もいないから思いっきりやらせてもらうわ」
今度は條助とは逆の方から声が聞こえた
「ってな訳で、恨みは無いけど、宣戦布告よ」
出てきたのはまたしても祈梨と同い年位の少女だった
彼女は宝石のような物を掲げると、光に包まれて衣装が変わる
衣装が変わった瞬間、背後には無数の水晶玉が現れた
「そぉれ!」
彼女が彼目掛けて手を振ると、水晶玉は彼に向けて突っ込んだ
「なめんじゃねぇ!!!」
それを彼は全て黒色の手で叩き割る
「まだよ!」
彼女は彼に目掛けて振った手をそのまま横に振る
それを合図に黄色のリボンが彼女の後ろに大量のマスケット銃を生み出す
「パロットラ・マギカ・エドゥー・インフィニータ!!」
技名を叫ぶと同時に、無数の魔弾が彼に襲いかかる
「チッ!」
舌打ちをすると同時に横に転がって無数の魔弾を避ける
「はぁ……外しちゃった。取り合えず、リンチする側のメンバーに追加しておいて頂戴」
彼女はダルそうに條助に伝えた
手にはいつの間にかマスケット銃が握られていた
「これで三人だ。今からテメェを……」
「四人……の間違いですよ!」
今度は少年の前の方から声が聞こえた
「ハッハッハ~!鉄球にブーメランに水晶玉とマスケット銃に引き続き剛力を思い知れ!」
と、思ったらやけにテンションの高い女の子が彼の頭上から降ってきた
「トイズ!!」
何かヤバイ。そう察知した彼はその場から一気に離れた
女の子は地面に向けて拳を当てた
ドゴォ!!!轟音と地震と共に、拳を中心に、アスファルトが砕けた
「なっ!!?」
「外しちゃいましたか……でも!」
女の子は拳を地面から引き抜いた。そのまま手を弓を握るように構える
「アローのトイズ!」
目が一瞬光り、手に青色の弓が現れ、もう片方の手には同じ色の矢が現れる
矢を弦にかけて、狙いを定め、弦と矢を一気に引く
「さらにバインドのトイズ!」
また一瞬目が光り、弓の斜線上に丸い盾のような物が現れる
「行って!!」
放たれた矢は盾のような物を通過すると、物凄い速さとスピードを持って襲いかかる
「ぬぉぉっ!!」
彼はそれを上体を反らして避ける。が、余りのスピードで起こった風圧に吹き飛ばされた
「これで四対一……ですよ」
彼はその女の子の顔に見覚えがあった
「テメェ……何処かで……」
「……?」
暫く考えた後、彼は思い出した
髪の色や瞳の色こそ変わってるが大まかな顔の輪郭は当てはまった
「テメェ……あの時の……」
ボソりと呟くと、その場で彼は踵を返した
「ここは預けてやる。次は……テメェら全員ぶっ殺す」
そう捨て台詞を残すと、彼を中心に黒いモヤがかかり、モヤが晴れた時には彼の姿は無かった
「逃げやがった!」
「追っても無駄だろう」
「えぇ、それに面倒よ」
「何であたしの事を……」
祈梨の加勢に来た四人は一旦集まり、すぐに祈梨に歩を向けた
「大丈夫か?」
「あ、うん……」
「貴女も転生者なんですね?」
「そうだよ……」
祈梨は少しだけ怖がっていた
さっきの人物は自分が転生者だと分かるなり、殺しに来たのだ
「怖がらなくてもいい。取って食おうって訳ではない」
「取って食う(意味深)。やだ、卑猥」
「おい、そこのあんた。喧嘩しようぜ」
「そのまま乱暴するつもりでしょ!エロ同人みたいに!」
「しねぇよ」
「ま、まさか……ホモ?」
「うん、喧嘩しよう。今すぐしよう。とっととしよう」
條助が額に青筋浮かべてキレかけてる最中に、女の子が祈梨の手を掴んで祈梨を立たせた
そのまま服に汚れがついてないか、パンパンと払った後、祈梨は四人を見つめた
「えっと、助けてもらってありがとう」
「気にするな。あ、俺の名前は……
「あたしは……えっと……シャロン・ランフォードです。言いにくかったらシャロって呼んでください(シャロって……もう誰の名前を参考にしたかモロバレじゃないですか!!)」
「改めて。斎条條助だ。よろしくな(さらりと転生前と違う名前を吐く俺ェ……別にいいよな?神様からは好きにしていいと聞いたし)」
「
「えっと……玲音くんに、シャロちゃん、條助くんと夢咲ちゃん?」
祈梨は全員に名前の確認をすると、四人ともうんと頷いた
ちなみに、夢咲と祈梨以外は皆転生前とは違う名前で、その場で考えた名前である
そのため、自分の憧れのキャラの名前や自分の使う能力の元となったキャラの名前と少し似た部分がある
夢咲は新しい名前を考えるのが面倒だっただけだ
「わたしは絵空祈梨。よろしくね」
「祈梨さんですね。よろしくおねがいします」
「おう」
「こっちこそよろしくな」
「えぇ、よろしく」
五人の自己紹介が終わった
「でも、驚いたぜェ~……まさか転生した直後に襲われてる子を発見するなんてよォ~」
「あ、実は俺も転生したて」
「あたしもです」
「私もよ」
「え!?わたしだけ三年前……」
実は八歳に三歳足した所で彼等の転生前の年齢には及ばないのは秘密である
「あと、これ。祈梨の?」
と、夢咲は祈梨の実体化ペンとメモ帳を手渡す
「あ、そうだよ」
「実体化ペン……よね?これ。違ったらあれだけど」
「へ?知ってるの?」
「前世のとある漫画とアニメに出てたペンですよ」
「あ、俺も知ってる」
「俺ァ知らねぇなぁ」
夢咲、シャロ、玲音は知ってるみたいだが、條助だけは知らないようだ
「わたし、前世は何も見れなかったから……」
「何もって……」
「わたし、孤児院に居て、しかも苛められてたの……」
「あ……えっと、ごめんね。辛いこと思い出させちゃって」
「いいんだよ。もう過去の話だから」
(仲間……と言いたいけど、祈梨さんの方が過酷ですね……)
と、祈梨はそこまで気にしてない顔で話題を切った
シャロは孤児院に居たが、養子となり育ったため、明らかに環境が違いすぎた
「あ、祈梨さんってここに三年間住んでるんですよね?」
「そうだよ?」
「ちょっと道案内して貰えませんか?何分、転生したのがそこの路地だったので……」
と、シャロは玲音が登場した路地と反対方向の路地を指す
実は彼女、民家の屋根と屋根の間を飛びながら先程の彼の真上を取ったのだ
「じゃあ、夢咲ちゃんと玲音くんと條助くんも?」
『お願いします』
三人同時に頭を下げられたため、祈梨は苦笑いしか出来なかった
だが、祈梨は住所だけでは位置が分からず、結局迷ったのは余計な話だろう。だが、祈梨も当初の近所の道を覚えるという目的は達成できたため、結構笑顔だった
そして、若干二名、入学する小学校を知り、かなり喜んだ元中学生(受験生)が居るのも余計な話だ
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