八幡のカントー地方 〜ぶらり一人旅(希望)〜   作:龍@pixivでも活動中

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114話 誰だ誰だ!拙者だ!

#セキチクシティ

 

なみのり、かいりきの秘伝マシンを手に入れて、俺はセキチクシティの町をカラカラやロコンと共に歩く

ゴーリキーことリキちーはサファリパークの方に戻っていったので、カラカラを腕から降ろした

そしたらロコンも肩から降りてくれた

ゴルバットは例によって背中で寝てます

アイツ本当にしっかりしているな

さって、これからどうするか

 

はちまん「…まあ、先ずはコイツをどうにかするか」

 

ギャラドスの入ったモンスターボールを見ながらそう呟く

捕まえてから瀕死状態のままだ

だからポケモンセンターに行くか

でも、もしかしかしたら怒り狂ったアミーをアンズが連れて来ていたら困るな

いや、もしかしたら雪乃達が弁明してくれているはずだ、多分、きっと

どちらにせよ、ギャラドスは回復させねーとな

 

はちまん「えーと、ポケモンセンターは園長の家から西…」

 

西の方角を見る

そこには沈んでいく太陽が見えた

今頃気がついたが、もう夕方になろうとしている

そりゃあそうだろう

今日だけでどれだけの事があったか

 

朝はサイクリングロードを通ってセキチクシティまで来て、町の入り口付近で鳥使いの少年達やアミーと戦い

昼は町の散策をして

ポケモンセンターに行くと雪乃達と再会、互いのポケモンを紹介し合った

それから釣り堀に行ってギャラドスと遭遇し、襲われはしたがカビゴンの頑張りで何とかなった

その後、必要な道具を手に入れるためにサファリパークへ

そこでゴーリキーことリキちーとパーク内を通り、目当ての物を獲得

そして今、その帰りの途中

 

はちまん「…今日一日でどんだけ出来事があったんだよ。そろそろ俺のキャパシティも破裂するぞ」

 

これはもうギャラドスの事もあるし、ポケセンに行くの一択だな

これからの事はそこで考えよ…

 

「待たれよ、少年」

 

はちまん「えっ?」くるっ

 

カラカラ「?」

 

ゴルバット「zzz」

 

ロコン「?」

 

帰ろうとして歩こうとした瞬間、背後から誰かに話しかけられた

後ろを見るとそこには全身紫色の格好をした男性がいて、こちらを見ている

頭には紫色のニット帽を目深く被っているので顔はわからない

上半身は紫色のジャージに下半身は紫色のスウェット

見た目はまんま不審者にしか見えない人だった

えっ!なに?職質…、じゃねーわ

職質されるのは不審者の方だ

じゃあ不審者にまで職質される程に俺は怪しいのでは!?

でも警察の格好してないと、いきなり街中で職質したら誰でも怪しまれるよなぁ

とりあえずこの人は紫男って呼ぼう

 

はちまん「えっと…俺に何か用ですか?」

 

紫男「単刀直入に聞こう。街の南であった騒ぎを其方は知っておるか?」

 

はちまん「うえっふ!?え、えっと」

 

騒ぎ…ってのは間違いなく、ギャラドスの件だ

ここでギャラドスのやった事を思い出してみよう

釣り堀を破壊

海が震えるほどの咆哮

そして浜辺の消滅

うん、迷惑かけてばっかりだね

バレたら終わる

 

はちまん「し、知らないですね」

 

紫男「そうか。ならば聞き方を変えよう」

 

すると紫男さんは俺の周りにいる、カラカラやロコンを見て聞いてくる

 

紫男「其方はポケモントレーナーと見受ける。しかも中々の腕の持ち主のよう。されど、ポケモントレーナーとは、トレーナーの性格がポケモンに現れるもの。言うなればポケモンとはトレーナーの生き写し、分身」

 

はちまん「は、はぁ」

 

何が言いたいんだろう?

 

紫男「では、もう一度聞こう。カラカラ殿よ」

 

カラカラ「か、からっ?」

 

紫男「其方は町の南で起きた、ギャラドスが暴れたと言う騒ぎを知らぬか?」

 

カラカラ「……」あせあせ、ちらっ

 

突然に聞かれたから、カラカラは焦っている

チラチラと俺の方を見て、どうすればいいのか聞いてくる

…やられた

まさかカラカラに聞いてくるとは思わなかった

こうなるともう誤魔化せない

カラカラに嘘をつかせるわけにはいかない

 

はちまん「…すみません、嘘つきました。その暴れたギャラドスは俺が釣り堀で釣り上げました。その後浜辺まで場所を変えて、そこでも破壊行動をしました。しかし全て故意にしたわけではありません」

 

 

紫男「ふむ、そうであるか。…ファファファ!ならば話しは早いでござる!」

 

 

バッ!

 

いきなり口調が激しくなったと思ったら、着ていたジャージを脱ぎ捨てた

紫男さんがジャージを脱いだその姿は、忍び装束に赤いマフラー

そしてニット帽がなくなった事により、露わになった顔は…

 

はちまん「なっ!?」

 

セキチクシティジムリーダーのキョウ!?

 

文字通りここセキチクシティのジムリーダーであり、どくタイプポケモンの使い手である

そしてさっきポケモンセンターで会ったアンズの父親だ

変装していたのか!?

 

はちまん「な、なんでジムリーダーが!?」

 

キョウ「ファファファ!件の騒ぎを聞きつけ、釣り堀の方へ行ってみれば、そこの者からはギャラドスが暴れた為に釣り堀が破壊されたと言う!そしてそれを黒い服をした男が釣った事が原因であり、その原因の男はギャラドスを連れて海の方へ行ったと!拙者が知っているのはここまででござるが、まさか更に被害が出ているとはな!」

 

はちまん「ま、待って下さい!たしかに被害を出したのは俺です!ですがそれには事情があって…」

 

キョウ「どんな事情があろうとも、拙者は其方を懲らしめねばならぬ。其方にも言い分があるのなら、ポケモン勝負でござる!」

 

はちまん「くっ!」

 

こ、これは勝負を受けなければならない状況になってしまった

この勝負を拒否すれば、あらぬ疑いが更に増えてしまう恐れがあるし

 

第一に、ギャラドスのおやは俺だ

 

しかし、今からの戦闘はマズイ

相手はジムリーダーのキョウ

弱点が少なく、厄介な状態異常にさせる技が豊富にあるどくタイプの使い手であり

ゲームでは『どく』『まひ』『ねむり』『こんらん』を治せる道具と、相手のポケモンが使う『ちいさくなる』の回避率を上げる技の対策がなければキツかった

まず『ちいさくなる』ならロコンの『だましうち』でどうにかなるし、ロコンは更にエスパータイプの『じんつうりき』で弱点がつける

ゴルバットは『どく』状態にはならない

カラカラはじめんタイプでどくタイプに有利だ

全体的に有利ではあるが

 

大きな問題がのしかかっている

 

俺の周りにはカラカラとロコン、背中にゴルバットがボールから出ていて、手持ちのポケモンがキョウにネタバレしている

さらに、こっちのネタはバレていないが、カビゴンはギャラドスの戦闘後、げんきのかけらを使って回復させたとはいえ半分ほどの体力しか残っていないし

ギャラドスはあの戦いの戦闘不能状態から回復していない

 

なので、新しく入ったギャラドスは体力不足で戦力外

カビゴンはとくせいの『めんえき』で相手のどく状態にする技に有利だが、体力の問題で長時間の戦闘は出来ない

なので100%の実力で戦えるのは、カラカラ・ゴルバット・ロコンだけ

さらにタイミングを逃せば、『まひ』や『ねむり』で動けなくなったところを一方的に攻撃されて、あっという間に負けてしまう

くそ、なんで俺はこんなピンチ状態からの戦闘ばっかりなんだよ…!

唯一の勝てる可能性は、キョウにバレていないカラカラの『気合い進化』だが、そっちも未だに全てが判明しているわけではないので使いこなせるかどうか…

あーもう!本当に崖っぷちだな!?

だがキョウは勝負をする気満々みたいだ

し、仕方ない

ここはどうにかして、なんとかして、切り抜けよう

 

 

キョウ「こわっぱが、この町を好き勝手にしてくれおったな!どくを喰らったら自滅!眠れば無抵抗!忍びの技の極意を受けてみるがよい!」

 

 

 

 




と言うわけで
いきなりですが次回、セキチクシティジムリーダーキョウ戦から入ります

キョウの先発はドガース
はちまんはゴルバットです

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