俺がジャンゴに憑依した時の話   作:月夜鴉

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先週の私よ。早ければ一週間以内とか余計なことを
けど、そうでもしないとなかなか書けないという


11 エピローグ

 そして旅立ちの日。

 

 海岸でゴーイング・メリー号の説明を受けるナミさん。坂の上から転がってくるウソップさんを足で止めるルフィさんとゾロさん。

 

「やっぱり海へ出るんですね、ウソップさん」

 

「あぁ。決心が揺れねェうちにとっとと行くことにする。止めるなよ」

 

「止めません。……そんな気がしてたから」

 

 そういうカヤさんは少し寂しそうだった。

 

 そしてウソップさんは、村に帰ってくる時は嘘よりも嘘のような冒険譚を聞かせてやると笑顔でカヤさんに言った。

 

 次にウソップさんはクラハドールを見た。

 

「クラハドール、カヤを頼んだぞ」

 

「君に言われるまでもない」

 

「カヤを泣かせるようなこともするんじゃないぞ」

 

「善処はしよう」

 

 クラハドールが手の平で眼鏡を上げる。

 

「他人の心配よりも自分の心配をしたらどうだね? 君たちのような甘い考えじゃまず生き残れない。海上で病にかかったらどうする? 交戦した海賊が毒を使ってきたら? 君たちで対処出来ることがあまりにも少ない」

 

 ウソップさんを見た後ルフィさんの方を見る。

 

「わかってるさ。だから仲間と一緒に航海するんだ」

 

 そういうとウソップさんはルフィさんの方を見た。

 

「お前らも元気でな。またどっかで会おう」

 

 ウソップさんの言葉にルフィさんは不思議そうに何でと尋ね、そのうちどこかの海で会うかもしれないだろとウソップさんは答える。その返答にゾロさんが早く乗れよと言う。

 

「おれ達もう仲間だろ」

 

 呆然とするウソップさんにルフィさんは当然のように言う。

 

「キャプテンはおれだろうな!」

 

「ばかいえ! おれがキャプテンだ!」

 

 こうして俺たちはメリー号に乗って出発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見覚えのある天井だ」

 

 目が覚めたら俺が見たのは白い天井。覚えのある部屋。

 

「夢かぁー」

 

 いやにリアルで濃い夢だった。

 今日は日曜日。

 

 せっかくだ。夢の内容を投稿しよう。

 タイトルは

 

「ジャンゴに憑依した時の話」

 

 奇をてらうよりもいいだろう。

 

 

 

 

 

 

 月曜日、昨日のような夢も見ることなく普通に起床。

 

「お前その痣どうした?」

 

「痣?」

 

 体育前、更衣室で体操服に着替えている時のこと、友人が俺の背中を指差して言う。

 別に痛かったりしないのでなんのことかわからない。

 

「あー、動くなよ」

 

 友人がスマホを取り出し俺の背中を撮る。その画像を見て俺は言葉を失った。

 俺の背中には、丸い痣があった。

 

 そう、夢で鉛星を食らった箇所に。夢で感じた痛みと同じ箇所にそれはあった。

 

「嘘だろ……?」

 

 

 その後、俺と同じようにキャプテン・クロに憑依した奴、具体的には顔面にパンチ跡のある奴を探し回り、無事発見する。

 マスクをつけていたが、昼食時の油断が決め手だった。いた。という友人からの連絡に俺はその教室へ向かった。

 

 

 そして、カヤさんと何を話していたか聞き出し小説に加筆するのだった。

 

 余談だが、その彼はキャプテン・クロ視点で話は進んだものの、体を動かしたりといったことは出来なかったとのことだった。

 

 なぜこんな現象が起きているのかも謎だ。

 

 

 

 

 

 友人にワンピースの漫画を借り、日々読破しては寝るということをしていたある日のこと、それはまた起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚めた時に見えたのは暗闇だった。

 しかもゆっくりと揺れている上、ベッドではない何かに横になっている。その何かは網状で、自分の体重でたるんでいることが分かる。ハンモックかな?

 

「うおっ!?」

 

 辺りを見ようと体を起こしたらバランスを崩して落ちてしまった。ドスンと結構な音が鳴る。

 

「うるさいわね。静かにしなさいよ」

 

 聞き覚えのある女性の声が迷惑そうに言う。

 

「わ、悪い」

 

 俺の口から聞こえたのはつい最近もどこかで聞いた声だった。

 寝起きでいつも謝ってんな俺。

 

 俺は体を起こして小さな窓から明かりの差し込む扉を開いて外に出た。

 月明りに照らされて浮かび上がったのは甲板だった。

 

 少し進んで振り返ると麦わら帽子を被った海賊旗が見える。

 

 ……なるほど。

 

 

 

 

 ジャンゴさんジャンゴさん! 聞こえてるなら返事してください!

 応答せよ応答せよ!

 メーデーメーデー!こちらクイーンゼノ……これ別ゲーだ! じゃない。ジャンゴさんヘルプ!

 

 

 

 

 俺が内心でジャンゴさんに呼び掛けていると扉が開く音が聞こえた。

 

「交代にはまだ早いわよ」

 

 上着を羽織ったナミさんが眠そうにしながら甲板に出てくる。

 

「夢見が悪かったもんで少し気分転換をしようと思ってな」

 

「そう」

 

 ナミさんがじっと見てくる。え、何? 気まずいんですが。

 

「じゃんけんしましょうよ。負けた方が何か面白いこと話すってのはどう?」

 

「は?」

 

 ナミさんが良いことを思い付いたとばかりににっこり笑ってそんなことを言ってくる。

 

「じゃんけんぽん!」

 

 了承を取らず不意打ち気味の掛声。慌てて出したため、俺はグーになってしまった。対してナミさんはパー。

 

「私の勝ちね」

 

 してやったりなナミさん。は、はめられた。

 

「あなたが『占い師』かしら」

 

「な……」

 

 何でバレて!?

 しかもナミさんは疑問系でなく確信を持っているようだった。

 

「ジャンゴは右利きよ。じゃんけんで出すのも右」

 

 言われて気付く。俺は左利きで、出した手も左だった。

 

 

 

 

「……俺のこと、聞いたんですか?」

 

 誤魔化せそうにもなかったため、俺は素直に白状した。

 

「えぇ、この前ジャンゴからシロップ村では『占い師』の幽霊に憑かれてたって聞いたわ。あなたは幽霊なの?」

 

「幽霊というよりは生霊の方が近い気がします。カヤさんのお屋敷でパーティーした後、自分の部屋で目覚めましたから。それから今日まで普通に過ごしていました」

 

 だから生きているはず。生きていると思いたい。

 

 とはいえ、この現象も良く分からない。

 ジャンゴさんがメリー号にいるってことは前回の続きだよな。

 

 マジかぁ……。

 

「何とも変わった体質ね」

 

「直したいような、それは勿体ないような、複雑な気分です」

 

「ジャンゴが丁寧な口調っていうのは違和感があるわね」

 

 ナミさんが微妙な顔をしている。

 

「俺のことはルフィさんたちも?」

 

「えぇ、全員聞いてるわ。皆会いたがってたわよ」

 

 俺も幽霊を見てみたいから気持ちは分かるような気がする。

 

 そんなことをナミさんと話した。

 

 次の日は変わらずジャンゴさんで、海上レストランが見えてきた時には軽く目眩を感じた。

 

 

 

 

 

 その後も現実に戻ったり夢(?)の世界に来たりすることになるのだが、それはまた別の話。

 




 ここまで読んで頂きありがとうございます。番外編は書くかもにれませんが、これにて一応の完結です。

 途中までオリ主が自室で目を覚ますところまで飛ばして書こうとしていました。
 見送りがないのはいかんね!
 というわけで急遽追加しました。

 この設定ならもっといい感じに料理できるぜ! という方がいればぜひ使ってください。読んでみたいです。

 というのも、この小説を書き始めたきっかけとしてはクロとカヤが和解している話を見たかったからです。そういう話を探して二次創作を読むものの、まぁクロが倒されている話が多かったです。
 クロとカヤが和解するような話が増えたら嬉しいと思いながら書きました。


〈オリ主について〉
・高校二年生の男
・演劇部の裏方、ちょい役
・左利き
・最近ワンピースにはまり原作知識は序盤の方はある

 以上です。オリ主は意図的に名前をつけていません。
 つけると愛着が沸いて優遇してしまいそうな気がしたからです。
 私としてはオリ主は原作キャラを立てるために使いたかったので、あまり目立たせないためです。

 それにしては他のキャラのセリフが少ない?
 ……オリ主は動かしやすくてつい。それからこのキャラはこんなこと言わない! という葛藤もあり、他のキャラました。
 ジャンゴは使いやすかったです。今回一番目立ったのはジャンゴなのでは。

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