バンドリ!~オプション付き5人と少女達の物語~   作:akiresu

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練習は楽しく

 流星堂を後にした俺と利久は他の3人が待つ練習場所となるある場所へと到着した。俺と利久の目の前には俺の家よりも大きいかなりの豪邸があった。そしてその表札には「黄島」と書かれていた。そう、ここは来人の家だ。なぜ練習の為にここに来たのかというと実は来人の父親はかなり有名な芸術家で、音・絵・文の3つの分野で名をはせていており、来人自身も父親の影響で幼い頃から色んな楽器を弾くことができ、絵もかなりの腕前でコンクールでも何度も賞を獲得している。そのため仕事部屋兼練習部屋として自宅にスタジオが設けられていて設備もかなり整っているため、俺達はそこを練習場所としてよく使わせてもらっている。とりあえず俺は中にいる来人を呼ぶためにインターホンを鳴らした。

 

 ――――ピンポーン――――

 

 するとドアが開き、中から来人が顔をのぞかせた。

 

 来人「お、2人ともやっと来たか!待ちくたびれたぞ!」

 

 利久「すいません・・・」

 

 レン「ごめん、ちょっと利久に付き合ってた」

 

 来人「ああ、話は碧斗から聞いてる。取りえず上がれ、明日香と碧斗も待ってるぞ」

 

 レン「了解」

 

 利久「お邪魔します」

 

 来人に促され俺と利久は家に上げてもらいスタジオへとむかった。そして中に入ると大物芸術家だけあってか中には高い機材や色んな種類の楽器が置かれていた。どうやら機材のセッティングが済まされ、先に到着していた明日香と碧斗が軽く楽器を鳴らしていた。どうやらチューニングも既に終えているようだ。

 

 レン「待たせたな、二人とも」

 

 利久「お待たせしました」

 

 明日香「遅いよ、こっちはもう準備できてるよ」

 

 そういいながら明日香は自身の愛用している白と桃色のベースを手にしていた。

 

 レン「わりーわりー、すぐに準備するからちょっと待ってろ」

 

 俺はギターケースを下ろすと中から赤と黒の2色で炎の模様が描かれたギターを取り出すとアンプと繋げ、チューニングをした。久しぶりに取り出されたそれはしばらく失われていた俺の気持ちを再び燃え上がらせようとしているようだった。

 

 レン「よし、準備できたぞ」

 

 来人「そうか、じゃあ俺は今日はこいつを使うかな」

 

 そう言うと来人は壁際に置かれていたサックス、エレキギター、アコースティックギター、エレキバイオリン、二胡の5つのの楽器の中からサックスを手に取った。ここに置かれている5つの楽器は来人の物で実はバンドの演奏にも使うものだ。前に来人はサックスをやっているといったが実はそれだけじゃない。基本的にはサックスを使うが、その時の気分によって演奏する楽器を変えている。

 

 さてと、練習開始・・・と、その前に・・・

 

 レン「で、何を演奏する?今日の俺の気分は『W-B-X』」

 

 明日香「僕は『Hey World』」

 

 碧斗「『希望の唄』」

 

 来人「俺は『BREAKTHROUGH』だ!」

 

 利久「『Key Plus Words』です」  

 

 これが俺たちの練習方法だ。俺らはよくライブでアニメ、ドラマ、映画、ゲームの曲をカバーしている。その中で今までカバーした曲の中からそれぞれが演奏したい曲を挙げ、その中から幾つかを俺らの曲と一緒にその日の練習で演奏する。練習中のリクリエーションの一環だ。だがこうも見事にバラバラとなると・・・

 

 レン「よし、やるぞ…」

 

 明日香「うん…」

 

 碧斗「ああ…」

 

 来人「恨みっこなしだぞ…」

 

 利久「それはこっちのセリフです…」

 

 そう言うと俺らは互いを睨み合い、固唾を飲み、そして・・・握りしめた拳を振り上げて思いっきり振り下ろした…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   『最初はグー!じゃんけんポンッ!』 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これが練習で演奏するカバー曲の決め方だ。じゃんけんほど公平かつ平和的な決め方は他には無いだろう。そしてその勝負の結果は・・・

 

 レン・・・チョキ

 

 明日香・・・チョキ

 

 碧斗・・・グー

 

 来人・・・チョキ

 

 利久・・・グー

 

 どうやら今回は碧斗と利久の勝ちのようだ。

 

 レン「・・・・・」 

 

 碧斗「決まったな」

 

 来人「くそ~負けちまった」

 

 明日香「でも仕方ない」

 

 利久「恨みっこなし、ですからね」  

 

 さてと、カバー曲も決まったことだし・・・

 

 レン「よし!それじゃあ練習始めるぞ!5人で合わせるの久しぶりだからまずは全部の曲を1番だけ一通りやってみるぞ」 

 

 碧斗「わかった」

 

 明日香「うん」

 

 来人「おう」 

 

 利久「わかりまし」

 

 碧斗「それじゃあいくぞ・・・one・two・one!two!three!」

 

 碧斗がスティックを打ち鳴らすとそれを合図に俺達5人の演奏が始まった。

 

 

  ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 久しぶりにギターを弾いたが胸の奥底が熱くなるかのような快感に心踊らされ、俺は夢中でギターを弾いていた。気づいた時には一通りの演奏が終わっていた。

 

 

 レン「利久、どうだった?」

 

 利久「う~ん・・・率直に言ってかなり落ちてました。レンと明日香は特にミスが多かったです。2人とも全部の曲でコードを押さえるのが所々遅れれてました。自主練を怠っているのが丸分かりですよ?けど来人と碧斗は完璧でした。碧斗もしっかりとリズムを取れてましたし、来人も碧斗に合わせられてました。あとそれから・・・」

 

 俺は利久に感想を聞いた。すると利久からは的確で細かい評価が返ってきた。相変わらずいい耳してるな・・・実は利久はすごい音感と暗記力を持っている。ありとあらゆる音を聞き分け、一度音を聞けばその曲は譜面に表すことができ、格闘ゲームをする時も画面を見なくてもゲームの音だけでプレイできるほどだ。そのため練習での評価やカバー曲の楽譜はいつも利久にお願いしている。

 

 利久「兎に角2人は帰ってから今日出来てなかったところをしっかりと練習てください」

 

 レン「ああ、わかった」

 

 明日香「うん、わかったよ」

 

 レン「よし、それじゃあ一通り通したことだし次はカバー曲の方をやるぞ!まずは『希望の唄』」 

 

 一通り通した俺たちはお待ちかねのカバー曲の演奏に移り、一曲目の演奏を始めた。自分が演奏したかった曲だったからか心なしか碧斗のドラムにはさっきよりもキレがあることが感じられた。

 

 レン「次は『Key Plus Words』」

 

 二曲目の演奏を終えると全員の表情はとても清々しい様な、生き生きとしている様な、そんな表情をしていた。これを一言で表すとするならば・・・

 

 レ碧明来利「「「「「やりきった」」」」」

 

 無意識のうちに口から零れた俺ら五人の声が重なり、互いに顔を見合わせた。そして・・・

 

 レ明来利「「「「あはははは!」」」」

 

 俺と明日香と来人と利久は大声で笑った。ただ碧斗だけはあまり表情には出さずすまし顔で「フッ」と微笑していた。 

 

 レン「よし!じゃあ、今日はここまでにしておくか!」

 

 碧斗「ああ、そうだな」

 

 明日香「うん、僕も賛成」

 

 来人「『やりきった』って言ったのにこれ以上やったらおかしいもんな!」

 

 利久「ですね」

 

 そう言うと俺達は後片付けをし、来人の家を後にした。

 

 来人「じゃーなー!」

 

 レン「ああ、また明日」

 

 碧斗「ああ、またな」   

 

 利久「おじゃましました」

 

 明日香「うん、また明日」

 

 俺は4人と別れると家を目指した。そして、家に着くと俺はいつものように静まり返った暗がりに向かって「ただいま」と一言言った。わかり切ってはいても心のどこかでは寂しいと思っていまいついつい溜息が出てしまう。

 

 レン「はぁー・・・」

 

 しかしその時だった。

 

 ――――グゥ~~――――

 

 突如俺の腹が鳴った。久しぶりの練習で疲れたからな、こういう時は美味いもの食って気分を晴らそう!そう思いながら俺は夕飯を作るために冷蔵庫を開けた。しかし、この時俺は気づくべきだった。冷蔵庫を開けた瞬間、俺は固まった。そうだった、すっかり忘れていた。今うちの冷蔵庫の中は・・・・・

 

 レン「すっからかん・・・だと?」

 

 俺はその場で絶望のあまり膝をついてしまった。いや待て、まだ希望はある!俺は棚の中をあさった。そして、見つけた!こんな時の心強い味方、そう!

 

 レン「カップラ~メ~ン!」

 

 よかった、これで俺は空腹に苦しむということはないようだ!早速お湯を沸かすとカップの中に注ぎあとは蓋をして3分待つだけ。

 

 レン「よし!できた!」

 

 俺は蓋を開けると夢中で麺をすすり、箸を進めた。

 

 レン「ふー食った食った」

 

 俺は食い終わると風呂に入り今日一日の疲れを落とした後自室に向かうと再びギターを取り出し、今日利久に言われたところを練習した。けど、ちゃんと弾けているか不安だな…

 

 レン「ちゃんと弾けてるかな?どうかなにい・・・」

 

 俺は何気なく口にしようとした言葉を言い止まった。

 

 レン「何言おうとしてんだよ・・・ここには俺以外誰もいないじゃないか…」

 

 なんか少しモヤモヤする…少し気分を晴らすため外の空気を吸おうと思いベランダに出た。ふと、上を見上げるとそこには満天の星空が広がっていた。

 

 レン「星空を見ているとなんか色々と嫌なこと忘れちゃうな」

 

 そういえば・・・

 

 レン「小学生の時、キャンプ場で天体観測したなー」

 

 そう思っていると、ふとあの時言われた言葉を思い出した。

 

 『なあレン、知ってるか?この星の光はずっと遠くから何億、何千万年もかけてと届いた物なんだ。それがずっと昔から世界中で色んな人に見られてきた。俺達は遠い時間・場所にいる人と同じものを見ている。人は誰もがこの星空で繋がっている・・・』

 

 レン「この星空で繋がっている・・・か…今頃、父さんと母さんとあの2人もこの星を見ているのかな…」

 

  俺はそう呟くと部屋の中に戻りベッドに入った。その時俺はふとあることに気が付いた。

 

 レン「そういえば・・・ヨーロッパって今昼真っ只中じゃあ…」

 

 やばい、もし今の独り言を誰かに聞かれていたら恥ずかし過ぎて普通に死ねる…

 

 レン「・・・寝よ」

 

 俺は目をつぶった。見えないが俺の顔はおそらく赤面していることだろう…




 
 
  


 W―B―X・・・『仮面ライダーW』op

 Hey World・・・『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』op

 希望の唄・・・『食戟のソーマ』op

 BREAKTHROUGH・・・『アイシールド21』op

key plus words 『Persona4 the ANIMATION』op


 
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