八幡のカントー地方 〜ぶらり一人旅(希望)〜   作:龍@pixivでも活動中

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88話 エリカと夫婦

#タマムシシティタマムシジム前

 

はちまん「ここがタマムシジム…花の香りがする」

カラカラ「カラ〜♪」

ゴルバット「zzz」

ロコン「♪」

 

ポケモン世界18日目

昨日の晩、カラカラ、ゴルバット、ロコン、カビゴンと小さな宴会を開いた

部屋が広かったのでカビゴンもボールから出すことができた

すぐそばでニンとシオンが寝ていたのでそんなに長くはできなかったが、宴会の飲み物『ぱちマッカン』は好評だった

この調子だと20本あったぱちマッカンはすぐに無くなってしまうだろう、残機13

そして今日

朝早くにエリカの協力を仰ぐためウキワとタマムシジムに交渉に来た

ウキワは昨日の夜と同じ黒いパーカーを着ている

ニンとシオン、レインもついてこようとしていたが

ニンは着替えがあるし、リーダーのコブキさんを本部で待つ人がいないといけないから置いてきた

ジムの見た目は今まで見てきたジムと比べると凄く小さい

トキワジムが体育館ぐらいの大きさだったのに対して

このジムはその半分くらいしかない

これでは他のジムのように沢山のトレーナーを入れる事が出来ないのではなかろうか

 

はちまん「なあ、何でこんなにこのジムは小さいんだ?」

ウキワ「エリカ様は目立ったり騒がしいのが嫌いな人でね、中に入れるトレーナーも制限されているの」

はちまん「ほー、気が合いそうだな」

 

俺もそう言う賑やかなのは嫌いだ

まあ俺の場合目立つ事はないが…

 

はちまん「ん?目立つのが嫌いなら何でレインのライブにゲストとして出ていたんだ?」

ウキワ「あれはエリカ様のご好意でね。みんなを笑顔にしようとするレインさんの手伝いをしたいって」

 

おお、立派な人なんだな

自分の嫌いな事でも人のために頑張る

俺には到底できない事だ

今の俺と同い年くらいなはずなのにな

 

はちまん「それでエリカはここにいるのか?」

ウキワ「いいえ、この時間帯ならこの近くにある別の建物にいるはずよ」

はちまん「何してるんだ?」

ウキワ「寝てる」

はちまん「……ますます気が合いそうだな」

 

朝早いからなー

眠いのは仕方ない

 

ウキワ「こっちよ、ついてきて」

 

エリカの元まで案内してくれるウキワについていくと、ジムから少し歩いた所にさらに小さな木造の建物があった

周りが木々に囲まれていて

花が沢山咲いている

丁度西日が当たる場所に建てられているらしい

建物の窓に日の光が当たり、部屋の中に射し込む

 

はちまん「ほー、寝るにはうってつけの場所って感じだな」

ウキワ「…寝ちゃダメよ?」

はちまん「…ね、寝るわけないだろ」

ウキワ「信用できると思う?」

 

寝ないよ何言ってんの

さっき起きたばかりだってのに失礼しちゃう

確かにいま俺の背中で寝ているゴルバットが羨ましいとは思ってるけど

 

ウキワ「…貴方、今日が大事な日だってわかってる?」

はちまん「わかってるよ。ついでに言えば昨日も大事な日だった」

ウキワ「貴方が大事な日とか関係なく寝てしまう人だと言うのはわかったわ」

 

そんな事ない

総武高校の入学式にはちゃんと早起きしたし

まあ、犬と車にサンドイッチされちゃったけどね

でもいまそれは置いといて

 

はちまん「エリカは本当にここにいるのか?」

ウキワ「ええ、きっとね」

 

ウキワは建物の入り口に立つ

ドアも木造で木目が入っている

 

ウキワ「エリカ様ー、ウキワですー」

 

ウキワはドアに向かって声をかける

しかし、いくら待っても中からは何も聞こえない

これはアレか?フリか?

マサキの家でやったアレをやればいいのか?

ドアをぶっ飛ばしてエリカの頭にぶつければいいのか?

 

ウキワ「エリカ様ー、入りますよー」

 

俺の葛藤も知らずウキワはドアを開け入って行く

あ、鍵かかってない

俺は女の子がいる場所に入る気にもならず、外で待つ

背中からゴルバットの寝息を感じながら待っているとウキワが出てきた

 

ウキワ「何してるの?早く入りなさい」

はちまん「エリカは寝てるんだろ?入らない方がいいだろ」

ウキワ「いいから、エリカ様は寝起きの時は余り動かないの」

はちまん「えーめんどくさー」

ウキワ「エリカ様もそう言ってるわ」

はちまん「マジかよ」

 

俺は仕方なしに中に入る

そこは畳の敷かれた部屋で

お茶の香りと花の香りが入り混じった匂いが部屋に充満している

小物も余り無く

必要最低限の物しか置かれていない

ちゃぶ台に座布団

そして敷布団にお目当ての人物

短い黒髪に整った顔立ち

エリカが寝巻き姿で上体を起こし座っていた

寝起きで頭がはっきりしていないのか虚空を見つめている

 

ウキワ「エリカ様ー、お客様をお連れしましたー」

はちまん「いや、お前もお客様だろ」

エリカ「ウキワ様、わたくしは眠たいのであと1時間程経ちましたら起こしてくださいませ、ではおやすみなさい」

 

そう言ってねっ転がるエリカ

 

はちまん「あ、ズルい」

ウキワ「ちょっとエリカ様、大事な用事があるので起きてください。あとはちまん、貴方は寝たら駄目よ」

エリカ「えー」

はちまん「えー」

ウキワ「サンドパン」

 

ポンッ!

 

サンドパン「…」

 

ウキワはサンドパンをボールから出した

え、何する気

 

ウキワ「サンドパン、この2人が寝たら容赦なく切り裂いて」

サンドパン「…」シャキーン

はちまん「ひい!」

 

ウキワの指示を聞き

俺に長い爪を突き立てるサンドパン

こ、怖えー

というかエリカも切り裂くの?

 

エリカ「あら、ウキワ様。それは少し乱暴なのでは…」

ウキワ「寝なければいい話しです」

エリカ「相変わらず手厳しいですわね」

 

エリカはゆっくりとサンドパンを警戒しながら起き上がる

口調は穏やかだが内心ビビっているのだろう

てかエリカが起きたのはいいがまだ寝巻き姿じゃないか

ていうかほっそ!身体細い!ちゃんと食べてるの?

 

はちまん「おいウキワ。エリカは着替えるだろ。俺は外に出てるから」

エリカ「あら、そのようなお気遣いは必要ありませんわ。お話しがおありなのでしょう?わたくしはこの格好のままでお聞きしますわ」

はちまん「え?でも」

ウキワ「エリカ様がこう仰っているのだからお言葉に甘えてここに居なさいよ。時間ももったいないし」

 

いや、エリカのアレ着替えるのがダルいだけだろ

まあ時間がないのは事実だから、エリカがいいならここにいようか

 

エリカ「ではウキワ様と…えっと」

はちまん「あ、はちまんだ」

エリカ「あ、ゆきの様方が仰っていた殿方でございますか」

はちまん「げ、またアイツらが何か言ったのか」

エリカ「ふふふ、詳しくはご本人にご確認下さいませ」

はちまん「いや、いいわ。どうせロクでもない事だろ」

エリカ「あらあら、どうでございましょう?ふふふ」

 

な、何言ったんだアイツら…

 

エリカ「はちまん様、ウキワ様、こちらへおかけ下さいませ」

 

そう言ってエリカは俺達に座布団を差し出す

俺とウキワは座る

その間にエリカはお茶を淹れていた

この香りは…緑茶か?

それからお茶菓子を出して俺達の前へ置いていく

 

エリカ「ウキワ様、どうぞお召し上がりくださいませ」

ウキワ「ありがとうございます」

エリカ「はちまん様も、どうぞお召し上がりくださいませ」

はちまん「どうも」

 

エリカから緑茶とお茶菓子を貰う

こういう時の作法とかあんまりわからない

まあ適当にやるか

俺が四苦八苦しているとエリカはポケモン達にもお茶を差し出していた

 

エリカ「サンドパン様も、どうぞお召し上がりくださいませ」

サンドパン「…」ペコ

エリカ「カラカラ様もロコン様もどうぞお召し上がりくださいませ」

カラカラ「カ、カラ」ペコ

ロコン「…」ペコ

エリカ「あらあら、ロコン様は社交場での作法をどこかで学ばれたのかしら?わたくしよりも姿勢がお綺麗ですわ」

はちまん「多分お前の姿勢を見て、見よう見まねでやってるだけだと思うぞ。コイツすげー頭いいから」

ロコン「…」///

 

お、照れてる

屋上での一件からロコンが俺に対してツンケンしなくなって

代わりにこういう恥ずかしがるのが多くなった

好感度が上がった証拠だな

 

はちまん「あ、エリカ。コイツにも頼めるか?」

 

俺は自分の背中を指す

 

エリカ「あらあら、そのようなところにもポケモンが…。くすくす、ゆきの様が仰っていた通りの面白い殿方でございますね」

はちまん「やっぱロクでもない事言ってんだな」

エリカ「ふふ、それではゴルバット様にもお淹れしますわね」

はちまん「おう、サンキュ。ほらゴルバット、エリカがお茶を淹れてくれるってよ」

ゴルバット「バ〜ット?」ふらふら

 

ゴルバットは寝起きでふらふらしながらも俺の背中から離れて床に足をつける

 

エリカ「ゴルバット様、どうぞお召し上がり下さいませ」

ゴルバット「バット」ペコ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#エリカの寝室

 

さて、一息ついたところで本題に入るか

俺はウキワに視線を送る

ウキワはそれに気づき頷くとエリカに話し始めた

 

ウキワ「エリカ様、単刀直入に用件を述べてもよろしいでしょうか」

エリカ「構いませんわ」

ウキワ「ロケット団の事なのですが」

エリカ「…あまりよろしくないお話しのようですわね」

ウキワ「いえ、私達チームにとっては朗報です」

エリカ「あら、そうなのですか」

ウキワ「ここにいるはちまんからの情報なのですが、ロケット団と思われる人物をこの街で見かけた事なのです」

エリカ「近頃この街では見かけませんでしたが、それは本当の事なのでしょうか」

ウキワ「いえ、確証はまだありません。ただこのはちまんが見たロケット団員は私も知っている人物のようなので、今日の昼頃にはその人物の元へ行き確認しようと思います」

 

するとエリカの纏う空気が変わった

 

エリカ「ウキワ様、確証のない用件をわたくしの睡眠を妨げてまでお伝えに来られたのですか?」

ウキワ「い、いえ…」

エリカ「貴女様はとても慎重な性格だと存じ上げておりましたがわたくしの思い違いだったのでしょうか」

ウキワ「それは…」

 

エリカのやつ怒ってんのかこれ

そんな言い合いしている場合じゃないんだが

仕方ない俺が入るか

 

はちまん「それに関しては俺の責任だ。俺が勢いだけでいけばいいって言ったからな」

エリカ「あら、はちまん様にはお聞きしておりませんわ」

はちまん「知るかそんな事。こっちは忙しいんだよ」

エリカ「あらあら、わたくしにはご用事がないと仰るのですか?」

ウキワ「ちょ、はちまん!エリカ様にそんな事を…」

はちまん「いや、いいウキワ。エリカ、用件だけ言うぞ。協力してくれ。もし俺の見つけた場所がロケット団と関係のある場所、あるいはロケット団のアジトだったら、俺やウキワ達の戦力だけでは戦闘になった場合厳しい。だからエリカ、その為に協力してくれ」

 

俺は頭を下げる

 

エリカ「あらあら、わたくしに頼み事をしていらっしゃるのですわよね?ならばその態度は頼み事をしている相手に対して失礼ではありませんか?」

はちまん「あ、じゃあいいわ。帰るぞウキワ」

ウキワ「ふぇ!?な、何で!?エリカ様に協力して貰いたいんじゃ…」

はちまん「いや別に、ここでコイツが協力しなくても少し日をおけばお前らのチームが集まるだろ。そしたら戦力はコイツがいなくても充分だ」

ウキワ「ちょっとはちまん!」

エリカ「……わたくしをけなしていらっしゃるようですわね」

 

はちまん「先に貶したのはそっちだろ」

 

ウキワ「え?」

はちまん「例え確証のない用件だったとしてもお前のところまで伝えに来たんだ、一大事だってのは普通に考えればわかるだろ。それを慎重じゃないだと?慎重だからお前に伝えに来たんだろうが。この街にロケット団がいるかもしれないから慎重に事を考えてからこの街のジムリーダーで顔役であるお前に伝えに来たんだろうが」

エリカ「……」

はちまん「あと勘違いしているようだから言っておくが俺達はお前に頼み事をするためにここへ来た訳じゃない」

ウキワ「え…違うの?」

はちまん「俺達は確認しに来ただけだ」

エリカ「ご確認…でございますか?」

はちまん「ああ、お前がこの街にロケット団がいるって聞いて協力するかどうかっていう確認だ」

エリカ「なんですって」

はちまん「ああ、大丈夫だから。お前が協力しなくても言いふらしたりしないから。お前はウキワ達チームの本部を作ってくれたんだろ?だったらコイツらにとっては恩人だ。恩人の評判を汚すような事はしないから、安心してゆっくり寝むっててくれ。後はこっちで何とかするから。たださっきも言った通り戦力が少ないからな、何とかしようとした結果でこの街がとんでもない事になってもウキワ達を恨むなよ?」

エリカ「………ふ、ふふふ」

ウキワ「エ、エリカ様?」

 

エリカ「ふふ、あ、あははは!あはっあははは!」

 

エリカは突然笑い出した

さっきまでの態度とは真逆の笑い方だ

ま、まさか…このお茶に毒を…?

 

エリカ「あは、あはは…そうでございますか。この街をとんでもない事にするわけにはいきませんわね。それにわたくしが協力しなければウキワ様方に恨まれてしまいますわ。ふふっ」

ウキワ「え…?エリカ様?」

エリカ「ウキワ様、少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか…ふふふっ」

ウキワ「え、は、はあ」

 

ウキワの了解を得るとエリカは笑いを落ち着かせる

その笑いが止まったらみんな倒れるとかないよね?

毒は入ってないんだよね?

だがみんな倒れる事はなくエリカは笑いを止めて

ウキワに向き合う

 

エリカ「それではまず謝罪をいたしますわ。ウキワ様、先程のわたくしのご無礼、誠に申し訳ございませんでした」ぺこり

ウキワ「え!?エリカ様!?い、いえ、それはこちらにも不手際があったので…」

エリカ「いいえ、そうではございません。これは先程わたくしがウキワ様に対する不適切な発言に対する謝罪でございますわ。ウキワ様、貴女様は常に冷静に物事を考える事のできる方です。よく冷静に考え、周りにいる方々の意見を取り入れ、コブキ様方の力になろうと一生懸命に努力なされていらっしゃる事をわたくしは存じておりました。それを存じていながらわたくしは自分勝手な物言いを貴女に向けてしまいました。ウキワ様、本当に申し訳ございませんでした」ぺこり

ウキワ「エ、エリカ様…」///

エリカ「ウキワ様、お許しになられますでしょうか」

ウキワ「はい、エリカ様。顔を上げてください。それとありがとうございます。私の事をそんな風に見ていてくださって…」///

エリカ「ふふっ、わたくしは貴女様方の事をとても好いておりますわ。そんなわたくしがウキワ様の良いところを見逃すはずがございませんわ」

ウキワ「エエ、エリカ様っ!?」///

 

え?何これ百合?

あ、部屋の中に百合の花が咲いている

するとエリカはこちらを向いて来た

 

エリカ「はちまん様」

はちまん「なに?」

エリカ「お聞きしてもよろしいでしょうか」

はちまん「なんだよ」

エリカ「先程はちまん様はわたくしがご協力するかご協力しないかをご確認をする為にこちらへ参ったと仰いましたね」

はちまん「ああ、それは間違いない」

エリカ「では、もうご確認は済んでしまわれましたか?」

はちまん「いや、まだお前の口から何も聞いてないからわからん」

エリカ「ふふっ、ではまだ間に合いますでしょうか?」

はちまん「知らん、お前が決める事に俺がとやかく言えるわけないだろ」

エリカ「わたくしはこの街の為に戦ってもよろしいのでしょうか」

はちまん「お前の街だろ、好きにしろよ」

 

 

エリカ「それでは、はちまん様。わたくしは貴方方にご協力させて頂きますわ」

はちまん「いや、それは駄目だ」

 

 

エリカ「え…?」

ウキワ「は…?どういう事よ」

はちまん「俺は一度も俺達に協力しろとは言っていない。この街にロケット団がいて、戦うかもしれないから協力してくれと言ったんだ」

ウキワ「何が違うの?」

 

はちまん「関係が違う」

 

ウキワ「関係?」

はちまん「お前らチームのリーダーは誰だ?」

ウキワ「そんなのコブキさんに決まってるじゃないの」

はちまん「じゃあコブキさんが戦えって言ったら戦うか?」

ウキワ「戦うに決まってるわ。リーダーの命令だもの」

はちまん「そうだよな、お前らのリーダーはコブキさんだからコブキさんの言う事は絶対だよな」

 

はちまん「じゃあエリカは?」

 

ウキワ「あ…!」

エリカ「え…」

はちまん「お前らにエリカが協力する。つまりはお前らの行動にエリカがひっついていくって事だよな?例えばコブキさんが『アレ』を取って来いって命令したらお前らは『アレ』を取りに行く、そしてそれに協力するエリカも『アレ』を取って来なければならなくなる」

ウキワ「それって…」

エリカ「つまりはわたくしもコブキ様のご命令をお聞きにならなければいけなくなると…」

はちまん「そう言う事。エリカにはエリカのやり方がある。だからもしエリカがコブキさんの命令に疑問を持てば衝突が起きるかもしれない。チームのメンバーでは無いのだからコブキさんの命令は絶対だとは考えられないだろう」

エリカ「しかしそれは…」

はちまん「お前とウキワ達のチームは仲がいいからそんな事は無いって言いたいのか?だが今のコブキさんはヤマブキシティに目が行っている状態だぞ?もしコブキさんがタマムシシティを見捨てるような事があったらどうするつもりだ?」

ウキワ「はちまん!!」

はちまん「ウキワ、絶対無いと言い切れるか?サカキがどう動くのかわからないんだぞ?もしかしたらカントー地方全ての街を攻撃するかもしれない。そんな時お前はどうする?他のメンバーはどうすると思う?」

ウキワ「………!」

はちまん「自分が守ってきた街を守ろうとするんじゃないのか?そこに大切な人がいるから」

ウキワ「くっ…!」

 

エリカ「わかりましたわ。わたくしはこの街を守る為に尽力いたします」

ウキワ「エリカ様…」

エリカ「ウキワ様、わたくしはコブキ様が信じられないのではありません。ただ少しでも貴女方とのご関係の摩擦をなくしたいだけでございます」

はちまん「あと、エリカにはジムリーダーとして個別に動いて欲しいから俺達と一緒にいたら困るからな」

ウキワ「え…?エリカ様に何をさせるの?」

はちまん「街の警備と警戒。もし俺達がアジトを見つけて乗り込んだとしても罠だという可能性がある。アジトに戦力を集中させてこの街をいただくっていう罠がな。だからそうならないためにもエリカにはこの街を守ってもらいたい。エリカだって自分の街を取られたくないだろ?」

エリカ「しかしそれではわたくしがお力になれませんわ」

はちまん「別にお前が戦わなくても、この街にいる強くて協力してくれそうなトレーナーを紹介してくれればそいつらを連れて行く」

エリカ「わたくしのお力は必要がないとおっしゃいますか」しゅん

 

俺の提案に落ち込むエリカ

え!これで落ち込むの?

やっぱりジムリーダーの誇りとかあるのかな

 

はちまん「い、いや、そりゃあお前が来てくれたら助かるけど、お前はこの街を守らなきゃいけないだろ?」

エリカ「この街のロケット団を倒すのもこの街を守る事になるのではないでしょうか」

はちまん「そりゃあそうだけど、さっきも言った通りウキワ達について行ったらややこしい事になりかねないから…」

 

エリカ「では、わたくしははちまん様についていくといたしますわ」

 

はちまん「は?何言ってんのお前。何でそこで俺がでてくるんだよ」

エリカ「はちまん様もウキワ様方のチームとは違うお方ではありませぬか?」

はちまん「確かに俺はウキワ達のチームではないが…まあコイツらには色々世話になっているから協力しているだけだ」

エリカ「それならばわたくしもウキワ様方にはお世話になっておりますわ。しかしながらわたくしはウキワ様方に直接ご協力させていただく事は残念ながら出来ませんわ」

はちまん「まあ、敵の前で喧嘩するような事があったらめんどくさいからな」

 

エリカ「なのではちまん様にはわたくしとウキワ様方とのかけ橋になって頂きたく存じ上げますわ」

 

はちまん「はあ!?な、何でそんな……いや、それなら…」

エリカ「ええ、このようにするのであればわたくしとウキワ様方とのご関係の摩擦が緩和されるのではないのでございませぬか?」

はちまん「だがそれにはウキワ達のチームが俺を信頼していなかったら意味ないだろ」

エリカ「そのような事は」

はちまん「例えここでウキワがそんな事ないと言っても、リーダーはコブキさんだ。コブキさん自身に聞くまでは決められない」

ウキワ「はちまん…」

はちまん「だからこうしよう」

 

はちまん「これから俺達は本部に戻ってコブキさんが戻って来ていたらその事を聞く。その間エリカは頼れるトレーナーにこの街の警戒を依頼してくれ。もしコブキさんが俺の事を信じられないと言ったら諦めて街の警備に当たってくれ。だがコブキさんが俺を信じると言うのであればついて来ても構わない」

 

ウキワ「コブキさんが戻って来ていなかったら?」

はちまん「その時は日を改めればいい。どのみち戻って来てくれるんだろ?だったらする事は変わらない」

エリカ「はちまん様」

はちまん「ん?何か不安な点があったか?」

エリカ「いえ、その事に関しては貴方方に任せる他ありませぬわ。ただ…」

はちまん「ただ?」

 

エリカ「はちまん様がコブキ様にお信頼されていらっしゃらないとしたとき、はちまん様はどうなされるおつもりでございますか」

 

はちまん「……………」

ウキワ「エ、エリカ様…」

はちまん「信頼されてもいないやつがうろちょろするわけにはいかないからな。その時はこの件から手を引くわ」

ウキワ「え…」

エリカ「はちまん様のお気持ちはわかります。しかしそれでは少し自分勝手ではございませぬか」

はちまん「だが…」

 

エリカ「わたくしの元までいらっしゃられたのはこの街を守る為にわたくしを動かすためでございましょう。そしてわたくしはこの街の為に戦う事を決意いたしましたわ。それなのにわたくしの背中押してくださったご本人がその戦いには関わらないと言うのは己可愛さに事を進めたとしか思えませぬわ。責任を取る事の出来ない殿方をわたくしは好いてはおりませぬ」

 

はちまん「…だが信頼の出来ないやつが…」

エリカ「そこでご提案なのでございますが」

はちまん「提案?」

 

エリカ「もしもコブキ様が貴方様をお信頼されていなければわたくしの元へいらしてくださいませ」

 

はちまん「は?」

ウキワ「ええ!?」

エリカ「わたくしの元へいらしてわたくしのお手伝いをして頂きますわ。これならば貴方様のご責任を取る事が可能でございましょう」

はちまん「確かにそうだが…それもお前の信頼が」

エリカ「わたくしは今日会ったばかりの殿方をお信頼するような女ではありませんわ。しかしゆきの様、ゆい様、いろは様はお信頼をいたしておりますわ」

はちまん「アイツらを…?」

エリカ「はちまん様、わたくしがお信頼する方々は貴方様のことに関してお話しをして下さるとき、とても良き笑顔でお話になられていらっしゃいましたわ」

はちまん「そ、そっすか…」

 

エリカ「はちまん様、わたくしは貴方様をお信頼いたしますわ。あの方々をおそばにいらっしゃらなくても笑顔にする事ができる貴方様をわたくしは信じとうございます」

 

きゃー恥ずかしいー!

というか何で俺の話題がエリカとの会話で出てくるんだよ

どんな会話の流れだったんだよアイツら

 

エリカ「というわけでございますので、わたくしは貴方様をお信頼させていただきますわ。ですから遠慮なくわたくしの元へいらっしゃってくださいませ」

はちまん「わ、わかった。もし路頭に迷ったらお前の元へ行くわ」

エリカ「あらあら、まさかわたくしの元にお婿としていらっしゃるおつもりでございますか?」

ウキワ「な!?」

はちまん「そんなわけ……ないとも言いきれん」

ウキワ「何ですって!?」

 

だってこの街マッカンもといぱちマッカンがあるんだもん

ゲーセンもあるし、デパートもあるし、豚骨ラーメンもあるし

それにエリカってお嬢様だから色々持ってそうだし

あとエリカとは波長が合うと言うか、気が合うと言うか

寝腐り同盟を立ち上げても文句を言われないだろうし

あれ、俺にとってエリカは運命のひとなのでは…

 

エリカ「くすくす、もしそのおつもりでしたらいつでもいらしてくださいませ。わたくし達が夫婦になったあかつきには共にジムリーダーを務めていただきたく思います」

はちまん「ジムリーダーってほいほい決めてもいい事なの?」

 

エリカ「わたくし達ジムリーダーは皆様方に実力を認めていただいた上で成り立っております。なのでわたくし達が認めた方であれば皆様方にも納得していただけると思いますわ」

 

はちまん「そうなのか。ま、まあ夫婦とかはまた考えとくわ」

ウキワ「…」

 

そ、そろそろ本部に戻るか

ウキワが不機嫌だから

自分の目の前で結婚がなんだ夫婦がなんだの会話をしていたらいい気持ちはしない

爆発しろと思うわな

 

はちまん「そ、それじゃあ俺達はそろそろ…」

エリカ「ふふ、結果のご報告は本日中にお願いいたしますわ。はちまん様がわたくしの元へいらっしゃるならば手厚くお迎え差し上げますわ」

はちまん「お、おう、ありがとな」

エリカ「いえいえ」

ウキワ「…」

 

 

俺とウキワ

ポケモン達はエリカに別れを告げ建物を出る

本部を戻る途中ウキワは黙っていた

さーてコブキさんは戻っているかなっと

 

 

 

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