待ってくれてる人いるのかな
第1試合は激闘の末に、経験の差で出久が心操に勝利した。ヒーロー科相手に粘りを見せた心操の印象は、プロヒーローからも観客からも、そして“戦闘向きではない個性”の人々に希望を与えた。
“努力すれば、ヒーローになることができる”と
第2試合の飯田とマミの試合は、戦闘直前に飯田の母から電話があり、プロヒーローとして活躍している“インゲニウム”が何者かにやられたという連絡を受けて試合を棄権した。棄権した飯田は、病院へ向かうらしい。
不戦勝という形でマミが第3試合に進出することになったのだが、
マミ『私も棄権させていただきます。私は出久様と戦うつもりはありませんし、出久様に優勝していただきたいですから。出久様の“未来の妻”として夫に勝利を譲りますわ♪』
というとんでもない爆弾発言をしてから棄権した。出久がこの後婚約者じゃないと誤解を解くのに必死になったり、麗日がこの発言で黒いオーラを出していたり、晴希がその光景を見て必死に笑いを堪えていたりと中々な修羅場になっていたらしい。
PM『第2試合は両者の棄権ととんでもない爆弾発言があったが、後で詳しい話は緑谷に聞くとして第3試合を始めるぞー‼️』
テンションの高いプレゼントマイクの実況で第3試合の選手がステージに上がる。
PM『2回戦第2試合‼️指輪の輝きは勝利の輝きか⁉️今世紀の魔法使いで、個性:ウィザード‼️ヒーロー科、操真晴希‼️』
晴希「勝利は時の運でもあるけどねぇ。」
WD『ドライバーオーン.プリーズ』
PM『バーサス‼️氷の個性のみで勝ち進んできた男‼️個性は冷たいけど、ハートは熱いぜぃ‼️個性:半冷半燃‼️ヒーロー科、轟焦凍‼️』
轟「…。」
轟は何も言わずに晴希を見据える。
WD『シャバドゥビタッチヘンシーン。シャバドゥビタッチヘンシーン。』
ウィザードライバーの待機音がステージ上に鳴り響く。
MN「試合開始‼️」
ミッドナイトの開始の合図と同時に、轟は氷結を晴希に放つ。
晴希「変身。」
WD『フレイム、プリーズ。ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー‼️』
前方に魔方陣を出現させて氷結を防いだと同時に魔方陣が潜り変身した晴希は、そのままウィザーソードガンを構えて轟に駆け出す。
晴希「ハァッ‼️」
轟「ちっ‼️」
迫り来るウィザーソードガンを氷の壁を作って防ぐが粉々に砕かれ、
晴希「でりゃッ‼️」
轟「ぐっ⁉️」
体制を変えた晴希の蹴りが轟の腹に直撃、その勢いで轟は少し後退してしまった。
轟「ハァハァッ、クソッ‼️」
強制的に空気を出されたことで息が荒くなったが、氷を飛ばして反撃に出る。
WD『キャモナスラッシュ、シェイクハンズ‼️キャモナスラッシュ、シェイクハンズ‼️』
WD『フレイム、スラッシュストライク‼️ヒーヒーヒー‼️』
晴希の攻撃によって氷は瞬く間に溶かされた。
晴希「…轟、お前俺のこと嘗めてる?」
轟「な、なんだと…。」
いつもの明るい晴希の時とは明らかに違う声の低さに、轟は一瞬寒気を感じた。
晴希「さっきから戦ってるけど、お前は炎も使えるんだよねぇ?お前は2つの異なる力を持ってるのに炎は使おうとせず氷ばかり使う。個性は体から発するものだから少なからず人体に影響を及ぼす。氷、つまり冷気を使っていけばいくほど体温は奪われ、体の動きは鈍くなる。今のお前は、半袖で雪山にいる状態と変わらない。そうだろ?」
轟「…。」
晴希「口まで凍らさないでもらえるか?」
図星をつかれ口を閉ざした轟に、先程より強めに問いかける。
晴希「なんで炎を使わない?炎を使えば冷えた体が温まって動きがとれやすくなる。」
晴希の言う通り、炎を使えば冷気で冷えた体を温めることができるし攻撃の幅も広がる。しかし轟は使うことを否定してきていた。炎を使えば、轟が憎む“アイツ”と同じになってしまうから。
轟「…俺はアイツとは違う。」
晴希(アイツ?…いずっくんの話だと轟の父親はNo.2ヒーロー“エンデヴァー”。炎の個性を使うヒーローだったはず。つまり…)
轟「俺は絶対アイツの個性は使わない。アイツの個性を使わずに優勝して、アイツの存在を否定する‼️」
晴希「…で?」
轟「なに?」
轟は思いを打ち明けた。しかし、その晴希からは気の抜けた声が聞こえた。まるで“それがなに?”というように
晴希「アイツってのはエンデヴァーのことでいいんだよなぁ。轟の個性はお父さんの個性なの?じゃあ轟の個性はなに?」
轟「は?」
自分の個性はなんなのか?轟はその質問に呆気にとられた。
晴希「轟の個性は半冷半燃だよな?エンデヴァーは氷も使えたのか?」
轟「違う‼️氷の個性はお母さんの個性だ‼️アイツは炎だけだ‼️」
晴希「じゃあ氷と炎を操れるのは轟の家族の中でも他にいるのか?」
轟「俺だけだ‼️だから俺はアイツの個性である右側を使わずに…」
晴希「じゃあそれはエンデヴァーの炎じゃないじゃん。」
轟「ッ⁉️」
晴希「氷を出せて、炎を出せるのは轟焦凍だけだ。つまりそれはお前の力じゃないか。エンデヴァーの炎だと思ってるかもしれないけど、轟に宿った力ならそれはすでに轟の“炎”だ。お母さんの氷だと言ったけどその力もお前に宿った“氷”だ。“誰かの個性”じゃなくて“轟焦凍の個性”じゃないか。」
轟「…アイツのでもお母さんのでもない…俺の、個性」
晴希の言葉に何か感じたのか轟は少し動きを止めた。
晴希「轟の過去に何が有ってその結論になったのかは分からない。でも、轟の個性は轟だけの個性じゃないか。炎を使ったとしても、その炎がエンデヴァーの炎なんて誰も思わない。だって今炎を使っているのは“轟焦凍”、お前だ。」
轟「…フッ」
少し下を向いて考えていた轟から、炎が吹き出してきた。
轟「お前は馬鹿だな。わざわざ敵に塩を贈る真似なんかしやがって。」
炎を使い始めたことで、冷気で冷えた体は温まり動きにキレが戻ってきた。
轟「お前のおかげで吹っ切れた。ありがとな操真。」
轟は静かに右手を晴希に向ける。
晴希「皆全力でやってるんだ。俺はきっかけを与えただけだよ。」
晴希は防ぐがウィザーソードガンをガンモードにする。
WD『キャモナシューティグ、シェイクハンズ‼️キャモナシューティグ、シェイクハンズ‼️』
お互いに一撃の準備を終える。辺りはまるで夜のように静かになっており、2人の一挙一動に集中する。
WD『フレイム、シューティグストライク‼️ヒーヒーヒー‼️』
音が流れた数秒後、ステージ中央から爆発音が響き渡った。
爆煙がステージを埋めつくし、勝敗の結果を確認することができない。そしてゆっくりと煙が晴れていき、ステージ上にいたのは…
晴希「ふい~。」
轟「…。」
ウィザーソードガンを構えた晴希と力なく座り込んでいる轟だった。
MN「試合終了‼️勝者操真君‼️」
試合終了と同時に、大きな歓声がステージを埋め尽くした。
無理やり終わらせました。
長らくお待たせしてしまいすいません。中々モチベーションがあがらず、リアルが忙しく手をつけられませんでした。
また、ちょくちょく投稿していきますのでよろしくお願いいたします。