バンドリ!~オプション付き5人と少女達の物語~ 作:akiresu
-レン、お前たちの演奏・・・最っ高に良かったぞ!-
目の前の人はそう言うと握りこぶしを目の前に突き出してきた。俺その言葉にうれしさと共に少し照れくささを感じた。俺はその人に答えるために握りこぶしをつくり、突き合せようとした。しかし、俺手が触れようとした瞬間、その人は俺から離れどんどん遠くに行ってしまう。
レン「待って!いかないで!」
俺は悲痛な叫び声をあげながら必死に追いかけた。息が上がっても、足に激痛がはしっても、俺は叫んで、走り、追いかけた。しかし、どんなに望んでも、どんなに走っても、その人はどんどん俺から離れて行ってしまう。
-すまないレン。だけどお前はこっちに残ってギターを続けてくれ…そして、俺達が叶えられなかった夢をお前達が叶えてくれ-
レン「待って・・・よ・・・・・・俺・・を・・・・おいていかないで・・・・」
俺はついに足を止めてしまった。気が付くと俺の頬からは一筋の涙が流れていた。その涙は一滴地面に落ちるとそれを皮切りに目から涙があふれ、何滴も何滴も雨の様に地に落ちていった。「待って」と俺は何度も口にするがその人の姿はついに見えなくなってしまっていた。そして膝をついた俺の耳には遠くから自分を呼ぶかのような声が何度も何度も響いた。
-レン・・・レン・・・レン・・・レン・・・-
しかし不思議なことに離れて行ってしまうその人の声は小さくならず、むしろ次第に大きくなっていくように聞こえた。そして・・・
「レン!」
レン「うわぁ~~~~~!」
-ガバッ-
ひときわ大きな声が耳元で響き思わず俺は大声を上げてしまった。そして、俺は目を覚ました。
レン「なんだ、夢か・・・ん?」
しかし、目の前には俺の部屋では無く見慣れない和室の光景が広がり、畳と檜の独特のにおいが鼻を刺激してきて、俺は浴衣を着て布団に寝かされていた。いったい何がどうなってんだ?まだ覚めきっていない脳で俺が思考していると聞きなれた声が聞こえてきた。
明日香「あ、やっと起きた。大丈夫?うなされてたけど?」
見ると制服を着た明日香の姿があった。なんで明日香がこk・・・そうだ、思い出した。俺は昨日、SPACEの帰りに明日香の家に泊めてもらったんだった。
-昨日の夜-
利久と別れて俺と明日香は二人で夜道を歩いていた。その時、明日香が俺に声をかけてきた。
明日香「ねえレン・・・なんで僕についてくるの?」
俺は明日香に突然問われた。ついていく理由?そんなの決まってんじゃんか。
レン「夕飯御馳走になろうと思っただけですけど?」
明日香「うん、まず何でそんな結論に至ったのか聞かせてもえないかな?」
レン「作るの面倒くさい、冷蔵庫空っぽ」
明日香「なるほど、実に簡潔で分かりやすい説明だったよ」
レン「それほどでも」
明日香「褒めてない褒めてない」
レン「明日香、駄目か?」
明日香「・・・・はぁ~、わかったよ…」
そう言うと明日香は携帯を取り出し、どこかに電話をした。会話が聞こえてきたが内容からして恐らく明日香の家だろう。
明日香「いいってさ」
レン「わるいな」
こうして俺は明日香の家で夕飯をご馳走になることになった。そして俺は明日香と共に明日香の自宅へと歩を進めた。そしてしばらく歩いていると俺達は明日香の家にたどり着いた。そこは大きい白塗りの壁の塀に囲まれ、入り口に木でできた大きな門が付いた和風の瓦屋根の大きなお屋敷だった。門に着いた扉を開けて中に入るとそこには錦鯉が泳ぐ大きな池に、桜、松、紅葉などの木の他にも沢山の花が植えられた大きな庭が広がっていた。うん、いつ来てもやっぱ明日香の家はすごいな~
レン「相変わらず立派だな・・・」
実は明日香は俺と同じで凄いお坊ちゃまだ。桃瀬家と聞けばこの国では知らない人はいない超有名な名家だ。桃瀬家は平安時代から続く1000年もの歴史がある芸能一族で、この家の人は全員芸能の仕事をしいて時の天皇や将軍の前でも披露していたという。その家訓は今も続いており明日香自身も親の言いつけで芸能活動をやっていた時期があり、高い演技力と可愛らしい見た目からかなりの数多くのテレビ番組に出演していて大人気だった。
明日香「ほらレン、ぼーっとしてないで中に入ろう」
俺は目の前に広がる光景に呆気に取られていると明日香に声を掛けられ正気に戻り、玄関から中へと入った。
明日香「ただいま帰りました」
レン「お邪魔します」
?「おかえりなさい明日香、レン君もお久しぶり」
中に入ると桃色の着物を着た師匠と同じくらいの見た目年齢のとても綺麗な白髪の女性が出迎えてくれた。この人は桃瀬 菫さん。明日香のおばあさんで若い頃は芸者をやっていて舞がとても上手で日本一の芸者なんて呼ばれていたらしい。
明日香「おばあちゃんただいま」
レン「御無沙汰してます」
菫「ささ、どうぞどうぞ、ご飯ももうできているからお二人とも手を洗っていらっしゃい」
俺は家にあげてもらうと明日香の後について洗面所へと行き手を洗うと居間に通された。そこには大きいちゃぶ台の上には白いご飯と茉莉麩の入った澄まし汁、筍の煮物、そして鯛の煮つけと頭付きの刺身、何とも豪華な和食一式が並んでいた。そして菫さんの隣に少し陽気そうに見えるが貫禄のあるおじいさんが座っていた。その人は僕を見ると笑顔で挨拶してきた。
?「おお、レン君じゃないか!久しぶりだね~」
レン「お久しぶりです源蔵さん」
この人は桃瀬 源蔵さん、明日香のお祖父さんで落語家をやっていて沢山のお弟子さんがいる。とても芸達者な人でなんと人間国宝なのだ。一度落語を見せてもらった事があったがとても面白くて芸に引き込まれてしまった。
菫「それじゃあ座って、4人で食べましょう」
レ・明「「いただきます」」
菫さんに促されちゃぶ台の前に座るり、手を合わせ食前の挨拶をすると俺は目の前の豪華な料理に箸をつけ、口に運んだ。うん、どれもとてもおいしい。思わずほおが緩んでしまう。
レン「う~ん、とっても美味しいです」
菫「ふふふ、ありがとう。そう言ってもらえると作ったかいがあるわ」
源蔵「いやー、それにしても4人でご飯を食べるなんて久しぶりだな~」
そういえば明日香の両親って家にあんまりいないんだっけ。明日香の父親は超有名な役者で今でも舞台やドラマに引っ張りだこの超有名人で、母親も日本を代表する劇団の出身で主役を何度も務めている大女優だ。多忙な両親であるためこの家にいることも少なく、祖父母が明日香の親代わりをしていた。そして明日香には姉が1人いるのだが留学の為3月から俺の両親と兄と同じようにヨーロッパに行ってしまい、今は海外の演劇の学校に通っているため今この家では明日香と菫さん、源蔵さんの3人で暮らしているらしい。
源蔵「そうだレン君。今日は泊っていったらどうだい?」
レン「え?」
菫「それはいいですね」
突然の2人の言葉に少し唖然としてしまった。え?なに?どゆこと?
源蔵「ほら、もう外もかなり暗くなっているしそんな中を帰るのは危ないだろう?」
ああ成程、そういうことか。けどただでさえいきなり夕飯をご馳走になっているのにそれに加えて止めてもらうなんてかなり気が引ける。
レン「すみません、お気遣いはうれしいですが流石にそこまでして頂く訳には・・・」
源蔵「いやいや、気にすることはないよ。むしろ泊っていってくれないか?明日香はいままでに友達を家に泊めるなんてこと1回もなくてな、こうゆう機会も少しは経験してもらいたいと思ってな」
でも当の明日香は?そう思って視線を向けると少し顔を赤くして「別に僕は構わないよ」なんてちょっときつめに言ってきた。よし、そうゆうことなら・・・
レン「それじゃあお言葉に甘えさせてもらいます」
そんなこんなで俺は明日香の家に泊めてもらうことになり、明日香の部屋で寝ていたんだった。それで今に至ると・・・
明日香「レン!」
レン「うぉっ!」
明日香「ほら早く着替えて、遅刻するよ」
レン「あ、ああ...」
明日香に促され俺は制服に着替えると昨日と同じ今で朝食をご馳走になった。メニューは白米に納豆、卵焼きに焼き魚、味噌汁と株の浅漬け。さぱっりとした日本の朝食だった。だがとても美味しく朝から元気が湧いてくる。なんか今日1日もがんばれそうな気がする。朝食を食べ終わると俺は明日香と一緒に登校するために玄関から外に出ようとしていた。
レン「それじゃあ、お邪魔しました」
明日香「じゃあ行ってきます」
菫「ええ、2人ともいってらっしゃい」
菫さんに見送られて俺と明日香は玄関を出ると他の3人との待ち合わせの場所へとむかった。そして待ち合わせ場所につくとそこには既に碧斗がいた。碧斗は俺たちに気が付くと声をかけてきた。
碧斗「おはよう2人とも、珍しいなレンが早いなんて・・・明日は地球最後の日かもしれないな」
うぐっ、確かに俺と利久と来人は遅刻常習犯でよく待ち合わせにも遅れるがそこまで言うことか?
明日香「碧斗、それはさすがに言いすぎだよ。せめて日本沈没くらいだよ」
おい明日香、全然フォローになってないぞ。しかも言ってる意味合いはあんま変わってねーぞ。
碧斗「そうか、それは失礼した。ところで明日香、なんでレンと一緒に来たんだ?」
明日香「ああ、それは――――――――――――――――――――」
とりあえず、昨日のことを説明した。
碧斗「そうか・・・師匠に捕まったのか・・・自業自得だな。まあ、バイト先が見つかったんだろ?よかったな」
こいつ、他人事だと思って・・・何が「よかったな」だよ!確かにその通りだけど・・・そう思っていると超明るい声が聞こえてきた。お、来たか。
来人「おっはよー!お、レンが早いなんて珍しいな!明日はアルマゲドンでも起きるんじゃないか?」
お前も言うか・・・俺が待ち合わせに遅れないってそんなにすごいことなのか?
レン「おはよう・・・裏切者...」
来人「いや急にどうした!?俺なんかした!?」
とりあえずイラっとしたから昨日のことに対する苛つきも込めて言っておくことにした。さてと、後は利久が来るのを「おはよう・・・」!?びっくりした・・・いきなり超暗い声が聞こえてきた。声のした方を見ると目の下に隈ができためっちゃ暗い顔の利久がいた。
利久「あれ・・・珍しい・・・・ですね?レンが僕より早いなんて・・・あs「言わせねーよ」?」
よし、とりあえず利久が言うのだけは阻止できた。どいつもこいつも俺が早く来たことを天変地異の前触れみたく言いやがって…それよりもこいつのこの表情、ああまたか・・・
レン「利久、お前また遅くまでやってたのか?」
利久「ええ・・・ちょっとイベントがありまして…」
やっぱりか、利久がこんな風になる理由はいつも決まっている。利久は前にも言ったがかなりのゲーマーで夜遅くまでゲームに熱中するなんてことがよくあり、特にNFOというPCオンラインゲームをよくやっている。このゲームはかなり人気で、俺と他の3人も利久に勧められてやっている。あと以前ゲーセンで会った燐子さんとあこちゃんもプレイしている。利久のことだおそらくあの2人と一緒にまた夜遅くまでやっていたんだろう。
レン「はぁー、気をつけろよ?とりあえず揃ったことだし行くか」
そういうと、俺達は登校するために学校に向かって足を進めた。