Fate/Silverio answer 作:いろはす(*´Д`*)
prologue4が……出来たので投稿します。いや、ちょっと内容削り過ぎたけど、出来たので。はい。
一話一話、大体三千字から四千字辺りを目標に書いているのですが、短いのかな? どうなんでしょう。まあ、しばらくはこのスタイルです。
長くなりましたが、prologue3です。どうぞ。
クー・フーリンからの提案を受けて、共同戦線を組む事になったシエル。彼らは大聖杯を守護するセイバーのもとへ向かうべく、襲いかかってくるエネミーを排除しながら歩みを進めていた。
「キャスター、前方にエネミーの群れだ。おそらくスケルトンだと思うが……わかるか?」
すれ違いざまに首をひと撫で、胴体のみになったスケルトンを蹴り飛ばして、爆炎でスケルトン数十体を吹き飛ばしているクー・フーリンへ声を飛ばした。
「ん、ああ。スケルトンが大体……50近くか、さっきよりかは少ねえよ」
つまらなそうにそう言って杖をくるりと一回転。
「もっとやり甲斐のある奴はいないのかねぇ……こうも骨、骨、骨と続くと流石に飽きがくるもんだ。坊主、お前さんはどうだい?」
もっと戦い甲斐のある奴らの方がいいだろう? と言いたげな目を向けてくる彼に対して、シエルはスケルトンの頭蓋を粉砕しながら答える。
「戦いに飽きるも何もない。ただ俺は、目的の為に必要だから刀を振るっているだけだよ。それ以外には何もないさ」
「へぇ、そんなもんかい。まあ、良いんじゃねえのそれも。んで、どんな目的の為に刀を振るってんだ? 金か、女か、地位や名誉か、それとも別の何かしらか」
「そうだな……強いて言うなら──煌めく明日を目指す為、か」
「煌めく明日? なんだそりゃ」
「───昨日より良く、平和に満ち、希望に溢れた
「そいつは、また……」
「無理難題、無茶無謀、馬鹿な夢だ叶うわけがない? それがどうした。やらなければ、何も始まらないだろうが。出来ないからやらない、そんなものは理由にはならない」
そう語る彼の目は雄々しく、綺麗で、何より……どこか
「悪を斬り裂く、雷霆に。悪の敵になるんだ……俺は必ず、必ずッ」
パチリ、と刀から音が鳴る。
そして瞳は赤から、青へと変わり──。
「おい、坊主。しっかりしろ」
「あ──と、すまない。少し、呆けていた……行こうキャスター」
「……ああ」
刀を持ち直し、前を見据えて歩き出すシエルの背中を見てクー・フーリンは確信した。あの身体能力、卓越した剣技。さらに、先ほどの彼の言葉の気味の悪さ。ああ、確信したとも。
───
警戒度を一気に上げて、シエルの後に続いていく。今は仲間だが、仮に敵対する事になればこいつは「そうか、惜しいが仕方ない」と斬りかかってくるだろう。力量差を理解した上で、何の躊躇も無く確実に。いやはや、これは。
「くく、退屈しなくていいじゃねぇの」
斬り合い、殴り合い、殺し合い、真剣勝負。大いに結構、大好きだ。もしそうなるとしたら、此方も遠慮なく業の冴えを見せつけよう。
「おいおい、俺にも獲物は残してくれよ!」
スケルトンの群れに突っ込んで、縦横無尽に刀を閃かせる少年を見て、森の賢者は矢を構えているスケルトンを爆散させながら獰猛な笑みを浮かべた。
〜β〜
「先輩! 大丈夫ですか? お怪我はありませんか?」
「う、うん。大丈夫だよ、ありがとうマシュ」
藤丸立香は駆け寄ってくるマシュに微笑んだ。するとマシュは安心したのか、ほっと肩の力を抜く。なにせ、戦えるようになったのはつい先ほどからだ。自分がちゃんと戦えているのか、しっかりと
「マシュは大丈夫? 怪我はない?」
「はい! 大丈夫です!」
「そっか。ならよかった」
立香はそう言って辺りを見渡す。
どこもかしこも見るもの全てが炎に包まれており、建築物はほとんどが倒壊して瓦礫になっている。見上げた空はどんよりとした曇天で、見ていると「どうしてこんな……」と気持ちが暗く沈んでいく。
……しかし、ここで落ち込んでいたらマシュも不安になってしまうだろう、頑張れ私。立香はへし折れそうになる自分の心に活を入れ、これからどうしたものかと考える。カルデアとの通信は繋がらず、ノイズが走るばかり。周囲には生存者も見当たらず、ゲームで出るような怪物が跋扈している。マシュが戦えるようになっているから、辛うじてまだ大丈夫だが……それもいつまで続くかわからない。
……現状、どうしようもならなかった。
頭が痛くなる。私は普通の女子高生だぞ? こんな映画みたいな状況どうにか出来ると? ふざけんなよ、一般人舐めんな。
「って、文句言ってもねー……はぁ」
意味がない。それで現状がどうにかなるなら、自分が分かるありとあらゆる罵詈雑言を叫び散らしてやろう。
しかし、そうしたって何も変わらない。ただ無駄に体力を消耗して、怪物を呼び寄せてしまうだけである。南無三。
「せ、先輩! 先輩! あれ、あれ見てください!」
なんの益もないくだらない事を考えていると、突然マシュが立香の服の袖を引っ張って、何やら前方に指を指し示した。それを辿って、目をそちらに向けると───
「ッ、もう! なんなの! ついてくるな! やめてよ!? もう、やだ! 来ないで! 来ないでよッ! ひいっ、矢、矢がぁ! だ、誰か助けてよぉ! シエルぅ! レフぅ! ああっ、もういやぁぁあ!!」
銀髪の女性───オルガマリー・アニムスフィアがスケルトンの群れに襲われていた。時折放たれる矢を「ひぃっ」やら「今掠った! 掠ったってばぁ!」とか悲鳴を上げて避けている。
立香は「うわぁ(HAHA敵がいっぱいだ)」と引き気味の声を上げ、マシュは「凄いです! 全て避けてます!」とどこかズレた発言をして号泣して走るオルガマリーを見ている。と、そこで。
「あっ」
立香とオルガマリーの目があった。目と目が合う〜……。
立香はその目を見て「よしっ」と頬を叩いて、隣のマシュに向き直った。
「マシュ」
「はい、先輩」
「助けに行こうか! まだ、頑張れる?」
「はいっ! マシュ・キリエライト、いつでも行けます!」
よし、頼もしい。流石我が後輩だ。
「よぉし! 瞬間強化! 一気に行くよ、マシュ!」
「はい!」
礼装を起動して、マシュを強化する。一定時間使えなくなるという欠点はあるが、素人の立香でも起動できるものだ。……彼女は震える足を抑え込む。怖いし、嫌だ。だけど、やらなくちゃいけない。きっと、それが正しいことだから。彼女は恐怖を押し殺して、走り出すのだ。
───心が磨り減るのを感じながら、必死に……必死に。
「マシュ! 先ずは所長の近くに迫っている数体を抑えて! 私はその隙に所長を保護するから! ……頼めるかな?」
「はい、お任せください! ッハァァァァァ!!」
巨大な十字の盾を自らの前に展開して、強化された体のままに勢いよく飛び込む。巨大な盾はそれだけで武器となり、オルガマリーに迫っていたスケルトン数体を纏めて吹き飛ばす事に成功する。さらに、そこで止まらずに彼女は左右に盾を振り抜いて、斬りかかって来ていたスケルトンの体を粉砕した。
残り、スケルトン六体。吹き飛ばしたのが四体で、その内の三体は腕や足が粉砕されていた。脅威度は下がったが、まだ油断は出来ない。マシュは盾を前方に構え直して様子を伺う。と、そこでオルガマリーを保護した立香から声がかけられた。
「マシュ! 所長は保護したから、サポートに入るね。一緒に戦おう!」
「はいっ、頑張ります!」
立香の声を聞いて気合いを更に入れる。私は一人じゃない。先輩がいるんだ。絶対に負けるものか。盾を握る力を強め、立香の言葉に応えるが為に勇気を振り絞る。怖いけど、大丈夫だ。
「所長、ちょっと行ってきます。ここで待っていてください」
「はぁ、はぁ、っはぁ、え、えぇ……っ」
立香は疲労と恐怖から座り込むオルガマリーに一言告げて、マシュの後ろに立った。
「行くよ、マシュ」
すぅっと息を吸って、ゆっくり吐く。よし、大丈夫だ。
「先に負傷したスケルトン三体を倒そう。無理はせず、突っ込みすぎないでね」
「了解です! っはあっ!!」
駆け出す。
デミ・サーヴァントとなった彼女の身体能力は普通の人間のそれを遥かに凌駕する。ほぼ数秒で負傷したスケルトン三体の前に辿り着き、跳躍。盾を使って押し潰す。粉砕した感覚が手に伝わり、やったと確信する。が、しかし。
「っ、だめ! 下がってマシュ!」
辛うじて生き延びたスケルトンの一体が棍棒をマシュの背中に振り下ろした。立香が指示を出すも一歩遅く、勢いよく背中に直撃する。耐久力が上がったとはいえ、当然ダメージはある。肉を打ち、背骨に伝わる強い衝撃に呼吸が一瞬止まる。
「マシュ!?」
立香の叫びが聞こえた。心配そうに顔を歪め、今にも走り出しそうだ。いや、走り出していた。責任を感じているのだろう、自分の指示がダメだったからと。
違う。私の力が足りなかっただけだ。
違う。先輩の指示が悪かったんじゃない。
「くっ、このぉっ!!」
立香の右ストレートがスケルトンの頭蓋を打ち抜く。強力なものではなかったが、弱っていたスケルトンには効いたようで、ガラガラと音を立てて崩れ落ちていた。立香は痛む腕を庇いながら、マシュの側に寄り添う。
「〝応急処置〟──マシュ! 大丈夫!?」
「は、い。大丈夫…です。ありがとうございます!」
「ごめんね、私の指示が──」
「先輩のせいじゃありません。私が至らなかったから……次は大丈夫です。必ず、やってみせます!」
「……そっか。うん、頼りにしてるねマシュ」
「はい! それでは、いってきます!」
力強く地を蹴り、盾を振り抜くマシュ。先ほどとは明らかに違う、より強くなった一撃がスケルトン三体に打ち込まれていく。立香も時折危ない瞬間、チャンスに指示を拙いながらも出して、さらにマシュの動きは洗練されていった。
そして、最後の一体の頭蓋を砕き、戦闘が終了する。
盾を支えに荒い息を吐くマシュの元へ駆け寄り立香は「マシュー!」と抱きついた。このこのー、可愛い後輩めー! 頼りになるなー私の後輩はー! と顔をスリスリ擦り付けている。マシュは「せ、先輩!? あ、あの、そのぉ」とオロオロとしてなされるがままだ。
先ほどの殺伐とした空気とは一変して、微笑ましい光景が広がっていく。オルガマリーはその代わりように呆気に取られる。……そして、状況を理解して嘆きの声を上げた。
「……なんなの、本当。マシュがサーヴァント? あの一般公募のあの子がマスター? ああ、冗談よしてよ、もうぅ……っ」
頭を抱える。
カルデアとは通信が繋がらないし、シエルとレフがいないし。どうすればいいのよ、もう……! と唸るオルガマリーの元へとじゃれあっていた立香とマシュがやってきた。立香は「所長? あのー」と声をかけているが、彼女はぶつぶつと何かを呟くだけだ。
「……しばらく、そっとしておこうかマシュ」
「……そうですね、先輩」
しばらく様子見をしておこう、と決めた二人は周囲の警戒を始める。辺りにはもう敵影は見えず、大丈夫であろうが念には念をだ。
実際、それは正解だった。周囲の警戒をしていなければ、迫るナニカに気づかなかったのだから。
苦難は乗り越えた。
力を合わせて、より絆も深まっただろう。
なら、ほら。
「う、そ……」
もう一度、力を合わせて頑張れよ。絆の力、美しい主従関係をもって勝利の運命を手繰り寄せてみろ。
「そんな……」
さあ、さあ、さあ───
「さ、サーヴァント……!?」
───次の苦難、困難、試練がやってくるぞ。
「◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️────ッッッッ!!!!」
はい。如何でしたか?
全体的にハードモードです。
立香ちゃんは原作よりメンタル弱く、より一般人に。まあ、戦えてる時点で一般? え? ってなりますが。原作よりかは比較的メンタル弱く設定してます。つまり、わかるな? 愉悦部なら分かると思う。うん。
さて、次の苦難がやってきたぞい。
果たしてどうなるかは……待て次回!
因みに、次回はprologue6が書き終わったら投稿です。気長に待ってねー。