Fate/Silverio answer 作:いろはす(*´Д`*)
いやあー、楽しかった。
ただ、セイバー書いてて「あ、れ? この子女の子だよな?」と不思議になるくらい男らしい戦いしてて困惑。ちょっと修正しました……因みに修正前だと「腕が千切れた? それがどうした?」と笑って主人公蹴り飛ばされてました。はい。
何はともあれ、プロローグ10です。どうぞー。
※本編修正
※後書に記載したステータス修正
『「創世せよ、天に描いた星辰を──我らは煌めく流れ星」』
高らかに詠い上げた
魔力、否───それ以外の別の力が、まるで空に飛翔するが如く際限なく上昇を続ける。世界が震え、その
「なんだ、アレは──?」
「坊主、てめぇ……」
理解出来ない。なんだ、その力の奔流は? まるで──星そのもののような
「シエル、うそ、なによそれ……」
「シエルくん……? なんで、あんな……?」
「っ、シエルさん!!」
異様な様子に困惑し、混乱する。
オルガマリーは彼にあんな力があったなんて知らない、と呆然と光の輝きを見つめ、立香はどこか妙な気配を感じて首を傾げる。マシュは盾を構えて、今にも走り出しそうな勢いでシエルの名を叫んだ。
──しかし、声は届かず、彼は星を掴むべく飛翔を続けていく。
『「勝利の光で照らされた天地は今は失く、清浄たる王位は希望と共に闇に沈んだ。煌めく明日は訪れず、輝く未来は深淵へと堕ちていく」』
王位は砕かれ、希望が沈み、煌めく明日は闇の顎門に貪り滅される。未来は深淵の底へと堕ちていき、天地は絶望が支配した。
『「──しかし、まだだッ!!」』
ふざけるな、その程度で光が滅ぶと思ったのか? 笑止、あり得ない。馬鹿も休み休み言ってくれよ。
『「この両眼を見よ、視線に宿る猛き不滅の光を知れ──!」』
決意が高まる。嚇怒が燃ゆる。
『「再び未来を掴むため、煌めく明日を目指すため。遍く邪悪、その一切を貫いて、約束された繁栄を新世界にて齎そう!!」』
全ては未来を、明日を、勝利を掴む為に。いざ、いざ、刮目しろ。
『「さあ、光輝を纏え! 万物斬り裂く剣を構えよ! その手に偉大な雷火を灯し──たとえ朽ち果てようとも、必ず
さあ、空に舞い上がれ───
『「
──雷霆の化身。
遍く邪悪、その一切を貫き滅ぼす光の剣が今ここに顕現した。
〜γ〜
『ふふ、ふふ……! いい気分よ、星がよぉく見えるもの! まだ完全に至ってはいないけれど──今は十分ね。さあ、
頭に響く──違う。
胎動する心臓から響く愉しげな少女の声、まるで幼い子供が新しい玩具を貰って喜んでいるような感情が伝わってくる。同時に恐ろしく艶めかしい気配も漂っており、鎖に四肢を絡め取られる感覚が体を支配している。属性が矛盾している──幼さと妖艶が混ざり合った不思議な存在に、しかし不快な気分は湧かなかった。
「──言われなくとも、迎えにいくさ」
『あら、そう? なら余計なお世話だったわね、ごめんなさい。さあ人形、あの堕ちた騎士王に反逆しましょう! ふふ、王殺しなんて心が躍るわね!』
「心が躍る、か」
『あら? 楽しくないの?』
心底から疑問に満ちた声、首を傾げている少女の姿が幻視出来る。しかし、楽しい──楽しいか……そんなこと考えたこともなかった。
今まではやらなければいけない、その一心で刀を奮ってきたから。邪悪は許して置けない、全てを斬り裂き、煌めく明日を目指す為に凡ゆるものを轢殺してもただひたすら前に進むのだ、と。
だが、目の前にいる騎士王を見つめると──自然と刀を握る力が強まる。そして……あの騎士王に情けない戦いは見せられない、俺も負けてはいられないと敬意と闘志が湧いてくる。同時にこの戦いが自分をさらに強くさせると直感して、段々と胸が熱くなっていく。
「ああ、これが──」
『ええ、そう。それが、楽しいという感情! 嬉しいという感情! ふふ、貴方は強者との戦いに心が高鳴っているの! まるで恋する乙女みたいにね!』
くるくる、くるくると少女は廻る。鮮血の階段を一歩、一歩昇っていく。──その先に待つ
『あら──お話はここまでのようね。もう、せっかちな王様だわ!』
「そうだな……戦場に戻ろうか──
『ええ、ええ! 楽しんで戦いましょう? そう全ては──!』
『「
刀に高出力の雷霆を集束、そのまま付与して逃さないように維持性でその場に留め、優れた操縦性により全ての力の流れを把握して常に
「往くぞ──」
『ふふ、ええ! ええ!』
体の
「──
──瞬間。爆発的なスピードで景色を置き去りにして、
そのため、自然と取れる選択肢は限られてしまう。
セイバーは身体中に走った雷に苦悶の声を漏らしながら、天才的な直感で次々と回避するが──全てを回避する事は出来ずに、確実にダメージを負っていく。
だがそれでも、シエルに幾つも聖剣を叩き込んでダメージを与えているのは流石騎士王と言えた。
「ッグ、フッ──!」
「ガッ、グッ……! まだだ、まだ足りない──!」
もっと、もっと強く。まだ速くなれる。まだ剣を研ぎ澄ませられる。まだ動ける。まだ、まだ、まだ、まだッ──!!
一分前より速く、三十秒前より鋭く、十秒前より強固に、一秒前よりもっと強く、とシエルは際限なく飛躍を続けていく。先ほどとは別人のような動きを見せる彼に対して、セイバーは驚きつつも──愉快そうに獰猛な笑みを見せる。
──いいぞ、そうでなくては面白くない!
「ああ、
今まで意図して抑えていた力を解放し、一気に力の八割を引き出した。剣が音を置き去りにし、力が尋常じゃなく強化され、魔力が飛躍的に上昇する。雷霆纏った刀を真っ向から弾き返し、体に走る雷を魔力で霧散させる。そして額をシエルの顔面に思い切り打ちつけ──彼もまたソレに応えて、真っ向からセイバーの額に自ら当たりにいく。
人体がぶつかり合ったとは思えない音が鳴り響き、シエルとセイバーは額を付き合わせて瞳をお互いに見つめ合う。これだけ見ればロマンスを感じるかも知れないが、互いに血だらけで悲惨な姿である。そして二人は──修羅場も裸足で逃げるだろう威圧感のある笑みを浮かべていた。
「流石──ッ! だからこそ、負けられないッ!」
「は─ッ! いいぞ、貴様が気に入った! さらに斬り込め! さらに前へと来い! 私をもっと楽しませろよ──ッ!!」
「貴様に、言われるまでもないッ!!」
斬ッ、斬ッ、斬ッ! ──と鋼が重なり、死の音色を奏でる。血飛沫撒き散らしながら斬り合う彼らを眺め、援護しようと構えていたクー・フーリンはどこか楽しそうな二人を見て苦笑していた。
「はぁ──。邪魔したら無粋だろうなぁ、こいつは。……危なくなったら助けるが……まっ、大丈夫か。気張れよ、坊主」
──いつだって、男は困難に立ち向かうものだろう? そして、その困難な壁を乗り越えるもの。多少手を貸すのはいいが、最終的には自分自身でやらなければ意味がない。今が、手前自身で壁を壊すときだ。
「だから、まあ。見といてやれや、嬢ちゃん達」
「で、でも──!」
「クー・フーリンさん……」
「分かってるわよ、そんなこと……はぁ」
「おう、白髪の嬢ちゃんは分かってんな。まあ、そういう事だ二人とも。──漢見せてんだ、好きにやらせてやりな」
「……納得、出来ませんが。分かりました……今の私じゃ、足手まといですからね……」
「マシュ……。うん、分かった──シエルくんを信じるよ。でも、危なくなったら、助けてあげてくださいね?」
「ああ、任せときな。心配はいらねぇよ……坊主は何かを成す器を十分に持っているさ。
セイバーは空っぽだとか、哀れな人形だとか言っていたが──この先変わるかもしれないんだ、悲観するこたぁねぇよ。だからよ坊主……勝て、勝って救え」
十分に持っているさ、まで立香達に伝えて、後の言葉は咆哮を上げてセイバーに立ち向かっているシエルに向けて言い放った。
そして激化する戦場に決着の時が近づいてきた。セイバーと凄まじい斬り合いを演じているシエルは限界を既に
「ぐっ、ぉぉぉおおッ!!」
「ハァァァァァァァアッ!!」
激突に次ぐ激突。両者の体は既にボロボロに擦り切れており、いつ倒れてもおかしくない有様だった。だが、気合いと根性でもって耐え抜いて──力強く剣を重ね合わせる。その度に血飛沫が体から噴き出すが、彼らは微塵も気にしない……いや、気にすることが出来ない。少しでも目を外したら、あっという間に斬り殺されてしまうからだ。
「ッ、雷よ招来せよ──!」
「唸れ、
発生した雷雲から落雷を落とすが、セイバーが嵐の如き一撃をもってそれを吹き飛ばす。これは斬り合う内に、幾度も繰り広げられた光景だ。シエルが都度、三回目の覚醒の際に会得した遠距離から放つ高出力の落雷だ。当たれば必殺、それを牽制にしか彼は使わない──何故なら全てが掻き消されてしまうから。
「出鱈目だな、聖剣とは──ッ!」
「はっ、お前がそれを言うのか? 幾ら覚醒したら気が済むんだ? 激しくて、私の体が持たないぞ──?」
「ッ、黙れ『貧乳』ッ!? なっ、貴様──!」
『ふふ、愉快ね。見なさいな、人形? 王様のお顔が鬼のよう! ふふ、ふふ!』
「はは、全く面白い冗談だな──?」
「チィッ、面倒な──ッ!」
魔力爆発。間近で受けるわけにはいかないため、後方に全力離脱。離脱する際に落雷を落とすのは忘れない。
落雷が落ちて土煙が立ち込める中、シエルは刀を構えながら軋む体に電流をさらに流して無理矢理体の活動を維持させる。既に内臓器官の半分はグズグズと溶け落ち、血管は灼け爛れている。骨は砕けている割合の方が多く、無事なものの方が少なかった。
「魔力の高まり──遂にくるか、あの極光が」
『そうみたいね。貴方も構えなさいな?』
「ああ」
天を貫く、黒い極光。
星を束ね、究極の斬撃を放つ宝具。それが最大出力で顕現、シエルの前に現れた。手加減した一撃が開幕のもの……本気の一撃がどれほどのものかは想像に出来ない。
「──決着の時だ」
さらに出力が上昇する。限界を超え、霊基がヒビ割れていくが──なんだそれは、関係ない。ここまで私に喰らいついた少年に手加減なぞ出来るのか? ……ああ、出来るわけがない。
──私が放てる最高の一撃を手向けに、此度の戦いの幕を下ろそう。それが、命を賭して斬り合った彼へ贈る最大の賛辞だ。
「──ああ聞き忘れていた、名は何という?」
「シエル。シエル・エンプティだ──騎士王アーサー」
「シエル、シエル……いい響きだ。それと、私の名はアーサーではない。アルトリア、アルトリア・ペンドラゴンだ。覚えておけよ?」
「ああ、この胸に刻みつけよう」
「そうか、そうか───では、往くぞ」
「──ッ!」
空気が変わる。
魔竜ヴォーティガーン、かつてブリテンの王の一人だった者。強大な力を持ち、円卓の騎士ですら叩き伏せた
「卑王鉄槌───極光は反転する」
発動体制、それに合わせて此方も構える。最大出力、防ぐか、避けるか──否、違う。
「真っ向から、斬り伏せる──ッ!」
『ええ、そうよ! 今の貴方なら、あの極光を斬り裂ける──裁きの雷霆を見せて頂戴な?』
「──ああ、証を見せよう」
刀身に雷霆が集束していく。周囲に稲妻が発生し、大地を雷が焦がしていく───そして、遂に。
「光を呑め───!」
「闇を斬り裂け──!」
「
「───
黒い極光、裁きの雷霆が激突し───そして。
「──見事だ」
───黒い極光を斬り裂き、セイバーの体を霊核諸共裁断した雷霆が勝利をその手に掴んだ。
「ガッ、ハアッ、ハアッ、ハァッ……ッ!」
勝利を手にしたものの、シエルも無事ではない。己の器、その許容範囲以上の力を行使した代償に
『あらまあ、驚いたわ!』
「ぁ、ぐっ──」
『予想では、九割以上が身体機能停止していたのだけれど……流石よ、流石だわ! 私◼️人形! ◼️◼️なら、き◼️と──◼️◼️◼️!』
「な、んだ──?」
少女の声が、聞こえない。いや、待て、待ってくれ───俺は
どうして体から別人の声がする? どうして別の意識が存在する? 分からない、分からない──ッ! ああ気持ち悪い、吐きそうだ──。
「っと、大丈夫か? 坊主」
「きゃ、すたー……?」
駄目だ、呂律が回らない。頭が痛い、割れそうだ……。意識が闇に堕ちていく──。
「……お疲れさん。今は眠れ、後は任せな」
──キャスターの妙に優しげな声、それを最後に意識を落とした。
『あらまあ、残念───次が楽しみね…? また一緒に踊りましょうね、私のかわいい
ふへー、疲れました。
主人公の詠唱は閣下とアッシュを混ぜて、少し内容を変えたものです。能力に関しては……最後の方に簡単なステータス載せときます。かなり、独自解釈というかアレなんでご注意を。まあ、あまり気にしないでくださいね。
さあて、本当は所長の「シエル、貴方を愛してる──」やらレフの「醜い人形が──」やらキャスニキの「焼き尽くすは木々の巨人──!」とか書いてましたが、全カット。
すまない、早く終わらせたかったんだ……すまない。
さて、次回は序章の短めなエピローグ挟もうかな、と考えています。その後はいくつか幕間の物語を執筆しようかと──皆さんにもちょっとだけ協力してもらえたらなー、と考えています。はい。
詳しくは活動報告に書いておきますんで、良ければ見てくださいね。
じゃあ、また次回もよろしくね! 感想、アドバイスなどなど待ってます!
↓以下ステータス+その他↓
【天煌せよ、光輝の天空神・雷霆之型】
基準値:C
発動値:A
集束性:AA
拡散性:B
操縦性:A
付属性:A
維持性:B
干渉性:B
集束性に特化した
集束性は言わずもがな、全体的に優れている。目立った欠点が少ない、万能型。
※操縦性特化から維持性特化に変更
※ステータスが万能型の優秀な子になったよ! やったね!
※維持性特化からさらに集束性特化に変更
↓以下、セイバー消滅直前の会話↓
セイバー「おい、狗」
キャスニキ「あ?」
セイバー「縁は繋いだ後は分かるな?──と伝えておけ」
キャスニキ「いや、なんで俺が「やれ」──はいはい」
セイバー「よし、では帰る。ああ、お土産を置いて行こうか──貫け」
キャスニキ「なにやってんだ、聖剣投げて……」
セイバー「なに、ちょっとイラっとしたからな」
キャスニキ「なにこの王様こわい」
以上、駄文でした。