拙い文章だとわかっているのでお気に入り登録、しおり、評価して頂けて嬉しい限りです。ありがとうございます。
下書きの章数で言えば終わりまで半分を過ぎました。
ただ、下書きが荒いこともあり次はもっと遅い更新になるかもしれません。
改稿箇所
20180717
修正前
SAN値直葬(正気度減少)待ったなしのせい
修正後
クロの手酷い裏切りのせい
修正理由
SAN値直葬と言う表現は正しくなかったため
20190820
・サブタイトルの遠し番号を1つ減らしました。
「クラハドール……ねぇ、これはどういうことなの?」
傍らにはカヤさんを支えながら驚愕しているメリーさんがいる。
メリーさんは無事、カヤさんも事情を分かっていない。ウソップさんも二人が来たことに驚いて何しに来たと言っている。
ヒヤッとしたが来てくれたか。いやほんと、このまま皆殺しルートかと思って覚悟を決めかけてたわ。
「あ、あなたは!」
メリーさんは俺に気付いたようで驚いている。まぁ、クラハドールに対しての驚きと比べたら微々たるものだったけどな。
「よお、昨日ぶり。思わぬ再会になったな」
片手を上げて気安くメリーさんに答える。俺としてはメリーさんが無事で居てくれて嬉しかったんだが、メリーさんには苦々しい顔をされてしまった。
「屋敷の娘も一緒か」
俺の言葉を聞いた船員たちの目に希望の光が灯る。あの娘さえやれば計画は達成出来るという希望だろう。村へ行かなくても彼女を殺せばいいと船員たちが言っている。
「これは驚いた……お嬢様……なぜここへ……?」
これまでとは違った丁寧な口調のクロに、言葉は無いまでも船員たちが驚いていることが分かる。辺りは不自然なほど静まり返っており、誰もが事の成り行きを見守っている状況だ。
和解してくれても俺は一向に構わない。むしろそうして欲しい。船員の説得だってやる。何なら今からでも打ち合わせよう。
「昨日、ウソップさんに言われたことが気になって仕方がなかったの。それに、クラハドールが出ていくのが見えたから私……」
祈っているうちにカヤさんが話し始める。
信じられない、いや、信じたくないといった様子のカヤさん。メリーさんが付き添ったとは言え無理をしたようで顔色はあまり良くない。
「ウソップさんが言っていたこと、本当なの?」
まるですがり付くような、それでいてはっきりとしたカヤさんの問い掛け。きっとカヤさんだって分かっているはずだ。それでも聞かずにはいられなかったのだろう。
「……本当です。自分から来てくれるとは手間が省けました」
手の平で眼鏡を上げる仕草の後、クロは静かにそう答えた。その声の調子からは何の感情も感じられない淡々としたものだった。
カヤさんの方を向いているためクロの表情は分からない。だが、幾らかの間があったことは分かる。
「どうして……」
あぁ、カヤさんの声が震えている。
「彼から聞いたのでは? あなたの財産が目的ですよ」
対してクロは涼しい様子で答えている。
「三年間お嬢様の側にいて、どうしてこんなことが出来るんですか! 旦那様に拾って頂いた恩をあなたは!」
メリーさんが激昂して叫ぶ。
「最初から計画のうちだ。三年もかけた」
夢見がちだった彼女に付き合ったことも、それに耐えたのも、カヤさんを殺すこの日のためだとクロは言った。これまでの鬱憤を晴らすかのようにクロは続ける。
かつてはキャプテンクロと名乗り恐れられていた自分が、カヤさんのような小娘のご機嫌を取るというのは屈辱的な日々だったと怒鳴っている。
原作通りに話が進む。くそ、この台詞は変わらないのか。
激昂したウソップさんがクロに殴りかかり、それを躱したクロがウソップさんに攻撃しようとする。しかしルフィさんに遠距離から殴られ飛ばされた。倒れたクロに飛び出したちびっ子たちが持った武器で叩く。
原作と同じ流れとは言えハラハラした。ちびっ子たち大丈夫だよな?
メリーさん? クロの手酷い裏切りのせいで涙を流しながら茫然自失としたカヤさんを支えて呼びかけている所だ。
ウソップさんがクロに殴りかかる直前、メリーが懐に手を入れたのが気になる。銃、持ってるんだろうなぁ。
クロはというと、ちびっ子たちを無視してウソップさんに蹴りを入れた後ルフィさんを見た。伸びた腕を見てルフィさんが悪魔の実の能力者であることを見抜く。
「ジャンゴ! その小僧はおれが殺る。お前にはカヤお嬢様を任せる。計画通り遺書を書かせてから殺(け)せ。目障りな周りの連中もだ」
「引き受けた」
クロの命令を受けて俺は歩みを進める。
後はこの坂道を無事に抜けてカヤさんに追いつけばいい。ブチさんはいないがやりようはある。
「クラハドール……」
「逃げろカヤ! そいつにゃ何言っても無駄なんだ! お前の知ってる執事じゃないんだぞ!」
「お嬢様! 逃げましょう!」
二人の呼び掛けにカヤさんの目に光が戻った。
ゾロさんが刀を横にする。
「止まれ。こっから先は通す訳にはいかねェことになってんだ」
ですよねぇ。
懐からチャクラムを取り出しわざとらしくウソップさんに視線を向ける。
「てめェ!」
俺の狙いにゾロさんが気付くと同時にウソップさんに向かってチャクラムを投げる。
ゾロさんがそのチャクラムを防いでいる間にゾロさんの脇を駆け抜ける。
チャクラムを防いでくれてありがとうゾロさん。当たっていたら切れないことがクロにバレてやばかった。
見ず知らずのナミさんならともかく、ウソップさんには『実は悪魔の実の能力者!?』作戦は使えない。切れないチャクラムはそれがバレる危険も併せ持った諸刃の剣。刃はないのにな。
「ウソップ海賊団っ!!」
ウソップさんが声を張り上げる。言うことを聞けと言われ、ちびっ子たちは逃げない、仇を取ると言っている。しかしウソップさんはカヤさんを守れという。カヤさんを連れてここを離れろと。
「出来ないとは言わせない。大切なものを守るために、おれたちは海賊団を結成したんだ!」
ウソップさんの熱い言葉。俺も立ち止まってその話を聞く。
ちびっ子たちはそのキャプテン命令を聞いてカヤさんとメリーと共に林へ逃げようとしている。林は自分たちの庭のようなものだからと言っている。
「ジャンゴ」
「はっ、思わず聞き入ってた」
カヤさんは何か言いかけていたが、メリーさんに抱え上げられちびっ子たちと林へ急いでいる。
「逃がすか!」
カヤさんたちを追って林へ入ろうとした時、腰辺りに小さくて硬い何かが勢いよく当たった。
くそいてぇ……。何だと振り返ったらウソップさんが、パチンコを俺に向けていた。
「ザマァ見やがれ」
俺は一度舌打ちするとクロに注意される前に林へ駆け出し、カヤさんたちを追った。
すぐ林に入ったからまだあまり離れていないはず。坂道からは多少離れて合図を出そう。
いないことがわかっている範囲で切れるチャクラムを投げる。抵抗なく木に吸い込まれていくチャクラム。木々が大きな音を立てて倒れる。
安定の切れ味。
俺は大きく息を吸った。
「羊の大行進っ!!」
もっとましな言葉にしときゃ良かったよマジで!
悩んだ箇所
〈カヤがクロに対してウソップの話が本当だったのか聞くかどうか〉
信じたくないカヤの気持ちも想像出来るのですが、それだとウソップが不憫で。
かといって、あの状況で原作のようにウソップに謝るのも違うよなぁと。
聞き分けが良すぎると言いますか。
こちらのカヤはメリーがやられていないのでクロに対しての覚悟も出来ていないはずです。
〈メリーがクロに対して発砲するかどうか〉
クロの言動にメリーは銃を向けるはず。ただそうするとウソップのシーンを奪うことになってしまいます。
なので、メリーが銃を抜く前にウソップがクロに殴りかかったことにしました。
ウソップが殴りかかる前にメリーが銃をクロに向けていたら、オリ主はメリーをチャクラムで狙ってゾロの横を抜けていたでしょう。
その場合メリーになるのは、ウソップの位置関係です。ウソップはクロに殴りかかったから坂にいたのであって、それまでウソップは崖の上にいます。チャクラムで狙えないと思いました。