バンドリ!~オプション付き5人と少女達の物語~   作:akiresu

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光は見失われた

 

 『みんな~!ありがと~!」

 

 ステージの上で俺の隣に立つその人は観客へと呼びかけた。会場内はステージのスポットライトと観客の振るペンライトの光に照らされたその人の顔からはそれ以上に明るい笑顔が輝いていた。けど・・・その人がステージの上そので笑顔を見せるのはそれが最後となってしまった…もう俺は、その笑顔を、その演奏を観ることはできない。その事実が突き付けられた時、俺は・・・光を見失った―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 レン「う、う~ん・・・うん?」

 

 俺は目を覚ますとベッドに胡坐をかき、ギタ-を手に持った状態で壁に寄りかかっていた。どうやら練習したまま寝てしまったようだ。おかげで体はバキバキになってしまい、それに加えてさっき見た夢・・・おかげで俺の寝起きは最悪だった…

 

 レン「はぁ~・・・最悪だ…」

 

 俺は重たい体を動かし、何時ものように学校に登校した。俺は教室に入ると何時ものように俺の隣の席に座るアイツが・・・戸山香澄が笑顔で挨拶をしてきた。

 

 香澄「レン君、あっ君、ライ君おはよう!」

 

 明日香「うん、おはよう」

 

 来人「おっはよー!」

 

 この笑顔を見ると自然と元気が貰た気がする。けど、それと同時に俺は少しつらい気持ちになった…

 

 レン「・・・・・」

 

 香澄「レン君?」

 

 レン「あ、ああ・・・おはよう」

 

 いけない、いけない。きっとまた俺は七菜さんに注意されてしまった時の様な暗い顔になってしまっていただろう。俺はせっかく笑顔が戻った香澄に余計な心配を掛けさせたくなくていつも通りを装った。しかし俺は今朝見た夢のことが頭から離れず、授業中も時々ボーっとしてしまった。   

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 昼休み、香澄達5人は中庭に集まり、楽しく会話をしながら昼食を食べていた。 

 

 たえ「有咲、このプチトマトと唐揚交換して」

 

 有咲「お前は等価交換って言葉を知ってるのか?」

 

 りみ「おたえちゃん、私のをあげるよ」

 

 有咲「りみいいのかよ?」

 

 たえ「ありがとうりみ。じゃあ有咲とはレタスと玉子焼きを・・・」

 

 有咲「だからなんでだよ!?はぁ~、たくしゃーねーな・・・ほら」

 

 沙綾「あっははは、結局あげちゃうんだね?」

 

 有咲はおたえからの鮫トレの申し出を受け、それに対し突っ込みを入れるも結局弁当のおかずをあげて、その2人のやり取りを見て沙綾が笑う。そんな賑やかな光景が中庭にはあった。ただ何時もなら此処で香澄も有咲のお婆ちゃん特製の玉子焼きをちゃっかり貰っているのだが・・・

 

 香澄「・・・・・」 

 

 香澄はどこか上の空だった。そんな香澄の状態を見た他の4人はその姿を不審に思い声を掛けた。

 

 沙綾「香澄?」

 

 香澄「え?どうかしたの?」

 

 有咲「どうかしたって・・・お前こそどうしたんだよ?」

 

 たえ「香澄ぼっーとしてた」

 

 香澄「ごめん、ちょっと考え事してた・・・」

 

 有咲「はぁ!?香澄が考え事!?熱でもあんのか!?」

 

 香澄「私だって考え事ぐらいするよー!」

 

 有咲は香澄が考え事していたといったことにとても驚き、その反応を見た香澄は大声で反論した。

 

 沙綾「それで、何を考えてたの?」

 

 りみ「もしかして、また何かあったの?」

 

 沙綾とりみも少し前のこともあり香澄のことを心配するが、香澄は「う、うーん…」と少し唸った後答えた。

 

 香澄「私じゃなくてレン君が・・・」

 

 有咲「レン?アイツがどうかしたのかよ?」

 

 香澄「なんか元気がなかったんだよね…」

 

 香澄の発言にりみと沙綾とおたえは心当たりがあった。なにせレンは今日の授業で何度も意識が抜け落ち、その都度先生に注意をされていた。授業を今まで真面目に受けてきたレンにして見ればそれはとても珍しい事だった。

 

 りみ「確かに・・・」

 

 たえ「寝不足だったのかな?」

 

 沙綾「おたえ、それは・・・レンならあり得る…」

 

 有咲「ならそうなんじゃね?」  

 

 香澄「うーん違うと思う・・・だってレン君、先週もあんな顔してた…」

 

 有咲「先週?それって確か・・・」

 

 りみ「オーナーにオーディション受けさせてもらえなかった時だよね?」

 

 たえ「そういえば・・・」

 

 沙綾「おたえ何か心当たりあるの?」

 

 たえ「ううん、違うけど・・・凛々子さんに聞いたんだけど、Brave Binae、オーディションまだ1回も受けてないんだって」

 

 香澄「え!?おたえそれホント!?」

 

 有咲「マジかよ・・・アイツらの事だからもうとっくに受かってるもんだと思ってた…」

 

 りみ「・・・・・」

 

 沙綾「・・・・・」

 

 おたえの言った通り、レン達Brave BinaeはSPACEの最後のライブのオーディションを受けていなかった。オーナーの弟子であるあの5人ならば最後のライブに出ようとするはずだ。だからこそオーディションを受けていないという事実は意外で驚きを隠せなかった。2人を除いては・・・

 

 香澄「なんでレン君達受けてないんだろ?」

 

 有咲「色々あるんじゃないのか?ライブ用の曲が出来てないとか・・・」

 

 香澄と有咲はレン達がオーディションを受けていないことと、レンの元気がなかった理由を考えていたその時だった・・・

 

 ひなこ「うーん、どうしてなんだろうねー?けど真実はいつもひとーつ!」

 

 有咲「うわー!!」

 

 突然有咲の後ろからグリグリのひなこがひょっこりと顔を覗かせて大声で叫んだ。有咲は突然のことに驚いたのと同時に過度なスキンシップを警戒してひなこから距離を取ると、りみを盾にしてその背に身を隠した。

 

 香澄「ひなちゃん先輩!」

 

 沙綾「どうしてここに?」 

 

 ひなこ「フッフッーン、可愛い女の子の居る所にひなちゃんあり!5人仲良く楽しそうにお昼を囲んでたから、ひなちゃんも飛び入りさせてもらったぜー!それで、今度は何を悩んでたの?ひなちゃんに言ってごらん」

 

 香澄達は5人は突然のひなこの登場に驚いた。しかし香澄はここでハッとした。グリグリの4人はここ毎日SPACEに通っていてそこにはレンも一緒にいた。この人ならばきっとレンの元気がない理由を知っているに違いない。そう思った香澄はひなこに聞いてみることにした。

 

 香澄「あの、レン君達どうしてオーディション受けてないか分かりますか?」

 

 たえ「今日もあまり元気なかったですし、それとも何か関係があるんですか?」

 

 有咲「いや、この人に聞いたってわかるわけ・・・」  

 

 ひなこ「うん、知ってるよ。それにその理由も」

 

 香澄「本当ですか!?」 

 

 有咲「マジかよ!?」

 

 ひなこ「というか、すでに知ってる人が2人此処にいるみたいだけどね~」

 

 そう言うとひなこはりみと沙綾に視線を向けた。

 

 香澄「え?りみりん、さーや何か知ってるの?」

 

 りみ「え、えーと・・・たぶんだけど…」

 

 沙綾「私も詳しくは分からないけど…」

 

 そう言いながら答える2人の姿はいう事も辛そうだった。なにせ2人は知っているのだから。レンに起こった辛い出来事を・・・その様子を見かねたのかひなこはある提案をした。

 

 ひなこ「よーし、もし知りたいっていうなら今日の放課後SPACEに全員集合!」

 

 それだけ言うとひなこはまるで嵐のように去っていった。そして放課後、5人はSPACEへと向かったのだった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 利久「凛々子さん、掃除終わりました」

 

 凛々子「ありがとう利久君」

 

 僕は今日もバイトのシフトに入っていました。しかし何時もと違うのは今日はレンがいなくてシフトに入っているのが僕だけということです。まあこうなっているのには僕に原因があるんですけどね・・・実は少し前に授業中の居眠りが原因で居残りを言い渡されしまい、シフトの方をおたえちゃんに無理言って日程を交換してもらったんです。なので今日はおたえちゃんの代わりに僕がシフトに入っています。僕はホールの掃除が終わったので次の指示を凛々子さんに聞こうとしたその時でした。

 

 ―――ガチャリ―――

 

 ゆり「こんにちわー」

 

 店の入り口が開き、ゆりさん達グリグリの4人が入店しました。さらにその後ろには香澄ちゃん達ポピパの5人もいました。今日オーディションは無いはずなのにいったいどうしたんでしょうか?そう思っているとゆりさんと目が合い、僕がいる事に気づくとゆりさんは少し気まずそうな表情をしました。え、僕何かしましたか?

 

 ゆり「利久君、今日はシフト入ってたんだ」

 

 利久「はい、前に居残りになったときに僕だけおたえちゃんと入り時間を交換してもらったんです」  

 

 ゆり「ということは今日は利久君だけ?」 

 

 利久「はい、そうですけど?」

 

 ゆり「そう、ならよかったわ・・・凛々子さん、利久君のこと少し借りてもいいですか?」 

 

 凛々子「え?ええ、掃除も大体終わってるかいいわよ」

 

 え?僕に用事?けど香澄ちゃん達もいて、それに全員真面目な表情になっています。これはちょっとただ事じゃないかもしれません。僕達はロビーにある椅子に座りました。

 

 利久「それで、急にどうしたんですか?」

 

 香澄「レン君のことでちょっと・・・レン君最近元気がなくて、それにオーディションも受けてないって聞いてその理由がちょっと知りたくて…」

 

 利久「…!」

 

 レンのこと、その言葉を聞いた瞬間にゆりさんが僕を呼んだ理由がわかりました。きっと香澄ちゃんたちに教えるつもりなんでしょう、あの時のことを・・・

 

 利久「わかりました。話せることは話します」   

  

 ゆり「ありがとう・・・いい、今から話すのはレン君がバンド始める切っ掛けになったある人の話よ。まず香澄ちゃん達はレン君の異名を知ってる?」

 

 香澄「異名?そういえば前におたえが言ってたよね?」

 

 有咲「確か神の異名だったけか?日本の神様にちなんで付けられたっていう・・・」

 

 たえ「うん、碧斗が蒼海の阿修羅、利久が森緑の稲荷大明神、明日香が桃源郷の弁財天、ライ君が黄金の月読、そしてレンが・・・紅蓮の須佐之男」

 

 ゆり「そうよ・・・」

 

 香澄「あの・・・」

 

 ゆり「どうかしたの香澄ちゃん?」

 

 香澄「すさのお?って誰ですか?」

 

 ―――ズコッ!―――

 

 七菜「と、戸山さん・・・」

 

 りみ「香澄ちゃん・・・」

 

 沙綾「香澄・・・」

 

 有咲「お前それ今聞くことかよ!」

 

 香澄「だって神様の名前言われたってわかんないよー!」

 

 リィ「あはは・・・まあ、しょうがないか…」

 

 たえ「須佐之男様は因幡の白兎を助けた大国主様のご先祖様だよ」

 

 香澄「ふーん、そうなんだ!」

 

 有咲「本当に分かったのか?」

 

 香澄「ううん、全然わかんない!」

 

 有咲「はぁー・・・須佐之男ってのはヤマタノオロチを退治した神様だよ!」

 

 香澄「あ、それは知ってる!首が沢山ある蛇だよね?」

 

 有咲「流石にそれは知ってたか…」

 

 ゆり「うっうん・・・話を戻していいかしら?」

 

 香澄「あ、ごめんなさい」

 

 ゆり「紅蓮の須佐之男、そう呼ばれるようになった理由は3つあるわ。1つ目はレン君の使うギターと髪が赤いから。2つ目は彼の持つギターに炎柄が描かれていてギターを弾く姿も荒々しくてまるで紅蓮の炎のようだから。そして3つ目が・・・彼が太陽の弟だから…」

 

 そう言うとゆりさんはスマホの画面に1つの写真を映し出した。そこには赤髪の男の人、色とりどりのメッシュが入った人、ピンク色の髪の女の人、灰色の髪の男の人、藍鼠色の髪の女の人が写っていました。

 

 香澄「この人達って・・・」

 

 有咲「楽屋に置かれてるノートにもこの人達の写真が貼ってあったよな?」

 

 利久「ああ、やっぱり見てましたか」

 

 前に手伝ってもらった時に香澄ちゃんと有咲ちゃんは楽屋の掃除をしてましたからもしかしてと思ってはいましたが案の定でした。ゆりさんの出した写真を初めて見た2人はこの5人のことを知らないようでした。ですがおたえちゃんは知っていたようでその名前を口にしました。

 

 たえ「Skyine(スカイン)!」

 

 香澄「え?」

 

 沙綾「やっぱりおたえは知ってたんだ?」

 

 たえ「知らないわけないよ、SPACEでのライブには毎回出てたし、それになんたって最強のバンドだもん」

 

 香澄「最強のバンド!?」

 

 ゆり「ええ・・・確かにそう呼ばれていたわ」

 

 有咲「でもこのバンドとアイツがどう関係するんですか?」

 

 ゆり「そうね、まずこの写真の中で私が注目してほしいのはこの人よ。この人の名前は赤城 晴緋(はるひ)。Skyineのリーダーで太陽と呼ばれた人、そして・・・レン君のお兄さんよ」

 

 香澄「レン君のお兄さん!?」

 

 有咲「アイツお兄さんいたのかよ!?じゃあ、その隣にいるピンクの髪の女の人ってまさか・・・」

 

 ゆり「有咲ちゃんの察した通りよ。その人は桃瀬 華美(はなび)、明日香君のお姉さんよ」

 

 有咲「桃瀬 華美って・・・あの女優の桃瀬 華美!?てことは明日香てやっぱりあの桃瀬家だったんだ…」

 

 香澄「え?有咲知ってるの?」

 

 有咲「おまっ!?知らねーのかよ!?桃瀬家といえば超有名な芸能人一族で桃瀬 華美っていったらそこの長女で去年まで何度もテレビに出てた人気学生女優だよ!」

 

 香澄「うーん・・・わかんない!でもすごいよ!あっ君のお姉さんもバンドやってたんだ!じゃあほかの人達ももしかして・・・」

 

 香澄ちゃんは僕の方にキラキラとした目で視線を送ってきました。何となくですけど聞きたいこと凄くがわかります。ですけど・・・

 

 利久「残念ですけど他の人達は僕たちの兄弟じゃないですよ」 

 

 香澄「そっかー、残念・・・」

 

 有咲「なんで残念がってるんだよ…」 

 

 香澄「だって最強のバンドだよ!それに芸能人の人もいて此処で毎回ライブしてた人なら会ってみたいじゃん!」

 

 会ってみたいですか・・・けどそれは残念でながら無理でしょう。なにせこのバンドは・・・

 

 りみ「香澄ちゃん、それは・・・」

 

 沙綾「香澄、残念だけど・・・」

 

 オーナー「それは無理だ」

 

 『!?』

 

 りみちゃんと沙綾ちゃんが言いよどんでいると不意に第11の声が聞こえ、声のした方を見ると師匠が目の前に立っていました。

 

 ゆり「オーナー」

 

 香澄「無理ってどういうことですか?」

 

 オーナー「そのバンドは解散したんだよ」

 

 香澄「え・・・」

 

 解散した。その言葉を聞いた瞬間、香澄ちゃんと有咲ちゃんの表情は固まり、他の7人は顔を俯かせてしまいました。しかし師匠はそんなこと気にも留めずにこのバンドのことを語りました。 

 

 オーナー「別に学生バンドが解散するなんて珍しいことでも何でもない。けど、あのバカは・・・レンのやつはその時に自分もギターをやめようとした…」 

 

 香澄「レン君がギターを!?」

 

 有咲「アイツが!?」

 

 たえ「うそ、あのレンが・・・」

 

 3人が驚くのは無理もないです。師匠の言った通り学生バンドが解散するのは然程珍しいことではありません。でも、それだけじゃないんです・・・レンがギターをやめようとしたのは…

 

 香澄「どうしてやめようとしたんですか!?」

 

 オーナー「そんな事アタシが知るわけないだろ。それはそいつらに聞きな。それと石美登、話が終わったら今日はもう帰っていい」

 

 利久「あ、はい!」

 

 それだけ言うと師匠は立ち去っていきました。それじゃあ・・・僕は話しましょう、レンがなぜギターをやめようとしたのか・・・

 

 利久「レンは自分のせいだと思っているんです。Skyineが解散したのは、晴緋さんがギターをやめざる終えなかったのは・・・」

 

 香澄「自分のせい・・・?」

 

 たえ「どういうこと?」 

 

 利久「Skyineが解散することになった切っ掛けは、あるイベントでの出来事でした。Skyineは僕達なんて足元にも及ばないほどとても高い演奏技術を持っていて、いろんなイベントでも優勝していて音楽の祭典と言われているFWF(フューチャーワールドフェス)の前年度の優勝バンドでもありました。その甲斐もあって事務所のスカウトも受けていて高校卒業後はプロの仲間入り・・・になるはずでした…」

 

 香澄「はずだった?」

 

 利久「はい・・・FWF優勝後にイベントの出演オファーがあって、それに僕達と一緒に出ることになっていて、そのイベントでもSkyineの演奏で会場は一気に盛り上がりを見せていました。ですがその最中、悲劇は起きました。演奏中・・・晴緋さんが倒れたんです…」 

 

 香澄「え・・・」

 

 有咲「な、なんでそうなったんだ?」  

 

 利久「生まれつき心臓が弱かったらしくて、もともと激しい運動なんかは出来なかったそうです。その時もライブで相当無理をしていたみたいで・・・その後ライブは中止、プロデビューの話も無くなりSkyineは解散することになったんです。レンはあの時晴緋さんを止めていれば・・・そうすればSkyineは解散することはなかった。晴緋さん達から音楽を奪ったのは自分だ。そんな自分にギターをやる資格はない。晴緋さん達がステージに立てなくなったのに自分だけステージに立つ訳にはいかない。そう思っているんですよ…」 

 

 香澄「そっか・・・だからオーディションを受けてなかったんだ…」

 

 有咲「別にアイツが責任を感じるようなことじゃねえじゃん…」

 

 有咲ちゃんの言う通り、レンが自分自身を責めるのはお門違いです。でも、それだけレンにとって晴緋さんという存在は大きかったんです…

 

 たえ「でも、結局はギターをやめなっかったんだよね?どうして?」

 

 利久「それは・・・約束があったからだと思います…」

 

 香澄「約束?」

 

 利久「レンは晴緋さんと約束したんです。晴緋さん達、Skyineの叶えられなかった夢を引き継いで、絶対に叶えるって…」

 

 香澄「その夢って?」

 

 利久「それは僕にもわかりません。聞いても教えてくれませんでしたし僕達も極力このことに関しては触れないようにしているので・・・けど、レンはそれ以来変わってしまいました・・・いつも演奏中は笑っていたレンが、今は心から笑顔を見せなくなりました…僕から話せることは以上です。もしもっと聞きたい事があるのなら、それは本人に聞いてください・・・」

 

 香澄「うん・・・リッ君ありがとう、ゆりさん達もありがとうございました」

 

 有咲「その・・・すいません、いろいろ話してもらって」

 

 たえ「じゃあね利久」 

 

 沙綾「また明日学校で」

 

 りみ「またね利久君、お姉ちゃん私先に帰ってるね」

 

 ゆり「うん、気をつけて帰ってね」

 

 話を聞き終えた香澄ちゃん達はSPACEを後にしました。そして香澄ちゃん達がいなくなった後、ゆりさん達は僕に問いかけてきました。

 

 ゆり「よかったの?全部話さなくて」

 

 利久「僕は話せることは全部話しましたよ?」

 

 七菜「全部じゃないでしょ、Skyineが解散した本当の理由」

 

 利久「別に嘘を言ってはいませんよ、それにそれはレンの口から話すべきだと思います」

 

 リィ「流石稲荷大明神・・・狐っぽいね…」

 

 ひなこ「でもでもー、利久君の言ってることにも一理あるぜー」

 

 ゆり「確かに、でもそれ以外にも話してない事があるでしょ?」

 

 利久「え?何のことですか?」

 

 七菜「レン君がギターをやめなかった理由よ。あれだけじゃないでしょ?」

 

 利久「え?そうなんですか?」

 

 リィ「あ、これは自覚がないパターンだ」

 

 利久「え?どういうことですか?教えてください!」

 

 ゆり「それこそレン君本人から聞いたら?」

 

 利久「え?何でですか?」

 

 僕はゆりさん達の言っていることの意味がさっぱり分かりませんでした。考えているとその様子を見ているゆりさん達の表情が心なしかニヤついている気がする。レンがギターをやめなかったのは晴緋さんとの約束があったからなんじゃ・・・僕はゆりさん達の言っていることの意味を必死に考えましたがその答えは一向に出ませんでした。

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