1981時は止まった   作:ぴのこ

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人類破滅の危機を救えるのはたった一人
この男のみである。


クライシス

1981年3月29日

 

時は高度経済成長を遂げた8年後

米国では元俳優のR米大統領が銃で胸部を打たれるが未遂に終わり

一命を取り留める事件があった。

 

音楽ではサイケデリックや新ロック、フュージョン旋風が巻き起こり

ビートルズなどが原点となる新風が席巻する時代である。

 

木戸聖哉(きどせいや)は2065年から時空を遡って現れた未来人だ。

亜種が進化し、不滅の病原菌が人類を絶滅に追いやっている窮地を救うため

自ら開発したタイムマシンに乗って過去の時代へとやってきた。

 

1981年に米国ロスにおいて、ある同性愛者男性に後天性免疫不全症候群感染の症例が

初めて報告された。科学者であり医師でもある木戸は

人口減少を断絶させるために最も効果的なこの年に照準を合わせ、時空間移動マシンの開発を

進めてきた。

 

木戸のいる時間世界では、ほとんどの人種が滅び

残っているのは、コーカソイド系とモンゴロイド系のみであった。

 

1981年以前はまだ人口が増え続けていたため人類の破滅の危惧は

皆無だったが、日本でのバブル成長期以降は、DINKSディンクス(ダブルインカムノーキッズ)

という生活スタイルが流行り、人口減少に拍車をかけた。

 

木戸の目的はこの時代での新種の病原菌を死滅させることと

各人種のDNAを採取し、2065年に持ち帰り遺伝子操作させ人種と人口を

増やすことである。

 

木戸が開発したマシンでは時空間移動が可能だが、マシン自体を

発見され破壊されてしまうと自分の時代に戻れないという最大の弱点があった。

従って人目に付かない山奥であったり、未開地に着地させる必要があった。

 

そのためアマゾンの奥地のような、人里離れた渓谷に短期間

マシンを置いておく他、術がなかったのである。

 

木戸は有る程度の言語は駆使できるものの、希少言語である民族語などは

習得しておらず、通訳を介して街にでる必要があった。

 

木戸の時代であれば遠隔操作で通訳の調達も可能であるが

1981年に遠隔通訳を行えば、未知の現象として捉えられ

公に晒されてしまう危険性があったため、遠隔通訳の使用は不可であった。

 

木戸が一番最初に到達したい場所は日本であり、本人の研究所があるM県の

T大研究室であった。そこにはその時代でもDNA採取他、必要な研究施設が

揃っているからだ。また、木戸聖哉の祖祖父である木戸勇哉(ゆうや)が

この研究施設の責任者であった。

 

大切なのは、時空の法則を破らず木戸勇哉とコンタクトをとり、現在置かれている状況を

勇哉に説明し、理解させ協力を得る必要があった。

 

 

 




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