バンドリ!~オプション付き5人と少女達の物語~ 作:akiresu
レン「嘘だろ…」
碧斗「・・・・・」
明日香「そんな・・・」
利久「いったいどうして・・・」
来人「マジかよ…」
俺達5人は師匠の発言に唖然としていた。此処を閉める。つまりはSPACEがなくなるということだ。
たえ『どうしてですか?』
おたえはここを閉める理由を師匠に聞いた。すると師匠は目を瞑りその答えを口にした。
オーナー『私はもうやり切った…閉めるまではしっかり頼むよ、花園』
師匠はただそれだけ口にすると椅子から立ち上がり、ステージからロビーへと出てきた。師匠は俺達と目が合ったが、何も言わずに自室へと入っていってしまった。
レン「師匠…」
俺らはこの後師匠が出てくるまで閉店作業をしながら待っていた。そしてすべて終えてからしばらくロビーで待っていると、師匠はようやく自室から出てきた。
オーナー「まだ残っていたのかい。やること終わったならとっと帰りな」
レン「師匠、此処を閉めるってどういうことですか?」
オーナー「そんなことを聞くためだけに態々残ってたのかい?」
レン「・・・ええ…」
オーナー「どうも何もそのまんまの意味だ。私はもうやり切った」
碧斗「やり切ったって…」
明日香「それだけじゃ分かりませんよ!」
来人「ちゃんと説明してくれなきゃ・・・俺達納得なんかできねえよ!」
利久「師匠!」
―――カンッ!―――
『!?』
オーナー「騒ぐんじゃないよ!いいかい、ここは私のライブハウスなんだ!何時どんな理由で閉めようが私の勝手だ!お前達が納得する必要なんてないんだよ!」
俺達はここを閉める理由を師匠に問い質すと、師匠は杖を床に打ち付けて俺達は怒鳴られた。
オーナー「話は終わりだ、とっとと帰りな」
師匠はそれだけ言い残すとまた自室に戻っていった。その後俺達は師匠に言われた通りすぐに帰宅した。その道中、俺らは言葉を発することはなく終始無言だった。そして翌日、俺達は何時ものように来人の家に集まっていた。しかし誰1人として表情に明るさはなかった。
来人「なあ、俺達どうすればいいんだよ?」
明日香「どうするって言ったって…」
利久「そんなこと・・・わかりませんよ…」
レン「・・・・・」
俺達は楽器も持たず、練習に取り掛かろうとする気配は一切なかった。昨日師匠に言ったことは何も間違ってはいない。けど、俺達は納得なんか出来なかった。いや、あの場所が・・・SPACEが無くなってほしくないからこそ納得なんかしたくなかった。俺達が黙り込んでいるその時だった。
碧斗「はぁー・・・バカバカしい…」
突然の碧斗の溜息と一言によってその静寂は破られた。しかもその溜息は明らかに呆れ混じりだった。
レン「え?」
明日香「碧斗?」
利久「どうしたんですか急に?」
来人「バカバカしいってどういうことだよ?」
碧斗「どうもこうも・・・悩んでる理由が下らないんだよ」
来人「はあ?」
明日香「ちょ!来人!」
利久「落ち着いてください!」
碧斗の発言が気に障った来人は碧斗に掴み掛ろうとしたが明日香と利久に腕を羽交い絞めにされ止められた。
来人「放せ!おい碧斗!今のどういう意味だよ!」
碧斗「そのまんまの意味だ」
明日香「ちょっと碧斗!うわっ!」
利久「うわっ!」
しかし碧斗の発言に怒りが収まらない来人は明日香と利久を振りほどくと碧斗の胸倉に掴み掛った。
来人「ふざけるな!何が下らないんだ!?」
碧斗「SPACEが無くなるって事を悩んでることがだ」
来人「ッ!?」
次の瞬間、来人が握り拳を作り思いっきり振り上げた。そしてその拳を碧斗の顔めがけて振り下ろし、殴りかかろうとした。
明日香「ッ!来人!」
利久「ダメです!」
―――ガシッ!―――
明日香「・・・え?」
利久「あ・・・」
碧斗「・・・・・」
来人「なんで止めたんだよ・・・レン…」
けど、俺が来人の腕を掴み寸前の所で止めた。来人は俺の手を振りほどくと碧斗の胸倉からも手を放した。
レン「・・・今は仲間内でもめている場合じゃない。碧斗、何が言いたいんだ?」
碧斗「昨日師匠は言っていただろ?やり切ったって…なら師匠がSPACEを閉める理由には十分だ。俺達が如何こう口にできる問題じゃない。納得が出来なくても、それを黙って受け入れなくちゃいけない。弟子である俺達は尚更な…」
レ明利来「「「「・・・・・」」」」
碧斗の言う通りだ。どんなに納得出来なくてもSPACEが閉まるという現実を、俺達は受け入れなくちゃいけない。
明日香「確かに・・・僕も目を背けてた。SPACEが無くなってほしくないから・・・でも!やっぱり、それじゃダメなんだ!」
利久「ええ、僕も師匠がやり切る姿を見届けようと思います。それが弟子としての務めなら…」
来人「俺も・・・師匠がやり切ったって言ったんだ。それを黙って受け入れないなんて・・・あの人の弟子失格だしな…けど、可愛い女の子達に会える場所が無くなっちまうのはやっぱ悲しいなー!」
碧斗の言葉のおかげで俺達の迷いは消えて意見が合致した。俺も・・・見届けよう。たくさんの思い出が詰まったあの場所の最後を。
碧斗「そうか・・・それで、どうするんだレン?」
レン「俺も見届ける。俺達5人にとって大切な思い出が詰まった、あの場所の最後を…」
碧斗「はぁー・・・」
俺は碧斗の問いに答えると碧斗はまた呆れ混じりの溜息をした。なんで?
碧斗「俺が聞きたいのはそんな事じゃない。どうするんだ―――――――――――――――――――――オーディション。受けるのか?受けないのか?」
レン「・・・!」
明日香「そっか、SPACEが閉まるってことは・・・」
来人「次のライブが・・・SPACEの最後のライブになるのか…」
利久「残念ですけど・・・仕方がありません…」
そうだ・・・次に行われるライブがSPACE最後のライブ…あと1回しかあそこで演奏することが出来ないのか…
来人「受けようぜレン!見届けるだけなんて俺達の省にあってないしな!」
利久「僕も最後のライブに出たいです!」
明日香「僕も、最後に僕達の演奏を師匠に聴いてほしい!」
3人はライブに出たいと言ってきた。普通なら俺もこれに賛成してオーディションを受けると言うだろう。けど・・・
レン「わるい、少し・・・考えさせてくれ…」
来人「は!?」
利久「え!?」
明日香「レン!?」
俺は・・・ライブに出ていいのか分からなかった。本当なら俺たち以上にSPACE最後のライブに出たい人達がいるのに・・・その人達はオーディションを受けるどころか、そのライブすら見ることが出来なくなってしまっているのに。それも・・・俺のせいで…だから俺はSPACEにも2度と行かない心算でいた。それなのに俺は、自分だけ呑気にライブに出ていいのか分からなかった…
レン「わるい・・・この後俺用事あるから。じゃあな」
明日香「レン!」
来人「あ、おい!
利久「ちょっと待ってください!」
3人が俺のことを呼び止めたが俺は振り返らずにその場を後にし、ある場所へと向かった。この答えに通じる、何かを求めて…俺が向かった場所、それは勿論―――――――――――――――――――――
―――ガチャ―――
香澄「あ!レン君」
ゆり「やっぱり来たんだ」
此処、SPACEだ。そこには香澄達Poppin'Partyの5人とGlitter⋆Greenの4人が来ていた。
レン「此処ももうすぐ無くなるから・・・少しでも長い時間此処にいたくて…それに・・・」
香澄「うん?どうかしたの?」
レン「いや、なんでもない」
俺は香澄達に心配を掛けさせなくて此処に来た本当の理由を言うのをやめた。
レン「ところで香澄達は今日もオーディション受けに来たのか?」
香澄「うん、でも受けさせてもらえなかったよー!」
レン「そうか・・・」
相変わらず厳しいなあの鬼師匠は・・・けど、おそらく師匠は気づいたんだ。香澄達に足りないものを…
沙綾「私達、何がダメだったのかな?私達に足りないものっていったい…」
ひなこ「よ~し!ひなちゃんが特別にヒントを上げちゃお~!・・・一生懸命考えること!」
たえ「一生懸命・・・」
りみ「考える・・・」
七菜「ふふ、ひなこにしては真面なこと言ったわ」
ゆり「うん」
りみ「お姉ちゃん・・・」
ゆり「音楽の正解はないよ、答えなんてみんな違う」
レン「まあ、要するに正解なんてものは自分で見つけ出せってことだ。人に正解を求めちゃいけない、星の数ほどある事の中から自分達で見つけ出さなきゃそれは意味をなさない。お前達で導き出した答え、それがお前達にとっての正解だ」
香澄「自分で見つけ出す…よし!今から練習しよう!」
たえ「うん!行こう!」
有咲「あ、ちょ、お前ら待てー!」
りみ「ま、待って!お姉ちゃんじゃあね」
沙綾「はぁ~しょうがないなー…あの、アドバイスありがとうございました」
香澄達はその答えを見つけようと練習するためにSPACEを後にした。ほんと騒がしいな…でも、あの前向きさはなんか良いな…俺は香澄達の後姿を微笑ましく見つめていた。すると不意にゆりさんが俺に声を掛けてきた。
ゆり「ところでレン君達はどうするの?オーディション受けるの?」
レン「俺は・・・まだ、わかりません…4人は受けたいって言っているんですけど・・・」
ゆり「そう・・・」
七菜「・・・まだ、あの時の事を気にしているの?」
レン「・・・・・」
ひなこ「もー、そんなに自分を責めても全然ハッピーな気分になれないよー!ここはひなちゃんのハグで「アンタはちょっと黙ってなさい」
レン「いいんですよリィさん・・・ひなこさんも励ましてくれてありがとうございます」
七菜「はぁー・・・レン君、気にしないでとは言わないけど、気にしすぎるのはよくないわ。他の人のことで親身になって悩んであげられるのは貴方の良い所だけど、あまり深く思い詰めすぎると貴方自身が傷付くだけじゃなくて周りの人にまで辛い思いをさせてしまうわ」
レン「周りの人にまで・・・」
七菜「こーら、また思い詰めた顔になってるわよ」
レン「え!?す、すいません…」
七菜「いい?もしそうなったら今度はその人のことでレン君は思い悩むことになって、また周りの人も思い悩むことになる。そしたら貴方はずっと自分自身を傷付け続けるだけで本末転倒よ」
七菜さんはそれだけ言うとゆりさん達はそれ以降は何も言ってこなかった。その後俺はゆりさん達と一緒に他のバンドのオーディションを見ていた。けど、しばらくすると俺はだんだん瞼が重くなり・・・意識を手放していた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
レンが来人の家を出て行った後、俺達も練習できる状態じゃなくなり今日は解散となった。午後から暇になった俺は特にやる事も無かったからバイト先のやまぶきベーカリーに行くと丁度亘氏さんも商店街の集まりで店を留守にしなくてはならなかったらしく、特別にシフトを入れてもらった。明日香と来人も羽沢珈琲店へと行きシフトを入れてもらったようだ。利久は多分ゲームセンターにでも行ったんだろう。俺はレジ打ちと品出しをしていると閉店の時間になり、亘氏さんに頼まれていた通り店の扉を閉めると千紘さんに報告をするために店の奥にある自宅スペースの台所に行った。
碧斗「千紘さん、こっちは終わりました」
千紘「お疲れ様。急にごめんね?ただでさえ毎日朝早くに来てもらってるのに」
碧斗「いえ、俺も丁度やる事がなくてシフト入れてもらおうと思って来た所だったので。それにパン作り教えてほしいって頼んだのはこっちですから」
千紘「それでもよ。それに碧斗君が作ってくれる新作パンと日替わりサンドイッチ、凄く人気で家が繁盛してるのも碧斗君のおかげよ」
ああ、そういえば学校内でも話題になってるらしいな。数量限定にしてたから中々買えなくて開店前から店の前で待つ人を何人も見かけたな。
碧斗「それは大袈裟です。この店が繁盛しているのは元々亘氏さんの作るパンが美味いからじゃないですか?」
千紘「フフッ、そう言ってもらえると私達も嬉しいわ。そうだ、よかったら今日はご夕飯食べていく?」
夕飯か・・・俺の家は父さんはレストランでシェフをやっていて、母さんはその店の支配人をやっているから帰りは2人とも遅くて普段から家では独りで作って食べることが多いからな…
碧斗「あの、でしたら俺が夕飯作りますか?」
千紘「え、でもさすがにそこまでしてもらう訳には・・・」
碧斗「いえ、俺が食べて欲しいんです。普段は自分で食べる分しか作らないから、誰かに俺の作った料理を食べてもらえる機会なんて滅多にないんで。それに午後は千紘さんも働き詰めだったんですからこれくらい俺にもさせてください」
千紘「そう?それじゃあお言葉に甘えさせてもらうわ。前に碧斗君が作ってくれたカレーとサラダ凄く美味しかったから今回も楽しみにしてるわね」
碧斗「はい、じゃあ冷蔵庫の中の物使わせてもらいます」
俺は冷蔵庫の中を確認すると鶏肉と野菜、卵、その他諸々・・・よし、メニューは決まった。
俺は鶏肉、玉葱、人参、ピーマン、卵、を取り出した。まずは玉葱と人参は皮を剥き、玉葱は上下の先端を切り落とすと根元を手で持ち生板の上ではなく空中で5mm幅で縦に切り込みを入れると今度は横に包丁を入れ、5mm幅の感覚で真空切りをしてみじん切りにした。こうすることで玉葱を使う際に辛味が少なくなる。けどこの方法をやるにはかなりの包丁テクニックがいる。次に人参を2mm大の厚さで銀杏切りにしてピーマンと鶏肉を賽の目切りにした。そしたら次はフライパンに油を敷き鶏肉から炒め、火が通ったら野菜を入れ軽く塩コショウを振り、こっちにも火が通ったら白飯、粉コンソメとケチャップを入れ、ヘラで切るように混ぜながら炒め、仕上にバターを入れてチキンライスを作った。次にもう1つフライパンを用意し、火にかけて熱したらそこにバターを入れ、溶けきったらそこに溶き卵を注ぎ半熟状態になったらそこにスライスチーズを置き、先程作ったチキンライスをその上に落とし卵で包むとフライパンの上に皿を逆さに置き、その状態でフライパンをひっくり返しすとオムライスが完成した。
沙綾「ただいまー」
ちょうど沙綾も帰ってきたみたいだ。沙綾は台所に入ってくると俺がいることに少し驚いていた。
沙綾「碧斗?」
碧斗「ああ、お帰り。夕飯できるから純と沙南呼んできてくれ」
沙綾「あ、うん、わかった・・・て、そうじゃなくて!」
千紘「早くしないと折角碧斗君が作ってくれたオムライスが冷めちゃうわよ」
沙綾「か、母さん・・・わかった呼んでくる」
そう言うと沙綾は純と沙南を呼びに行き、俺はその間にケチャップをオムライスの上にかけておいた。だがただかけるのではなく、俺はそれを使って絵を描いた。
純「今日はオムライスだ!」
沙綾「これって・・・」
純「かわいいー!」
俺は純のオムライスの上には今放送中のヒーローの絵を、沙南にはパンダを、そして沙綾には・・・
沙綾「ドラム…」
碧斗「3人の好きそうなものを描いてみた。気に入らなかったか?」
沙綾「ううん、すごく嬉しいけど・・・どうして?」
碧斗「お前たちが喜べばと思ってな。料理ってのは味と見た目が良ければいいってわけじゃない。作った人の気持ちが味とか見た目に現れる。それは楽器の演奏も同じだ」
沙綾「演奏も?」
碧斗「ああ、技術があっても気持ちが何も籠ってなきゃ誰の心にも響かない。沙綾、お前はオーディションの時、何を思ってドラムを叩いてた?」
沙綾「それは・・・」
碧斗「・・・はぁ~、言っておくが俺はこれ以上何も言わないぞ。これはお前達の問題だ。それと・・・純!」
純「ギクッ!」
碧斗「なにピーマン避けてるんだ?」
純「だ、だって苦いし・・・」
碧斗「そうか、まあどうでもいいが・・・そういえば、お前しばらく小学校はお昼弁当だったな?」
純「う、うん、そうだけど・・・」
碧斗「もしピーマンを残したら、しばらくの間お前の弁当に、ピーマン山ほど刻むぞ~?」
純「えぇ~!?わ、わかったよ!食べるよ!」
そう言うと純はスプーン一杯のピーマンを口の中に入れ、涙目になっていた。その姿を見た千紘さんと沙南、そして沙綾は笑っていた。こんなに賑やかに夕飯食べるのは何時ぶりだったか・・・そう思うと俺も無意識のうちに・・・笑っていた。
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レン「う・・・うん・・・?あ~寝ちゃってたのか…うん?これは・・・」
俺は目を覚ますとタオルケットが掛けられていることに気が付いた。ゆりさん達か凛々子さんの誰かが掛けておいてくれたのか?俺は周りを見たがゆりさん達の姿はなく、辺りはすっかり暗くなっていた。え?今何時?俺は時計を確認すると・・・
レン「えぇ~!?9時!?」
俺は急いで帰ろうとしたが出入り口を見て止まった。そこには師匠と何かを話す香澄の姿があった。アイツこんな時間に此処で何してるんだ?ちょっと気が引けるが2人の会話に聞き耳を立てた。
香澄「やっぱり此処でライブしたいです。キラキラドキドキしたいだけじゃなくて、SPACEが好きだから!バイトして思ったんです。皆が大好きで、オーナーも大好きなこの場所が大好きだって」
オーナー「だったら納得いく演奏見せてみな」
香澄「絶対やります!」
オーナー「・・・あんた全然変わんないね・・・ほんと、あん時のアイツを見てるみたいだよ…」
香澄「え?」
オーナー「前に聞いた時もそうだった」
香澄「練習いっぱいしたし、失敗はしたけど・・・楽しかったので!」
オーナー「フッ・・・そういう所だけは褒めてやるよ。けど、何にも見えてない。周りも、自分も…」
香澄「え?」
オーナー「もう帰んな」
香澄「オーナー!どういうことですか!?」
オーナー「・・・あんたが一番出来てなかった」
師匠はそれだけ言い残すと中に入ってきた。師匠の言葉を聞いた香澄は俯き、その場を立ち去った。
レン「師匠…」
オーナー「やっと起きたのかい。ならとっとと帰りな」
レン「はい・・・」
俺はSPACEを出ると家に帰宅した。そして数日後、香澄達Poppin'Partyの5人がオーディションを受けるためにSPACEを訪れた。
たえ「オーディション受けさせてください」
しかしその表情は以前と違ってとても緊張感が感じられるほど硬いものだった。ただ1人を覗いては…師匠は品定めするかのようにしばらく5人を見つめると一言告げた。
オーナー「・・・入んな」
師匠の返答を聞いた5人は少し表情が緩んだ。しかし香澄だけがいつもの香澄からは見せられない暗い表情をしていた。
凛々子「次、Poppin'Party」
『はい!』
香澄「・・・・・」
レン「香澄のやつ・・・大丈夫か…」
もうすぐオーディションが始まろうとする中、ステージの上で香澄が明らかな作り笑いをしていた為、俺は不安で仕方なかった。
オーナー『準備が出来たら始めな』
ポピパ『はい!』
そして、俺と利久とグリグリの4人が見守る中、Poppin'Partyの演奏が始まった。しかし・・・
香澄「た・・・と・・・え…」
香澄の歌声が聞こえなかった。いや、香澄の声が出ていなかった。突然の出来事に他の4人も楽器を弾く手を止めてしまった。オーディションは中断となってしまった。その時、俺の脳裏に一つの光景がフラッシュバックした。俺にとって、トラウマとなったあの出来事が・・・
『おい!しっかりしろ!おい!」
『救急車だ、救急車呼べ!」
『ライブは一時中断だ!』
まただ・・・また俺のせいで・・・
レン「あ・・・ああ…」
利久「レン?レン!?」
ゆり「レン君!?」
利久とゆりさん達が俺のことを呼ぶ声が聞こえたが、それを最後に俺は意識を手放してしまった。