八幡のカントー地方 〜ぶらり一人旅(希望)〜 作:龍@pixivでも活動中
#セキチクシティのどこか
はちまん「さて、逃げて来たのはいいものの、何するか…」
お騒がせ忍者、アンズ
勘違いか意図的なものかはわからないが
あの忍者が召喚するアミーさんから逃げるために
雪乃達やシオンと別れてポケモンセンターから出てきた
今はポケモンセンターのそばにある崖を飛び降り(ちょっと怖かった)ふらふらと街中を歩いている
隣にはカラカラとロコン
背中には寝ているゴルバット
はちまん「うーむ」
ポケモン達を見回して感じた事がある
それは雪乃、結衣、いろはとの大きな戦力差だ
アイツらは6匹埋まっていて俺はシオンタウンから4匹のまま
何よりアイツらのポケモンはみんながみんな強いポケモンばかり
はちまん「何故ここまで差がついたのか…」
歩んだ道のりは違えど同じ日数を過ごしている
だというのに3人とも俺をとっくの昔に超えている
原因は…俺の怠慢かな
真剣に特訓したのは最近のタマムシジムでの20人抜きのみ
それ以外は野生のポケモンとすら戦っていない
…ていうか、あれ?
最後に野生戦をしたのっていつだっけ?
はちまん「少しマズいな」
いや少しどころか凄くマズいかもしれない
このまま弱いままだと
アイツらに格好がつかない…のは仕方ないが
雪乃部長に怒られてしまう
まだレベルの低さには気づかれていないから怠慢はバレていない
しかし結衣との約束…これからは離れない…という(重い)約束をクチバで交わしてしまったため
もし俺が弱いままなら結衣は気を遣ってしまう
だから雪乃が結衣の事を考えて俺に強くなって欲しいと思うはず
はちまん「なら言われる前に行動あるのみ、怖いし」
で、何しよう
アイツらがこの短期間で強くなったのは
シオンタウン・クチバシティからセキチクシティへと続く
14番道路、13番道路、12番道路を通ったからだろう
あそこはゲームでトレーナーが面倒くさい程いたのを覚えている
そのトレーナー全てと戦って来たのなら急激に強くなったのも頷ける
そうだ、12番道路と言えばカビゴンを捕まえた場所だ
…捕まえる
俺は空を見上げた
まだまだ時間に余裕はあるけど
今日一日で三つの道路でトレーナー全てと戦う事は出来ない
だったら手取り早くポケモンを捕まえるか
ここから1番近い草むらは14番道路だ
何がいたっけ…
俺はポケモン図鑑の分布図を見る
はちまん「目星いのは…特にいないなぁ…」
ナゾノクサ、マダツボミ、コンパン
どれも微妙
育てればそれなりに強いし
カラカラ、ロコンの弱点であるみずタイプの技を半減できるくさタイプは貴重だ
でもマダツボミはマサキの件で笑ってしまいそうだし
コンパンは虫だし
消去法で行けばナゾノクサが1番いいのだが
どくタイプを持っているのが少し厄介
俺の手持ちのタイプ相性としてじめんタイプに対する打点と耐久が乏しい
そうなると等倍になるとは言え
どくタイプのポケモンはじめんタイプに弱いのであまり加えたくはない
それにどくタイプならゴルバットいるし
はちまん「みずタイプを半減出来て、じめんタイプの弱点をつけるポケモン…」
あ、みずタイプか
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
#セキチクシティ釣り堀
釣り人「へい、らっしゃい!今日はイキのいい魚がたくさんいますよー?」
はちまん「寿司屋か」
みずタイプをゲットすると言えば釣りだ
そして幸運にもこのセキチクシティにはクチバシティと同じく釣り堀がある
なので早速来てみたのはいいものの
いきなり案内役の釣り人にボケられた
確かにイキのいい魚はいるだろうけども
はちまん「あの、釣りをしたいんですが…」
釣り人「あっはっは、お客さん!釣り堀に来て釣り以外に何をするんですか?あははは!」
はちまん「……釣り竿って貸し出し出来ますか?」
釣り人「してなかったらどうするんだい?もしかして手づかみで取るんじゃないだろうねっ?あ、それも見たいから君には貸さないでおこうかなー?あはははっ!」
はちまん「………ロコン」
ぼうっ、とロコンのかえんほうしゃが釣り人を襲う
釣り人「あちちちっ!?わ、わかった貸すよ!貸せばいいんでしょ!?」
初めからそうしろよと思いながら釣り竿を受け取る
それからどこで釣ろうかなと辺りを見渡す
人がいない所がいいなー…ん?
はちまん「あれ?人が少ない」
俺以外だと釣り人も入れて2、3人しかこの釣り堀にはいなかった
しかもみんな釣り人と同じ格好をして釣り堀の中を歩いているだけ
従業員のようだ
って、実質俺しか客がいないじゃないか!
はちまん「なんで誰もいないんすか?」
釣り人「さあ?なんか俺が対応したらみんな帰っちまうんだよ」
はちまん「クビになれ」
そりゃあんなウザい対応されたら帰りたくもなるわ
はあ、まあ俺にしたらラッキーだ
釣り堀にはポケモンバトルをする際に声がけをしなくてはいけないのだが
これなら誰にも迷惑をかけない
釣り堀内の端に陣取り釣りを始める
はちまん「釣り堀…そういやクチバで何回も釣れたコイキングがいたなー」
何回も逃し何回も上がってきたコイキングを思い出す
それはまるで魔王の如くしつこかった
あの時はポケモンを捕まえる気がなかったから逃していたが
今回は何よりも来て欲しい
はちまん「………」ぼー
カラカラ「………」ぼー
ゴルバット「zzz」
ロコン「………」
ポケモン達と一緒に釣れるのを待つ
なんかこの状況も既視感がある
カラカラとぼーっとして
ゴルバットが寝てて
ロコンが静かに座って
クチバにいたのは1週間くらい前なはずなのに
遠い昔のように感じる
色んな事があったなーと思い起こしながらぼーっとしていると
ビンッ
はちまん「お?」
竿が揺れる
早速かかった
はちまん「カラカラ」
カラカラ「カラッ」
カラカラに迎撃体制をとらせる
ロコンには少し下がってもらう
相手がみずタイプならカラカラもロコンもキツイが
カラカラの攻撃力なら何とかなるだろう
はちまん「よ!」
俺は一気に竿を引き上げる
バシャーン
そして現れたポケモンを見て
俺は考えが甘かった事を自覚した
はちまん「なっ…!?」
バキバキバキ!!
釣り堀に縁を壊しながらそのポケモンは姿を現した
俺よりも遥かに大きな体躯
蛇のように手足のない長い胴体
額には冠のように尖ったツノ
何でも丸呑みに出来そうなぽっかり空いた巨大な口
そして何者も恐怖を感じざるを得ない凶悪な顔
はちまん「ギャ…ギャラドス…」
ギャラドス「……」ギロ
ギャラドスは釣り上げた俺やカラカラ達を睨みつけてくる
思わずその威圧に震え上がってしまった
まさかギャラドスが釣り上がるとは…
これは予想してなかった
カラカラの攻撃で弱らせようにも
ギャラドスはみず/ひこうタイプ
じめん技もはがね技も効果が薄い
はちまん「くっ、カラカラ!ロコン!戻れ!」
とにかく被害を最小限に抑えるためにカラカラとロコンをボールに戻す
その時
ブワッ
はちまん「え?」
目の前にいるギャラドスが何と天高く飛び上がったのだ
バギャンッ!と釣り堀の天井を突き破る
青空にギャラドスの姿が映る
その姿はまるで天に昇る龍の如く
水滴が太陽の光を浴びてギャラドスの身体をキラキラと神秘的に包む
だが見惚れている場合ではなかった
ギャラドス「ギャアアァァ!!」
ビリビリ!
大地が震える程の咆哮を放った後
くるっと空中で身体を一回転させると
ブンッ
水滴を浴びた長い尻尾を振り下ろしてくる
あれは…アクアテールか!?
て、このままだとあの尻尾を叩きつけられて死ぬ!
はちまん「ご、ゴルバット!」
ゴルバット「バーット!」
バサァ
背中にいるゴルバットが翼を広げ
俺を掴んで飛び上がる
ゴシャアァ!
間一髪でギャラドスのアクアテールを躱す
俺のいた場所は粉々になり
跡形もなく壊れ去った
ギャラドスはそのまま足場下の海へ入った
はちまん「いなくなった…」
バシャーン!
ギャラドス「ギャアァ!」
はちまん「わけではないですねはい!」
くそっどうする?
アイツはルール無用のデスマッチをご所望様だ
だがこっちはそんなつもりはない
そもそもこの釣り堀が壊されて損害金を請求されないか不安だ
周りを見ると従業員の人はみんな慌ててギャラドスから離れている
怪我人はいない
しかしこのままだと釣り堀がセキチクシティの観光マップから消える
はちまん「ゴルバット!逃げるぞ!」
ゴルバット「バット!」
バサァ
俺はゴルバットに海に沿う様、釣り堀の外まで連れて行ってもらう
ギャラドス「ギャア!」
それを見たギャラドスは海を泳ぎ俺に着いてくる
そのままギャラドスを連れてセキチクシティの外
南にある海岸まで飛んで行った