八幡のカントー地方 〜ぶらり一人旅(希望)〜   作:龍@pixivでも活動中

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83話 自由と嫉妬

#タマムシシティとあるマンション

 

はちまん「ここが?」

 

シオン「……………………ほんぶ」

 

俺とシオンはゲームセンターから出てそのままカントーガールズの本部があるマンション、その裏口に来ていた

俺が寝ていた森の他に

街の北にも森があり、そこからマンションの裏口にこれるようだ

ちなみに俺達の格好はゲーセンに行った時と同じで

互いに同じパーカーを着てフードも被っている

シオンはゲンガーのぬいぐるみを持ったまま

ロコンも俺の肩にいる

 

シオン「……………………はいるよ」

 

はちまん「おう」

 

シオンがマンションの裏口のドアに近づきノックする

 

コン…コン…

 

すごいゆっくりなノックだ

中にいるやつに聞こえているのか不安になるくらい

しばらくすると中から声が聞こえた

 

『…誰』

 

ドア越しで誰かはわからないが女の声だ

 

シオン「……………………しおん」

 

『え?シオン?』

 

ゆっくりとドアが開いていく

そこにいたのは緑の髪に緑のドレス、黄色い帽子のウキワだった

 

ウキワ「シオン!」

 

シオン「……………………おくれた」

 

ウキワ「何してたの!集合をかけて何日経ってると思っているの!」

 

シオン「……………………ごめんなさい」

 

はちまん「待ってくれウキワ」

 

ウキワ「え?はちまんがなんでいるの?」

 

はちまん「訳は説明する。とりあえず中に入れてくれ」

 

ウキワ「…わかったわ、入って」

 

俺達はウキワが開けてくれているドアを通り中に入る

中は狭っ苦しい

というか階段しかない

部屋というよりは廊下と言った方がマシだ

どういうこと?

 

はちまん「え、ここが本部?」

 

ウキワ「上よ、ついてきて」

 

ウキワが階段を上っていく

それについて階段を上がる

二階三階と上がり屋上に出た

タマムシシティを一望できる

その屋上には小さな建物があった

あれが本部か

何か秘密基地みたいだ

 

ウキワ「貴方達、ちょっと待ってて」

 

ウキワは俺とシオンを待たせてその建物に入って行く

中にいるやつに説明するためだろう

 

ウキワ「ただいま」

 

???「おかえり〜ふふふ♪」

 

中から声が聞こえる

この『ふふふ〜♪』はニンか?

 

シオン「……………………ちっ」

 

シオンがニンの声を聞いて舌打ちする

そういや仲悪いんだっけ

そして今から鉢合わせてしまうところに俺は行くのか

やだなー行きたくないなー怖いなー

中からウキワとニンの会話が聞こえてくる

 

ニン「また押し売りでした〜?ふふふ〜♪」

 

ウキワ「いいえ、シオンが来たのよ」

 

ニン「シオンのアホがやっとですか〜だいちこくですね〜ふふふ♪」

 

 

シオン「……………………あのやろう」

 

 

ウキワ「あとなんでかはちまんもね」

 

ニン「ん〜?アホ毛くんがなんで〜?ふふふ〜♪」

 

ウキワ「さあ」

 

 

シオン「……………………はち、にんのばかははちのことしらないんじゃ」

 

はちまん「い、いや俺が名前を教えてなかっただけで他のメンバーから聞いたんじゃないか?」

 

シオン「……………………くそ」

 

ひぃぃ、怖いよー

俺にも飛び火が来そうで怖いよー

 

ウキワ「2人とも、入っていいわよ」

 

はちまん「お、おう」

 

シオン「……………………ただいま」

 

ウキワ呼ばれて中に入る

中は結構整頓されていて

奥の方には何故か黒板

真ん中にはテーブル

それを挟むように3人ソファー2つ

後壁沿いにも椅子やらテーブルやらがある

窓は左右に2つずつある

 

入り口にウキワ

テーブルを挟むソファーにはニンが座っていて

床に虹色の死体があった

よし、帰ろう

 

はちまん「…シオン、やっぱ俺ポケモンセンターに行ってるわ」

 

シオン「………………………なにいってるの」

 

はちまん「だって怖いよここ!何で死体が転がってんの!?」

 

シオン「………………………あれ、れいんさん」

 

はちまん「え?」

 

よく見ると昨日ライブをしていたアイドル

レインボードレスを着たレインだ

あ、少し動いた

何だー死体じゃないのかーよかったー

でも凄い負のオーラを感じるんだけど

 

シオン「………………………つかれてるだけ」

 

はちまん「疲れてあんな風になるのか。やっぱ適度な休みは必要だな」

 

シオン「………………………はちはやすみすぎ」

 

レインは昨日のライブで疲れているらしい

やっぱ働きたくないな

あんな死体のようになるなら働きたくない

もうすでに目が死んでるだろって?やかましいわ

 

ニン「…な、なんで」

 

はちまん「あん?」

 

ソファーに座っているニンが驚いた顔でこっちを見ている

ん?感動の再会かな

よし俺の胸に飛び込んでこい

 

 

ニン「なんでペアルックなの〜!?」

 

 

ん?ペアルック?

ペアルックってアレだろ

カップルが同じ服着て

『僕達私達はこんなにラブラブです』アピールのアレだろ?

何でわざわざ周りにアピールするのかよくわからんが

自分達だけが知ってたら充分じゃないの?

 

リゆうなんてない

アピール命

じぶん大好き

ゆうき百倍

うっとおしい

 

なるほど流石リア充様、格が違うぜ

で、そのペアルックがどうしたの

俺はシオンを見る

シオンも俺を見る

 

はちまん「あ」

 

シオン「………………………あ」

 

そういや服が同じって冒頭でも言ったな

これがペアルックか

んーでもシオンが可愛いとしか感じないけど

まさかこれがペアルックの効果か?

 

シオン「………………………にん」

 

ニン「なに〜?」

 

シオン「………………………どやぁ」

 

ニン「」イラッ

 

何かシオンがニンに対してドヤ顔をかましている

どんだけ嫌いなんだ

 

ニン「アホ毛くん〜?」

 

はちまん「ひっ」

 

ふふふ〜♪がない

ヤバイニンだ

 

ニン「何でおなじ服をきてるの〜?」

 

はちまん「えっと潜入作戦の名残りだ」

 

シオン「………………………これわたしの」ふふん

 

シオンは胸を張って着ているパーカーを自慢する

待って火に油を注がないで

 

ニン「へ?」

 

シオン「………………………わたしのどれすとこうかんした」

 

ウキワ「はちまん…貴方…」ひきっ

 

はちまん「待て交換を申し出たのはシオンだ」

 

シオン「………………………でもこれをきさせたのははち」

 

ウキワ「う、うわぁ…」どんびき

 

はちまん「待てやむ終えない事情が…」

 

ニン「むう〜あだ名まで〜」

 

シオン「………………………わたしはじこしょうかいしてくれた」

 

ニン「うう〜」

 

シオン「………………………それにぬいぐるみもくれた」

 

そう言って持っているゲンガーのぬいぐるみをニンに見せつける

 

シオン「………………………がんばってとってくれた」

 

ニン「な、何で〜?」

 

シオン「………………………わたしといっしょにねたから」

 

ニン「ね、ねた〜!?」

 

シオン「………………………しかもふつかつづけて」

 

シオン「………………………じてんしゃにもふたりでのった」

 

ニン「自転車〜?それがどうしたの〜?」

 

シオン「………………………そのときわたしのこと『てんし』っていってくれた」

 

ニン「て、天使〜!?」

 

ウキワ「…」

 

はちまん「待て何か喋ってくれ」

 

ウキワ「…」スタスタ

 

ウキワは無言でニンとシオンの仲裁に行った

 

ウキワ「ニン、シオン」

 

ニン「は、はい〜」ぷるぷる

 

シオン「………………………うきわ」

 

ニンは涙目

シオンは勝ち誇っている

 

ウキワ「その話しは一旦置いといてくれるかしら」

 

シオン「………………………わかった」

 

ニン「うぅ」こくん

 

ウキワ「ふふ、お利口さんね」

 

おお、ウキワが笑ってる

付き合い長い訳じゃないが始めて見たか?

いや、トキワの森で一回悪そうな顔で笑ってたな

だがニンとシオンを見るウキワの顔は優しい

あのサチとか言うオレンジの子もウキワを尊敬してたようだし

歳下の面倒見がいいのかもな

だがその笑顔に新鮮味を感じるのもつかの間

 

 

ウキワ「さあ〜て、はちまん?」

 

 

こちらに振り向くウキワ

あれまウキワさん、どしたのそんな怖い顔して

腹でも下したの

 

ウキワ「シオンの話しを聞く限り、シオンが遅れた原因は一緒に寝たり遊んだりしていた貴方にあるように聞こえたんだけど、ど〜いうことかしら〜?」

 

あ、オワタ/(^o^)\

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

俺はシオンが遅れた事情を説明した

集合がかかった時、恩人がなかなか帰ってこないためシオンタウンから出られなかった事

だがそれは2日ばかりの事で

恩人が帰って来た後は俺と一緒にタマムシシティへ向かった

だがその後色々あり

俺が一日中森で寝てしまったためにさらに遅れてしまった

そして今にいたると

 

ウキワとニンは呆れてモノが言えないらしい

ちなみに俺はソファーに座り

ウキワはその真向かい

ニンとシオンは何故か俺を挟むように座っている

時々2人がギスギスして居心地悪かった

あとレインは話し終わってもまだ床に突っ伏している

 

ウキワ「シオン、恩人が帰ってこないため来られなかったのは仕方がないから許すわ。でもはちまん、何でそんなに寝たの?ただの馬鹿じゃないの」

 

はちまん「い、いやだから色々あったんだよ」

 

ウキワ「何があったの」

 

はちまん「えっと、シオン何があったっけ」

 

シオン「………………………ちいさいことあそんだ」

 

シオン「………………………じてんしゃにのった」

 

シオン「………………………れいんさんのうたをきいた」

 

シオン「………………………はちのしりあいとはなした」

 

シオン「………………………で、ねた」

 

ウキワ「……遊んでるだけじゃない」

 

はちまん「すみませんでした」

 

ニン「アホ毛くん〜おバカさんですね〜ふふふ♪」

 

俺は頭を下げる

 

ウキワ「で、その後は?起きたのが今日の昼で今が夕方前だからその間にもここに来れたはずよね?」

 

はちまん「メシ食った」

シオン「………………………おむらいすたべた」

 

はちまん「ゲーセン行った」

シオン「………………………げんがーかわいい」

 

ニン「ちっ」

 

はちまん「もっかい森に戻ってもっかいゲーセンに行った」

シオン「………………………あのじゃんけんかてない」

 

はちまん「で、土産を持ってここに来た」

シオン「………………………ぺあるっく」

 

ニン「ちっ」

 

ウキワ「やっぱり遊んでるだけじゃない」

 

確かに今考えるとロクなことしてないな

まあ世界が平和って事だな

その時床に突っ伏していたレインが起き上がった

 

レイン「お土産!?」

 

はちまん「わ」

 

レイン「どこどこどこどこお腹すいた!」

 

レインは飛び起きると周りを凄い勢いで見渡す

え?腹ペコキャラ?

ウキワはため息をつきながらレインの暴走を止める

 

ウキワ「レインさん…落ち着いてください」

 

レイン「ウキワ!お土産は!?お腹すいた!」

 

ウキワ「今ご飯持ってきますんで」

 

レイン「おう!たのむぜい!」

 

ウキワは部屋の奥から食事を持って来た

おお、ハンバーグ

レインは俺の向かいにあるソファーに座りウキワの持って来た料理を凄い勢いで食べ…終わったって、早!?

一文しか使ってないよ!?

 

レイン「ふー、ご馳走さま!」

 

ウキワ「お粗末さまです」

 

ウキワは食器を片付け

また部屋の奥へ戻った

 

はちまん「おいニン、あの人いつもああなの?」

 

ニン「ライブの後つかれてねて〜次の日におなかがすいて〜であんなかんじ〜ふふふ♪」

 

はちまん「じゃあライブがない日は?」

 

ニン「自由なひとってかんじ〜ふふふ♪」

 

この世界の自由人…いい思い出がない

するとレインはシオンを見つけたようだ

 

レイン「あー!シオンちゃん、やっと来たの?コブキさんが心配してたよ?」

 

シオン「………………………ごめんなさい」

 

レイン「あはっ!謝るなら私じゃなくてコブキさんにしたら?」

 

シオン「………………………でもみんなにもめいわくかけたから」

 

レイン「きゃー!相変わらず可愛いねー!」

 

シオン「………………………りーだーは?」

 

ウキワ「ヤマブキよ」

 

食器を片付け終わったウキワが戻って来た

てかレインの可愛いね発言は無視か

 

はちまん「え?今コブキさんいないの?」

 

レイン「あれー?誰ー?」

 

ウキワ「はちまんです。一昨日リーダーが話してたトレーナーです」

 

レイン「ああ!リーダーやみんなのお気に入りか!」

 

はちまん「お気に入り?」

 

レイン「うん!まずウキワがー」

 

ウキワ「レ、レインさん!その話しはダメですっ///」

 

レイン「えー聞かせてあげようよーウキワが強いって褒めて…」

 

ウキワ「晩飯抜きにします」

 

レイン「ごめんなさい」

 

はちまん「なぁ、『まず』って?」

 

レイン「あ、聞きたい?後ね、ニンがー」

 

ニン「レインさん〜!?///」

 

レイン「とっても優しい…」

 

ニン「もう〜ライブ後に〜マッサージして〜あげません〜」

 

レイン「ごめんなさい」

 

ニン「あと〜アホ毛くんも〜ゆうはつしない〜」

 

はちまん「ごめんなさい」

 

シオン「………………………むう」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

レイン「それでー?はちまん君は何でここにいるの?」

 

はちまん「シオンの付き添い」

 

レイン「ほー!あ!それでさっき言ってたお土産って!?」

 

はちまん「その事なんだが…コブキさん本当にここにいないの?」

 

ウキワ「ええ、今メンバーを連れてヤマブキシティに行っているわ」

 

はちまん「いつ頃帰るんだ?」

 

ウキワ「んー、実際どれくらいかかるかわからないわね」

 

はちまん「そんなに忙しいのか」

 

ウキワ「忙しいと言えば忙しいし、忙しくないと言えば忙しくない」

 

はちまん「あーやっぱりまだロケット団の動向が掴めてないのか」

 

ウキワ「ええ、カントーにいるのか怪しいくらいにね」

 

はちまん「じゃあアジトは?」

 

ウキワ「わかってたら苦労しないわ」

 

俺は隣にいるシオンに話しかける

 

はちまん「な?俺の言った通りだろ?」

 

シオン「………………………みなおした」

 

ニン「む〜」

 

ウキワ「何の事?」

 

レイン「ねー!お土産はー?」

 

土産を催促するレインはほっとく

しかしその土産を渡すにもリーダーのコブキさんがいないとなると

うーん

 

はちまん「ウキワ、コブキさんはどうしてヤマブキにいるんだ?」

 

ウキワ「あの街、封鎖されているのは知ってるわよね?」

 

はちまん「ああ」

 

ウキワ「実はあの街、ロケット団の暴動が絶えない場所だったの」

 

はちまん「それで危険だから封鎖?」

 

ウキワ「そ」

 

はちまん「街の人達は?」

 

ウキワ「暴動を抑えようとコブキさんもヤマブキのジムリーダーも奔走したわ。でも数が多過ぎて、もうロケット団が我が物顔で街を歩く状況までになっていたの」

 

はちまん「でも今は」

 

ウキワ「サカキの決起後音沙汰無し。前までの騒ぎが嘘の様に収まっているわ。それが逆に不気味で…正直手が離せないの」

 

はちまん「じゃあ逆にお前らがここにいるのは?シオンを待ってたのか?」

 

ウキワ「それもあるけどね。この街もヤマブキ程じゃないけどロケット団の暴動が前まであって、それも警戒しないといけないから」

 

はちまん「一応聞くがあのエリカってジムリーダーは協力を?」

 

ウキワ「この本部を作ってくれたのがエリカ様よ」

 

はちまん「ん?暴動が激しいヤマブキには作らなかったのか?」

 

ウキワ「作ろうとしたらしいけどね。街の顔役の1人に止められたそうよ」

 

はちまん「らしい?お前はその時何してたんだ?」

 

ウキワ「このチームにも歴史があってね。私は後から入ったのよ」

 

はちまん「ほー」

 

はちまん「本部がこっちにあるのにヤマブキにかかりきり…。コブキさんを呼び戻すことは?」

 

ウキワ「無理…というか何でそんなにリーダーにこだわるの?」

 

ウキワの質問にどう答えるか考える

慎重に事を運ばなければならない

アイツらが動く前に

 

シオン「………………………どうするの?」

 

はちまん「…とりあえず話すか」

 

俺は部屋にいるやつの顔を見渡す

 

はちまん「じゃ、お前らに土産だ」

 

レイン「待ってましたー!」パチパチ

 

ニン「おみやげ〜って〜言っても〜何ももってないようにみえるけど〜?ふふふ〜♪」

 

はちまん「おう、『土産話し』だからな」

 

レイン「えー!?何ソレ酷い!」

 

ウキワ「………待ってさっきの話しからして、まさか」

 

はちまん「おうそのまさか、俺が今から話すのは」

 

 

はちまん「ロケット団の居場所について」

 

 

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