八幡のカントー地方 〜ぶらり一人旅(希望)〜   作:龍@pixivでも活動中

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71話 光景

#ポケモンタワー『5階』

 

ガラガラ『…………』

 

カラカラが見る先

そこにはガラガラがいた

その後ろには上の階へ行く階段が見える

 

カラカラ「…………から、から」

 

カラカラは涙を流しながらガラガラを見ている

…まさか

あれが…カラカラの?

けど死んだって…

生きて…たのか…?

 

はちまん「カラカラ…」

 

俺はどうすればいいのかわからない

色んな感情が俺を動かしてくれない

俺が動く前にカラカラが動いた

 

カラカラ「カラーーー!!」

 

カラカラは涙を流し

ガラガラの方へ走って行く

母親なのだろう

間違いなくカラカラの…

だったら母親の元に行きたいのは当然だろう

 

けど俺は

 

その走って行くカラカラの

 

俺から離れていく

 

カラカラの小さな背中に手を伸ばす

 

はちまん「カラカラ……」

 

『行くな』

 

その一言は言えない

 

今さら言えない

 

覚悟したはずだった

 

こうなるかもしれないと

 

カラカラの故郷に行けば

 

カラカラの母親の思い出の地に行けば

 

離れていくかもしれないと

 

だからあの時言おうとした

 

ずっと一緒にいたい

 

変わらずずっと

 

でも言えなかった

 

言うのが恥ずかしかった

 

1人旅がいいと言いながらそんな事言えないと

 

いつか俺もカラカラから離れていくから言えないと

 

一緒に強くなると言ったのに俺だけそんな自分勝手な事言えないと

 

素直に言えなかった

 

だがそれを言ってどうなる

 

あの離れていく背中を止められたか?

 

止めるなら今しかない

 

でも『行くな』とは言えない……………

 

 

ガラガラ『…………デテ、イケ』

 

——————————!!

 

 

はちまん「カラカラ!!行くな!!」

 

 

だが走り出したカラカラの足は止まらない

ガラガラに辿り着く

だがガラガラはそんなカラカラに持っている骨を振り上げる

 

はちまん「カラカラ!!」

 

俺は走り出す

ガラガラの振り上げた骨はカラカラに向かって振り下ろされる

 

ガラガラ『デテイケ!!』ドカッ

カラカラ「カラッ!?」

 

ガラガラがカラカラを殴り飛ばす

カラカラは俺の方に飛んでくる

その体は重力に従い床に落ちる

 

間に合え———!!

 

カラカラが床に叩きつけられる寸前に

俺はその体を受け止める

カラカラは突然の事に呆気にとられている

 

はちまん「カラカラ!大丈夫か!」

カラカラ「から…から…」

はちまん「くっ…」

 

その間にガラガラがこちらに向かって来る

敵意むき出しだ

カラカラがこんな状態じゃまずい

ここは一旦引こう

俺は背中のゴルバットに指示を出す

 

はちまん「ゴルバット!あやしいひかり!」

ゴルバット「!」ピロピロ

ガラガラ『…!?』

 

ガラガラはゴルバットのあやしいひかりに気を取られている

その隙にロコンがいる所まで引く

そしてロコンに指示を出す

 

はちまん「ロコン!おにび!」

ロコン「!」ぼっぼっ

ガラガラ『!』

 

あやしいひかりを振り払いこちらを追いかけてきたガラガラをおにびで止める

 

はちまん「ロコン!さっきのとこまで戻るぞ!」

ロコン「!」コクン

 

俺はミコトさんのいる結界まで戻るためカラカラを抱えながら走る

ロコンは俺の後について来る

 

カラカラ「から?……から?」

 

結界まで辿り着くまでカラカラはずっと混乱していた

そんなカラカラを見ながらこれからどうするか考える

 

…俺が強くなるしかないようだ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ミコト「ど、どうしたの?」

はちまん「……悪い、後でいいすか?」

ミコト「え、うん」

 

カラカラの様子を見て事情を聞いてくるミコトさん

それは後で説明することにして少し待ってもらう

 

カラカラ「から……」

 

カラカラは少し自我を取り戻している

だが会えた母親が自分を殴り飛ばした事がまだ信じられないようだ

少し落ち着くまで待つか

その間、ミコトさんに説明する

 

ミコト「え……?死んだはずのカラカラの母親……?それって……」

はちまん「何か知ってるんですか?」

ミコト「ええ…。でも話していいのか……」

はちまん「話してください。俺も事情を知りたいんです」

ミコト「………知ってどうするの?」

 

はちまん「強くなります」

 

ミコト「え?」

はちまん「俺はカラカラと約束したんです。一緒に強くなるって。だから俺が強くなって」

 

???「………………………ホント?」

 

はちまん「え?」

 

いつの間にか俺の目の前に女の子がいた

紫の髪に紫のドレス、それに紫の帽子

ドレスって事はウキワ達の関係者か?

 

ミコト「シ、シオンちゃん?」

はちまん「シオン?」

ミコト「この町の子よ」

 

シオンタウンのシオンか

 

シオン「………………………はなしをきいたらつよくなれる?」

はちまん「お前、ここに来る前の霧の奴か?」

シオン「………………………こたえて」

はちまん「……どうだろうな。強くなった事がないからわからん」

シオン「………………………ならきくひつようがない」

はちまん「何で?」

シオン「………………………つよくなれないかもしれないなら」

はちまん「……かもな」

シオン「………………………じゃあ」

 

はちまん「だがそんなん関係ないな。俺は例え強くならなくても話しを聞く」

 

シオン「………………………はなしをきいてそのこがないても?」

はちまん「ここには泣いちゃだめなんて決まりがあるのか?墓場があるのに?」

シオン「………………………ちがう」

 

シオン「………………………そのせいでそのこがきずつくかも」

 

 

はちまん「どうせいつかは傷つくさ」

 

 

シオン「………………………え?」

はちまん「実は俺遠い場所から来ててな。一緒に来てるやつもいる。いつかそいつらと一緒にその場所へ帰る事になる」

シオン「………………………それで?」

はちまん「その時コイツは連れて行けない。一緒にはいられない」

シオン「………………………どうして?」

 

はちまん「知らねーよ」

 

シオン「………………………どういうこと?」

はちまん「知らねーよ、離れなきゃいけない理由なんて。正直離れたくねーよ。さっきだって離れたくないって思ってたよ。泣きそうだったよ」

シオン「………………………つらい?」

はちまん「まあな」

シオン「………………………しんどい?」

はちまん「そりゃな」

シオン「………………………なかないの?」

はちまん「俺は人前で泣くのは得意じゃなくてな。ま、コイツが泣いたら泣くわ」

シオン「………………………ばか」

はちまん「おい」

シオン「………………………ぼけなす」

はちまん「まてその流れは」

シオン「………………………あほ」

はちまん「はちまんって言えよ。そこまで言ったらはちまんって」

シオン「………………………なんで?」

はちまん「いや、何でもない」

 

そりゃ名前言ってないんだから言えるわけないか

 

シオン「………………………はなしてあげる」

はちまん「いいのか?」

シオン「………………………はなしてそのこがないてあなたがなくのがみたい」

はちまん「さ、最低だね」

シオン「………………………じゃ、はなすね」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

話すのが得意じゃないシオンがミコトさんに助けられながら話してくれたカラカラの過去

 

3週間前

 

ガラガラはロケット団から逃げていた

何でもガラガラの持っている骨が貴重な物だったらしい

その骨を奪うためロケット団はガラガラを殺そうとした

ガラガラはそれから逃げるためシオンタウン中を逃げ回った

時には物陰に隠れ

時には町の人達に助けられ

しかし追いかけて来るロケット団の数が多過ぎた

いくら逃げても追いかけて来る

それでも逃げた

 

何故なら生まれたばかりのカラカラも一緒にいたから

 

そしてガラガラはとある民家に辿り着く

そこはフジという老人の家

ガラガラはそのフジ老人にカラカラを託そうとした

フジ老人は急いでガラガラからカラカラを預かり

ガラガラも家に入れようとした

 

その時ガラガラはロケット団に殺された

 

ガラガラは最後の力を振り絞って持っていた骨をフジ老人に預ける

そしてガラガラは生き絶えた

カラカラはフジ老人の腕の中でその光景を見てしまった

 

その後骨を手に入れるためフジ老人の家に入ろうとするロケット団を町の人が必死に止めた

それでも止まらないロケット団

 

そこに不思議な事が起こった

大地震が起こったのだ

 

ガラガラの怒りか

 

シオンタウンの悲しみか

 

ロケット団はその揺れに耐えられず立っていられない

そのうちに地震は静まった

ロケット団はその地震に恐れをなし

我先にと逃げて行った

 

 

その後フジ老人はガラガラの骨をこのポケモンタワーの最上階に

カラカラをオーキド博士に預けたという

その経緯はこの前オーキド博士に聞いた通りだ

 

そして今

カラカラは俺の元にいる

 

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