死柄木「また変わりやがった。そんなにコロコロ変わんなら…、アイツを死体に変えてやれ脳無‼️」
死柄木の命令で脳無が出久に向かって走り出した。3mは有るであろう巨体からは考えられないスピードで出久に迫り、その勢いのまま脳無はパンチを当てる。
ドオォォォォォォォォォォォォォォン
パンチは出久に当たり、はげしい土煙を起こし周囲の視界を奪う。
死柄木「死んだな、アイツ。」
黒霧「全く避ける素振りを見せていませんでしたからね。確実に死んでいるでしょう。」
死柄木も黒霧も出久が死んだと疑わなかった。
切島「ウオーーーーーーーッ‼️」
勝己「死ねぇーーーーーーーッ‼️」
そこに、黒霧を追ってきた切島と爆豪が攻撃を仕掛けたが、あっさりかわされてしまった。
轟「くらえッ‼️」
間髪入れずに轟が攻撃を仕掛けてきたが、黒霧の個性でかわされてしまった。
黒霧「奇襲ですか。作戦としては見事ですが、ツメがあまいですね。」
死柄木「オールマイトが来るまでにコイツらも殺しとくか。」
勝己「ハッ‼️殺れるもんならやってみろ‼️オールマイトが来る前に俺が全員ぶっ殺す‼️」
切島「逃げてばっかじゃ男じゃねぇからな‼️」
死柄木達は爆豪達に標的を変えた。
轟(あの脳が出てるやつがオールマイト対策の化け物か。それに、…あの手のやつ、さっき“コイツらも”って言ったよな?)
轟は周りの状況を分析し、襲ってきた敵からオールマイト対策の化け物について聞いていた。そして、死柄木の放った一言に引っ掛かった。
轟「おい、お前。さっき“コイツらも”って言ったよな。」
そう。死柄木は“コイツらを”ではなく“コイツらも”と言ったのだ。それはつまり、誰かが殺されたことになるからだ。
死柄木「あー、なんかパーカー着たやつなら脳無が殴り殺したぞ?」
勝・切・轟「「「ッ⁉️」」」
“パーカー着たやつ”そう言われて思いつく人物は1人しかいない。
切島「嘘だろ⁉️」
轟「ッ⁉️」
勝己「デマ吹いてンじゃねぇ‼️デクがお前らなんかに殺されるわけがねぇだろッ‼️」
切島は声に出して驚愕し、轟も声には出さないが衝撃を受けていた。勝己は信じたくないのか、怒号をあげる。
黒霧「彼は、手負いのイレイザーヘッドとクラスメイトを逃がすために自ら残りました。そして、脳無と戦いましたよ。今のヒーロー社会には彼のような自己犠牲を払う者も必要ですが、たった今息絶えました。」
死柄木「そういうことだ。でも安心しろ、お前らもあの世ですぐにアイツに会えるさ。あのガキどもを殺せ、脳無‼️」
死柄木が脳無に命令するが、出久を殴った体勢から動いていない。立ち込めていた土煙が晴れ始めるととんでもない光景が視界に入った。
死・黒・切・轟「「「「ッ‼️」」」」
対オールマイト対策の脳無の拳を出久が片手で受け止めていたのだ。これには、全員が驚愕していた。
勝己「ほぉらなっ‼️」
しかし、勝己だけは分かっていたかのように平然としていた。
出久「ハァッ‼️」
出久はそのまま脳無を殴り飛ばした。脳無は勢いよく飛んでいき、瓦礫に埋もれた。
切島「おぉぉぉぉーーーーーーー、緑谷ッ‼️」
轟「とんでもないヤツだ。」
勝己「おせぇぞデク‼️」
最終兵器である脳無が、オールマイトではなくまだヒーローにもなっていない子供に殴り飛ばされたことに、死柄木と黒霧は呆然としていた。
死柄木「…どういうことだ黒霧ッ‼️脳無は先生が作った最高傑作じゃないのか⁉️」
黒霧「彼の力は予想外ですね。まさか脳無が殴り飛ばされるとは…。それに脳無の攻撃を片手で受け止めたあの力…、オールマイトより厄介かもしれません。」
死柄木「…ちっ、次世代のオールマイトのつもりか?」
敵サイドでそんな話をしていると出久が横槍を入れた。
出久「僕はオールマイト“みたい”なヒーローになるつもりはない。」
死柄木「なに?」
死柄木も出久の言葉に反応をみせた。
切島「おい緑谷‼️お前なに言って…ッ⁉️」
轟「…緑谷」
切島と轟からしたら信じられない言葉である。今の社会で最も憧れの存在と呼ばれるのは、オールマイトである。それは雄英の生徒だけでなく、ヒーローを目指す誰もが“彼のようになりたい”と思っているものだ。
しかし、出久はそれを否定した。
出久「僕は出久、緑谷出久だ。オールマイトじゃない。僕は僕として、ヒーローになる‼️オールマイトを超える本当のヒーローになるんだ‼️」
切・轟「「ッ‼️」」
勝己「ハッ‼️」
オールマイトに夢を否定されたあの日、それは出久が本当のヒーローである“仮面ライダー”にあった運命の日でもある。そして、先代ゴーストが出久を認めた日でもある。
タケル『確かに、君の世界ではその“個性”っていうのがないとヒーローになれないかもしれない。でも君は、この世界に来て直ぐにヒーローになれたじゃないか。』
出久『え?どういうことですか?』
タケル『ヒーローになるのに条件があるなら、“夢を諦めないこと”“誰かを守る勇気”、そして“悪に立ち向かう覚悟”だ。』
出久『ッ⁉️』
タケル『君は無個性と診断されてもヒーローになる夢を諦めなかった。
戦う力がないのにショッカーから親子を逃がそうと立ち向かった。
赤の他人の親子を助けて、守る勇気があった。これだけあれば、君は立派なヒーローだよ。』
あの日、タケルの言葉にどれだけ救われたか、無個性の自分をヒーローと見てくれたことが出久にとってまさにヒーローを目指す分岐点となったのだ。
死柄木「…ったら」
「だったら脳無を倒してみろ‼️脳無、ヤツを殺せ‼️」
死柄木は脳無に出久を殺すように命令した。しかし、
切島「やらせるかッ‼️」
切島が出久の前にでて、脳無の攻撃を防いだ。動きを止めた脳無は轟に下半身を凍らされ、
轟「今だ爆豪‼️」
勝己「くらえーーーッ‼️」
爆豪の爆破で上半身を吹き飛ばされた。
勝己「おいデク‼️俺を忘れんじゃねぇ‼️俺達でヒーローの頂点目指すんだろうが‼️」
切島「俺も混ぜてもらうぜ‼️お前らとなら、最高のヒーローになれそうだしな‼️」
轟「俺もだ。俺にはどうしても越えたいヤツがいるんだ。こんなところでくたばる訳にはいかない。」
出久の思いに触発され、勝己達も己のヒーロー像をかかげた。
出久「なら、皆で対オールマイト対策のアイツを倒そうか。オールマイトを越えるなら脳無を倒さないとね。」
勝己「俺とデクだけで楽勝だろうがッ‼️」
切島「そう言うなって爆豪。ここまで来たんだから俺もやらせてくれよ。」
轟「目の前の敵を倒さないとヒーローとしておかしいからな。」
そして出久の発案で、出久・勝己・切島・轟の4人で脳無を倒すことにした。
全ては、オールマイトを超えるため、己の目標のために
死柄木「ガキ共が調子こいてんじゃねぇッ‼️やれ脳無、皆殺しだ‼️」
死柄木は出久達の発言に怒り、再度脳無を突撃させる。
出久「行くよ皆‼️」
勝・切・轟「「「おうッ‼️」」」
出久の掛け声と共に全員が走り出す。
脳無は突進していこうとするが、轟の氷で下半身の動きを封じられる。動きを封じられた脳無に出久と切島のラッシュが繰り出される。
脳無はなんとか出久達を振り払おうとするが、
勝己「オラァーーーッ‼️」
前方に気をとられた脳無は、背後からの勝己の爆破を諸に食らった。
そして、
出久・切島「「ハァーーーッ‼️」」
出久と切島が正面から重い一撃を与えた。
脳無「ガアァァァァァァァァァァァァァッ‼️」
脳無は声を上げながら後ろに飛ばされていく。
再び瓦礫に埋もれるも、また再生を始めていた。
切島「まだ再生すんのかよ、いつ倒せんだッ⁉️」
脳無の頑丈さに声をあげる切島だが、他の3人は違った
出久「いや、そろそろ脳無も動けなくなるよ。」
切島「なんでそんな事わかんだよ⁉️」
出久「脳無の再生速度が遅くなってる。再生するにしてもエネルギーが必要だ。エネルギーが減ってきたり、疲労が溜まれば再生するのに時間がかかる。」
轟「確かに化け物だが、アイツも生物だ。疲れないなんてことはない。先生と闘ったり、緑谷と闘ったりしたんだ。体力が持ってかれないわけがない。」
勝己「俺らの攻撃で脳みそ野郎も限界が近いんだよ。だが、このままやっててもじり貧だ。」
切島「じゃあどうすんだよ⁉️」
出久「脳無が立ち上がれない程の攻撃を当てれば大丈夫。再生が追いつかなければ意味ないからね。だから…」
慌てる切島に3人で説明し、最後の攻撃を話していた。
出久「それじゃあ行くよ、轟君‼️」
GD『大開眼‼️スペクター、オメガドライブ‼️』
出久はライダーキックの体勢に入り、轟は足元から氷の柱を作り、上に飛ぶ。そして轟は右足を脳無に向かって突き出し、氷柱のような形状にしていく。
切島「ウラァーーーッ‼️」
勝己「死ねぇーーーーーーーッ‼️」
切島と爆豪は最大火力で脳無を殴り飛ばす。そして脳無が殴り飛ばされた上空には、
GD『オメガブレイク‼️』
出久・轟「「ハァーーーーッ‼️」」
出久と轟が脳無に向かってダブルキックを仕掛けていた
陸上と上空から攻撃を食らい、
脳無「ガアァァァァァッ‼️」
脳無は声を上げながら爆発を起こし、倒れた。
切島「ッしゃあァァァァァッ‼️」
勝己「どうだ、脳みそやろう⁉️」
轟「なんとかなったか。」
オールマイト対策の脳無は出久・勝己・轟・切島の4人で撃破された。
死柄木「…黒霧、今日は帰るぞ」
黒霧「分かりました。」
黒霧はワープゲートを展開し、敵が撤収していく。
死柄木「パーカーのガキ、お前の名前は?」
出久「緑谷出久…」
死柄木「緑谷、次に会うときは…」
死柄木はなにかを言い切る前に、ゲートの中に消えていく。
救助授業が一転して敵連合の襲撃を受けたが、オールマイト対策の脳無を倒すことに成功した。
終わりでーす。体育祭に行きたいので