バンドリ!~オプション付き5人と少女達の物語~   作:akiresu

8 / 31
天然発言は恐ろしい

 利久「はぁぁ~~~~」

 

 学校につき教室に向かっていると利久は大欠伸を掻いた。まったく夜遅くまでゲームやったりしてるからこうなるんだぞ。

 

 利久「うぅ~眠いです~」

 

 レン「おいおい大丈夫かよ・・・」

 

 来人「まったくお前は普段からゲームばっかしてるからだぞ。少しは俺を見習って明るく元気になったらどうだ?」

 

 いやいや、来人を見習えって・・・お前の元気さをまねできる人なんて・・・あっ、3人ほどいた。でもあの3人は色々と普通の人よりもぶっ飛びすぎだしな、インドア派の利久にそんなことできるわけ…

 

 利久「ふぁ~~~~…え?何か言いましたか?」

 

 あ、聞いてなかった…しかもまた欠伸までしやがって・・・来人のやつもさっきの発言に引きつった表情してるし、碧斗はため息をついてあきれて明日香はクスクス笑っている。

 

 来人「いや聞いとけよ!」

 

 来人が突っ込むも利久はまた呑気に欠伸しだした。が、利久が口を開けた瞬間・・・

 

 利久「ふぁ~-ドンッ!-「「うわぁ!」」

 

 突然目の前に女子生徒が現れ、利久とぶつかってしまった。2人は驚きの声を上げるとぶつかった衝撃でしりもちをついてしまった。しかし俺はそのぶつかった少女に目をやると驚いた。何せ目の前にいたのは・・・

 

 有咲「いってぇ~~・・・あっ!ごめんない!」

 

 昨日であった少女、市ヶ谷 有咲だった。

 

 レン「あれ?有咲?」

 

 俺は何気なく名前を呼ぶと有咲は俺の方を向いた。すると目を見開いて驚いた表情をしていた。

 

 有咲「あっ!お前昨日の!」

 

 そう言うとすぐに立ち上がり何処かへ走り去ってしまった。

 

 レン「あいつ、今日学校に来てたんだ・・・」

 

 利久「あの人は確か・・・」

 

 明日香「昨日香澄ちゃんとレンと一緒にSPACEに来てた娘だよね?」

 

 碧斗「なんだ?3人とも知ってるのか?」

 

 来人「金髪ロリ巨乳・・・だと?レン、あの娘の住所教えろ」

 

 そっか、この4人は知らないのか・・・てちょっと待て。来人、お前今なんて言った?あ、明日香に鳩尾殴られた。

 

 利久「いいえ、僕と明日香は昨日レンと香澄ちゃんと一緒にSPACEに来ているのを偶々見かけただけですから。レンは知っているんですか?」 

 

 レン「ああ、市ヶ谷 有咲。この前言ってた利久の隣の席の人」

 

 利久「え?あの人がそうなんですか?とても可愛い人でしたね」

 

 レ碧明来「「「「・・・・・・」」」」

 

 ああ、またか・・・利久の天然発言だ。来人と違ってこいつの天然発言は無意識で言っているから尚のことたちが悪い。こいつのこの天然な性格が原因でいったい今まで何人の人が勘違いをしてきたことだろうか・・・

 

 利久「それにしても、急に走り出したりしてどうしたんでしょうか?」

 

 レン「確かに・・・なにかあったのか?」

   

 

 

 

 

 

 ――――――――――一方そのころ有咲は――――――――――

 

 

 

 有咲「ぶぇっくしゅんっ!う~~…香澄(アイツ)何なんだよ・・・それにあの赤い髪のやつにも出くわすなんて・・・」 

  

 トイレの個室に逃げ込みHRまで隠れていた・・・そして教室に戻り、自分の席に座った。しかし席に着いたその瞬間、突然隣から声をかけられた。

 

 利久「あ、おはようございます」

 

 有咲「え?」

 

 突然声をかけられ少し驚いたが声をかけてきた人物を見てさらに驚いてしまった。何せ隣に座っていたのは先程廊下でぶつかった利久だったのだから。

 

 有咲「あっ!さっきはごめんなさい。急にぶつかったりして」

 

 声をかけてきた人物が今朝自分がぶつかってしまった人だとわかるとレンと香澄の時とは打って変わって丁寧な言葉づかいで対応した。

 

 利久「いえ、大丈夫ですよ気にしてませんから。あ、僕は石美登 利久って言います。どうぞよろしく」

 

 有咲「私は「市ヶ谷 有咲」え?」

 

 利久「知っていますよ。友達に教えてもらいましたから」

 

 「友達に教えてもらった」その言葉を聞いて有咲は気が付いた。利久とぶつかったときにレンが一緒にいたことを。まさかと思い有咲は利久に問いただそうとした。

 

 有咲「ええと、友達ってどなたですか?」

 

 利久「・・・」

 

 しかし利久からは返事が返ってこなかった。

 

 有咲「あの~聞こえてますか~?」

 

 利久「・・・」

 

 再び呼びかけたが利久から返事はなかった。有咲は少しイラついてしまいつい素を出してしまった。

 

 有咲「おい!ちょっと聞いてんのかよ!」

 

 そして少し怒鳴った瞬間、有咲は気が付いた。

 

 利久「・・・zzz・・・スピー・・・」

 

 利久が寝ていることに…

 

 有咲「ね、寝てる?なんなんだよこいつ…」

 

 その後利久は授業が始まっても寝続け、お昼休みに碧斗に起こされるまで起きず、有咲はその間に早退していた。

 

 

        

 

 

         ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 レン「んっ~~!やっと昼休みだ」

 

 午前の授業が終わってずっと座りっぱなしだったため俺は伸びをして体をほぐしていた。それは隣にいる香澄も同様だった。しかし、

 

 香澄「んっ~~!ご飯・・・じゃない!」

 

 レン「え?」

 

 香澄は突然声を上げると立ち上り教室を出ていこうとしていた。

 

 レン「香澄、どこ行くんだ?」

 

 香澄「隣の教室、有咲の所に」

 

 レン「ああそうか、なら俺も行くよ。俺も利久と碧斗のこと呼びに行くし」

 

 俺と香澄はB組の教室に向かった。しかし教室に入るもそこに有咲の姿はなかった。

 

 香澄「あれ?有咲は?」

 

 レン「またどこかに行ったんじゃないか?利久、お前有咲がどこに行ったか知ってるか?」

 

 俺は隣の席に座っている利久に聞こうとした。しかし・・・

 

 利久「・・・zzz・・スピー・・・zzz・・・」

 

 レン「え?寝てる?」

 

 俺がそう言った直後ふいに後ろから声をかけられた。

 

 碧斗「市ヶ谷なら3時間目終わった後に早退したぞ。利久に関しては1時間目からずっと寝たままだ・・・はぁーしょうがないな・・・起・き・ろ!」

 

 ――――ズキュシッ!――――

 

 碧斗はそう言うと利久の耳の下を親指で突いた。すると、

 

 利久「痛いっ!」

 

 熟睡状態だった利久は目を覚ました。碧斗いわくこの状態の利久を起こすにはこの方法が一番いいらしい。 

 

 利久「あれ、どうしてレンがここに?あれ?香澄ちゃんまで」

 

 こいつ、今まで自分が寝てたってことに気づいてねえな。

 

 レン「俺はお前を呼びに来たんだよ」

 

 香澄「私は有咲に話があって」 

 

 利久「そうでしたか。あれ?そういえば市ヶ谷さんは?」

 

 碧斗「早退した、それよりももう昼休みだぞ。俺は先に屋上に行ってる」

 

 香澄「じゃあ私も沙綾待たせちゃってるから」

 

 そう言うと2人は教室を後にし、屋上に行ってしまった。

 

 利久「早退?大丈夫でしょうか?」

 

 レン「さあな、とりあえず俺らも行くぞ」

 

 俺と利久は来人と明日香が待つ屋上へと向かった。

 

 

 ――――――――所変わって、学校広場――――――――

 

 香澄は沙綾のもとに行く前にジュースを買おうと自販機を目指していた。そして自販機の前に行くとそこには昨日ライブハウスで偶然会ったクラスメイトの牛込 りみの姿があった。それを見た香澄は後ろからりみに声をかけた。

 

 香澄「どれにするの?」

 

 りみ「きゃっ!」

 

 香澄「フフ~ン」

 

 突然声をかけられて驚くりみに対して香澄は頬ずりをしてその行動にりみはさらに驚いた。

 

 香澄「私オレンジ」

 

 しかし香澄は全く動じず狼狽えるりみを後目にオレンジジュースを買った。そしてりみがジュースを買うと昨日のことを質問した。

 

 香澄「牛込さん昨日いたよね?」

 

 りみ「え?」

 

 香澄「バンドやってるの?いつからやってるの?なに弾くの?歌?ライブいつ?」

 

 りみ「ちゃう!じゃ、じゃなくて・・・あの・・・」 

 

 ぐいぐいと質問してくる香澄に動揺してしまい、つい普段は出さないようにしている関西弁がつい口から出てしまった。

 

 香澄「え、関西弁?かわいい!」

 

 りみ「中学の時こっちに来て・・・う~気を抜くと出ちゃう…」

 

 つい関西弁を口にしてしまい、りみは恥ずかしく少し顔を赤らめてしまった。

 

 香澄「可愛いからいいよ~。でもそっかーやってないか~」

 

 りみ「お姉ちゃんが・・・」

 

 香澄「うん?」

 

 りみ「グリグリ・・・Glitter⋆Greenのギターなんだ」

 

 それを聞いて香澄の脳裏に昨日のライブをしている牛込 ゆりの姿が浮かんだ。

 

 香澄「すごい!お姉さん凄いかっこよかった!」

 

 りみ「ッ!うん!」

 

 香澄の子の言葉を聞きりみは自分のあこがれの存在である姉を褒められとても嬉しくなり先程の緊張感はどこかへ吹っ飛び香澄の言葉に笑顔でうなずいていた。

 

 香澄「すっごいキラキラしてた!」

 

 りみ「うん!」

 

 香澄「ライブやりたいよ!」

 

 りみ「うん!」

 

 そしてテンションが上がった香澄はりみに抱き着いた。

 

 香澄「やろう!」

 

 りみ「・・・え?」

 

 香澄の突然の誘いにりみは驚きのあまり固まってしまった。そして気が付いたら香澄に連れられ沙綾が待つ広場のベンチの前にいた。   

 

 

 沙綾「バンドやるんだ、牛込さん」

 

 りみ「え~と・・あの・・・その…」

 

 香澄「りみりん凄いんだよ!・・・なんだっけ?」

 

 りみ「ベース?」

 

 香澄「ベースができる!」

 

 りみ「ちょっとだけだよ」

 

 香澄「ちょっとでもすごいよー!りみりん座って」

 

 りみ「うん…」

 

 香澄に促されりみはベンチに座った。しかし少し戸惑っている表情をしていたため沙綾は助け舟を出した。

 

 沙綾「牛込さん、いやなら断っていいんだよ」

 

 香澄「ひどい、りみり~ん」

 

 りみ「い、いや、いやじゃないよ・・・戸山さんが誘ってくれて私「りみり~ん!」きゃっ!」

 

 りみが嫌じゃないというのを聞いて、香澄は嬉しさのあまり言い終わる前にりみに抱き着いていた。

 

 香澄「香澄でいいよ~」

 

 沙綾はりみに香澄が抱き着く姿を微笑ましく見ていた。そして沙綾は香澄が今朝言っていた有紗に家の蔵にあったギターについて聞いた。

 

 沙綾「それで、今朝言ってた星のギターってどれ?」

 

 沙綾はスマホを使い色々なギターを検索していた。

 

 香澄「えっーと、確かレン君がランダムスターっていってた」

 

 沙綾「ランダムスター・・・もしかしてこれ?」

 

 そういうと沙綾は香澄にスマホの画面を見せた。

 

 香澄「あ!うん!これこれ!これだよ沙綾!」

 

 沙綾「刺さりそう」

 

 昨日見たギターの画像にテンションがあがっている香澄を見て意味は笑みを浮かべていた。すると香澄はりみの方を向いた。  

 

 香澄「バンド初めてなんだ、コツとか弾き方とかいろいろ教えて」

 

 香澄の突然のお願いにりみは動揺を隠せなかった。しかし戸惑いながらも断ろうとしたその時だった。

 

 りみ「教えるなんて・・・それにギターなら私なんかよりもレn「また負けた―――!」!?」 

 どこからか叫び声が聞こえてきてりみの言葉を遮った。 

 

 香澄「え!?なに!?今の声!?」

 

 突然の出来事に香澄とりみだけでなく他の外に出ていた生徒も驚いていた。しかし沙綾だけは今の声を聴いても動じずむしろ呆れた表情をしていた。 

 

 沙綾「はぁー、またか~」

 

 香澄「え、なになに?どういうこと?」

 

 沙綾「今の声はたぶん来人だよ。利久にボードゲームに負けるといっつもあんな風に叫び声あげてるの」

 

 沙綾の言う通り、ちょうど屋上では来人が利久にオセロで負けていた。しかも全面真っ黒にされて。その後3人はお昼を食べながら談笑し昼休みが終わり、午後の授業も終わり放課後をむかえていた。

 

 

 

     

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 香澄「じゃあねレン君!また明日!」 

 

 レン「ああ、じゃあな香澄」

 

 さてと、放課後になった。今日この後は久しぶりに5人で練習だったな、一旦家に戻ってギター取ってこなくちゃな。

 

 来人「じゃあなレン、俺は先に行って待ってるからな」

 

 明日香「それじゃあレンまた後で」

 

 レン「ああ、わかった。じゃあな」

 

 そんじゃ、早いとこギター取ってきますか。俺は教室を後にして校門を出ようとしていた。その時だった…

 

 利久「おーい!レーン!ちょっと待ってくださーい!」

 

 突然利久の声が聞こえ振り返ると昇降口から利久が俺を呼びながら駆け寄ってきた。

 

 利久「はぁ・・・はぁ・・・よかった、間に合って」

 

 レン「どうした利久、俺になんか用か?」

 

 俺が聞くと利久は息を整えた後に答えた。  

 

 利久「ちょっと頼みがありまして。レン、市ヶ谷さんの家の場所知ってるんですよね?」

 

 レン「有咲の家?まあ知ってるけど・・・それがどうしたんだ?」

 

 利久「実は居眠りをしていた罰で先生から市ヶ谷さんの家までこのプリントを届けるように言われまして。一応住所の書かれたメモを渡されたのですがよくわからなくて・・・だからレン、案内してくれませんか?」

 

 いや、なんで俺がお前の罰に付き合わなきゃならないんだよ…それにアイツ今朝の反応見るに俺のこと多分嫌ってるだろうしな・・・ 

 

 レン「悪いけど利久、俺もギター取ってこなくちゃならないから案内してると練習に遅れちまう。だから…」

 

 利久「あ、それなら心配には及びませんよ。碧斗には僕とレンは少し用事があって遅れるって伝えておきましたから」

 

 レン「・・・」

 

 どうやら俺に逃げ場はなかったらしい。仕方ない…

 

 レン「わかったよ、案内してやる」

 

 利久「ありがとうございます。それじゃあ早くいきましょう」

 

 俺は利久を流星堂まで案内することになった。そして、俺と利久は流星堂についた。しかし蔵の前まで行くとそこにはなぜか香澄の姿もあった。

 

 レン「あれ、香澄。なんでお前がここにいるんだ?」

 

 香澄「あ、レン君。それにリッ君も」

 

 有咲「な、なんでお前らもここに来たんだよ!」

 

 あーやっぱり嫌われてたか・・・またとばっちりで嫌われちまったよ…

 

 レン「そんなにかっかすんなって、それに用があるのは俺じゃなくてこっちだ」

 

 俺は後ろにいた利久を指さした。 

 

 利久「どうも市ヶ谷さん、これを届けに来ました」

 

 そう言うと利久はカバンからプリントを取り出し有咲に渡した。

 

 利久「ところでどうして早退したんですか?どこか体調でも悪いんですか?」

 

 有咲「違う、自主休校。ずっと居なくたって必要な単位は取れるし、ずっと居てもいい事ないから。つーかいるだけ無駄」

 

 利久「そうなんですか?そなことないと思いますけど…」

 

 有咲「は?」

 

 利久「だって勉強以外でも友達と話したり、一緒にお昼食べたり、行事を頑張ったり、楽しいことが沢山あるじゃないですか?ですからいるだけ無駄なんてことはないと思いますけど」

 

 有咲「なに?自慢?」

 

 利久「え?いや、別にそんなつもりじゃあ…」

 

 有咲「学校は勉強するところ、別に友達と仲良くするための場所じゃねえだろ」

 

 利久の一言に有咲は機嫌を損ねてしまった。けど有咲のこの発言、それに学校もよく休んでるみたいだし、まさかとは思うけど・・・

 

 利久「もしかして・・・友達いないんですか?」

 

 有咲「なっ!?」

 

 あっちゃ~、こいつ言いやがった・・・利久は天然な性格の悪いところがここで出てきたか…うわぁ~有咲のやつ顔真っ赤になってるし。

 

 有咲「・・・ぅ・・ょ・・・」

 

 利久「え?なんですって?」

 

 有咲「そうだよ!いねーよ!

 

 利久「ひっ!」ビクッ!

 

 香澄「!?」ビクッ!

 

 あ、有咲がキレた。しかも目じりには少し涙が浮かんでるし。

 

 利久「す、すいません!まさか本当にいないなんて思いもしませんでした!市ヶ谷さん友達沢山いそうでしたから…」

 

 有咲「はぁ!?どこをどう見たらそう言えんだよ!」

 

 利久「だ、だって市ヶ谷さんすごく可愛いじゃないですか!」

 

 有咲「は、はぁ!?」

 

 お、再び利久の天然が発動した。有咲の顔の赤みがさらに増した。これを本心で無意識のうちに言っているんだから・・・利久、恐ろしいやつ…

 

 有咲「・・・で・・・・け・・・・」

 

 利久「へ?」

 

 有咲「とっとと出ていけーーーーー!

 

 レン「うぉっ!」

 

 利久「うわぁっ!」

 

 香澄「きゃっ!」

 

 ――――バンッ!―――― 

 

 有咲が叫び声をあげると俺たち3人は蔵から閉め出された。利久、また天然発言で人を怒らせやがって…

 

 利久「レン、もしかして僕、またやってしまいましたか?」

 

 レン「うん、もしかしなくてもやってるな」

 

 利久「そ、そうでしたか…」ショボーン

 

 あーあ、めっちゃ自己嫌悪に陥ってるよ。そういえば・・・

 

 レン「ところで香澄は何でここにいたんだ?」

 

 香澄「うん、あの星のギター、もう1回見せてもらいたくて」

 

 レン「そうか、それでどうだった?」

 

 香澄「ダメだったよ~、それに有咲あのギター、オークションに出しちゃってて」

 

 レン「オークション?どれぐらい値がついてた?」

 

 香澄「・・・30万円」

 

 レン「あー、成程な」

 

 確かにランダムスターはレアなギターだし、欲しがるマニアも結構いるらしいし。

 

 香澄「はぁ~もう1回だけでいいから触りたいよ~」

 

 香澄、ここまで言うってことはよっぽどあのランダムスター気に入ったんだな。でも触るだけなら簡単なことじゃないか?

 

 レン「そんなの簡単なことだろ?」

 

 香澄「え?どうゆうこと?」 

 

 レン「ただアイツにお願すればいいんだよ」

 

 香澄「え?」

 

 レン「アイツ押しには結構弱そうだし、何より友達(・・)の頼みなら聞いてくれるかもしれないだろ?もしかしたらギターも譲ってくれるかもしれないぞ?」

 

 香澄「そっか・・・そうだよね!ありがとうレン君!私、有咲にお願してみる!何度も何度もお願いして、またギター触らせてもらう!」

 

 レン「そうか、頑張れよ!」

 

 香澄「うん!じゃあねレン君、利久君、また明日!」

 

 レン「ああ、またな!」

 

 よし、それじゃあ・・・・

 

 レン「利久、いつまで落ち込んでるんだ?さっさと行くぞ。練習時間が無くなる」

 

 利久「あ、はい・・・すいません・・・」

 

 俺は利久の意識を戻すと流星堂を後にし、途中俺の家により俺のギターをとってから練習場所にむかった。

 

 ――――その頃、蔵の中では――――

 

 有咲「か、か、か、可愛いって///・・・すごく可愛いって///・・・アイツ、何言ってんだよ!///」

 

 有咲が利久に可愛いと言われたことに顔を赤くして狼狽えていた。なにせ生まれて初めて同級生から、しかも男子から可愛いと言われたのだ。小学生の時からあまり周囲の人とは話さず、中学の時は女子校で男子との関わりなど全くもってなかったのだ。

 

 有咲「ああ~!・・・ほんと、思い出すだけで・・・なんか、ずっとドキドキする///・・・でも、いや・・・じゃない///・・・なんなんだよこれ~!?///」

 

 有咲は利久のことを思い浮かべる度に胸の鼓動が早くなり、体が熱くなっていった。有咲には全くもって今の自分の状態が理解できなかった。今まで人と関わろうとしなかった少女が感じた初めての気持ち。彼女がこの気持ちの正体を知るのは、まだまだ先のこと・・・

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。