八幡のカントー地方 〜ぶらり一人旅(希望)〜 作:龍@pixivでも活動中
#タマムシシティロケットゲームコーナー付近
はちまん「おいエリカ、もうついたから降りてくれ」
エリカ「いやん、ねむねむ…zzz」
俺は壊れたエリカをゲーセンまでおぶって来た
だがこのままゲーセンに入る訳にもいかない
はちまん「おい、起きろ」
エリカ「やーだーれーたーすー」
はちまん「くそっ、振り落そうにも怪我させたらめんどくさいし」
エリカ「えへ、やさいしいなー。その優しさに包まれてわたしはグー…zzz」
コイツこの野郎
何が何でも寝るつもりか
俺は周りを見る
幸いこの変人を気にかける者はいない
関わりたくないだけか
だがそれも好都合
これならこの変なやつがエリカだとは気づくまい
俺はさらに周りを注意深く見る
ウキワ達を探すためだ
アイツらはいま俺やエリカと同じ黒いパーカーを着ているはず
しかしどこにもそれらしきものは見当たらない
もうゲーセンの中に入ったのだろうか
はちまん「エリカ、ウキワ達はもう先に行ったみたいだから俺達もゲーセンに入るぞ。っていい加減降りろ!」
エリカ「うぅー歩くのめんどいからこのままーれっつごーやー」
はちまん「怪しまれるだろーが。てかさっきから何で言葉の中に野菜を入れてるんだ、お腹空くだろ」
エリカ「あなたはーだんだんーおなかがーだんだんごー」
はちまん「ぶっ飛ばしていいか?」
ロコン「…」はぁ
エリカが意味のわからない言葉を言い出し
俺がいい加減ムカついてきた頃
俺達を先導し道案内をしてくれていたロコンがため息をついた
そして
ロコン「…」ぼぅ
エリカ「え!?あちちっ!ロコンちゃんっやめてっ!うわわ」
エリカに容赦なく『ひのこ』を向ける
エリカはそれから逃げるために俺の背中から離れる
しかし
はちまん「ちょっ!ロコン!こっちにも飛び火が…あちち!」
俺の背中に向けたため俺にも被害が
ロコン「…」くいっ
ロコンが鬱陶しそうにアゴでゲームセンターを示す
めんどくさいからさっさと行けって事か
だがそれはエリカに言ってくれ
確かに口調を変えてとは言ったがダラけていいとは言ってない
エリカ「じめんに足ぃついちゃった、もうわたしは歩くしかないんだね…」ずーん
つーかダラけ過ぎだ
歩かせてもちゃんとついて来るのか?
俺が離れた瞬間帰ったりしないか心配だ
エリカ「じゃーまん、てーつないでよ」
はちまん「俺の心を読むな、『じゃあ』と『はちまん』を省略するな、あと何でそんな事しなきゃならないんだ」
エリカ「だってーわたしが…あっ、私が貴方から離れていくのが嫌なんでしょう?だったら私を抱きしめて!」
はちまん「途中で思いついたようにボケるな、昼ドラかラブコメっぽく言っても手は繋がないからな。あとハードル上げてんじゃねーよ」
エリカ「じゃあハードル下げればいいんだね」
はちまん「は?」
エリカ「はいと」ぽん
何をするかと思えば
エリカは俺の背中自分の手のひらを当ててきた
小さい手が押し付けられる
はちまん「ん、何の意味があるんだ、これ」
エリカ「はちまんはこのわたしの手のひらを背中で感じて、わたしの手のひらの感触がなくなったらわたしを探してね。わかった?」
はちまん「そんな事しなくてもお前がしっかりついてくればいいだろ」
エリカ「だーめ、こうしないとはぐれちゃうでしょ」
はちまん「いや、人も少ないし逸れる事はないと思うが」
エリカ「それにこうすればはちまんがわたしの事をずっと気にかけてくれるでしょ」
はちまん「…??人にずっと気にかけられるってダルくないか?」
エリカ「ありゃま、はちまん先生はそう考えるか…」
よくわからないが
これなら手を繋がなくてもいいんならこれでいいか
でも逸れないようにって言ってたからこの背中の感触を覚えなきゃな
えーと
小さい面積のものが押し付けられる感じ
ずっと押し付けられるからその場所から全身に行き渡るように暖かくなり、腹の中がぽかぽかする
それとエリカが近くにいるから花の香りがする
これくらいか
よし、覚えたぞ
はちまん「んじゃ、行くか。エリカ、フード被れ」
エリカ「被せて」
はちまん「はぁ…、ほら」
エリカ「サンキューリ」ファサ
俺とエリカはフードを被る
だから何で野菜を言葉の中に入れるんだ
何の意味があるんだそれ
言葉だけスーパー野菜人か
はちまん「あ、ロコンお前はどうする?前みたいに俺の肩に乗ってるか?」
ロコン「…」ふるふる
はちまん「特にロコンがそうする意味がない、と。わかった、じゃあボールに戻ってるか?」
ロコン「…」こくん
俺はロコンをボールに戻す
そしてお待たせしました
いよいよゲームセンターへ乗り込みますよ
背中から感じる熱をもとに
エリカが追いつけるくらいの歩調に合わせゲーセンへ入る
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
#ロケットゲームコーナー
はちまん「ウキワ達は…あそこか」
ゲーセンに入り
店内を見渡すと黒いパーカーを3つ見つけた
ニンとシオンは流石にあげたぬいぐるみを持っていない
てかあの2人またあのジャンケンやってんのか
空気的にどっちが1番勝てるかを勝負しているらしい
ウキワはそれを見守っている
するとウキワはこちらに気づいた
アイコンタクトとジェスチャーで会話する
はちまん「(もう確認したのか?)」
ウキワ「(まだよ)」ふるふる
はちまん「(シオンに聞かなかったのか?)」
ウキワ「(いないみたい)」ふるふる
はちまん「(そうか…)」
俺はカウンターの方を見る
確かにアイツはいない
だが…
チラホラ見たことある顔が…
ウキワ「(合流できる?)」
はちまん「(合流…)」キョロキョロ
ウキワは俺と合流したいらしい
この店内で怪しまれずに合流できそうなのは…
スロット台が沢山並んでいるところを見つけた
あそこなら声を出してもスロットの音で聞こえないだろう
人も少ないし
はちまん「(ニンとシオンを置いてスロットに)」くいっ
ウキワ「(わかったわ)」こくん
俺はエリカを連れてスロット台に行く
エリカを店の1番入り口に近いところのスロット台に座らせ俺は隣に座る
これコイン制なのか
はちまん「ちょっと待ってろ」
エリカ「ほいほい」
俺は両替機でお金をコインに替えるために席を外す
その時エリカの手は背中から離れた
うーん何枚くらいしよう
昨日シオンと来た時は1000円で交換して50枚と両替できた
2人いるから2000円で100枚と交換しよう
へーコインの枚数で景品と交換できるのか…って
ポケモンも景品なのか…
俺は両替した後、エリカの待つ席へ戻る
俺の座る席のエリカとは逆方向の隣にはウキワが座っていた
ウキワと話す前にコインをエリカに渡す
はちまん「ほれ、これで遊んでろ」
エリカ「ほーい」
エリカはスロットを回しだす
俺もスロットを回しながら隣のウキワに小声で話しかける
はちまん「お前はやらないのか?」
ウキワ「遊びに来たわけじゃないし」
はちまん「このスロットで回ってるロゴ、ロケット団のやつじゃないか?」
ウキワ「ええ、それはさっきから気になっていたわ…それにコイン景品がポケモンだった」
ウキワは歯を食いしばりカウンターの方を見る
まだ俺の言っていたロケット団員はいないが
怒りが抑えられないのだろう
ウキワ「……貴方の言っていたやつを確認するまでもないわね。…こんな堂々と…アイツら、なめやがって」
はちまん「まあ待て、とりあえずそっちも確認しよう。後ニンは何か言ってなかったか?アイツもオツキミ山で見たやつがいるかもって連れてきたんだが」
ウキワ「…見覚えのあるやつが1人…って」
はちまん「…あのクレーンゲームの景品の位置を変えてるやつか?」
ウキワ「貴方も見た事あるの?」
はちまん「俺がオツキミ山で戦ったやつだ」
確かポケモンセンターで店員さんにいちゃもんをつけ
俺がミニスカのエリとギャングカップルの変装をして倒したやつの片割れだ
まあ戦闘はカットしたが
あそこにいたやつって事は大男『ロンド』の部下か
はちまん「…今日言ったロンドってやつもどこかにいるかもしれない」
ウキワ「…ニンより強いってやつ?」
はちまん「ああ、俺も勝てる気がしない」
ジャラジャラ!
エリカ「うわあ、見て、はちまんいっぱいでてくるよこれー」
俺とウキワが話している間にもスロットを回していたエリカ
うお!すげー出てきてる!
俺が渡したのは50枚だけだったんだが
見てわかるくらいその枚数を超えている
コイツの運が凄いのか、この台が出やすいのか
エリカ「やった、やったぁ」
止めどなく出てくるコインを見てはしゃぐエリカ
そんなエリカを見てウキワが聞いてきた
ウキワ「…ねぇ貴方、どうしてそのエリカ様を連れて来たの?それって寝起きの時のテンションよね」
はちまん「そうかお前はエリカを起こした事があるから知ってんのか。これはこのゲーセンで怪しまれないようにするためだ」
ウキワ「でも、逆に目立たない?」
はちまん「…そりゃコイツをおぶって来た時も色んなやつに見られたがな。でもこれで誰もエリカだって気づかないだろ」
ウキワ「えっ?おんぶして来たの…って、あーそのエリカ様なら歩きたくないって言いそう」
はちまん「ま、そう言う事だ」
エリカ「ん?あれぇ?」
するとエリカが何かを見つけたようだ
店の入り口の方を見ている
ウキワとの会話を中断する
はちまん「どうしたエリカ」
エリカ「ねぇー、レインも来てるのー?」
はちまん「は?いや、本部にいると思うが…」
ウキワ「…外が騒がしいわね」
はちまん「え?」
入り口の方を見る
確かにウキワの言う通り騒がしい
ここからでも人混みが出来ているのがわかる
…先程のエリカの台詞、まさか…
ゲーセンの入り口が開く、そこには
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
レイン「みんなー!助けにきたぜぃ!」
『『わあああーー!レインちゃーーん!』』
数人、人を引き連れている
黒いパーカーに赤いミニスカート姿のレインが
やはりヘソが見え隠れしている
レイン「あれ?どーこだー」
レインは店内を探す
ま、まさかあいつ
俺が『いくら待っても帰って来なかったらここに来い』って言ったけど
アイツの中の『いくら』が経ってしまい俺達が心配でこっちへ来てしまったのか…
さ、30分後とか1時間後とか、時間制限をつけとけば良かった…
あのついて来ている人達はレインのファンだろうか
街中でレインを見つけてついて来たのだろう
だがこんなに目立ってしまうとまずい
店員1「な!?あれは確か俺達を邪魔するドレス女の1人!」
店員2「あ、あの服装…確か昨日の昼も…」
店員3「いや!今日も来ていたはずだ!」
店員1「まさかそいつらもドレス女の仲間か!?」
やはりと言うべきか
周りの店員達がレインの登場に騒ぎ出す
それに俺達と同じ服装だから俺達と一緒方にされた
それだけじゃない
店員4「あの黒いパーカー!間違いない!オツキミ山で俺達をコテンパンにして眠らせやがったガキの服だ!」
店員1「て、事はソイツもいるのか!?」
店員5「くそっ!?とうとう俺達の居場所がバレたってのか!?」
あらま俺ってばそんなに有名になってたの
てかこんだけ主張しててバレないと思ったの?
レイン「あれ?みんなどこー?」
俺達を助けに来たはずなのにその姿が見えず、レインは周りを見渡し首をかしげる
ウキワ「くっ…!レインさ…」
ウキワがレインに呼びかけようとした
———その時、レインの後ろに大きな人影が
あれは…!
俺はレインに向かって走り出す
はちまん「レイン!!」
ガッシャッーーーン!!
レイン「きゃあ!」
入り口が破壊されその衝撃でレインが吹っ飛ばされる
はちまん「レインっ!」がしっ
ファンの方『『レインちゃん!?』』
幸い俺の方向に飛んで来たお陰でレインを受け止める事が出来た
その勢いのまま俺とレインは倒れ込む
はちまん「レイン!大丈夫か!」
だが俺が呼びかけてもレインから返事はない
くそっ気絶したのか!?
『どーせバレたんならいらないだろ、ここ』
前方から野太い男の声が聞こえる
恐らく入り口を壊し、レインを吹っ飛ばした張本人
傍らにはニドリーノとニドリーナを従え
顔に傷があり
山のように大きな巨体
オツキミ山で見た威圧感のある人物
はちまん「ロンド…」