バンドリ!~オプション付き5人と少女達の物語~   作:akiresu

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結成ライブは文化祭

 文化祭当日、学校内では準備のために全校生徒が忙しく動き回り、1-Aの教室ではクラス全員で机を拭いたり、教室内の掃除をしたりとカフェの開店準備をしていた。しかし、その中には沙綾の姿がなかった。今まで遅刻なんて一切したことがなかったのに…

 

 りみ「沙綾ちゃん・・・来ないね…」

 

 明日香「なにかあったのかな?」

 

 たえ「香澄、家行ったんだよね?」

 

 香澄「うん・・・ちょっとだけ…」

 

 「パン届いたよー」

 

 「香澄、レン君、来て」

 

 香澄「うん」

 

 レン「わかった」

 

 俺達が沙綾の心配をしているとやまぶきベーカリーからカフェで出すパンが届いた。丁度いい、亘史さんに何があったか聞こう。俺と香澄は学校の裏口に向かうと先に来ていた人達がパンの積み下ろしをしていた。

 

 香澄「あの、沙綾は・・・」

 

 亘氏「・・・今朝、妻がね…」

 

 レン「千紘さんに何かあったんですか!?」

 

 亘氏「あー大したことじゃない。昔から貧血気味でね、娘が病院に連れていくと聞かなくて」 

 

 レン「そうですか・・・ならよかったです」

 

 亘史「迷惑かけてすまないね」

 

 香澄「全然迷惑なんかじゃ・・・あの、さーやにこっちは大丈夫って伝えてもらえますか?」

 

 亘史「ああ、うちの娘からも伝言だ」

 

 香澄「え・・・」

 

 俺と香澄は沙綾からの伝言を聞くと校舎に戻った。教室に戻ると香澄はクラス全員に呼び掛けた。

 

 香澄「みんな!最高の文化祭にしよう!みんなで絶対絶対大成功させよう!行くぞー!1-A!1-A!えい!えい!」

 

 たえ「やー!」

 

 ―――ズコッ!―――

 

 来人「たえちゃん…」

 

 明日香「そこは普通おーじゃ…」

 

 おたえの掛け声に何人かはこけた。まあ、おたえらしいというかなんというか・・・  

 

 レン「まあ、良いんじゃないか?」

 

 香澄「うん!」

 

 『1-A!1-A!えい!えい!やー!』

 

 みんなで掛け声を上げて気合を入れをした。そして、1-Aカフェはオープンし、高校生最初の文化祭がスタートした。しばらくすると俺と明日香と来人は休憩時間になるなったので少し校内を見て回ることにした。

 

 レン「じゃあ俺らは校内見て回ってくるから」

 

 香澄「うん、行ってらっしゃい」

 

 レン「さてと、とりあえず2年生の所に行ってみるか?」

 

 明日香「うん」

 

 来人「ああ」

 

 俺らは2年生の教室へと向かった。しかしその道中、階段を上ろうとしたら・・・

 

 こころ「はい!」

 

 『お~!』パチパチパチパチ 

   

 踊り場でマジックを披露しているこころがいた。てか校舎の中で鳩を出すな!

 

 レン「こころ・・・お前なにやってんだ…」

 

 こころ「あらレンじゃない、見ての通りマジックでみんな笑顔にしているのよ!」

 

 レン「いやそれは見ればわかるけど・・・」

 

 こころ「そうだわレン!今から披露するマジックをちょっと手伝ってくれないかしら?」

 

 え?こころの披露するマジックの手伝い?なんかすごく嫌な予感が・・・

 

 レン「あのーこころさん、その大きな箱と手に持っている鋸で何をするつもりでしょうか?」

 

 こころ「決まってるじゃない、人体切断マジックよ!成功すればきっとみんな笑顔になるわ!」

 

 レン「いやいやいや!なんで俺がそんなことに付き合わされなきゃならねーんだよ!」

  

 俺は明日香と来人に視線を向けて助けを求めたが完全に観客の中に混じり「いいぞ!やれやれ!」と言っていた。後で覚えてろよ・・・くそ!この2人は宛にならない・・・そうだ!こういう時は・・・

 

 レン「そうだ!ミッシェルは!?アイツの方が適任だろ!?」

 

 こころ「そうね!ミッシェルにお願いしましょう!ミッシェル―!」

 

 こころは俺の提案を受け入れると、大声で名前を呼びながらミッシェルを探しに行った。すまない美咲・・・

 

 来人「なんでやらなかったんだよ?」

 

 明日香「あそこは普通周りの押しに負けて折れるところでしょ?」

 

 こいつらは俺に死ねといいたいのか?ちなみにこの後俺は少しげっそりとした美咲とすれ違ったが、思いっきり睨まれたのは言うまでもない。とりあえず俺らは階段を上がり2年生の教室へと向かった。そこにはお茶屋さんや、映画の上映会など色々と面白そうなものが沢山あった。

 

 レン「へー、先輩達はこういうのやってるんだ」

 

 明日香「部活で使ってる所もあるらしいしね」

 

 俺らは2年生の出し物はどれも面白そうで目移りしてしまう。どこから行こうか考えていたその時だった。

 

 ?「ふぇ~~~!」

 

 レン「うん!?」

 

 来人「今の声って・・・」

 

 明日香「凄い聞き覚えが・・・」 

  

 何処からか聞き覚えがある独特な叫び声が聞こえてきた。今の声、まさか・・・

 

 明日香「あ!あれ!」

 

 レン「え・・・あ!」

 

 俺と来人は明日香が指をさす方に視線を向けると、そこには占いの屋台で水色のセミロングの髪を左側で纏めサイドテールにした女の人が筮竹をぶちまけていた。そしてその人は俺らの知り合いだった。

 

 レン「花音さん・・・」

 

 あの女の人は松原 花音。俺らの1つ上の先輩で若干内気な性格をしており、それに加えてとても方向音吐である。そのせいか花音さんの親友である千聖さんは花音さんに対して結構過保護だ。実はこの人もバンド活動をしていて、こころや美咲と同じハロー、ハッピーワールドのメンバーでドラムを担当している。にしても・・・

 

 レン「占いか・・・」

 

 来人「面白そうだな」

 

 明日香「挨拶ついでにちょっと寄ってみる?」

 

 レン「ああ」

 

 人に占ってもらう事なんて滅多にないからちょっと行ってみるか。俺ら3人は花音さんに占ってもらうことにした。

 

 花音「いらっしゃいませ・・・あ、レン君、明日香君、来人君」

 

 レン「こんにちわ花音さん」

 

 明日香「3人、占ってもらってもいいですか?」

 

 花音「うん、いいよ。それじゃあどの占いにする?」

 

 如何やらここの屋台は占い方法も選べるらしく占いの種類が書かれた紙を渡された。へ~、色々あるな。星座、血液、ソウルナンバー、水晶、筮竹、手相、タロット、こっくりさん…

 

 レン「こっくりさん!?」

 

 花音「うん、千聖ちゃんの提案なんだ。前に仕事のロケで行った神社で紙の作り方とやり方を教えてもらったんだって」

 

 千聖さん・・・何提案してるんですか…

 

 明日香「・・・呪われたりしませんよね?」

 

 花音「大丈夫だよ・・・たぶん…」

 

 来人「たぶん!?」

 

 花音「まだ試した人が1人もいなくて・・・」

 

 そりゃそうでしょうね・・・こっくりさんをやった後精神に異常をきたしたとか、狐に取りつかれたとか、そんな噂があるんだから…

 

 花音「えっと・・・どうする?」

 

 明日香「僕はて「こっくりさんで」!?」

 

 レ来「「!?」」

 

 花音「あ、千聖ちゃん」

 

 急に後ろから声が聞こえ、振り向くとそこには千聖さんがいた。びっくりした…

 

 千聖「お疲れ様、花音。それで、もちろんやるわよね?こっくりさん」

 

 明日香「いえ、僕はt「やるわよね?」・・・はい…」

 

 怖っ!こっくりさんとか幽霊なんかよりこの人の方が全然怖い。結局俺ら3人はこっくりさんをやらされた。この後俺らは休憩時間も終わりが近かったから教室に戻ることにした。1-Aカフェにはやまぶきベーカリーのパンと来人の淹れるコーヒー、明日香の淹れる抹茶ラテ、そして現役アイドルであるイヴちゃんの羽沢珈琲店バイト3人組の接客が大人気で、かなりの数の人来店してくれた。しかしその中に1人、ピンクのドレスにオレンジ色の頭巾を身に着けた1人コーヒーを飲んでいた。あれって・・・

 

 レン「なあ明日香、あれって・・・」

 

 明日香「ああ、有咲ちゃんだね。なんでもB組のイベントで参加型舞台に出てた王子様とお姫様を見つけたら豪華賞品が貰えるんだって」

 

 なるほど、かなり目立ってるからすぐ見つかりそうだけどな。あの格好から察するに有咲はお姫様だよな?

 

 レン「じゃあ王子様は?」

 

 明日香「・・・利久だよ」

 

 レン「利久?アイツ今どこに?」

 

 明日香「それが・・・」

 

 明日香は教室の後ろの方を指さした。ロッカー?まさか・・・俺は恐る恐る開けて中を覗いてみた。するとそこには・・・

 

 ―――ガチャ―――

 

 利久「!」

 

 ―――バタン!―――

 

 俺はなにも見なかった。ロッカーを開けたら迷彩服を着て、バンダナを捲いた利久がいたなんてことはなかった。しかも俺に見つかった瞬間に一瞬利久の頭の上に!が見えて変な音が聞こえたなんてことはない。それに今ロッカーが開いて、中から段ボール箱が出てきてそれがどこかに向かっているなんてことはきっと気のせいだ。 

 

 レン「俺はなにも見なかった」

 

 明日香「それがいい」

 

 イヴちゃんは目を輝かせて「ニンジャです!」とか言っているが気にしないでおこう。でもイヴちゃん、段ボールをかぶって移動するのは忍者じゃなくてコードネームが蛇の某傭兵だから。けど周りの人が何かに目が釘付けになっている中、ただ1人だけそれに目を向けず、スマホをずっと見つめている人物がいた。

  

 香澄「・・・」

 

 レン「香澄、どうかしたのか?」

 

 香澄「・・・!ううん、何でもない」

 

 レン「・・・そうか…」

 

 何でもないわけないだろ・・・一瞬見えたが画面には沙綾に電話しようとしているところが映っていたから…

 

 レン「・・・」

 

 碧斗「おーい!レン!」

 

 俺は少し沙綾のことを心配していると碧斗が教室の入り口にいて俺を呼んでいた。

 

 レン「なんだ?」

  

 碧斗「ああ、沙綾はどうした?」

 

 レン「来てない…」

 

 碧斗「は?何かあったのか?」

 

 レン「実はな――――――」

 

 俺は亘史さんに教えてもらったことをそのまま碧斗に伝えた。すると碧斗は「そうか」と一言だけ言って去っていった。あ、そういえばそろそろリハの時間だ。俺らも体育館に行くかな。

 

 レン「明日香、来人、そろそろリハの時間だ」

 

 明日香「うん」

 

 来人「了解」

 

 取り敢えず俺ら3人は一旦抜けて体育館に向かった。するとステージにはドラムやアンプ等の機材に紛れて不自然に置かれた段ボールがあった。

 

 レン「・・・」

 

 俺は呆れながらもそれを開けると中には制服姿の利久がいた。いつの間に着替えたんだよ・・・

 

 利久「あ、見つかっちゃいましたね」

 

 明日香「いやいや」

 

 来人「見つかっちゃいましたね。じゃねーよ」

 

 レン「お前これで見つからないと思っていたのか?」

 

 利久「当たり前です。ここは建物の中なんですから段ボールでの隠密行動は効果的です。現に誰にも見つかりませんでした」

 

 いやいや!逆に不自然すぎるわ!てかそれは見つからなかったんじゃなくて、全員引いて誰も声を掛けなかっただけだよ!けどこいつの事だから気づいていないんだろうな。此処はそっとしておくか…それよりも・・・

 

 レン「ところで碧斗は?先に来てたはずだぞ?」

 

 利久「碧斗?あー、それなら此処に来る前に昇降口から外に出ていくところを見ましたよ?」

 

 レン「はあ!?」

 

 明日香「外に出てった!?」

 

 来人「なんで止めなかったんだよ!?」

 

 利久「え?だって僕は隠れているんですよ?わざわざ見つかりに行くなんて馬鹿な真似はしませんよ?」

 

 いやいやいや!沢山の人が居る中で段ボールかぶって〇タルギアごっこしている時点で馬鹿だよ!

 

 レン「リハーサルの時間だってのにどこに行ったんだよ!?」

 

 俺達は碧斗が突然居なくなったことに焦っているその時だった。

 

 ―――ピロン!―――  

 

 携帯の通知音が鳴った。俺は画面を点けるとそこに書かれているメッセージを見て溜息が出た。

 

 碧斗『沙綾を迎えに行ってくる。ライブには間に合わせる』

 

 レン「たく・・・頼んだぞ、碧斗」

 

 

 

 

 

     ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、町にある総合病院に沙綾はいた。今朝方、急に体調を崩した母を弟と妹と一緒に連れてきたが、医者からは軽い貧血と診断され一安心していた。しかし文化祭に行けず、香澄やレン達クラスメイトへの申し訳なさでいっぱいになっていた。ふと携帯を見ると香澄から2件のメッセージが着ていたことに気が付き、録音されていたメッセージを再生するとカフェでの様子やクラス全員からの報告が録音されており、「こっちは大丈夫!」とみんな言っていた。

 

 沙綾「みんな・・・」

 

 全員からのメッセージを聞くと少し気持ちが軽くなりふと笑みがこぼれていた。沙綾は続けざまに2件目のメッセージを再生したが今度は香澄1人からだった。

 

 香澄『もしもし、こっちは大丈夫。凄く楽しい!凄く、凄く、すっごく!だから、ライブも頑張るね!沙綾に届くくらい頑張るから!それから歌詞、沙綾の家に届けたよ。沙綾とみんなで作った歌。よかったら読んでね』

 

 香澄からのメッセージを聞き終え、ポケットから今朝香澄が届けてくれた歌詞が書かれた紙を取り出して読み進めていくと様々なことが沙綾の頭の中に浮かび上がってきた。夏希達とバンドやっていた時のこと、香澄と出会った時のこと、香澄達と一緒に文化祭の準備をしていた時のこと、そして歌詞を読み終えると自然と涙が溢れ出てきた。

 

 沙綾「・・・」

 

 千紘「沙綾」

 

 沙綾は名前を呼ばれ振り向くと自身の母と弟と妹の姿があった。

 

 千紘「行って」

 

 沙綾の胸の内を察して、千紘は沙綾に今すぐに学校に行ってほしいといった。しかし沙綾はここを離れる訳にはいかないと思い首を横に振った。 

 

 千紘「沙綾は優しいね。お母さんにも皆にも凄く優しい。その優しさをもっと自分に向けて」

 

 沙綾「・・・できないよ…」

 

 千紘「沙綾ならできる。1人じゃないんだから・・・そうよね?」

 

 沙綾「え?」

 

 千紘は沙綾の頭をなでると「沙綾ならできる」と一言言うと後ろの柱に向かって「そうよね?」と問いかけた。何の変哲もない柱に向かって千紘が話しかけたことに沙綾は訳が分からず柱の方に視線を向けるとその陰から1人の人物が現れ沙綾は驚いた。何せそこから姿を見せたのは今学校にいるはずの海原 碧斗だったのだから。

 

 

  

 

 

 

     ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 千紘さんに問いかけられ、俺は柱の陰から沙綾の前に姿を現した。何時から気付いていたんだ?

 

 沙綾「碧斗!?」

 

 沙綾は予想外の俺の登場にかなり驚いていた。そりゃそうか…それよりも・・・

 

 碧斗「沙綾、千紘さんの言う通りお前は1人じゃない。お前が自分に優しくなれないならその分俺がお前に優しくする!俺だけじゃない、戸山に市ヶ谷、レンに明日香、千紘さんに亘氏さん、純と沙南、クラスの奴等もだ!だからお前はもう少しその優しさに甘えろ!」 

 

 沙綾「・・・」

 

 沙南「さーなんがいるから大丈夫」

 

 純「俺も」

 

 純と沙南も沙綾に学校に向かってもらうためにここは任せてほしいと言ってきた。何時もはやんちゃだけどほんと姉思いのいい弟と妹だな。

 

 碧斗「ここまで言われたら行かない訳にはいかないな?」

 

 沙綾「うん・・・すぅーはぁー・・・なんか私全然だめだね」

 

 千紘「行ってらっしゃい」

 

 純・沙南「「行ってらっしゃい」  

 

 沙綾「・・・行ってきます!」

 

 碧斗「フッ・・・じゃあ、俺も失礼します」

 

 千紘さんと純と沙南の言葉に背中を押された沙綾は病院の出口に向かって走り出した。俺もそれに続いてこの場を去ろうとした。

 

 千紘「碧斗君」

 

 しかし不意に千紘さんに呼び止められた。なんだ?

 

 千紘「沙綾のこと、よろしくね」

 

 碧斗「はい、任せてください」

 

 俺はそう答えると沙綾の後を追い、病院の出口付近で追いついた。たく、沙綾のやつ、ここから走って学校まで行くつもりかよ・・・

 

 碧斗「沙綾待て」

 

 沙綾「え?なに碧斗?」

 

 碧斗「お前走っていくつもりか?」

 

 沙綾「当たり前じゃん、そうじゃなきゃ香澄達のライブに間に合わない」

 

 碧斗「はぁー・・・そうかよ・・・ほれ!」

 

 俺は沙綾にバイクのヘルメットを投げ渡すと近くに止めて置いたバイクに跨り、ヘルメットを被りバイクの後ろを指さした。

 

 沙綾「へ?」

 

 碧斗「ほら、とっとと乗れ」

 

 沙綾「うん!」

 

 俺は沙綾を後ろに乗せるとエンジンをかけて学校に向けてバイクを走らせた。

 

 沙綾「碧斗、このバイクどうしたの?」

 

 碧斗「今まで溜めてた料理コンテストの優勝賞金を使った。免許は春休みの間に教習所に通って取った」

 

 沙綾「じゃあこの前言ってた大きい買い物ってこれのことだったの?」

 

 碧斗「ああ、そうだ。しっかり掴まってろ!少し飛ばすぞ!」

 

 沙綾「そういえばどうしてここに来たの?」

 

 はあ?俺がここに来た理由?そんなの決まってるだろ…

 

 碧斗「決まってるだろ、お前を迎えに来たんだ!それ以外に理由はない!それよりもしっかり捕まってろ!」

 

 沙綾「…!うん///ありがとう///」

 

 沙綾が俺に捕まる力が少し強くなったことを確認するとバイクの速度を少し上げた。そしてしばらくバイクを走らせると花咲川学園の校門前に到着した。

 

 碧斗「着いたぞ、急げ!」

 

 沙綾「うん!」

 

 バイクを降りると俺と沙綾は体育館に向かって走った。そして体育館の入り口の前に来た時、演奏を終えた海野達CHiSPAの4人とはと合わせた。

 

 碧斗「海野・・・」

 

 沙綾「・・・ナツ!フミカ!マユ!私「楽しかったよ」!」 

 

 夏希「沙綾とのバンド・・・楽しかった…沙綾は?」

 

 沙綾「・・・うっ・・・楽しかった・・・楽しくて・・・大好きだったよ…」

 

 海野の言葉を聞いた沙綾の目からは、再び涙が溢れ出ていた。

 

 夏希「そんだけ、みんな待ってるよ」

 

 夏希がそう言うと現CHiSPAのドラムを担当している大湖 里実が沙綾にスティックを差し出した。

 

 里実「あのこれ・・・」

 

 真結「家の新メンバーのサトちゃん」

 

 文華「恥ずかしがりだけど演奏は派手」

 

 里実「そうかな?」

 

 沙綾「ありがとう、借りるね」

 

 沙綾はスティックを受け取ると「あ」と声を出して今度は俺の方を向いた。なんだ?

 

 沙綾「碧斗もありがとう、私のこと迎えに来てくれて」

 

 なんだそんな事か、俺はこっちを向く沙綾の向きを180度動かすとその背中を軽くに叩いた。

 

 碧斗「早く行け、戸山達がお前のことを待ってる。今まで溜まってたぶん、思いっきりやって来い」

 

 沙綾「うん!」

 

 沙綾はうなずくと体育館の入り口の扉を開けて中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

     ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 レン「碧斗のやつまだかよ・・・もう香澄達の演奏始まってるぞ」

 

 俺らは沙綾と沙綾のことを迎えにくとだけ残して学校から出ていった碧斗のことを待っていた。しかしすでに香澄達の番は回ってきてしまっている。

 

 利久「次が最後の曲みたいですよ」

 

 来人「どうすんだよ!次は俺達の番だってのに!」

 

 明日香「来人、落ち着いて。香澄ちゃん達の演奏が始まる」

 

 まったく・・・どこで道草食っているんだ…俺はそう思っていると香澄が観客への呼びかけを始め、ステージの方を向いた。

 

 香澄「ありがとうございましたー!次は、今日の為に造った曲です。皆で作った曲、今日は1人いないけど、何時か一緒に歌おうって約束しました。何時かはまだだけど、信じてる。一緒に歌うこと・・・できるって…」

 

 明日香「香澄ちゃん・・・」

 

 来人「クソッ!碧斗のやつ・・・何してんだよ!」

 

 来人も焦りをあらわにし、香澄達が最後の曲の演奏を始めようとしたその時だった。

 

 ―――ガラガラガラ―――

 

 突然体育館の入り口の扉が開いた。そしてそこには待ちわびた人物がドラムスティックを持って立っていた。ようやく来たか…

 

 香澄「さーや!」

 

 たえ「さーや!」

 

 りみ「さーやちゃん!」

 

 沙綾はステージの前まで行くと香澄沙綾に向けて手を伸ばし、それを掴むとステージに上りドラムのチューニングすると軽く弾き鳴らした。

 

 有咲「できんの?」

 

 沙綾「どうだろう、1回聴いただけだし、絶対ボロボロ」

 

 たえ「そこは気持ちで」

   

 りみ「一緒に頑張ろう」

 

 沙綾・・・こっそり練習してやがったな。もうバンドはやらないとか言っておいてほとんどブランク感じさせねえじゃん。

 

 香澄「お待たせしました。聴いてください!『STARBEAT!~ホシノコドウ~』!」

 

 香澄のその掛け声を合図に、香澄達、Poppin’Partyが初めて5人で作った曲。そいて、初めての5人での演奏が始まった。

 

 『走~てた いつも走~てた 愛と勇気を届けた~い 』

 

 碧斗「揃ったな」

 

 レン「碧斗!?いつの間に・・・けどまあ、そうだな」

 

 利久「ギターボーカル、ベース、キーボード」

 

 明日香「そしてリードギターとドラム」

 

 来人「やっと5人揃ったな」 

 

 俺らは5人それっての演奏を夢中になって聞いていた。そして香澄達は演奏を終えるとメンバー紹介を始めた。

 

 香澄「メンバー紹介します!青いギターのおたえ!ベースのりみりん!あっちが有咲!」

 

 有咲「キーボード!」

 

 香澄「ドラムのー沙綾!ランダムスターの戸山 香澄!私達5人で――――――」

 

 『Poppin’Partyです!』  

 

 来人「フゥー!最高のライブだったぜ!」

 

 レン「おいおい、テンション上がり過ぎてぶっ倒れるなよ?次は・・・」

 

 明日香「僕達の番、だもんね?」

 

 利久「ええ、行きましょう!」

 

 碧斗「ああ!」

 

 レン「まったく・・・一時はどうなるかと思ったけど、碧斗が間に合ってよかったぞ。何せ今日は特別な日だからな」

 

 明日香「特別な日?」

 

 碧斗「何かあったか?」

 

 碧斗・・・まさか忘れたのか!?

 

 レン「はぁ~・・・忘れたのか?今日は碧斗、俺とお前がコンビを組んだ日だろ?」

 

 碧斗「っ!?そんなことまだ覚えてたのか…」

 

 レン「当たり前だ、今は5人だけど・・・あそこからすべては始まったんだ。それよりも行くぞ!」

 

 碧斗「ああ」

 

 利久「ええ」

 

 明日香「うん」

 

 来人「おう!」 

 

 俺達はステージに上がると俺と来人はギターを明日香はベースをアンプにつなぎ、観客に呼び掛けた。

 

 レン「俺達、Brave Binae!まずは1曲目、聞いてください!『Love so sweet』」

 

 『おーもいで ずっとずっと忘れない空 ふたりがはーなれていっても こんな好きな人に 出逢ーう季節二度ーとない』

 

 レン「続いて2曲目です!聞いてください!『初めの一歩』

 

 『行け! 飛べ! ありのままで 不安も迷いもあるけれど やってみなきゃ わかーらない 事がたくさんあるんだよ』

 

 レン「3曲目、『NO MORE CRY』」

 

 『走り出すよ NO MORE CRY NO MORE CRY 君の手も引いてゆけるーーー』

 

 レン「次の曲です『心の絆』」

 

 『心の扉を開ーけて 新しい君に会ーえる いつだって そこにある 愛という光』 

 

 レン「次が最後の曲です、最後はこの日の為に作った新曲です。聴いてください!『Re’start』」

 

 この曲の意味は再出発。そう、個の文化祭ライブが、俺らの新しいスタートだ!俺等のが演奏を終えると、体育館中から拍手と歓声が巻き起こった。

 

 レン「さあ、俺等の再スタートだ!」

 




 Love so sweet・・・TVドラマ『花より男子2』主題歌

 初めの一歩・・・TVアニメ『チア男子!!』OP 

 NO MORE CRY・・・TVドラマ『ごくせん』主題歌

 心の絆・・・『ウルトラマンコスモス』ED

使用楽曲コード:10056823,12114731,13761382,71529187

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