新幹線変形ロボシンカリオン ふたりのはやぶさ 作:小田急ロマンスカー
ここの所ちょっと長い話を書いていて更新遅れ気味ですいません
今日は何としても書き上げなくてはと思い頑張って書きました
それでも当日書き始める羽目になりましたが
特別な日をどうしても直接お祝いしたくて
気づけば遠い地にいる彼の下へ急いでいた
「わざわざありがとう、ミク」
遠い函館から海を越えてやってきたミクを握手で歓迎するハヤト
歓迎を受けたミクは顔を赤くして目をそらした
「あの、それよりこれ………北海道支部の皆さんからハヤト君に」
「ありがとう、うおぉぉ!函館限定北海道新幹線文具セット!大事に使わせてもらうよ」
「あ、あの………それから………」
もう一つミクが赤くなりながら包みを取り出した
「こ、これ………私から」
「ありがとう、あ、いい匂い」
「その………色々悩んだんですけど………クッキーを」
「北海道と言えば白い恋人だな………」
甘いものに眼がないアキタがミクの言葉を聞いて頷くように述べるが
「わぁ、すごい、H5かな?それともE5?」
「あの………ハヤト君の誕生日プレゼントですから………一応E5のつもりで」
二人のやり取りを聞いてアキタとツラヌキはしばしきょとんとしていたが
「話は読めた、そのクッキーは手作りだな」
「まったくもってうらやましいぜ」
アキタとツラヌキの言葉にミクはさらに赤くなって心なしか小さく見えた
「それにしてもミクさんは今日はなんだか照れてばかりな気がしまーす」
そういって覗き込んだシャショットを捕獲したミクは鷲掴みにしたままツラヌキの方へ思いっきり放り投げた
「っと、ナイスパス、今はそっとしておけよ」
「話は読めた、あいつ誰かに手作りクッキーをプレゼントするのは初めてか」
「ハヤトに喜んでもらえるか心配でドキドキしっぱなしなんだろ、かわいいとこあんじゃんか」
シャショットとアキタにニヤつきながらささやいていたツラヌキだったが次の瞬間飛んできた竹刀が頭を直撃しその場に倒された
「竹刀………」
口は禍の元とはよく言ったもので気絶したツラヌキはそのままアキタに引っ張って行かれた
「あの………ミク」
「あ、す、すいません、ちょっとびっくりして」
話の読めていないハヤトはしばしその場で呆然としていた
二人きりという状況にミクの心音はさらに早まっていく
「なんだか、初めて会った時を思い出しますね」
「そうだね、あの時ミクがくれた卵酒、すごくおいしかったし、救われたよ」
「救われたのは私の方です、乗り物酔いを意識しすぎるあまり厳しくなっていた私の心を溶かしてくれた………あなたに会えて本当に良かった」
この日初めて見せたミクの笑顔にハヤトも赤くなった
「ハヤト君、私、あなたが好き………どこまでも真っすぐで、優しいあなたが」
「ミク………」
照れて赤くなりながら頬を掻くハヤト
そっとミクの手を握るとそれを合図に彼女が目を閉じて二人の距離がだんだんと近づいていく
「「「わぁぁ!」」」
次の瞬間入り口のドアが開いてアキタとツラヌキ、さらに上田アズサまでもが崩れるように部屋に流れ込んできた
驚いた二人はその場でぱっと離れる
「もう!せっかくいいところだったのに!」
「お前が前に出すぎたせいだろ!」
「まったくもってその通り………あ」
顔を上げたツラヌキの目の前には怒りの気配を漂わせながらそっと竹刀をケースから取り出すミクの姿が
「ま!待て!落ち着け!」
「話せばわかる!俺の好きな四文字熟語は穏便解決だ!」
「なら、私の好きな四文字熟語を当てて見せてください」
「えっと………すごく嫌な予感がするんだけど………」
「話は読めた、答えは問答無用だ」
「正解」
次の瞬間にはミクは思いっきり竹刀を振り上げていた
「よ!よせ!やめろ!」
「っていうか隠して!あたしたちの位置だと見えてるから!」
「バカ!このタイミングで火に油を注ぐ奴があるか!」
「助かった」
阿鼻叫喚が響く中扉が開く直前に避難したシノブは天井にぶら下がったままこっそりとその場を離れた
今も逃げ回っている幼馴染の姿に苦笑しながらミクと初めて出会った時のことを思い出す
上田アズサという存在が近すぎゆえにより際立ったあの時の優しさ
体の奥まで染み渡る温かさはとても心地が良かった
上田アズサのようにすぐに噛みつかず優しく自分の話を聴いてくれる
そんな女の子と出会ったのは初めてだった
変わり者としていい意味でも悪い意味でも目立っていたから今まで上田アズサ以外の同年代の女の子と話すことなどほとんどなかった
あんなに楽しい気分で話せたのは、初めてだった
「俺も優しい君が好きだよ、ミク………」
盗み見た制裁に気をとられておそらく気付かないであろう言葉をつぶやきながら先ほど貰ったクッキーを一つ摘まむハヤト
「甘い………」