八幡のカントー地方 〜ぶらり一人旅(希望)〜   作:龍@pixivでも活動中

89 / 126
82話 土産と変装

#タマムシシティ森の中

 

はちまん「ここなら話しても大丈夫そうだな」

 

俺とシオンは先程まで寝ていた森の中にいる

周囲を警戒して人の気配がしない事を確認した

 

シオン「………………………はち、おみやげって?」

はちまん「ああ、順を追って話す」

シオン「………………………うん」

はちまん「だがその前にいいか?」

シオン「………………………?」

 

はちまん「お前らのチームって名前なんだっけ」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

俺はひとつずつシオンに説明していく

 

先ずシオンのいるチーム

『カントーガールズ』の現状だ

 

今このチームはロケット団を追っている

だがサカキの決起直後からロケット団の姿が消えた

恐らくだがカントーガールズもロケット団を見失っているんだろう

そしてロケット団がいつ動くのかわからない現状に危機感を感じている

 

 

昨日デパートの屋上でライブをやっていた

そのライブを見て俺が思った事がある

 

この大勢の人の中にロケット団が潜んでいないか、と

ロケット団が悪巧みをしていないか、と

 

カントーガールズもそれはわかっているはずだ

わかっていてチームの一員であるレインにカントー地方中に宣伝したライブを開催させたのだろう

 

ロケット団をおびき出すために

 

だが街の様子を見る限り

昨日のライブでロケット団は出なかったようだ

ジムリーダーが出るほどの大きなイベントだった

あれだけのイベントを起こしても動かないロケット団

 

じゃあ何をすれば動くのか

ロケット団はいつ動くのか

 

 

ロケット団の動向がわからず

今カントーガールズは手詰まり状態だろう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

シオン「………………………かもね」

はちまん「という事はロケット団の動向を、そして居場所を喉から手が出るほど知りたいはずだ」

シオン「………………………そうだね」

 

はちまん「そして俺はロケット団の居場所を知っている」

 

シオン「………………………まじ?」

はちまん「これ、土産としては一級品だろ」

シオン「………………………でもどこに?」

はちまん「さっきのゲーセン」

シオン「………………………え?」

はちまん「あそこの店員の1人が俺の知ってるロケット団員だったからな」

シオン「………………………まちがいない?」

はちまん「ああ、トキワの森で戦った奴だ。俺の最初のトレーナー戦の相手だったし、アイツが去り際に『覚えてろよー!』って言ってたからな」

シオン「………………………まじめだね」

はちまん「だろ?」

 

アイツが覚えてろって言ったから覚えてたらほんとにまた会うんだもんな

 

はちまん「あ、ウキワも知ってるはずだから連れて行くか。それなら確証が持てるだろ」

シオン「………………………でもまずわたしにもみせて」

はちまん「わかった……が」

シオン「………………………どうしたの?」

 

俺はシオンの格好を頭からつま先まで見る

紫の髪、紫のドレス、紫の帽子、抱えているゲンガーのぬいぐるみ

うん可愛い

じゃなくてコレ絶対目立つだろ

元々存在感薄いからさっきはバレなかったようだけど

このドレスはチームでの共通の服装らしいからウキワを知っているはずのあのロケット団員が気づいてしまっかもしれない

 

シオン「………………………どした」

はちまん「シオン、代わりの服持ってるか?」

シオン「………………………ううん」ふるふる

 

どうしようかな

あ、俺の替えの服があるな

でもサイズ的に大きいかな

上のパーカーくらいなら着れるか

俺はバッグから今俺が着ているやつと同じ

黒いフード付きパーカーを取り出す

シオンと重ねて大きさを確かめてみる

 

シオン「………………………なにしてるの?」

 

んー上だけでも少し大きいな

でもぶかぶかになるが全身は隠れるな

しかしそうなると下が…

うーん

 

はちまん「なあ、シオン」

シオン「………………………ん?」

 

はちまん「お前スカートの下、何か履いてるか?」

 

シオン「………………………」

はちまん「そのスカート短いしスパッツとか履いてないか?」

シオン「………………………はち」

はちまん「ん?」

シオン「………………………なにするき」

 

はちまん「あのロケット団にバレないようにこのパーカーに着替えてもらおうかと、でも大きいから下が…」

シオン「………………………あ、そういうこと」

はちまん「で、大丈夫か?」

シオン「………………………いっかいきてみる、かして」

はちまん「じゃあ俺は向こう向いてるから」

シオン「………………………うん」ごそごそ

 

俺はシオンに背を向ける

後ろからシオンの着替える音が聞こえる

…ん?なんかラブコメの神様の悲鳴が聞こえるような?

ま、いいかこれからのことを考えよう

何かあったらまずいから一応ポケモンは連れて行きたい

あそこのゲーセンにもポケモン連れは多かったし

だがアイツがカラカラを覚えている可能性、ゴルバットが背中にくっついていると目立つ事、多分カビゴンは入れない事を考えると

ロコンを連れて行くしかない

 

はちまん「ロコン」

 

ポンッ!

 

ロコン「…」

はちまん「ロコン、悪いがついてきてくれ」

ロコン「…」

はちまん「ん?どうした?」

 

俺の顔を見ながら何かを考えているようだ

と思ったら肩に飛び乗ってきた

 

ロコン「…」ぴょん

はちまん「うおっ」

 

そしてそこに留まっている

あんがい軽いなコイツ

 

はちまん「何で肩に乗ってんの?」

ロコン「…」

はちまん「ん?偽装?」

ロコン「…」

はちまん「さっきゲーセンでもしかしたら俺の格好が覚えられているかもしれない、だからお前がそこにいる事で『さっきのやつとは違いますよ』と見せることができるって事?」

ロコン「…」コクン

はちまん「なるほどな、じゃあフードも被って行くか」ふぁさ

 

俺はフードを被ってみる

おお、このフード初めて被った

 

シオン「………………………はち」

はちまん「ん?おお…」

 

シオンに呼ばれて振り返るとそこにはぶかぶかの黒いパーカーを着たシオンが

おお、可愛い

下が短いせいで太ももがバッチリ見える

ドレス着てたからわからなかったけど足綺麗だなー

色も白いし

というか白過ぎない?

生気が感じられないほどに白いんだけど

ちゃんと食べるもの食べてる?

 

シオン「………………………どう?」

はちまん「んーやっぱり下が短い気がするが…」

シオン「………………………これくらいだいじょうぶ」

はちまん「そうか…。あ、ドレスはどうした?」

シオン「………………………あのきにかけてる」

 

シオンの着ていた紫のドレスはシオンの後ろにある木にかけられていた

持って歩くのは不自然だよな

 

はちまん「どうする?俺のバッグに入れようか?」

シオン「………………………あれ、あげる」

はちまん「は?」

シオン「………………………はちにあげる」

 

何言ってんのコイツ

 

はちまん「いや、あのドレスお前らチームの制服みたいなもんなんじゃ」

シオン「………………………いえにたくさんあるからへいき」

はちまん「だからってあげるのは…」

シオン「………………………わたしはこっちがいい」

 

そう言ってシオンは着ているパーカーを見る

いや、それ俺のなんだけど

って

 

はちまん「もしかしてあのドレスとそのパーカーを交換しようとしてる?」

シオン「………………………だめ?」

はちまん「あのドレス貰っても使い道ねーわ」

シオン「………………………おねがい」

はちまん「………はぁ、わかった」

シオン「………………………ありがと」

はちまん「あ、その被ってる帽子はどうする?」

シオン「………………………こっちもあげる」

はちまん「そ」

シオン「………………………はい」

 

俺はシオンからドレスと帽子を貰った

…ほんとこれどうすればいいの

雪乃達にこれ持ってるのバレたらどうしよう

怒られるよな

地雷じゃねーかこれ

 

はちまん「はぁ…。じゃあお前もフード被れ」

シオン「………………………よしきた」ふぁさ

 

シオンもフードを被る

 

はちまん「よし、行くか」

ロコン「…」コクン

シオン「………………………ごー」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#タマムシシティゲーセン

 

俺達はゲームセンターに戻ってきた

お目当ての人を探す

 

はちまん「えっと、あ、いた」

シオン「……………………どこ」

はちまん「いや、とりあえず怪しまれないように何かのゲームをしとこう。ゲームをやりながら教える」

シオン「……………………ん」

 

俺とシオンは手頃なゲームを探す

あのメダルゲームでいいか

俺は1000円をメダルに変えて見つけたゲームをシオンに遊ばせる

 

はちまん「ほれ、これでそのゲームやってろ」

シオン「……………………らじゃー」

 

さっきからシオンのテンションが高いような気がする

なんとなくで違いはわからないが

シオンはメダルゲームで遊ぶ

それを見ながら小声で話す

 

はちまん「言ったところを横目で見てくれ」

シオン「……………………あいよ」

はちまん「スロットのコイン売り場、そのカウンターにいる右のやつだ」

シオン「……………………あのひと?」

はちまん「そうだ」

シオン「……………………ほかのひとは?」

はちまん「他の人?」

シオン「……………………ほかのてんいんさんにみおぼえは?」

はちまん「え?えっと…」

 

俺は怪しまれない程度に周りを見渡す

あ、あの青色のスカーフ

ゴールデンボールブリッジでケーシィを出してきたやつだ

 

はちまん「スロットマシンの隣にいるやつ」

シオン「……………………あのひとも?」

はちまん「ああ、金色の橋でみたやつだ。青色のスカーフしてるだろ」

シオン「……………………うん」

 

見覚えのあるロケット団が2人

て、ことは

 

はちまん「シオン、ひと通り遊んだら戻るぞ」

シオン「……………………うん」

 

 

 

 

 

1時間後

俺とシオンは普通に楽しんで

ロコンにため息をつかれながらも店を後にした

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。