小休憩をはさみ、いよいよ2回戦が開幕する。
PM『さあ全リスナーお待ちかねの2回戦第1試合‼️このカードは非常に見物だぞ‼️ヒーロー科1年A組、“偉人の数だけ力あり⁉️”緑谷出久‼️』
出久「数には限りあるけどね。」
PM『バーサス‼️普通科唯一の生き残り‼️普通科1年3組、“個性よりも肉弾戦‼️”心操人使‼️』
心操「個性も使うけどな。」
プレゼントマイクの選手紹介により、観客席は大いに盛り上がりを見せていた。それはクラスメイト達も同じだ。
麗日「頑張れーー‼️デクくーーーん‼️」
爆豪「俺以外のヤツに負けんじゃねぇぞ、デクゥ‼️」
切島「やったれ心操‼️」
瀬呂「ぶちかませーー‼️」
どのような対戦になるか、非常に見物である。
MN「試合、開始‼️」
ミッドナイトの合図と同時に心操は走り出し、出久に右ストレートを食らわせようとするが、
GD『アーイ‼️』
GD『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』
パーカーゴーストによって阻まれ後退する。
心操「やっぱそう簡単には、一撃もらってくれねぇか。」
出久「当然。変身‼️」
GD『開眼‼️』
GD『俺‼️レッツゴー覚悟‼️ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト‼️』
攻撃を阻まれたことに悪態をつけるが、わかっていたからか心操は笑っていた。そんな心操に返答して、出久は仮面ライダーゴーストに変身する。
出久「じゃあ、特訓始めようか‼️」
心操「ああ、頼むぜ‼️」
周りのことは気にせず、出久指導による心操の戦闘訓練が始まった。
試合が始まったが、1回戦に比べて少しゆったりした戦闘になっていた。
峰田「なんか緑谷のやつ、最初に比べて動き遅くね?」
蛙吹「緑谷ちゃん手加減してるのかしら?」
出久の戦闘を直に視たことのある峰田や蛙吹は、1回戦に比べて動きに余裕がある出久に疑問を持っていた。
晴希「いずっくんはそんなことしないよ。試合なのに手加減するなんて相手に失礼だからねぇ。あれはどちらかと言ったら、心操の戦闘訓練だねぇ。」
徹鐵「戦闘訓練?」
拳藤「なんでそんなことを?」
B組の中で、出久と面識のある鐵徹や拳藤も疑問に持ち、出久をよく知るマミに尋ねていた。
物間「自分の強さを見せつけたいからだろ?嫌だねぇA組は。そうやって優越感に浸ろうするところがあってさぁ。ヒーロー目指してる割にはあまりにも低nへぶッ⁉️」
最後まで嫌味を言い切る前に、物間はマミと拳藤のストレートで撃沈した。
マミ「出久様がそんな低俗なことするはずないでしょう。そんな思考している貴方の方がよっぽど低能ですわよ。」
拳藤「…いつもごめんね、マミ。」
物間のA組に対する嫌味は今に始まったことではなく、入学当初から何かと目の敵にしていて、その言動がエスカレートすると拳藤やマミに殴って鎮められる。
しかし、ちっとも懲りない。
徹鐵「ところで音黒、戦闘訓練ってどういう意味だ?」
物間のせいで脱線した話を徹鐵が戻した。それにより、話を聞いていた他のB組の面々もマミ視線を向ける。
マミ「出久様に聞いたのですが、心操さんとは入学前に特訓中にお会いしたそうです。それから、よく心操さんと特訓していたらしいのです。心操さんの個性は、決して戦闘向きではありません。ですが、“ヒーローになりたい”という心操さんの想いを知り、一緒に特訓をするようになったらしいのです。」
晴希「元々“無個性”だったいずっくんにとって、“個性を持っている”ってだけで羨望の眼差しがあるらしい。だから、“個性があるのにヒーローを諦めるのは勿体ない”って心操に、ライダーワールドで培った肉弾戦の技術を教えたらしいんだ。」
尾白「だから個性に関係なくあんなに強かったのか。」
晴希の話を聞いて、実際に戦った尾白は心操の強さに納得した。
心操のような肉体に影響を及ぼさない個性は、ヒーロー業に向かないと世間一般には思われている。
しかし、思い出してほしい。心操とは別ベクトルでヒーローに向かない個性を持っているヒーローがいる。
耳郎「そういえば、相澤先生だってよくよく考えたらヒーロー向きの個性じゃないけど、立派なプロヒーローだもんなぁ。」
1-A担任の相澤消太の個性は“抹消”
相手の個性を消すことのできる“個性”は、いまでこそ“イレイザーヘッド”として世間に浸透しているが、ヒーロー向きかと言えばヒーロー向きではない。
マミ「相澤先生という前例があるように、“個性”は使い方次第です。肉体に直接影響を及ぼす物がヒーロー向きというのは、所詮は個性の上部しか見ていない人達です。精神系の個性ならば、肉体を鍛えればヒーローになる可能性を秘めているんです。」
晴希「いずっくんは、“個性”だけでヒーローか敵かなんて考えず、その努力した結果をみてるんだ。個性だって、訓練次第では別の使い方ができるようになるだろうしね。」
晴希、マミの話を聞いたクラスメイト達も分かった気がした。世間は結局“上部しか個性を見ておらず、人間性を見ていない。”一部を除くプロヒーローもそうだ。だからこそ“ヒーローの質の低下”が話題になり、“敵連合”のような組織が生まれてしまう。
これからヒーローを目指す自分達は、相手の人間性を理解していかなければならず、“敵だから”と言ってただ倒すだけではダメなのだ。
“過去に囚われず、未来に進む。”
何処かの仮面ライダーも過去と運命に囚われ、未来に進むことができなくなったが、過去と未来を知らしめる時の魔王が仲間と共にそれを絶ち切ったのだが、それを知るのはもう少し後になるだろう。
“自分達が仮面ライダーであることを忘れ、アナザーライダーが誕生し、王を目指す新たな仮面ライダーが誕生したことを知るのも、もう少し未来の話”
心操は、パンチやキックを繰り出して出久を攻撃するが、全て受け流されている。出久も攻撃を繰り出し、心操に当てようとするが、心操も負けじと出久の攻撃を掻い潜っている。
PM『試合が始まってから緑谷と心操の攻防はまさに互角‼️地味な戦闘だが、力の差が解りきっていることは確かなのに食らいついていく心操のタフさとスタミナはすげぇぞ‼️』
相澤『聞いたところによると、心操に肉弾戦の技術を教えたのは緑谷らしい。緑谷の実力ははっきり言えば、そこらのプロヒーローよりも上だろう。そんな緑谷に指南された心操なら、ここまで食らいついていけるだろうが、生半可な努力と訓練じゃあそこまでにはならん。緑谷の技術もそうだが、心操の努力も評価に値する。(心操の個性は確かに戦闘向きではない。しかし、あれだけの技術を持っているというのは緑谷の教えがあってだろうが、諦めなかった心の強さもあるだろうな。そして緑谷の指導する技術も実に高い。今の世間を変えるヒーローの先頭に立つのは、間違いなくアイツだな。)』
ヒーローとして教師として、相澤は2人を高く評価した。
そんな特訓と言う名の試合も遂に動きがみられた。近接格闘を続けていた出久が、心操のパンチをバク転でかわして距離をとった。
出久「今の心操君なら、プロヒーローの目に留まるだけの力を得た。ここまで強くなるなんてね。」
心操「お前が教えてくれたからだ。あの時、お前に会わなかったら俺は敵になってたかもしれない。だからこそ、お前に助けられたから、お前みたいに誰かを助けられるヒーローになりたいと思ったから、俺はここまで強くなれた。緑谷には、本当に感謝してる。」
心操の成長に驚く出久、自分を強くしてくれた出久への感謝。人はきっかけがあれば、変わり、成長していく。
出久「心操君が諦めなかったから、そこまで強くなれたんだ。心操君の心の強さだよ。」
心操「緑谷…。やっぱりすげぇよ、そんなことを言えるお前って。」
心操は出久に感謝だけではなく、尊敬していた。自分よりも過酷な状況で生活してきたのに、誰よりも他人を高く評価する出久に。そして、ヒーローとしての強さや優しさを持ち合わせた出久が、どのプロヒーローよりもヒーローに見えることに。
出久「そろそろ終わりにしようか。」
出久は、ムサシ眼魂を取り出した。
心操「(来たか‼️)ああ、そうだな。」
GD『アーイ‼️』
GD『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』
眼魂をセットして、パーカーゴーストが出久の周りを飛び回り、出久がレバーを引こうとした瞬間、
心操「(今だ‼️)ムサシ‼️俺に従え‼️」
心操は出久ではなく、パーカーゴーストに己の個性を発動した。そしてパーカーゴーストは出久の側を離れ、心操に憑依した。
出久「なっ⁉️」
これには流石の出久も驚愕した。
パーカーゴーストを洗脳し憑依させた心操の姿が変わりだした。
髪が赤く染まりちょんまげができ、目が赤くなっていた。さらに、着ていた雄英のジャージが着物に変わり、両手に刀を持っていた。
出久「まさかパーカーゴーストを洗脳するなんて。」
心操「これがお前への秘策、“眼魂ジャック”だ。ぶっつけ本番だったが上手くいったぜ。」
驚愕したのはもちろん出久だけではない。
晴希「まさか個性をいずっくんにじゃなく、パーカーゴーストに使うとはねぇ。考えたな心操。」
上鳴「あんなこと出来んのかよ⁉️」
晴希「普通は無理さ。使用者以外がパーカーゴーストを纏うなんて出来やしない。」
マミ「あれは心操さんだからこそ出来たことでしょう。」
拳藤「どういうこと?」
マミ「心操さんの個性は“洗脳”。意思の乗った言葉に反応したものを操ることのできる力だからこそ、パーカーゴーストとして意思のある眼魂を洗脳出来たのでしょう。」
PM『心操スゲー新技炸裂したぁぁぁぁぁ‼️緑谷に個性を発動するんじゃなく、緑谷の持つ眼魂から出てきたパーカーゴーストを洗脳して、その能力を纏いやがった‼️しかも見た目も変わってんぞ⁉️』
心操の“眼魂ジャック”に周りは驚愕と興奮に包まれていたが、心操本人はそれどころではなかった。
心操(ぐっ‼️…ぶっつけ本番だからか体力持ちそうにねぇ。一撃で決めねぇと‼️)
出久(ぶっつけ本番で眼魂を洗脳したんだ。多分そんなに持たないはず。それに、急に何時もと違うことをして体が拒否反応を起こしてるんだ。…不利な状況でも諦めないで挑むなんて…。)
今の心操の状況を察知した出久は、ドライバーからムサシ眼魂を取り出し、新たな眼魂をセットする。
GD『アーイ‼️』
GD『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』
新たに出現したパーカーゴーストの色は白。出久の周りを飛び回る。
日本から遠く離れた地、ドイツに生まれた少年は父からその才能を期待され、虐待に匹敵するほどの音楽教育を受けた。音楽を嫌悪したこともあったが、12歳の時に才能が実を結び、世間に羽ばたいた。しかし20を過ぎた頃、音楽家の命と言える聴覚を失ってしまった。それでも彼は諦めることなく音楽を奏で続けるも、40を越えた頃に視力までも失ってしまった。音を聞くことができず、楽譜を視ることができなくなったにも関わらず、彼は56という生涯で音楽を奏で続け、死後には彼の作曲した曲は世界に広まり、“楽聖”と呼ばれるようになった。
出久(どんなに苦しくても諦めないところ、貴方みたいですよベートーヴェンさん。)
GD『開眼‼️』
GD『ベートーヴェン‼️曲名?運命‼️ジャジャジャジャーーン‼️』
白いパーカーゴーストを纏うと、顔には楽譜が描かれ、襟の部分は鍵盤のようになっている。
“仮面ライダーゴースト ベートーヴェン魂”
生涯を音楽に捧げた偉人の力だ。
PM『緑谷新たにゴーストチェーーーンジ‼️今度は白か⁉️しかもベートーヴェンってことは、あの名曲“運命”か⁉️』
相澤『ベートーヴェンはドイツの作曲家で日本では楽聖と呼ばれている知らない奴はいない偉人だ。聴覚と視覚を失い、多くの病気に侵されてもなお、生涯を音楽と共に過ごしたとされている。音楽業界からしたら偉人を通り越して神だな。』
出久「これで決めるよ、心操君。」
心操「…ああ。」
GD『大開眼‼️ベートーヴェン‼️オメガドライブ‼️』
心操は2本の刀を構え、出久もオメガドライブを発動させる。オメガドライブ発動と同時に、出久は宙に浮かび上がり周囲を様々な音符が囲む。
GD『オメガブレイク‼️』
出・心「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼️」」
出久の必殺キックと心操の刀がぶつかり合う。
拮抗は長く続かず、体力の限界が来ていた心操は踏ん張ることができずに、場外へ吹き飛ばされた。
MN「心操君場外‼️勝者緑谷君‼️」
PM『決まったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼️攻防の末、2回戦を制したのは1-A緑谷だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼️』
相澤『少し落ち着け。』
心操「やっぱり負けちまったか、完敗だ緑谷。でも、すげぇ楽しかった。」
出久「僕もだよ心操君。“眼魂ジャック”、上手く使えるように特訓だね。」
心「ああ、またよろしく頼む。」
負けた心操は、とても晴れやかだった。
ベートーヴェンのオメガドライブ、誰か教えて下さい‼️
眼魂ジャック
心操が考えた出久への秘策。パーカーゴーストに個性を発動し、自分に憑依させることで偉人の力を手に入れる。しかし、憑依させるために体力をかなり消耗してしまい、現在超短時間のみでしか使用できない。
憑依させることによって、髪の色と目が眼魂と同じ色に変わり、服装や髪型が偉人の面影を生み出す。
武器は、偉人が持っていた物が出現する。
武器を持たない偉人の場合、手を相手にかざすことで能力を発動できる。