八幡のカントー地方 〜ぶらり一人旅(希望)〜   作:龍@pixivでも活動中

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危機

 キョウが何をしたのかわからない。でも爆発音はたしかに聞こえた!

 俺は走ってポケモンセンターに急ぐ。そして中に入ると煙の匂いがした。

 

 

はちまん「ゆきの! ゆい! いろは! シオン!」

 

 

 名前を呼んで4人を探す。

 が、返事は返ってこなかった。

 煙はバトル場のあるポケモンセンターの後ろの方からだ。そちらに向かう。

 そこにはーー

 

 

マルマイン「………」

 

 

 瀕死のマルマインが転がっていてーー

 

 

ロロット「おや、まさかこんなところで出会うとは奇遇ですね」

 

 

 片手でアンズの首を手で締め付けて、余裕で持ち上げている、薄気味悪い笑みを浮かべているロロットがいた。

 

 

はちまん「な、え、ロロット⁉︎」

 

 

 ロロットとは、ロケット団の中でそれなりの地位にいると思われる人物だ。細長い見た目と怪しげな雰囲気がある。

 

 

はちまん「なんでここに………アンズ!」

 

アンズ「うっ………くう……」

 

 

 首を絞められているアンズから苦しそうなうめき声がした。

 

 

ロロット「なんでと言われましても、ここは私の故郷でしてね。挨拶に来たら突然ここにいる小娘達に攻撃されまして。やれやれ」

 

 

 小娘“達”?周りを見ると、離れた壁の方にピンクのベルドレスを着たアミーが倒れているのが見えた。体にあざができていてこっぴどくやられてしまった様子。

 アンズとアミーが、現れたロロットに攻撃したのか。そして、2人は負けたと。

 

 

はちまん「とりあえずアンズを離せ」

 

ロロット「交渉ですか? それは」

 

はちまん「ああ、俺をどうしても構わないから離せ」

 

アンズ「はち………まん………さん」

 

ロロット「はいはい、カッコいいですね」

 

 

 あっさりとアンズを解放したロロットは、床に倒れ込んで咳き込むアンズの腹を蹴り上げてこちらに蹴り飛ばしてきた。

 飛んできたアンズの体をキャッチする。

 

 

はちまん「アンズ……大丈夫か?」

 

アンズ「うぐっ……は、はい……けほけほっ!」

 

 

 アンズをゆっくりとおろしてから、ロロットを睨む。

 

 

ロロット「おーおーそんな怖い顔で睨まないでください」

 

アミー「くっ……そ、そいつは前にもここに現れて……ポケモンセンターのカフェでマルマインを爆発させたの……!」

 

 

 倒れていたアミーが起きあがろうとしながらそう言った。思い出せばカフェの注意書きにもマルマインが爆発したのでポケモンは入店禁止と書かれていた。その原因がロロットだったのか。

 

 

はちまん「アミー! アイツらは!」

 

アンズ「ゆ、ゆきのさんたち……は、アミーさんと会った後、買い物に……ううっ」

 

はちまん「そうか。ありがとう、アンズはもう喋らない方がいい」

 

アンズ「はい……」

 

 

 アイツらは無事なのか。ロロットが現れる前に買い物に行って危機回避したらしい。

 だが爆発音を聞いてすぐに戻ってくるかもしれない。そうなるとあぶない。相手はアンズとアミーを余裕の表情で倒してみせたんだ。雪乃達でも勝てるかどうか……。

 

 

ロロット「…………ま、安心してください。そろそろ退散しますよ。実験していた同僚もお仕置きできましたし、この街に用はありません。ここには本当にご挨拶にきただけですから」

 

はちまん「実験……?」

 

ロロット「ポケモンを無理矢理進化させるという実験らしくてですね、困ったことにロケット団も一枚岩とは行かなくてですね。私のやり方に合わなかったのでお仕置きを、と」

 

はちまん「ポケモンを……無理矢理進化させる……?」

 

ロロット「これ以上は申し上げられません。あなたとの勝負、心待ちにしておりますよ、ボスのお気に入りさん」

 

 

 そこまで言うとロロットは瀕死だったマルマインをボールに戻すと、煙のように姿を消した。まるで忍者だ。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

アミー「……私たちが攻撃した途端、なんの躊躇いもなくマルマインをだいばくはつさせた。しくじった……相手がロケット団と知っていたのに、警戒を怠った!」

 

ゆきの「いいえ、サントアンヌ号での一件もそうだったけれど、あの人たちは私たちの想像を超えてくるわ。情や倫理などない、そう言う行動を予想できる人なんていない。だからこそ“悪の組織”と呼ばれているのよ。そう自分を卑下するものではないわ」

 

アミー「………………」

 

 

 ロロットがいなくなった後、爆発音を聞きつけた雪乃達がすぐに戻ってきた。

 そしてアンズとアミーはポケモンセンターで治療を受けている。大事には至らなかったのが幸いか。

 

 

いろは「けど……買い物にいかずにあのままあそこにいたら出会ってたんですよね私たち」

 

ゆい「う、うん……怖いね。ヒッキーは大丈夫だったんだよね?」

 

シオン「………………………はち?」

 

はちまん「あ、ああ……大丈夫だ」

 

 

 俺はアンズとアミーの2人が寝ている寝室にいて、ずっと1人で考えていた。ロロットの言った『ポケモンを無理矢理進化させる実験』と言うもの。

 そして俺の捕まえたギャラドス。

 もしかしてアイツらがしていた実験対象はギャラドスだったんじゃないか?

 そしてギャラドスが俺を見て一心に襲いかかってきたのは、この街に来てからたびたび怪しまれる要因となっている、俺の着ている黒い服だ。ロケット団も黒い服を着ていて、ギャラドスはこれを見て怒り狂い俺に襲いかかってきたのではないか?

 

 

はちまん「………なあ、アイツはここが自分の故郷だって言ってたけど」

 

アンズ「……あの人は父上の弟子でござる。拙者の兄弟子で……とても残虐な心を持っていたでござる」

 

はちまん「……そっか」

 

 

 だからあんな忍者みたいな姿の消し方をしていたのか。

 そして同門の人間からも残虐な性格だと言われているからロケット団にも入れたのだろう。

 そう結論付けた俺だったが、アンズの話はまだ終わってなかった。

 

 

アンズ「でも」

 

はちまん「うん?」

 

アンズ「それでも“とても素敵な夢”を持っていたでござる。それは拙者も尊敬していたでござるよ」

 

 

 “とても素敵な夢”?

 しかしそれを詳しく聞く気持ちにはなれなかった。

 

 

 

 

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