新幹線変形ロボシンカリオン ふたりのはやぶさ 作:小田急ロマンスカー
出水指令長の発案でキャンプに出掛けることとなった運転士たち
保護者としていつものように三原フタバと
なぜか出水指令長本人と上田アズサも同行
E7に乗った運転士たちが長野県のキャンプ場へと向かっていた
「うっ」
車内で運転士たちとババ抜きに興じていたフタバは顔を青くする
「(話は読めた、引いたな)」
「(引いた)」
「(引いたか)」
「(引きましたね)」
「(引いたんすかね?)」
運転士たちの中で察しのいいメンツはその反応ですべてを悟った
キャンプ場についた一同はロッジに荷物を置くと近くの川へと遊びに行くことになった
林に囲まれた場所にあるグループバンガローに宿泊する
E5に似た緑と白の海パンを着たハヤトが川に向かっていくと
「待て、まずは準備運動からだ」
白地に蒼いラインの入った海パンを着たリュウジに肩をつかまれ阻止された
「はーい」
準備運動を終え川に入っていくハヤト
「うわっ、冷たい」
川の水の冷たさに足を上下させていると
「それーっす!」
「うわっぷ!」
白地に黒と赤のラインの入った水着を着たレイが
「やったなレイ!こっちも」
「なんの!まだまだっす!」
互いに水を掛け合うハヤトトレイに白いパーカーを着たミクが歩み寄る
「あっ?ミクもやる?」
それに気づいたハヤトが声をかけるとミクはパーカーを脱いで白と緑の二色で構成された水着姿になった
紫色のリボンがアクセントになっていてH5を彷彿させる色合いとなっている
「うっひょぉー!ミク先輩素敵っす!ね、ハヤト先輩………あれ?」
そんなミクの水着姿にハヤトが見とれておりレイが目の前で手を振っても反応がない
「うわっと」
「わっ!」
そんなハヤトの顔面にミクが水をかけるとハヤトは驚いて尻もちをついてしまった
「ぼーっとしてるからですよ」
「やったなぁ」
楽しそうに遊ぶミクとハヤトたち
「それにしてもあれだな、ミクとハヤトの水着色とか似ててお揃い………ふぎゃ!」
その様子を見てつぶやいていたツラヌキに二か所から同時に水がかけられさっきのハヤト以上に派手に転んでしまう
「「もう!なに言ってるんだよ(ですか)」」
犯人は真っ赤になって照れてるミクとハヤトだった
「へっへーん、どうよ?JSが川遊びしてみた!やるわよー!」
ピンクをベースに胸元に赤いハートをあしらった水着を着た上田アズサが声を上げるが
「何すんだよ!わっぷ」
「それ!ダブルグランクロス」
「えいえい!」
「H5ってグランクロス使えるのか?」
「さあ?」
運転士たちは水遊びに夢中になっていて全く見向きもしない
がっくりと項垂れるアズサの肩を出水指令長とリュウジが左右から優しくたたいた
夕方、水遊びを終えた運転士たちはみんなで夕食のカレーを準備することとなった
シノブ、リュウジ、ミクの三人が見合っている
「牛乳!」
「玉ねぎ」
「漢方薬!」
カレーに入れるものを思い思い掲げる三人
「漢方は難しいだろう」
「問題ありません、大沼支部長に教わりました」
「こればっかりは譲れね」
三人が方針でもめてる一方ほかの運転士たちは茫然とその様子を見守っていた
「君たちも手伝うんだ、結束力を高めるいい機会だからね」
「話は読めた、これも訓練の一環というわけか」
「けどよ、あっちの決着つかねえとまったくもって進まねえぞ」
「あはは………」
包丁でジャガイモの皮をむくハヤト
うまくいかず苦戦していると
「どうぞ」
ミクがピーラーを差し出した
「あ、ありがとう」
「じゃがいもはまな板の上に置いて剥くとやりやすいですよ」
そういってミクが自分の持っていたジャガイモをまな板の上に置いてピーラーで上手に剥いていく
その様子をじーっと見つめていたハヤト
「なんですか」
「いや………やっぱりミクって女の子なんだなぁって思って、料理してる姿とかすっごく似合ってるし」
ハヤトに褒められて真っ赤になるミク
「ほめても何も出ませんよ」
「ふふっ、さ、おれもやっちゃおっと」
「あっち楽しそうだな、お前はどうよ、女の子」
「うるさい!気が散る!」
バーベキュー用の玉ねぎを切りながら隣の上田アズサに声をかけるツラヌキ
アズサはといえば玉ねぎの洗礼を受け大泣きしていた
「っていうかなんであんたは平気なのよ」
「洗濯ばさみ、お前も使うか?玉ねぎは鼻から入るんだぜ」
「………まじ?つかあんたがそういうの知ってるの意外なんだけど」
「俺だって母ちゃんの手伝いぐらいするっつの」
自分が女子として負けた気がして玉ねぎ以外の理由で涙が出そうな上田アズサだった
リュウジとレイがほかの食材を調理する中
アキタとシノブは火をおこすための薪を割っていた
「こういうのもいいもんだね」
「そうですね………あの、出水指令長」
「ん?」
フタバが困ったように声をかけた先には完全に切れていないニンジンを摘まむ出水指令長の姿があった
「うおぉー!うまそう」
バーベキューの食材が焼ける光景を見てツラヌキが声をあげる
「こっちもよさそうですよ」
創言ってミクが声をかけるとカレーの鍋を開け見事に出来上がったカレーを見せた
全員であいさつをして夕食を食べる
がっつくツラヌキの様子を見てアキタとシノブがドン引きしている
声をあげ喜ぶレイの口元をリュウジが拭いていた
ほっぺたをおさえ夢中になる上田アズサ
ハヤトとミクも二人笑いあいながら食べていた
そんな子供たちの様子を見てフタバと出水は笑いあっていた
簡易カラオケセットで陽気にツラヌキがスーパースパイスの曲を熱唱
歌い終えた後フタバが苦笑しながら拍手を送る
「じゃあ次私が」
「お、ミクか、何歌うんだ」
「ちょっと、教えてもらった曲を」
「またあの支部長に教えてもらったのか?」
「となると、津軽海峡冬景色とかか?」
「アキタ君なんでそんな曲知ってるのよ」
「きらきーらひーかるひとーみが、ゆーめみーるばしょへー」
「「ハヤトにだな!」」
アキタとツラヌキがハモってのツッコミであたりは笑いに包まれた
「さて、俺も………」
「鉄道唱歌はだめだぞ、長いからな」
「ちぇ、じゃあ銀河鉄道999にしようっと」
「それなら、私が本家銀河鉄道999(※1978年版)を披露してあげよう」
「リュウジもなんか歌う?」
「ん?そうだな………じゃあ、やさしさに包まれたなら」
「意外!てかリュウジ君もそれ生まれてないでしょ!」
「いやー、でも知ってると思うよ、一世を風靡した曲だし」
「母の青春時代です、小さい頃よく聴かされてました」
「せんぼんざーくら」←二巡目
「ん………トイレ」
夜中トイレに目が覚めたハヤトはロッジの外に出る
「ん?ミク?」
するとロッジの外で竹刀を振るミクの姿を見つけた
「こんなときにも練習?」
「日課ですので、それに、なんだか眠れなくて」
声をかけてきたハヤトに笑いかけるミク
ハヤトも笑い返すと今日一日のことを思い返していた
「すごく楽しかった………」
「また来ようよ、みんなでさ!そうそう、実はさ」
こうして始まったハヤトの話をミクは笑いながら聞いていた
仕事の関係で電話していた出水指令長がロッジに戻ってくると
「おや?」
ロッジの外で寄り添って眠るハヤトとミクに気づいた
「こんなところで眠ると風邪をひいてしまうよ」