けど、めげずに頑張ります‼️
戦闘描写ほとんどありません
どうぞ
PM『第1試合からハイレベルな戦いが見れたぜぇぇ‼️観客も俺も興奮冷め止まない中で、次の試合にレッツ・ゴー‼️』
相澤『解説なんだから少し落ち着け。』
出久達の試合の影響で、解説のプレゼントマイクを含めた観客席の興奮状態は非常に高かった。“仮面ライダー”としての圧倒的な力を見せた出久、力の差があるにも関わらず真正面から立ち向かった切島。
“ヒーローの本質”を理解しているプロヒーロー達は、果敢に立ち向かった切島と戦闘時の分析力を見出だしていた出久を将来有望な存在だと確信していた。
PM『第2試合‼️尻尾を駆使して勝利を掴め‼️個性:尻尾‼️ヒーロー科、尾白猿夫‼️vs普通科唯一の生き残り、個性地味だけど精一杯ぶちかませ‼️個性:洗脳‼️普通科、心操人使‼️』
心操「緑谷の後だとなんか余計なプレッシャーを感じるな。」
尾白「それについては全く同感だよ。」
出久達の試合の後では、自分達の試合は少し味気ないものになる気がしてならない2人であった。しかし、そんな思いとは裏腹に、2人の目は真剣に自分の前にいる対戦相手を見据えている。
PM『それじゃあ始めてくれ‼️レディィィィィ…、』
2人は同時に構え、
PM『スタァァァァァトォォォォォ‼️』
2人は同時に舞台中央まで走り出す。そして、
心操「はぁッ‼️」
尾白「てりゃぁッ‼️」
心操の回し蹴りと尾白の尻尾の殴打がぶつかり合う。
俺の名前は心操人使。“洗脳”っていう個性を持っている。周りからは常に“敵(ヴィラン)向きの個性”として、言われ続けてきた。
中学3年の時、進路希望で雄英を志望した時も声には出していなかったが、周りからは“お前には無理だ”という意味合いの視線を受けた。クラスメイト達ならまだしも担任までもがそんな思いで俺を見ていた。
心操(…分かってるよ。俺みたいな“敵向きの個性”を持ってて、戦闘に不向きな奴がヒーローになれないなんて…。)
俺だってヒーローに憧れた。危険を顧みず、市民のピンチを助けるヒーローに。
“俺も周りを助けるヒーローになりたい”
そう思っていた。
だが、俺の持っている個性は“洗脳”。俺の意思のある言葉を聞いた相手を操る個性。
とてもヒーローに向かないものだった。
心操(結局ヒーローになれるのは、戦闘に向いている個性を持つ奴だけってことか。…いいよなぁ…。)
次第に俺はヒーローになる道を諦めかけていた。
だが、そんな俺にまたヒーローを目指す道をくれた“奴”がいた。
日曜日のある日、俺は特に予定もなく散歩をしていた。だが、周りからの差別的な視線によってここ最近精神が不安定だった俺は、街の喧騒に対してイライラしていた。
心操(…どいつもこいつもうるせぇなぁ。強い個性が有るからって…。)
理不尽な苛立ちが頭を支配していた俺は、この喧騒から逃げ出したくなり街外れの山へ向かった。
心操「…ここなら誰も来ないし、少しは落ち着けるか。」
暫く山の中を歩いていた俺は、1ヵ所開けた場所を見つけ切り株の上に腰を下ろした。そして、静かに空を眺めていた。どのくらい時間が経ったのか分からないそんな時、近くの茂みから物音がしてそちらに目を向けた。
心操(なんだ?何かいるのか?)
出久『あれ?先客がいたんだ。』
茂みから出てきたのは、俺より背が高いがまだ顔に幼さが残るそばかすのある男子だった。
心操『…誰だお前?』
出久『僕は緑谷出久。君は?』
心操『…俺は心操人使だ。』
それが、俺と緑谷との出会いだった。
出久『そういえば、心操君の個性ってなに?』
緑谷と出会って何日かしたある日、緑谷が俺の個性を聞いてきた。
緑谷はこの山の中で鍛練をしているらしい。俺も鍛練に誘われ、気分転換に身体を動かすことにした。
緑谷の鍛練は滅茶苦茶辛かった。山の中を往復ダッシュしたり、丸太背負って腕立てしたりと、他にも色々あるが思い出すと気分が悪くなるので止めた。
最初は往復ダッシュで倒れた俺も、今ではなんとか緑谷について行けてる感じだ。だが、緑谷はまだまだ余裕があるのか全く息を切らしていなかった。
心操(…こいつの体力は異形型か?)
そんなふうに思った俺は悪くないと思う。
心操『…俺の個性は“洗脳”だ。』
緑谷と出会って一緒に鍛練をしてから、緑谷とはいい友達になれた。本当は“個性”の話はしたくなかった。友達になれた緑谷から、“敵向きの個性”なんて言われたくなかったから。
だが俺は、緑谷になら“個性”のことも含めて俺の悩みを打ち明けてもいいと思った。鍛練の時も、俺がまだ無駄な動きがあることを丁寧に教えてくれた。俺の身体が鍛練に慣れるまで、俺のペースでやってくれた。
こいつなら、緑谷なら俺を軽蔑するようなことは言わないと確信した。だから全てを打ち明けた。
出久『“洗脳”かぁ。いいなぁ。』
心操『は?』
案の定軽蔑はされなかったが、予想を斜めにいく感想だった。俺の個性を軽蔑するどころかまさか羨ましがられるとは、思ってもいなかった。
だから俺は、何故羨ましがっているのかを聞いた。
緑谷は自分が“無個性”であることを教えてくれた。今の時代で“無個性”の奴は限りなく少ない。しかし、“無個性”は社会からも差別対象としてよく見られる存在だ。
個性を持つ俺よりも過酷な環境にいたはずの緑谷。だからこそ、どんなものであれ“個性”を持っていることが羨ましかったらしい。
俺の個性はそんな良いものじゃないと緑谷に言ったら、緑谷は俺の個性は“ヒーローとして必要なもの”だと言ってくれた。
出久『確かに心操君の個性は、周りからみると“敵向き”なんて言われるけど僕はそうは思わないよ。』
心操『どういうことだ?』
出久『例えば、敵が人質をとっているとするでしょう?周りは人質に危害を出さないために動くことができないけど、心操君の個性があれば、敵を洗脳して人質を救出、敵を捕縛することができる。敵にも人質にも、周りの人達や建物にも被害が出ないから最小限の動きと最低限の人員で行動できる。』
俺は緑谷の説明を聞いて驚いた。今まで“敵向きの個性”と呼ばれていた俺の個性が、まさかヒーローとして活躍できるということに。
出久『“敵向き”なんて言うけど、それは使い方次第だよ。敵向きかヒーロー向きか、それはその個性を使う人の使い方次第だよ。強い個性だったとしても、それを犯罪に使えばその個性は敵向き。敵向きと言われてた個性で人を助ければ、その個性はヒーロー向きになる。』
緑谷は小さい頃からヒーローに憧れ、“自分もいつかヒーローになりたい”という思いから、ヒーローの個性や特徴を調べて行くようになったらしい。その結果、個性の有効な使い方や動きをある程度予測出来るようになったらしい。
出久『僕は確かに“無個性”だけど、師匠達から“ある力”と“思い”を受け継いだ。ヒーローになることを諦めなかったから、きっとチャンスが来たんだと思った。』
緑谷は“無個性”と診断されても、ヒーローになることを諦めなかった。その結果、緑谷は師匠と出会えたらしい。
出久『心操君、君はヒーローになれると僕は思ってる。君の個性は、必ずこの先役に立ってくる。個性を活かすも殺すも、個性の使い方次第。“助けたい”って思った時点で、君はヒーローになれると思う。だから、“諦めないで”。』
“ヒーローになれる” “諦めないで”
その言葉を聞いたとき、俺は声を殺して泣いていた。緑谷は何も言わず俺の肩を叩いてくれた。
心操(俺がヒーローを目指し直すことが出来たのは緑谷のお陰だ。緑谷に出会うことがなかったら、ヒーローを諦めて本当に敵になっていたかもしれない。)
心操は、出久との出会いを思い出しながら尾白と徒手空拳の試合を続けていた。出久との鍛練の影響で、肉弾戦においてヒーロー科の生徒にも勝るとも劣らない力を身に付けた。
心操(ヒーロー科の奴と知り合えて、ヒーロー科の奴と渡り合えるのも全部緑谷のお陰だ。あいつがいてくれたから俺はヒーローになる道を取り戻すことができた‼️)
尾白の尻尾を掴み、背負い投げの要領場外へ投げ飛ばす。
MN「尾白君場外‼️勝者心操君‼️」
PM『決まったぁぁぁぁ‼️激しい徒手空拳の応酬を制したのは、普通科の心操だぁぁ‼️個性なくても普通に強ぇじゃねぇか‼️』
試合が終わると、心操は周りからの歓声と拍手に包まれていた。その中には、かつて受けていた“同情”や“哀れみ”の視線ではなく、“羨望”や“尊敬”の眼差しだった。
場外に落ちた尾白を引き上げ、
尾白「凄かったよ。君があんなに強いなんて思わなかったよ。」
心操「これでも緑谷の鍛練に付き合ってきたからな。そう簡単には負けねぇ。」
尾白「緑谷の鍛練?是非とも聞きたいかな。」
心操「…そうだな。」
尾白「なにかな今の間は?」
舞台中央で握手を交わした2人
心操は控室に戻る際に、観客席に目をやる。するとクラスメイト達から“すげぇぞ‼️”“かっこよかった‼️”等の称賛の声が聞こえた。
そしてそれはヒーロー科の皆からも、
切島「やるなぁ心操‼️」
瀬呂「すげぇの見させてもらったぞ‼️」
八百万「おめでとうございます‼️」
芦戸「格好良かったよー‼️」
鉄哲「漢を見たぞ心操‼️」
マミ「素晴らしかったですわ‼️」
他クラスの心操を誉め称えていた。その中には、
出久「おめでとう心操君‼️」
自分の道を示してくれた恩人もいた。
心操(緑谷、俺はお前に感謝してる。だから俺はヒーローになる。お前を支えられるような“心の強い”ヒーローに。)
“ヒーローを支えるヒーロー”
心操が目指すヒーロー像が見えた瞬間だった。
今回心操のオリジンを入れてみました。
出久との出会いから、新たなヒーローの道を見つけた心操、これからどうなるか。