八幡のカントー地方 〜ぶらり一人旅(希望)〜 作:龍@pixivでも活動中
いろは視点
#セキチクシティポケモンセンター喫茶店
いろは「すみませーん、お待たせしましたー」
私は座っていた喫茶店の席につきました
雪乃先輩と結衣先輩も各々好きなところへ座りました
ちなみに席順ですが
長机の周りに椅子が8つほどあって
○ ○ ○ ○
[長つくえ]
○ ○ ○ ○
このような配置です
上側の4つに端から私・雪乃先輩・結衣先輩と並び
私の向かいに先輩、その隣にシオンちゃんと並んで座っています
つまり先輩の隣をシオンちゃんが占領しているのです
これはやっぱり…
って、その事は後々!
今はとりあえず先輩がこの5日間に何をしていたかを聞きましょう
その中でシオンちゃんの事も聞けるでしょうし
はちまん「待たせたって…お前ら何の話しをしてたんだよ」
ゆい「ねーねーヒッキー」
はちまん「結衣?どうした?」
ゆい「根ほり葉ほりってどういう意味?大根と何か関係あるの?」
はちまん「…お前ら本当に何の話しをしてたんだよ」
はっ!
私が考え事をしている間に結衣先輩が話しをややこしくしてしまいました
それに先輩にも少し怪しまれていますし
これは早く軌道修正をしなくてはこちらの意図がバレてしまいます
いろは「結衣先輩の事はほっといてください、後で雪乃先輩と一緒に説明しますから」
ゆきの「どうして私も説明する事になっているのかしら?」
いろは「何言ってるんですか。結衣先輩の担当は雪乃先輩じゃないですか、いまさらですよ」
ゆい「わたしの担当ってなに!?」
ゆきの「そうね、すっかり失念していたわ」
ゆい「ゆきのんも何で納得してるし!?わたしがそんなに手のかかる子だと思ってるの!?」
いろは「はい」
ゆきの「ええ」
ゆい「なっ…」がーん
あ、結衣先輩が落ち込んでしまいました
少し言い過ぎましたね
後で励まさないといけないです
本当手のかかる先輩です
ゆきの「では先ずはお互いに自己紹介をしようかしら。私の名前はゆきの、貴女は?」
シオン「………………………わたし?」
ゆきの「ええ、貴女の名前を聞かせて欲しいわ」
シオン「………………………しおん」
ゆきの「そう、シオンと言うのね」
ゆい「わたしはゆいって言うの!よろしくねシオンちゃん!」
シオン「………………………ども」
おお、さすが結衣先輩
自己紹介とあらば瞬時に立ち直りました
人と繋がりを持とうとする時の行動力は人一倍ですね
こういう所は私も見習わないといけませんね
いろは「それでですね先輩、私達がいなかった間に何してたんですか?」
はちまん「何してたって聞かれても、どう話したもんか」
ゆい「あ、だったらまずは新しいポケモンを捕まえたとか、ポケモンが進化したとかそういう話しはどう?それなら難しい事を考えなくてもいいでしょ?」
いろは「おお!結衣先輩グットアイディアです!」
ゆい「今のうちにお互いの顔を知っておかなきゃいけないしね!」
いろは「ではポケモン達をボールから出せるところへ行きましょう!そこでみんなのおひろめ会です!」
ゆい「えっと、ここはポケモンを出したらダメだし、ちょっと狭いかな。ならこのポケモンセンターにあるバトルするところに行こうよ!あそこなら問題ないよね!」
いろは「はい!それではさっそくレッツゴーですっ!」
ゆい「ゴー!」
結衣先輩と共にポケモンセンターの裏手にあるバトル場へ
意気ようようと向かう私と結衣先輩を見て先輩と雪乃先輩はしょうがないと言う感じでついて来ます
その先輩の後をシオンちゃんがついて行ってます
…距離が近いと思ったのは私だけでしょうか
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
#セキチクシティポケモンセンターバトル場
バトル場へつきました
そこはポケモンセンターの後ろにある小さな山をくりぬいて
その穴の中に作られていました
かなり暗いです
照明はあるにはありますが、それもバトル場やベンチなどの設置物の周りだけでして
それ以外のところは暗闇です
バトル場は数えて4つです
その内3つはもう利用している人がいました
残っているバトル場を使います
ベンチはバトル場を挟んで両側に2つずつあります
その内の1つにみんなの荷物を置きます
ここでポケモン達のおひろめをするのでバトル場の真ん中に集まろうというわけ、なのですが
はちまん「どっこいしょ」
この先輩はなぜベンチに座ったのでしょう
いろは「あの、先輩。早く真ん中に集まりましょうよ」
はちまん「え?俺も?」
いろは「…主に先輩のポケモンが見たいからここに来たんですが」
はちまん「でもアイツらも座ってるぞ」
いろは「え?」
周りを見ると雪乃先輩と結衣先輩が、先輩の座っているベンチのすぐ隣にあるもう一つのベンチに座って、シオンちゃんもいつのまにか先輩の隣に座っていました
いろは「ええ!?何で先輩方も座っているんですか!?」
ゆきの「その男がだらけてベンチに座るのはわかりきっていたわ。それを咎めるのも面倒だし、だったら最初から私も座っておこうかと」
ゆい「あはは、ヒッキーはヒッキーだからね」
はちまん「どういう意味だ」
いろは「こ、この先輩どもは…」ぷるぷる
先輩がだらけるのは仕方ないですが
雪乃先輩と結衣先輩も一緒になってだらけてるのはどうなんですか
ここへ何で来たのかわかってます?
いろは「はぁ…」
3対1…いえ4対1では私の意見も通りにくいです
ここは私が率先して動くしかありません
全く世話のかかる先輩達です
私はバトル場の真ん中に立ちました
いろは「…ん?」
何気なしに周りを見回すと
他のバトル場を使っている女の子がおかしな格好をしていました
歳はシオンちゃんくらいでしょうか
しかしあの服は何でしょう
浴衣のような和服をツーピースに着ています
それになぜか鼻と口を布で隠しています
詳しそうな先輩に聞いて見ましょうか
いろは「先輩先輩」
はちまん「ん?何」
いろは「あの子の格好ってなんていうものなんですか?」
私は先輩の元に戻って
その女の子の服装を先輩に聞きました
するとそれを見た先輩の顔色が変わりました
はちまん「…あれはまさか」
いろは「どうしました?」
はちまん「…いや可能性としては有りなのか?そうだここは…」ぶつぶつ
いろは「先輩?」
はちまん「え、あ、悪い。アイツの格好だがな、あれは忍び装束って言うやつだ」
いろは「しのび装束?」
それって忍者が着る服ですよね
テレビで見ました
壁を走ったり手裏剣を投げたり
いろは「でも忍者って男の人がやるものなんじゃないんですか?あの子は女の子ですよ?」
はちまん「いや男女共に存在すると思うぞ。元々忍者ってのは怪しまれずに情報を集めたりする職業だからな。男社会だった時代なら女が1番怪しまれにくいし、ターゲットに近づいて暗殺するのも男よりやりやすいだろうからな」
いろは「へー」
はちまん「絶対興味ないだろお前。で、ああいう女の忍者を『くノ一』っつーんだ」
いろは「くノ一ですか?」
はちまん「女って漢字をバラバラにしたらく・ノ・一に分けられるからそう言われるんだろ。詳しい事は知らん」
いろは「ほえー。あ、じゃあ私もくノ一になれますかね!」
はちまん「時代が違うし、それになってどうすんの?多分面倒くさい仕事を押しつけられるだけだぞ」
いろは「そーじゃないです。あのしのび装束を着てみたいんです」
はちまん「はあ?いや似合わんと思うぞ」
いろは「え!?な、何でですか!?」
私にそこまで魅了がないというわけでしょうか…
そんな…先輩の口から…
はちまん「お前はあんな暗い感じの服より、もっと明るい色の服が似合うと思う。その方がお前の性格にもぴったりだし」
いろは「えっ!せ、せんぱいは私にそういう服を着てもらいたいんですかっ!?」///
はちまん「うえ!?い、いやそういう意味じゃなくて、ただお前は明るい色が似合うってだけで…」
いろは「そ、それなら…明るい色の…どんな服がいいでしょう?」///
はちまん「どんな服って言われても…」
いろは「私はどんな服が似合うと思いますか?」///
はちまん「え、えっと、その…」
いろは「あ、ご、ごめんなさい!せんぱいは服とかにうといですからこんな事聞かれても困りますよね…ごめんなさい」
はちまん「そ、そんな事は…。えっと、パーカーは…微妙か?」
いろは「パーカー?それってせんぱいの着ているのと同じやつですか?」
はちまん「これは黒色だから明るい色とは違うだろ」
シオン「………………………でもきやすいよ」
いろは「はい?」
ゆきの「え?」
ゆい「へ?」
きやすい?
着やすいってどういう意味ですか?
先輩のパーカーが着やすい事なんて事を何でシオンちゃんが知っているんですか?
そんなの着ないとわからないじゃないですか
…まさか
ゆい「ね、ねぇシオンちゃん、そ、それってどういういみ?」
シオン「………………………なにが?」
ゆい「何でそんな事知ってるのかな、って」
シオン「………………………これ」
結衣先輩の質問にシオンちゃんは自分の小さな鞄から先輩と同じ服を取り出しました
ゆい「え!?な、何でシオンちゃんがヒッキーの服を持ってるの!?」
いろは「…はっ!そ、それはシオンちゃんが自分で買った物ですよね!?そうですよね!?」
シオン「………………………はちからもらった」
ゆい「」
いろは「」
ゆきの「…どういう事かしら、そこの逃げようとしている比企谷君」
はちまん「げっ」びくっ
私達の空気が重くなったのを危険と感じたのか
先輩はコソコソ逃げようとしていました
先輩が気配を消していたので逃げる時の初動がわかりませんでした
ナイスです、雪乃先輩
いろは「どーいうことですー?せーんぱい」ゴゴゴ
ゆい「何でシオンちゃんに服をあげたの?」ゴゴゴ
はちまん「そ、それはやむおえない事情があってだな」
いろは「自分の服を女の子にあげる事情ってなんですか!?」
シオン「………………………いろはるん」
いろは「な、なんですかシオンちゃん」
シオンちゃんが先程つけてくれたあだ名で呼んできました
センスは微妙ですが…
シオン「………………………あんしんして」
いろは「安心?」
ゆきの「何が安心出来るというのかしら」
シオン「………………………ちゃんとわたしのふくもあげたから」
いろは「」
ゆきの「」
ゆい「」
…言葉が出ません
安心どころか乱心してしまいそうです
私が暴れる前にゆきの女王が動きました
ゆきの「説明」
はちまん「…ま、待て、これは」
ゆきの「説明」ギロ
はちまん「仰せのままに」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
はちまん「うーん、説明するにしてもどこから…」
先輩は腕を組んでどう説明しようか悩んでいるみたいです
私は先輩の隣に座ります
シオンちゃんと服を交換した理由
それが聞ければよかったのですが
先輩の話しは私の予想を遥かに超えて行きました
はちまん「まあ先ずはロケット団の話しからだな」
ヒロインズ「「「え?」」」
ロケット団?
どうして真っ先に関係なさそうな名前が?
ロケット団と言えばカントー地方で悪さをしている人達ですよね
旅の途中で何度か新聞をチラッと見ましたが
見出しにはいつもその集団の名前が挙がっていました
今は大人しいみたいですが
それでも見出しからロケット団の名前がなくなったのは見た事がありません
それほど危険な集団なのでしょう
先輩も何度か戦った事があるようで
話しによるとロケット団のボスとも面識があるみたいです
…正直不安です
先輩が危険な目に合わないか心配です
いやもうあってますね
高い所から落っこちて怪我を負ってしまったのですよね
…せんぱい
ゆい「ヒッキー?そのロケット団が関係あるの?」
はちまん「大元の理由はロケット団だ。ロケット団をとある場所で見つけてな、それで見間違いではないかどうかを確かめるためにシオンをパーカーに着替えさせたんだよ。何で交換したのかは知らん、シオンに聞いてくれ」
ゆきの「…もう服の事はいいわ。それよりも貴方、また危ない橋を渡ろうとしたのね?私達には貴方が…いえ貴方の知識が必要だと言わなかったかしら?」
はちまん「え、えと、それは…」
ゆきの「比企谷君、話して頂戴。貴方にどんな理由があろうとも受け止めるわ」
ゆい「ヒッキー、ちゃんと話してほしい」
いろは「先輩、もしかしてまた誰かのために…」
はちまん「…」
私達が問い詰めると先輩は黙ってしまいました
いろは「せんぱい…」
先輩はまた何かを背負ってしまったのでしょうか
自分が傷つくのもかえりみず
誰かのために自分を犠牲にして…
はちまん「…シオン」
シオン「………………………はち」
先輩は隣にいるシオンちゃんに声をかけました
小さな声で
その呼びかけに応えるシオンちゃん
もしかしてその誰かとはシオンちゃんなのでは
はちまん「…言っていいのか?」
シオン「………………………うん」
はちまん「…本当にいいのか?」
シオン「………………………いいよ」
はちまん「シオン…」
えっ…!?
先輩は泣きそうになっています
こんな先輩は見た事がありません
いつも強気に振舞おうとして
自虐ネタで自分の弱みをさらしていても
人前では泣き顔を見せようとしなかった人が
そこまでの事なんですか?
先輩がプライドを捨ててまで守ろうとしたものがあるんですか?
いろは「せ、せんぱい…」
もういいです
もう言わなくていいです
泣きそうになっている先輩にそう言おうとしました
しかし先輩はもうすでに言葉を出していました
はちまん「理由は…」
いろは「せんぱい…!」
このままでは私が先輩を傷つけてしまうかもしれない
先輩の言いたくない事を無理矢理聞いてしまったら先輩はまた傷ついてしまう
そんなのは嫌だ
すると
ゆい「ヒッキー!もういいよ!」
はちまん「ゆ、結衣?」
結衣先輩が先輩を止めてくれました
結衣先輩も私と同じ気持ちなんでしょう
先輩を傷つけたくないのは同じです
この話しを止めるなら今です!
いろは「そうです!そんなに無理して言わなくてもいいです!私達が聞いても多分難しくてわからないと思います!そうです!聞いても意味がないんです!だからもう話さなくていいですよ!ね、雪乃先輩!」
ゆきの「…そうね、少し厳しすぎたかしら。比企谷君、いろはさんの言う通りもうこれ以上追求しないわ」
はちまん「え?」
ゆい「ほら!ゆきのんもこう言ってるしこの話しはやめにしようよ!ここにきたのはポケモンをみんなに見せるためなんだから、こんな話ししてる時じゃないよ!」
いろは「その前に話し疲れたでしょうし飲み物を買いましょうよ!私が買ってきます!何がいいですか?」
ゆい「あ、わたしも行くよ!ゆきのんも一緒に行こ!」
ゆきの「ええ」
いろは「それじゃあ先輩とシオンちゃんは何か欲しいものはありますか?」
はちまん「え、えっとそれじゃあカフェオレを…」
シオン「………………………はちとおなじの」
いろは「わかりました!行きましょう結衣先輩、雪乃先輩」
ゆい「うん!」
私達は先輩とシオンちゃんを残して飲み物を買いに行きます
この間に雪乃先輩と結衣先輩とも少し話し合わなければなりませんね
この話題を触れないようにしようと
先輩を傷つけないためにも
☆ ☆
はちまん「…シオン」
シオン「………………………」
はちまん「…なんか、ただ寝坊したから怒られないためにって言えない雰囲気になってしまったんだが」
シオン「………………………なんでだろ」
はちまん「お前がこの話題について淡白すぎて、俺がシャックを受けたからだろうな。お前も自分に責任があまりないからって酷くないか?」
シオン「………………………いいわけのしようがなかっただけ」
はちまん「そっすか」
シオン「………………………どうする?」
はちまん「…このままでいっか。別に話す必要もないしな」
シオン「………………………だね」