八幡のカントー地方 〜ぶらり一人旅(希望)〜   作:龍@pixivでも活動中

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85話 適材適所と愛

#タマムシシティとあるマンション屋上

 

はちまん「ふー」

 

俺はウキワから逃げるため

カントーガールズの本部から出て屋上にいる

今頃部屋の中ではウキワが盛大に恥をかいているだろう

ご愁傷様

俺は屋上の壁に寄りかかって少し休憩

話しすぎたから喉乾いたなー

 

ロコン「…」ちょいちょい

はちまん「ん?」

 

今の今までずっと俺の肩で大人しくしていたロコンが俺の頰を前足で撫でる

こっち向けってことか?

だがロコンが肩にいるとそちらに向きにくい

俺はロコンを抱き上げ目の前に持ってくる

 

はちまん「どした?」

ロコン「…」じっ

はちまん「ん?雪乃達?あ、忘れてた」

 

そうだ俺がシオンタウンに行っている間

雪乃、結衣、いろはは4つ目のバッチを手に入れるためにこのタマムシシティに来ているはずだ

まだこの街にいるのだろうか

 

はちまん「まあでも、今はロケット団だ」

ロコン「…」じっ

はちまん「ん?雪乃達とロケット団が鉢合わせしないか?…そんなもんわからねーよ、心配だがな」

ロコン「…」こてん

 

俺がそう答えるとロコンは首をかしげる

あれ?コイツのこんな仕草初めて見た

 

はちまん「なんか気になる事があるのか?」

ロコン「…」じっ

はちまん「……へ?」

 

はちまん「雪乃達は今までの旅でロケット団に遭遇した事があるのか?」

 

ロコン「…」コクン

はちまん「い、いやわからねーよ。ずっと一緒にいるわけじゃないし。けど確かにアイツらからそう言う話しは聞かないな…」

ロコン「…」コクン

はちまん「でもそれがなんだ?ロケット団に合わないのはいい事じゃないか?」

ロコン「………」こてん

 

ロコンはまた首をかしげる

まだ納得いってないみたいだ

 

はちまん「ま、それがなんの意味があるのかわからないが。今度またアイツらに会った時に聞けばいいさ」

ロコン「……」コクン

 

ロコンはとりあえず納得してくれたようだ

ちょっとしたしこりを残して

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

いま俺はロコンを抱き上げている

やっぱりほのおタイプなだけあって体温が高い

 

はちまん「…ロコン」

ロコン「?」

はちまん「ちょっとだけ…いいか」

ロコン「………」コクン

 

いつもよく周りを見ているロコンの事だ

俺がいま考えている事もお見通しなんだろう

ロコンを優しく抱きしめる

抵抗はしてこない

 

はちまん「…」ぎゅ

ロコン「…」

 

壁に寄りかかったままズルズルと腰を下ろす

夕日が沈んでいき周りがだんだん暗くなっていく

ロコンの頭を撫でる

 

ロコン「…」すう

 

おお、目を細めて気持ちよさそうにしている

それに毛並みが良くてふわふわだ

ロコンをこんなに近くで見た事は無かったかな

 

ロコン「…」

はちまん「…」なでなで

ロコン「…」

はちまん「…」なでなで

 

俺はしばらくロコンを撫で続ける

自分の心の整理が出来たところで

ロコンに話しかける

 

はちまん「ロコン」

ロコン「…」

はちまん「お前カラカラやゴルバット、カビゴンの事。どう思ってる?」

ロコン「…」

 

ロコンは俯いた後

俺の顔を見る

 

ロコン「…」じっ

はちまん「仲間…か」

ロコン「…」

はちまん「ま、付き合いなんてたったの半月くらいだ。そんなもんだよな」

ロコン「…」じっ

はちまん「俺か?大切な仲間だよ。お前と同じだ。アイツらやお前を友達だと思った事は一度もない。まあ、気が合うしいなかったら寂しいがな」

ロコン「…」

 

俺とロコンは少し黙った

そろそろ本題にいこうか

 

 

はちまん「俺がいつかお前らの前からいなくなるのはわかっているよな?」

ロコン「…………」

はちまん「俺はカラカラと一緒に泣いてそれを実感した。いつかコイツらと離れるんだって」

ロコン「…………」

はちまん「それで、あの時からずっと考えている事がある」

ロコン「…………」

 

はちまん「俺がいなくなった後、お前らがどうなるのかって」

 

ロコン「…………」

はちまん「誰かに預けようとは思ってる。この世界で信頼できるやつにお前らを託そうと思う」

ロコン「…………」

はちまん「候補は、いまこの部屋の中にいる3人。ウキワ、ニン、シオンだ。アイツらすげーいいやつだし、面倒見も良さそうだしな。レインは…ちょっと不安があるから…」

ロコン「…………」

 

ロコンは黙って俺の話しを聞いてくれている

 

はちまん「だが、あの3人がしっかりしてて優しいやつでも、それでもカラカラ達がどうなるかはわからない」

ロコン「…………」

はちまん「ゴルバットやカビゴンはともかく、カラカラのやつはぼっちだからな、気難しい所がある。もしかしたら孤立してまた泣いてしまうかもしれない」

ロコン「…………」

はちまん「だから、ロコン」ぎゅ

ロコン「…………」

 

俺はロコンを強く抱きしめる

 

はちまん「その時はアイツを、アイツらの事を頼んでいいか?」

ロコン「…………」

 

 

 

ロコン「…………」コクン

 

しばらく間があった後ロコンは頷いてくれた

俺は最低だな

いつもコイツに助けられてばかりで

いなくなった後もまた難題を押し付けようとしてるんだから

でもな

 

はちまん「ありがとう、ロコン」

ロコン「………」

はちまん「でも、ロコン」

ロコン「……?」

 

はちまん「もしお前が辛くなったら、カラカラも他のポケモンもほっぽり出して、自分の為に生きてもいいんだからな」

ロコン「……!」

 

はちまん「お前だってぼっちの端くれだ。辛い時だってあるだろ。だからそんな時は俺が許可する、何も考えず逃げろ」

ロコン「………」

はちまん「いいな?」

ロコン「…………」コクン

はちまん「よし」なでなで

ロコン「…」すう

 

俺はまた撫で始める

ロコンは目を細める

それを愛おしく感じながら、伝える

 

はちまん「ロコン」

ロコン「…?」

 

はちまん「俺のところに来てくれてありがとな」

ロコン「……………」///コクン

 

はちまん「はっはっは、照れてんのお前」

ロコン「!」バシッバシッ

はちまん「いてっ」

 

 

 

 

 

はちまん「とでも言うと思ったか!」

ロコン「…!?」

はちまん「俺はお前の攻撃を受け続け、最近気づいてしまったのだ」

ロコン「?」

 

はちまん「お前の攻撃、全然痛くない!」

 

ロコン「!?」

はちまん「むしろ可愛い!」

ロコン「!?」///

はちまん「ちっこい前足で一生懸命俺に攻撃してくるんだぞ!可愛い過ぎるわ!」

ロコン「………」あわあわ

 

ロコンは思わぬ俺の反撃に戸惑っているようだ

ならばこれでトドメだ!

俺はロコンの耳元で囁く

 

 

はちまん「ロコン…愛してるぜ」

ロコン「?!」///

 

 

ははははは

俺から顔をそらしてしまったぞ

あっはっは今までのお返しだ、ははは!

 

ロコン「…………」///

 

フッフッフ

ぐうの音も出ないようだな

恥ずかしい事を言ってしまった気がするが

まあいい可愛いロコンが見れた

さて、そろそろウキワも立ち直った頃だろう

部屋の入り口を見る

 

ドアの隙間からカラフルな人達がこちらを見ている

 

お、妖精かな

そうかそうかこの世界も祝福してくれているのか

あっはっは

 

ウキワ「はちまん…貴方…」

ニン「むぐぐ〜」

シオン「………………………わ、わたしはてんしだし」

レイン「うわー、そういう時代なのかねー?」

 

 

レインのその言葉を聞いた瞬間

俺は屋上からの飛び降りを決意、実行に移し

ウキワ達に必死で止められた

いやーはなしてーあっちの世界で妹が待ってるのー

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ウキワ「さて、いい加減話しを進めましょう」

はちまん「おう、戦力の確認からだな」

 

俺は部屋に戻りコブキさんが帰ってくるまでの下準備を再開する

まあやる事は話し合いくらいだが

 

レイン「あははー!2人とも切り替え早いねー!」

ウキワ「レインさん、黙って」

 

さて、もう一度整理しよう

リーダーであるコブキさんはヤマブキシティから手が離せない状態

なのでコブキさんが来るまで本格的に動けない

 

はちまん「あ、コブキさんに連絡は?」

ウキワ「さっきバタフリーに手紙を渡して、コブキさんのところまで送らせたわ」

はちまん「その手紙が届いて、コブキさんがこっちに来るまで最低何日かかるんだ?」

ウキワ「ヤマブキで何もなく、スムーズにこっちへ来たら1日で着くわ」

はちまん「その手紙の信憑性は?コブキさんはその内容を信じるか?」

ウキワ「私達4人のサインと『はちまんからの情報です』って書いたから大丈夫よ」

はちまん「え、なんで俺の名前使うの。シオンからの情報って言えばいいじゃん、チームなんだし」

ウキワ「チームの一員ではないけど、チームに少なからず関わっている人の証言よ。例え信じなくても何事かとこっちに来るでしょう」

はちまん「なるほど」

 

はちまん「手紙を持ったバタフリーがロケット団に捕まる可能性は?」

ウキワ「無い…とも言い切れないけど、その可能性は低いでしょうね。ロケット団はいま姿を見せてないんだし、それにバタフリーも強いしね」

 

ふむ

不安はあるがとりあえずコブキさんは最低1日でこちらに来ると

いまが夕暮れ時だから明日の昼くらいか?

ならその時にウキワとゲーセンに行けばいいか

 

話しを戻して戦力の確認

戦えるのは

ウキワ、ニン、シオン、レインの4に…

 

ウキワ「バタフリー」

 

んなわけなく

ロケット団を殲滅する俺こと八幡に5人だ

うう、虫怖い

 

はちまん「お前ら以外のメンバーは全員ヤマブキシティにいるんだよな?そいつらも戦力に加えられないのか?」

ウキワ「難しいかもね。メンバーごとにそれぞれ別の場所を担当しているから。ナァはハナダ方面、サチはクチバ方面、タマムシ方面はコブキさんがシオン方面は『フレン』さんが守ってるの」

はちまん「フレン?」

ウキワ「このチームの一員であり、このチームをコブキさんと共に作った人よ」

はちまん「年上?」

ウキワ「ええ、コブキさんと同い年よ」

はちまん「ほー。で、それだけか?」

ウキワ「あと1人いるのだけど…その…」

レイン「まだ来てないんだよねーあの人ー」

はちまん「あれ、ここに来てなかったのシオンだけじゃなかったのか」

レイン「あの人!自由な人でねーまったく!」プンプン

 

あんたに言われたくないと思う

それはともかく

他のメンバーは戦力に数えられない、と

 

ニン「5人だけか〜ちょっときびしいね〜ふふふ♪」

レイン「大丈夫だよー!私がいるしー!」

ウキワ「これ以上の戦力増強は望めないわね」

 

はちまん「いんや、まだいる。エリカだ」

 

レイン「え!?エリカ様!?」

ニン「ほ〜なるほど〜アホ毛くんあたまいい〜ふふふ♪」

はちまん「この街のジムリーダーにも協力してもらおう。戦力としては申し分ない」

ウキワ「でも、協力してくれるの?貴方のたわ言だって言って断られるんじゃ」

はちまん「大丈夫大丈夫。『あなたの腹ん中にゴキブリがいますよ』って言えば誰だって気になるだろ」

レイン「そ、想像しちゃったー!」ぞわぞわ

シオン「………………………ごきぶり」うげ

ニン「お、おそろしい〜」ぶるぶる

ウキワ「…例えは最悪だけど、確かに自分の街が危険だってわかったら何かしらはしてくれるでしょうね」

はちまん「ま、交渉は必要だろうけどな。そこんとこはウキワに任せるわ、明日の朝くらいにジム行けばいいだろ」

ウキワ「何言ってるの。貴方も交渉しに行くのよ」

はちまん「え?お前だけで充分だろ」

ウキワ「言い出したのは貴方でしょ」

はちまん「…………またバタフリーをけしかけられたらかなわんからな。わかったよ」

ウキワ「よろしい」

 

戦力はエリカ次第で増えるということで

明日のお楽しみ

さて、他にすることは…

 

はちまん「作戦を立てようにもコブキさんの指示…というかまだあのゲーセンがロケット団と関係があると決まったわけじゃないから立てようがないな」

シオン「………………………せんにゅうのさくせんはできる」

はちまん「お、そうだそうだ。ウキワ」

ウキワ「何?」

 

はちまん「お前スカートの下、何か履いてるか?」

 

ウキワ「」

ニン「な〜!?」

レイン「う、うわー!だいたん!」

はちまん「あ、でもお前の場合ズボンならいけるか?」

シオン「………………………ふくだしてみて」

はちまん「ほいさ」

 

俺はバッグから俺やシオンと同じ黒いパーカーを取り出す

 

はちまん「ウキワーじっとしてろよー」

 

俺はウキワと服を重ねて大きさを確かめる

んーシオンほどじゃないけどやっぱ大きいな

シオンは頭身が低かったから隠れてたが

ウキワの場合微妙に見えてしまうかもしれない

俺はズボンも取り出す

 

はちまん「ウキワーじっとしてろよー」

 

ズボンも重ねて確かめる

大きいかなー?

裾を折ったとしてもヘソくらいまで上がってしまうかも

それはちょっと不恰好かな

んー

 

はちまん「ウキワ、いっぺん着てもらってもいいか?」

ウキワ「」

はちまん「ん?ウキワ?」

 

どうしたんだろ固まってる

え、もしかして俺の後ろにお化けがいるんじゃ

きやー

ってそんなわけあってもどうせポケモンだろ

気にしない気にしない

でもウキワが固まったままじゃあどうしようもないし

あ、そうだ

 

はちまん「レイン、お前服の事とかわかるか?」

レイン「わかるよ!」

はちまん「じゃあこの黒のパーカーをコイツに着せていい感じにしてくれないか?俺は外に出て飲み物でも買ってくるから」

レイン「あいあいさー!私、ココア!」

はちまん「あいよ、じゃあニンとシオンついてきてくれ。また迷子になるかもしれないし、俺が」

ニン「…わかった〜」ぶす

シオン「………………………あいあいさー」

 

 

俺はウキワをレインに任せて

ニンとシオンを連れてマンションを出る

いやーこれが適材適所ってやつですな!

 

 

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