遊戯王Mixes    作:夜鹿

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第6話 プロデュエリスト ティーチャー薬島!

 

煌城「さて、初めての方もいらっしゃいますので自己紹介を致します。私は煌城 楝蛇と申します。……私はViz空間内のみでデュエルしますが……取り敢えず今日は生徒の皆様にプロデュエリストとは?という授業を行おうと思います。」

 

 編入試験から1週間が経過し、高校らしく単位用の講義も始まった頃、やや面倒くさそうな表情をしながら美遊は授業を聞いていた。たまに欠伸が目立つがそれに対して煌城は怒りを見せる様子も無く講義を続ける。

 

煌城「プロデュエリストとして認められるには《プロデュエリストライセンス》が必要になります。これは18歳以上が受けられるプロ試験に合格すれば誰でも手に入れる事が出来るのです。」

 

 その位は常識だと言われている為、他の生徒達も余り詳しく聞いていない。ただ、次の項目については真剣に聞こうと耳を傾けていた。

 

煌城「プロデュエリストとして認められた後、実業団に入団します。これは強制ですが大して拘束されません。一応プロデュエリストの東西決戦の際の所属を決めるだけですからね……。ちなみにこの学園の卒業生は基本的にコミット実業団に所属する事になります。」

 

 その後、煌城はパソコンを操作してプロジェクターを下に降ろす。そこに映し出されたのはプロデュエリストが集まる大会の一部だった。

 

MC『歴史、文学、サスペンス……あらゆるジャンルを貴方の元に。茸之宮出版。』

 

MC『茸之宮出版はコロンボー炭崎を応援しています』

 

 

煌城「この様にプロデュエリストとして大会に参加する為にはスポンサーを見つけなければなりません。基本的にはフリースポンサーとして一時的な契約もできますが……専属デュエリストになると給料が跳ね上がります。その分、スケジュールやデッキテーマは決められる事もあるのでスカウトを待つか、自分を売り込む事がオススメですね。企業に合っているかどうかが重要になりますから。」

 

美遊「Zzzzzzzzz…………….」

 

煌城「それと今回は私の伝手でプロデュエリストのティーチャー薬島さんに来て貰っています。……そして暗樹 美遊さん、貴方はその方と退学を賭けてデュエルして貰いますよ。」

 

 煌城という教師は怒りを表に出さないものの、自分が気に入らない生徒は徹底的に扱き下ろそうと考える人間だった。それに加え、現在はフリークラスだが学業の成績が優秀な佐倉、自由に操りやすそうな高原を自分の手駒として扱いたいと考えていた彼女は美遊の事を排除したいと思うのは必然だった。

 

美遊「…Zzzz……ソイツ弱い」

 

煌城「黙ってください。大体学園長もなぜ遅刻や授業態度Gレベルの彼女をいきなりプラチナランクに持ってきたのか……。まぁ、プロに勝てなかったら自主退学して貰いますね。真面目に授業を聞かない子は私のクラスにはいりませんから。」

 

美遊「……面倒だな……ネタデッキで充分勝てる。」

 

 

 こうして美遊は入学早々プロデュエリストとのデュエルを行う事となってしまったのだった。それに加えて退学も掛かっていたが、本人に危機感等全くないのだった。

 

 

龍昭寺「……退学処分を賭けたプロとのデュエルか。この横暴な態度は何度目だ?いや、正確には土下座させてからの降格処分。その後に降格させた奴等に誹謗中傷を繰り返している。」

 

煌城「あら?何もできずに負けた龍昭寺先生では無いですか。貴方も彼女が憎いでしょう?だからこれは合法な処分ですよ。」

 

龍昭寺「憎くは無いな。何も対策していなかった俺が悪いんだ。しかし……自分の手を汚さない事に長けているよなお前は。いつかしっぺ返しが来ると思うがな。」

 

煌城「まぁ、男性が多かったですからね、私が退学にしてきた者は。自分の体が可愛いんですよね…。それにネタデッキでプロに勝てる訳が無いじゃないですか。それに使用テーマも話していますし意味は無いですよ。」

 

 

 煌城はそう言ってデュエルコートの準備をするが、龍昭寺は彼女に呆れながらデュエルの行く末を見守ろうと観客席へと向かうのだった。

 

 

MC『やればできる!君なら行ける!さぁ、一緒に志望校へ飛び立とう!帝王戯塾。』

 

MC『帝王戯塾はティーチャー薬島を応援しています。』

 

MC『世界の味が楽しめる……ファミリーレストラン《The World》。』

 

MC『《The World》は弧美都学園を応援しています。』

 

 

薬島「……さて、教育を始めようか。授業で寝るとか巫山戯ているのか君は!?その腐った性根はこの俺が叩きのめしてあげよう!そして退学後は帝王戯塾で大学進学を目指すんだな。」

 

美遊「……ちゃんと宣伝するんだ?まぁ、さっさと始めよう。」

 

薬島・美遊「「デュエル!」」

 

 

薬島 LP 4000 ★

 

美遊 LP 1000

 

 

龍昭寺「……見間違いか?暗樹のLPが1000に見えたんだが……。」

 

煌城「どうやら授業態度が悪かった事でのペナルティーが発生している様ですね。理由は不明ですが……これだと瞬殺されますよ。いい気味ですけどね。せめてちゃんと聞いていれば違ったのですが……もしくは誰かとデュエルしていればライフはフルでやれたでしょう。」

 

 これには自分は一切関わっていないと言い張る煌城に対して疑心暗鬼になりながらも、サレンダーしてやり直さない美遊を見て薬島の方に不安を覚えるのだった。

 

薬島「サレンダーしてやり直すか?流石にこのハンデは予想外だからな。」

 

美遊「いや、問題ない。それにサレンダーした時点で退学とか言ってくるだろうから。」

 

薬島「……ならばワンターンキルにならぬ様、注意するんだな。私はモンスターを1枚セット。そしてリバースカードを2枚伏せてターンエンドだ。」

 

 

薬島 LP 4000

伏せモンスター 1

伏せカード 2

 

手札 2枚

 

美遊「私のターン、ドロー。……私は相手のセットモンスターとセットされたカード2枚をリリースして【悪食の神獣】を召喚。この時、リリースしたカードは全てこのモンスターの下に置かれる。」

 

【悪食の神獣】★11 AT 3800

 

 そう宣言されて出てきたライオンの様な獣は口をモゴモゴとさせながら立っていた。口から【マシュマロン】の一部らしき物が牙の間から出たり入ったりを繰り返しており、なんともシュールな絵面になっていた。

 

薬島「人のカードをコストにしておきながら……ぼ、墓地にも返さないとか……禁止カードでは無いのか!?」

 

美遊「使える時点で禁止では無い。私は【悪食の神獣】の効果発動。このカードの下に置かれているカードを全て相手の墓地に返す事で相手プレイヤーのデッキの残り枚数×100のダメージを与える。」

 

薬島「……40枚デッキで5枚カードを引いている。つまり残っているデッキの枚数は35枚……つまり、3500のダメージか…。」

 

薬島 LP 4000 - 3500 = 500

 

美遊「この効果を使用した時、私はバトルフェイズを行えない。……カードを1枚伏せてターンエンド。」

 

 

美遊 LP 1000

【悪食の神獣】 AT 3800

 

伏せカード 1枚

手札 3枚

 

 

煌城「…【おジャマ】じゃないなんて有り得ないですよ!それに関して薬島に対策させていたのに……このままだと薬島の面子が……それに合わせて私の面子も丸つぶれに……。」

 

龍昭寺「しかしあのカード1枚で状況をひっくり返すとは驚いたな……。まぁ、何か大きなデメリットがあるんだろうが。」

 

煌城「くっ!絶対に負けるんじゃ無いですよ薬島……。ここでコテンパンにやらなきゃ授業態度の悪い奴を一掃できないのですから!」

 

 煌城はそう叫びながらデュエルを見まもっていた。だが、彼女達はこの後に起こる悲劇を予想できていなかったのだった。

 

薬島「俺のターン、ドロー。俺は【愚かな埋葬】を発動しデッキから【天界教師 アミーデリア】を墓地に送る。そして墓地に行った【アミーデリア】の効果発動。このカードを除外する事で自分のライフを初期ライフの半分の数値まで回復する。」

 

薬島 LP 500 → 2000

 

薬島「そして俺は【天界教師 イングリード】を通常召喚。」

 

【天界教師 イングリード】★4 AT 1000

 

薬島「【イングリード】で【悪食の神獣】を攻撃。これと同時に手札から【オネスト】を捨て効果を発動し、【イングリード】の攻撃力を【悪食の神獣】の攻撃力分アップする。」

 

【天界教師 イングリード】 AT 1000 → 4800

 

薬島「これで終わりだぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 薬島がそう叫ぶと同時に【イングリード】の投げた英語の書かれていた本が【悪食の神獣】に直撃し、爆算した。

 

美遊「私はこの瞬間、手札から【悪食の看護師】の効果を発動。このバトルで発生するダメージを無効にして特殊召喚する。」

 

【悪食の看護師】 ★5 AT 200

 

 悪食という名前からか所々血で汚れたナース服を着た控えめな胸を持つ少女が現れた。それを見て一部の者達は【お注射天使リリー】で味わったトラウマを思い出すのだった。

 

薬島「……チッ。だがこれで終わりなのに代わりは無い。俺はこれでターンエンド。」

 

美遊「私はここで{ウィジャ盤}を発動。そして【死のメッセージ「E」】をセットする。」

 

 {ウィジャ盤}が発動された事には観客であるプラチナランクの生徒や煌城、龍昭寺も驚いていた。だが、美遊は気にせずに自分のターンへと移行するのだった。

 

 

薬島 LP 2000

【天界教師 イングリード】 AT 1000

 

伏せカード無し

手札 0枚

 

美遊「私のターン、ドロー。私はスケール4の【悪食の美食家】とスケール7の【悪食の手品師】でペンデュラムスケールをセッティング。」

 

 悪食という名前にしては血で汚れていない美少女がスケールに設置された。2人はさぁ、これからショーの始まりだ!と言おう張り切っていたが……

 

美遊「私は【悪食の看護師】を守備表示に変更してターンエンド。」

 

 美遊の一言でずっこけていた。ただ、すぐにペンデュラムスケールとしての仕事に戻っていたので特に意識はしていないらしい。

 

 

美遊 LP 1000

手札 1枚

 

【悪食の看護師】DF 1500

 

【悪食の美食家】スケール4

【悪食の手品師】スケール7

 

{ウィジャ盤}

〖死のメッセージ「E」〗

 

 

 

薬島「俺のターン、ドロー。」

 

美遊「私はここで【悪食の看護師】の効果を発動。自分フィールドに存在するのがこのカードだけの場合に発動できる。このカードをリリースする事で相手のメインフェイズ1、バトルフェイズをスキップする。その代わり私の次のターンはスキップされる。」

 

薬島「……チッ。俺は【天界教師マースェル】を召喚してターンエンド。」

 

【天界教師 マースェル】★4 AT 1800

 

美遊「私は{ウィジャ盤}の効果でデッキから〖死のメッセージ「A」〗をセットする。」

 

薬島「で、お前のターンはスキップされる訳だ。俺のターン、ドロー。俺は【天界教師 ゲンディーブ】を召喚。そして効果発動。【イングリーブ】【マースェル】【ゲンディーブ】がフィールドに揃った時、相手の魔法・罠カードを全て破壊する!」

 

【天界教師 ゲンディーブ】★4 AT 1400

 

美遊「それはできない。私は【悪食の手品師】のペンデュラム効果発動。1ターンに1度、魔法・罠を破壊する効果を無効にする。そしてこの瞬間、【悪食の美食家】のペンデュラム効果発動。片方のペンデュラムゾーンに存在するモンスターの効果が発動した時、その効果の対象となったモンスターを全て破壊する。今回対象になったのは【イングリーブ】【マースェル】【ゲンディーブ】の3枚。よってその3枚が破壊される。」

 

薬島「クソッ。俺は【マースェル】の効果発動。このカードが破壊される時、カードを1枚ドローする。そして俺はターンエンドだ。」

 

薬島 LP 2000

手札 1枚

 

美遊「この瞬間、{ウィジャ盤}の効果でデッキから〖死のメッセージ「T」〗をセットする。」

 

美遊「私のターン、ドロー。私はこれでターンエンド。」

 

美遊 LP 1000

手札 2枚

 

【悪食の美食家】スケール4

【悪食の手品師】スケール7

 

{ウィジャ盤}

〖死のメッセージ「E」〗

〖死のメッセージ「A」〗

〖死のメッセージ「T」〗

 

 

薬島「……舐めるなよ。俺のターン、ドロー!俺は〖魔語統制〗を発動。ライフを半分支払う事で相手のデッキから宣言した魔法カードを全て除外する。俺が選択するのは当然、〖死のメッセージ「H」〗だ!」

 

薬島 LP 2000 → 1000

 

煌城「これで勝負ありましたね。さてと、観客席にいるあの2人をスカウトしに行きましょうか。」

 

 煌城はそう言いながら観客席に向かおうとするが、ティーチャー薬島が困惑している様子を見て、何かがおかしいと観客席に向けた足を止め、デュエルの方へと集中させていた。

 

薬島「……おかしい、デッキに〖死のメッセージ「H」〗がどこにも無いたと!ま、まさか入れ忘れた?そうだよ、きっとデッキ調節中に間違えて抜いたんだよ。そうだ、そうに違いない!俺はこのままターンエンド!」

 

美遊「この瞬間、私は手札から〖死のメッセージ「H」〗をセットする。そして{ウィジャ盤}の効果発動。私はこのデュエルに勝利する。」

 

 

勝者  美遊

 

 

 その後、観客席で心配していた高原、特殊勝利についてご教授願おうと身を乗り出す佐倉の元に向かう美遊だったが、ティーチャー薬島はDEATHの文字に迫られた事により失神していた。まぁ、失禁しなかっただけプロの威厳は保てているだろう。

 

 

煌城「不正です!明らかに不正じゃ無いですか!」

 

 そんなティーチャー薬島の敗北を認めたくない煌城はデュエルログの改竄処理をして美遊が不正を働いたかのようにしようとしたが、当然の様に龍昭寺に止められていた。

 

龍昭寺「あの勝利は暗樹が最初から〖死のメッセージ「H 」〗を手札に持っていたからだろうが!つまり不正は何も無く、最後の魔法が不発に終わった事も不正行為では無い事は分かりきっているだろうが!」

 

煌城「あら?ゴールドランク講師の貴方に私を咎める力があると思いまして?」

 

龍昭寺「いや、お前のその腐った性根は叩き直してやらんと行けないようだ。いくら名門の煌城家の人間だとしても、ここまで横暴な事をみすみす見逃す訳には行かないんだよ!」

 

 

 その後、2人はデュエルディスクを構え、同時に叫んだ。それは煌城がViz空間の中で無いと自分のデッキが機能しないからと駄々をこねたからだ。だが、教師としてのプライドを賭けた闘いが始まろうとしていた。

 

 

龍昭寺・煌城「「Vizフルダイブ!!」」

 

 2人の体が仮想現実世界へと飛ばされた後、フィールドとなった宇宙空間の様な場所で2人は叫ぶのだった。

 

龍昭寺・煌城「「デュエル!!」」

 

 そして、2人の闘いの火蓋が切って落とされたのであった。その事を知らない観客席の者達は非常に珍しい{ウィジャ盤}での特殊勝利に驚きながら拍手を送っているのであった。





 オリカ+用語解説は区切りの良いときにやる感じになるので次回はそのまま本編です。

 今回出てきたオリジナルテーマ【悪食】は相手依存と言える程、相手の盤面や効果を使用する事で召喚できる悪魔族テーマ、【天界教師】はスポンサーが塾である事からその名前になった特定のカードを揃える事で強力な効果を発生させる天使族テーマとなってます。

 作中で効果についての説明省略している事がある為に「このカード鬼畜過ぎない?」と言われる様になっている事も多いですが一応即禁止にならないようにテキストは考えているつもりです。現役で無いので信用無いと思われそうですけどね……。

 次回は第2話で全く動けなかった龍昭寺先生のターンです。……というか話の展開上主人公VSな形が2話連続で続かない異様なシリーズになりそうだ……と思えましたがこのスタイルのまま突っ走りたいと思います。それでは次がいつになるか分かりませんがまた次回お会いしましょう。
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