三つ巴の決勝戦が終わり、3人の体力がある程度回復したところで表彰式が行われることになった…のだが…
勝己「んーーーーーーーーっ‼️」
勝己は保健室で目が覚め、表彰式の前までずっと暴れていたので、縄で縛られ口を塞がれていた。
理由はこの表彰式に納得していないためである。
勝己は出久を自分の力で倒したかった。倒して優勝して、ヘドロ敵から自分を助けた出久に少しでも近付きたかったのだ。しかし、体育祭直前に転校してきた晴希は、出久とは違う形とはいえ“同じ仮面ライダー”だった。仮面ライダーの力が自分達雄英生を含め、現存しているどのヒーロー達よりも上であることは把握している。2回戦の騎馬戦で、短い間ではあるがライダー同士の闘いに目を奪われた。決勝戦でも勝己は、自分を馬鹿にした晴希に一泡吹かせようと自棄になりながらも、冷静に攻撃を繰り出したが全てを交わされた挙げ句、自分の弱点である“寒気”にあてられた。あっさりと捕まってしまったが、それでも勝己は“仮面ライダー”というのは存在の強さを認めていた。
だが、晴希に拘束されたことで忌々しいヘドロ敵の事件を思い出し、自分の中で何かがキレる音がした。その先からは記憶が曖昧になっていて、気がついたら保健室で横になっていた。
拘束された上に意識がとんでいた状態で表彰台に立つというのが、勝己自身のプライドが許さないのである。
晴希「捕まった死刑囚みたいだな。」
出久「そういうこと言わないの晴君。」
勝己「んーーーーーーーー‼️んっんーーーーーーーー‼️」
晴希「ん?なんだって?」
出久「“誰が死刑囚だコラァァァァァァァァァァァァァ‼️ぶっ殺してお前に死刑執行してやる‼️”だって。」
口を塞がれているのに、勝己が何を言っているのか分かる出久は幼馴染であるが故にだろう。
因みに順位だが、場外に出た僅差で晴希が3位、勝己が2位である。
MN「それではこれより表彰式に移ります。2位の爆豪君はこのままでご了承ください。」
主審であるミッドナイトがそう告げた。
MN「メダル授与よ‼️今年のメダルを贈呈するのはもちろんこの人‼️我らがヒーロー、オールマイト‼️」
AM「ハーッハッハッハー!わーたーしーがー!メダルを持ってきた!」
ミッドナイトの紹介の後にオールマイトが登場する。
MN「ではメダル授与へ移ります。」
オールマイトはメダルを晴希へ授与する。
AM「操真少年、3位という結果ではあるが自分の特技と個性を生かした素晴らしい戦いだった。ただ爆豪少年を挑発したことは感心しないがね。次は頑張りたまえ。」
晴希「ありがとうございますオールマイト。」
次にオールマイトは勝己にメダルを授与する。
AM「爆豪少年、惜しくも2位という結果ではあったが自身の個性を使った良い戦い方をした。何より誰に対してでも本気で戦った。」
勝己は口が自由になったのでオールマイトに抗議する。
勝己「オールマイト、俺はこんな何の価値もないメダルを受け取る気はねぇ!世間が認めても俺が認めなきゃゴミなんだよ!それに、最後の方なんざ意識がとんでて覚えてねぇ。尚更俺はそれをもらうわけにはいかねぇ。」
言葉では言い表せない悔しい顔になっていた。
AM「うむ、相対評価に晒され続けるこの世界で不変の絶対評価を持ち続けられる人間は多くない。君はそれだけでも充分にこのメダルを受け取るに値する。そして次は、最後に見せたあの力を完全にコントロールすることだ。悔しさをバネにすれば、君は間違いなく私を越えるヒーローになれるだろう。」
爆豪も思うことがあるらしく、オールマイトから渋々ながらもメダルを受け取る。
AM「おめでとう緑谷少年、文句なしの優勝だ。」
出久「ありがとうございます。」
AM「…君は見違えた。最初に君と会ったとき、君からとても弱々しいがヒーローになれる素質を感じていたが、この体育祭で痛感した。障害物競争では生徒達を助け、騎馬戦では仲間を信じ、トーナメントでは出し惜しみせず力を出した。君は今、この中で誰よりもヒーローとしての強い輝きを持っている。これからもその思いと力を存分に育んでくれたまえ。」
オールマイトは最後に優勝者の出久にメダルを授与する。
そしてオールマイトは会場の方へ顔を向けた。
AM「さぁ‼️今回は彼らだった!しかし皆さん!この場に立つ誰もがここに立つ可能性があった‼️ご覧いただいた通りだ!競い!高め合い!さらに先へと上って行く姿が次世代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている‼️てな感じで最後の一言‼️皆さんご唱和ください‼️せーのっ!」
『PLUS ULTRA‼️』
こうして雄英高校体育祭は幕を閉じた。
敵連合本部
スウォルツ「この怪物が脳無か。」
オールフォーワンを消滅させ裏社会に君臨しているスウォルツは、脳無を見つめていた。
スウォルツ「この人形相手に苦戦するようなら、外のヒーロー達には絶望を味わってもらおう。」
スウォルツはそういうと、ポケットから歪な絵柄が記されている黒い造形物のボタンを押した。
『ウィザード』
黒い造形物“アナザーライドウォッチ”から不気味な声が鳴り、スウォルツはウォッチを脳無の中に入れた。
脳無「ガァァァァァァァァァァァッ⁉️」
『ウィザード』
脳無は苦痛の声をあげる。その瞬間脳無の体に変化が表れた。
剥き出しの脳は変わらないが、何処か指輪を彷彿させるような頭、腕は肥大化しており右手の指には歪な指輪をしている。ボディは赤いアーマーを纏っているが、まるで人が絶望の表情を浮かべているようにも見える。腰にはベルトをしているが中央には骸骨の手が装飾されている。両肩と腰付近には破れたローブが付いている。
スウォルツ「名付けるなら“アナザーウィザード脳無”か。こいつに勝てるかな、ヒーロー共?」
???「雄英体育祭は“仮面ライダーゴースト”緑谷出久の勝利で幕を閉じた。しかしその裏では、“我が魔王”が倒したはずの“タイムジャッカー”スウォルツが敵連合の頭目“オールフォーワン”を倒し、この世界を裏から支配しようとしている。そして脳無にアナザーライドウォッチを使い、アナザーウィザード脳無が誕生した。この世界でこの後何が起こるのか何が起き始めているのか、それを知るのはもう少し未来の話。私はここで失礼させてもらうよ。必要とあれば、“我が魔王”にもきて頂かなければならないからねぇ。」
最後の人物はいったい誰なのか、ライダーファンは分かるでしょう。