俺がジャンゴに憑依した時の話   作:月夜鴉

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下書きではオリ主の長考が殆んどだったのでバッサリカット。

改稿箇所
20180701
・あとがきの表記を統一しました。

20190820
・サブタイトルの遠し番号を1つ減らしました。


04 思わぬ問題

 幸いにもメリーさんに呼び止められることなく屋敷を出ることが出来た。

 呼び止められるんじゃないかってヒヤヒヤした。

 

 とりあえずこれでカヤさんは海岸へ来るはず。その時メリーさんがいても森で意識を落とせばそこまで原作とは外れないだろう、と思いたい。

 

 それにしても『羊の大行進』か。他に無かったのか俺!?

 メリーさんを見ていると羊が柵を飛び越えていくイメージがどうしても払拭出来なかったんだよなぁ。メリーさん恐るべし。

 後悔しても遅い。いざとなったら叫ばないと。

 

 さて、当日の振る舞い方はどうするか。

 本番は明日なんだ。失敗するわけにはいかない。

 

 飯屋に寄って、その後に北の海岸を下見して海賊船に帰ろう。

 

 

 ……ちょっと待て、帰るったって海賊船はどこにあるんだ?

 

 嫌な汗が背中を伝う。小舟でやって来たのは知ってる。肝心の方向と距離は? 真っ直ぐ進んでいいのか? てか、海で真っ直ぐ進むとか無理じゃね?

 

 遭難とか冗談じゃない!

 

 焦りながらも思考を巡らせる。

 

 よく考えろ。クロネコ海賊団だぞ。何も無い海のド真ん中に船を停泊させるか? 海軍が通りかかってもいいように隠れられる岩場なんかの近くに停泊するんじゃないか。岩場なら海図に載ってそうだ。よし、飯屋で海図がないか確認しよう。

 

 

 

 

 

「邪魔するぜー。この辺りの海図はあるか?」

 

「いらっしゃい。あるよ」

 

「そうか。おにぎりを三つ、持ち帰りで頼む。具はお姉さんのお薦めで。他にも欲しいものがあるんだが……」

 

 元々の用事についても頼んでみる。おばちゃんからはあるとの返答。

 

「その二つも売ってくれ。その海図を見たい。 あと紙が一枚欲しいなー、なんて。ペンも貸して貰えたら凄く助かるんだが」

 

「いいとも。少し待ってな」

 

 おばちゃんがカウンターの奥へ消える。

 

 MESHIと書かれた食事処での聞き込みは上手くいったようだ。

 色々頼むことになったので、おにぎりはこう、迷惑料のつもりだ。お姉さんと呼んで機嫌を取ることも忘れない。

 入る前にちゃんと財布も確認した。ベリーって日本の貨幣とそっくりなのな。助かった。

 

 そんなことを考えてる間におばちゃんが丸められた紙を持って戻ってきた。

 手渡された紙とペン、海図を広げて内容を確認する。

 

 北の海岸から行ける岩場はいくつかあった。思ったより遠くなさそうだ。

 

 

 

「はい。お待ちどおさま」

 

 岩場の位置を紙に書き込んでいると声をかけられたので、料金を払い品を受け取る。大きくて食べごたえのありそうなおにぎりだ。特に欲しかった品に関しても問題ない。

 

 メモを書き終えるとペンを返し、お礼を言って店を出る。

 

 ルフィたちと会う前に北の海岸へ行こう。

 

 何事もなく北の海岸に到着。海岸と林の中の下見をする。林の中についてはアニメに出てきた大きな岩がある場所を念入りに確認してきた。

 

 海岸にはルフィたちの乗ってきた船がある。

 それとは別にジャンゴが乗ってきたと思われる小舟がある。それに乗り込み、海賊船探しに出た。

 まずは大きな岩場へ行こう。

 

 運がいいことに風向きに任せて出発出来た。時には帆を畳んでオールで漕いで岩場へ向かう。

 

 

 

 

 

 どれくらいの時間が経ったかわからないものの、岩場が見えてきた。いや、岩場というよりも小島だな。

 日はだいぶ傾いている。小島を回りながら海賊船がないか確認する。

 小島の半分を過ぎた時、海賊旗が見えてきた。それも猫っぽい。

 はやる気持ちを抑えて様子を窺いながら進むと黒猫の船首が見えてきた。

 

 

 うおっしゃー! ビンゴー! 第三部完っ!

 

 

 いやぁ、見事な読みですね。

 自棄にならずに海図を確認したのが吉と出ましたね。

 しかし苦難はまだまだ続きます。彼はこの後ジャンゴ選手がキャプテンを務めるクロネコ海賊団に接触しなければならないのですから。この辺りはどう対処していくのでしょうか。

 難しいところですね。何より本物のジャンゴ選手を知っている相手とのやり取りが行われるので、些細なミスが命取りになることも十分に有り得ます。いかに自然なジャンゴ選手を演じられるかが鍵になるでしょう。

 まだまだ目が離せないという訳ですね。

 現場からは以上です。

 

 

 一個目が当たりで本当に良かった。

 すげー焦ったわ。

 船が見つからなかったら、島にすら戻れなくなったらどうしようとか、不安不安でしょうがなかった。

 その時になって海図も購入可能か聞いておくんだったと後悔したりもした。

 

 改めて船を見る。うん、クロネコ海賊団の船だ。

 溢れる喜びも脳内謎実況を挟んだお陰で冷静になれた。そう、ここからが大切なんだ。

 

 一度深呼吸をするとドキドキしながら海賊船に近付く。見張り台の男が俺に気付いて何やら合図を出しているようだ。

 

「ジャンゴ船長が戻ってきたぞー!」

 

 小舟ごと引き上げられ船内に入る。

 船員たちが集まってきた。シャムとブチの姿もある。

 

「野郎どもただいま。計画は予定通り明日の朝、決行する。日の出と共に上陸して村を目指す。わかってるとは思うが、これはキャプテン・クロの計画だ。気を引き締めていくぞ」

 

 小舟から降りると船員たちに告げる。

 船員たちが雄叫びを上げた。

 

 

 さて、船長室はどこだ?

 

 

 

 

 ここまで生きた心地がしなかった。

 上着を脱いでベッドに倒れ込む。

 

 結果から言えば、原作で船員に起こされたジャンゴが出てくる船の中央というか甲板の真ん中にある部屋が船長室だった。

 

 考えたいことがあると言ってその部屋に引っ込んだらキャプテンローブっていうのか? それがあった。個室であることから考えてまず間違いないだろう。

 言葉のおかげか今のところ誰かが来る様子もない。

 

 小舟に乗ってる間はおにぎりを食べる余裕もなく、貰ったまま上着に入っているのでお腹が空いたら食べよう。

 

 精神的な疲れもあって眠気を感じる。自分の催眠術にかかって寝た時もあったのにな。

 やらなきゃいけないことがあるからまだ眠れない。

 

 まずは切れないチャクラムだ。あるかどうかわからないけど。

 

 

 横になって少し休憩した後、机の引き出しを下から開けていく。

 いくつか開けると一つの引き出し内で上段と下段に分けていれられているチャクラムがあった。何で分けてあるんだ? 入れようと思えば全部同じ所に入れられるのに。下段のチャクラムは数が少ない。見た感じは普通。

 もしやと思って下段のチャクラムの刃先をよく見る。

 

 やっぱりだ。刃先が丸い。念のため手で触ってみても切れない。もしかして訓練用のチャクラムか?

 良かった! いくつか持っていこう。切れないのは右、切れるのは左の上着のポケットに入れておく。

 

 これがあれば……。

 

 

 

 明日への準備を終え、ホッとしたからか急にお腹が空いてきた。買ったおにぎりを食べよう。

 

 さて、部屋でやりたいことは一通り終わった。明日どう動くかも考えた。

 

 

 ……出航の合図は俺が出さなきゃ駄目なんだろうな。俺が船員の立場なら出航前には船長に起きていて欲しい。

 一応言っておくか。

 

「あ、船長」

 

「俺はこのまま休むことにする。もし出航前になっても寝ていたら起こしてくれ」

 

 近くにいた船員に用件を告げる。その船員も返事をしたのですぐ部屋に戻った。 

 おかしいところはなかったよな?

 

 

 よし、明日に備えてもう寝よう。凄く眠い。

 ベッドに横になり目を閉じるとすぐに意識は遠くなった。




原作との違いや考察など

〈一人での帰還について〉
原作ではジャンゴはクロと共に海賊船まで戻っているという。(原作三巻の最終ページ)

この作品内では、海岸での打ち合わせ後、帰らずに下見をすると言ったので解散するという流れに。
憑依主が放り込んだ質問も解散に一役かってるつもりです。
二人で海賊船まで帰ってる時に再度聞かれることをクロが嫌がったという裏設定。

〈訓練用チャクラムについて〉
もちろん原作では訓練用のチャクラムなんて出てきていません。
ただ、原作ではジャンゴよりもニャーバンブラザーズのコンビの方が強いという話が出ていたので、クロネコ海賊団は訓練というか模擬戦的なことをしていたのではないかとの考えから訓練用のチャクラムがあるということにしました。

〈クロネコ海賊団の停泊場所〉
原作三巻の最終ページに1コマだけ海賊船が停められているので小島があるという風にしました。
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