【前回のあらすじ】
原作世界のクラスメイト達と模擬戦を始めてから、出久の戦闘力を垣間見た原作組。しかしそれでも爆豪は認めていなかった。自分のほうが上だと信じていた爆豪は、出久のカブト魂により戦闘不能になった。
残るは、原作世界の出久と轟の2名。
“爆豪が負けた”
これだけでも正直受け止められないことだが、事実目の前でそれは起きた。粗暴も態度も悪いが、実力は本物でありクラスでもトップの強さと頭も良い“天才”という存在は確かに負けたのだ。
そして、その天才を倒したのは異世界から来た自分達のクラスメイトであり、気弱そうに見えるが誰よりもヒーローに憧れ、重傷を負いながらも周りに認められるようになってきた“努力の天才”である緑谷出久である。
常闇「爆豪が負けた…だと⁉️」
障子「あの爆豪が…」
芦戸「ヤバすぎでしょ、あっちの緑谷‼️」
耳郎「爆豪もそうだけど、うちのクラスメイトで戦闘向きの奴等が集まってるのに全く息を切らしてない…」
八百万「…まさか緑谷さんの実力がこれほど…」
蛙水「出久ちゃんの実力が、それだけ高いということよ。私達では相手になれないわ。」
驚いているのはクラスメイトだけでなく、教師側も同じだが…
AM「これが…異世界の緑谷少年の力…」
CM「…力の差があるとは感じていたがこれ程とは」
相澤「あいつらが負けることは想定の範囲内だったが、異世界の緑谷の戦闘力はこちら側とは比べ物にならん。おまけに闘い方や相手へのアドバイス、これ等を同時に行うとは…なかなか合理的か。」
MN「他の2人の強さを肌で感じたから分かるわ。だけど、まだ緑谷君の力量が計り知れない‼️」
EP「彼ノ力ハ確実ニ我々プロヒーローヨリ上デショウ。ソレダケノ戦闘経験ヲシタトイウコトカ。」
プロヒーローである彼等は、自分達よりも戦闘力が上であることを把握した。
緑谷「あ…あのかっちゃんが…負けた?」
轟「…夢なら覚めてほしい所だが…」
同じチームで戦っていた2人も目の前で起きた出来事を完全に処理しきれていない。
見た目・口調・性格・態度にいたるまで敵寄りの勝己であるが、クラス屈指の実力者であることに変わりはない。
そんな勝己が、平行世界から来た自分(親友)に完膚なきまでにやられ敗北した。
この覆らない事実を前に動きを止めてしまったことが2人の敗北を加速させることになってしまった。
出久「…味方がやられたからといって思考・行動を止めてしまうのは命とりだよ。」
緑谷・轟「「ッ⁉️」」バッ
突然掛けられた声で現実に戻された2人。
声の聞こえた後方から距離を取るように飛び上がる。
出久「ハァッ‼️」ドカッ
緑谷・轟「「がっ‼️ぐっ‼️」」
が、2人が後退するよりも早く出久の蹴りが炸裂した。鳩尾に受けた衝撃は凄まじく、2人は蹴り飛ばされて起き上がることができず膝をついてしまった。
緑谷(ち、力が桁違いだ‼️OFAを…シュートスタイルにしたのとほとんど同じ威力のパワー…、向こうの僕は、確実に今の僕達どころか、プロヒーロー達よりも圧倒的に強い‼️)
轟(力もそうだが…なによりも驚くのは戦闘中に相手を把握する分析力だ。…いくら向こうの緑谷とはいえ、ここまで高い分析力に加えてあの速度、見た目が変わったこともあるがそれを瞬時に使いこなすか‼️)
緑谷達は異世界の自分の力が、異常に高いことを文字通り肌で感じた。出久の放ったプレッシャーはもちろん、格闘センス・分析力・攻撃力において全てが自分達の現在の実力より遥かに上だ。
どこまで時間軸が同じで、どこでここまで差がついたのか、それは異世界組のみが分かること。
出久「そろそろ限界だね。…これ以上抵抗しても君達の被害が拡がるだけだ。これで終わらせる。」
出久は新たに眼魂を取り出しドライバーにセットする。
GD『アーイ‼️バッチリミロー‼️バッチリミロー‼️』
『開眼‼️龍騎‼️』
『周りはライバル‼️始まるサバイバル‼️』
仮面ライダースペクター“龍騎魂”にゴーストチェンジした出久は、そのままレバーを引いた。
『大開眼‼️龍騎‼️オメガドライブ‼️』
ドライバーから声音が流れた後、轟が作った氷からミラーワールドを通して“無双龍ドラグレッダー”が咆哮を上げて現れる。
ドラグレッダーの出現に、最早声を出すことも出来ないほど驚愕している原作組に目もくれず、周囲を廻るドラグレッダーと共に出久は飛び上がる。
上空で体を回転させ、ドラグレッダーの炎と共に仮面ライダーの代名詞である“ライダーキック”が緑谷達に炸裂する。
出久「ハァァァァァァァ‼️」
緑谷・轟「「ッ⁉️」」
爆音と共に2人の声は掻き消され、周囲を爆煙が包み込む。
あまりの威力に目を閉じていたクラスメイトと教師陣が見たのは、フィールド中央に悠然と立っているスペクターと倒れ付している緑谷と轟の姿だった。
これにより全ての模擬戦は、異世界組の圧勝に終わり原作組は手も足も出すことができなかった。
相澤「模擬戦に関してはそっちの圧勝だが出久、やりすぎだ。」
出久「すいません、つい。」
模擬戦後、教師陣の行動によりすぐにリカバリーガールが運動場に着たが、緑谷が2人いるという状況に驚愕し「ふぅ…あたしもいよいよお迎えが来たのかねぇ…」と現実逃避仕掛けていたが、周りの説明でなんとか納得し、生徒達の治療にはいった。
出久の最後に放った“ドラゴンライダーキック”により、運動場にはクレーターが出来たがセメントスによりすぐに元に戻された。
晴希「んじゃ、そろそろ帰りますか。」
出久「もう魔力戻った?」
晴希「回復力も上がってきてるからね。戻るには充分だよ。」
マミ「それでは帰りましょうか。どの程度時間に誤差があるか分かりませんし。」
AM「もう帰るのかい?」
出久「この世界で言えば、僕達は異物の存在ですから早めに帰らないと事象に違いが出てくるかもしれないので。そっちの僕。」
緑谷「?」
出久「憧れを憧れのままにしちゃいけない。憧れを超えていくことが、更に君をヒーローに導いてくれるはずだ。それに、皆にも言える事だが1人じゃない。助けてくれる誰かがいる。抱え込まずに、仲間を頼ってね。」
WD『パラレル‼️プリーズ』
緑谷にだけでなくクラスメイトにも言葉を残して出久達は自分達の世界に帰っていた。
まだまだ聞きたいことがたくさんあったが、それはまた次に会えるときが来たとき改めて聞こう。
原作組の仮免試験の日は近い。
おまけ
相澤「あっそうだ。お前ら完膚なきまでにボコボコにされてたからしばらく補習な。」
1-A『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉️』
だいぶ間を開けてしまいました。
現実コロナが流行していますが皆様は体調大丈夫でしょうか?
自分は急性喉頭蓋炎という病気にかかってしまい入院しておりますが、体調を崩されないようにお過ごしください