■■■■たちが異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】 作:白結雪羽
オリジナル描写は本当苦手です…………訂正。オリジナル描写も苦手ですね。もう少しまともに読める文章が書きたいです
私が長い年月を経て箱庭に召喚された事は、とある意図が絡む事情がある。詳細は話す事は残念だけどする事は出来ない。私にも守秘権利は存在するから。
魔王として召喚された私は、過去に存在した魔王コミュニティ〝幻想魔道書群〟に所属していた二人の伝承の悪魔を与えられ、新興コミュニティ〝グリムグリモワール・ハーメルン〟として北の街を最初の舞台とする事になった。やはり複雑な事情が絡んでいるのだが、魔王であった私には主権者に関する守秘権利……もとい義務がある。
……私が話したいのはそんな事ではない。私が新興コミュニティを立ち上げさせられた、その直ぐの事。私は……私達は一人の魔王と〝偶然〟出逢った。いや、皆再会したというべきだろうか。私は生前、霊群の代表となる前から彼を知っている。同士となった二人、ラッテンとウェーザーも彼を知っていたらしい。何でも箱庭では有名な魔王であり、あまりにも神出鬼没な存在。そしてコミュニティに属さない単独の魔王という箱庭でも奇異で特殊だという。
そんな彼に再会できた時、私の数百年に亘って荒んでいた精神は何処へ。周りの目を省みず泣いてしまったものだ。今思うととんでもない赤っ恥を掻かいてしまったと思う。しかし、生前からの特別な関係を築いていた彼をこうして感じられているのは…………コホン。
彼は相変わらず気紛れな質であった。そして、私達の初陣を陰で観賞しようと言う。最初は彼を引き入れたい、その心もあったが、それでは駄目だと彼に諭され、私もそれを悟った。
ギフトゲームの最中も彼とは終始話していたと思う。傍から見れば独り言のよう。彼の無茶苦茶な言動に何度魔王としての体裁を空冴えた事か……。でも彼は時折アドバイスもくれた。何てことない、考えれば普通に気付けるような簡単な助言だけだったが、それでも内心嬉しかった。表に出すなんて醜態は勿論二度としなかった。
〝グリムグリモワール・ハーメルン〟の戦況は芳しくなかった。ゲームの不当な中断により得た此方に有利な条件の数々。思えば、この時の私は気付かない内に焦っていたのだろう。それは指摘されても変わる事はなかったようだ。今だから言える。
結局、私のゲームメイクの甘さで二人の大切な同士を失ってしまった。彼と共に神格を与えたから安心していたのか? そうでないと信じたいものだが、如何せん自分の事だ、一概に否定など出来ない。
……私は魔王そして最初で最後の苦渋を味わわされた。彼から警戒注意を受けていた人間達にほぼ一方的に、ね。私の恩恵に抵抗できたり、星を砕く一撃に差し迫る一撃一撃を放ってきたり、神霊である私を拘束したり…………
そして、ゲームは私が封殺されている間に第二条件をクリアされ、私の神霊としての霊格も消えた。8000万の積年の怨嗟はそん所そこらの存在には劣らない程、強大な霊格を保持している。だが、神霊のものと比べると半分にも満たない。
私は諦めていた。彼は絶対に手を貸そうとはしない。例え旧知の仲だとしても、彼はぶれないから。私は歓喜に上がる者達を前に虚ろになりかけていた。
────そんな時だった。彼が私にこう言ったのは、
『……はぁ、致し方ないのう。一敗地に塗れた魔王に救済など、他愛の無い事はしたくはないが………自分も〝不羈奔放〟などと称される身。ちと
刹那、私の中から彼は消えた。同時に己の縮小した霊格が異常を来す。静かな水面の下、誰にも気付かれない程静かに、それでいて尋常では無い速さで霊格が膨大していく。
「全員直ぐに逃げなさいッ!!」
私を縛り付けていた少女が私達の会話を感受したのか、叫びを上げた。だが…………遅い。
「済まんな
「ッ!! カフッ……!!?」
少女の腹部に手が添えられた、瞬間。バンッ!! と何かが弾けたような音と共に、彼女は血を吐きその場に崩れた。
「カカッ!! 童共、歓喜に酔い痴れている所悪いが………此処からは〝不羈奔放〟の第二ラウンドじゃ。────自分を飽きさせるでないぞ?」
──ギフトゲーム名〝白の試練〟──
・開始条件
ギフトゲーム〝PIED PIPER of HAMELIN〟におきプレイヤー側の勝利となった場合、五分後をゲーム開始とする。
・プレイヤー一覧・舞台範囲
・ゲームマスターを中心に500000km半径のギフト保持者(範囲外への逃走可)
・〝グリムグリモワール・ハーメルン〟はゲームマスターの配属とする。
・プレイヤー側 勝利条件
ゲームマスターの打倒。
・ホストマスター 勝利条件
なし。
─宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開始します。〝不羈奔放の魔王〟印─
魔王とは対極。純白の〝契約書類〟が粒子と化した〝契約書類〟を元に再構成された。そして……北の街は歓天喜地から一転、吹き荒れる死の恩恵に呼応するようように阿鼻叫喚の地獄絵図となった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
津波の如く広がった死の恩恵は、舞台区画を越えて北の街ごとプレイヤー達を呑み込んでいった。ただ、死んではいない。強力なペストの呪いを、発病後の状態に持っていったためだ。しかし、これで大部分の参加者がダウンした。残っているのは、ゲーム攻略時に主戦力足りえた僅か二十数名足らずの者達。その上、その凡そ半分は十六夜と白夜叉が咄嗟にギフトを防いだお陰で難を逃れた者達だ。
「くッ! まさかアヤツが背後に付いていたとは……抜かったか……!!」
「おい白夜叉! 魔王ってのは他人のゲームに寄生紛いの特権でもあんのか?! 上げて落とすにしても、芸に欠ける以前に上が黙っちゃいないだろこれは!」
「アヤツは特別だッ。箱庭で唯一特殊な〝主催者権限〟を持つ不羈奔放の魔王! ここ数十年は鳴りを潜めておるとは思ったが、とんだタイミングで現れおってからに……!!」
「そう邪見になる事は無いじゃろうよ白夜王。久々の再会、もうちと喜べんのか? それに……おうおう、懐かしい顔ぶれがチラホラ居るのう」
「つ、
「おう黒ウサギの嬢ちゃん、随分と大きくなったな? 逆にレティシア、お主は……まあよか」
「………減らず口は顕在のようだな、萃」
「カカッ! 自分が留守にしたのはたった100年ちょっとじゃぞ? 早々変わるかて!」
彼を知るものは苦虫を噛み潰したかのように顔を顰め、宙の彼に相対する。赤朽葉の髪を一房に腰で結わえた童子の少年。口に覗く犬歯が彼の性格を嫌が応にも理解させられる。そしてその滲み出る圧倒的威圧感も。北のマスターになったとはいえまだ齢11のサンドラは、その威圧に立っているのがやっとになっていた。
「「…………」」
他にも声を出せないでいる者達の中、不気味に沈黙する十六夜と耀。十六夜は叫んだ後霞みの如く地に落ちた飛鳥を回収し、純白の〝契約書類〟に、耀は萃とペストに目を向けていた。
「────さて。お主らとは積もる話でも交わしたい所だが、生憎今はゲーム中じゃ。自分のギフトゲームはよぉく理解しておるじゃろう? 手加減なんぞ温い事はせん。本気で────」
萃の元で巨大な爆発が起こった。地上の一行は目を見開き、傍に居たペストは意表を突いた現象に焦ったが、幸いな事に杞憂に終わった。
爆風の中からは煤すら見受けられない萃が健在だった。浮かべていた軽薄な笑みを消し、爆破の原因……右手を彼に向けて握り締めていた耀を見下ろした。
「……こら悪童よ? 本気で掛かって来いとは言ったが、ちとせっかちじゃなぁ?」
「黙れ老害。れn……飛鳥さんに一撃入れておいてどの口がほざく? ………言われなくても本気で行きます。後悔する時間も与えませんので、さっさと沈んで下さいッ……!!」
「ッ、いかん! 耀、此処は一旦陣を取れ! アヤツと真正面から殺り合うなど自殺行為も同然だぞ!!」
五体満足な一同に既に目配せを終えて行動を促した白夜叉の声は、耀には届かなかった。死の風の残留を跡形も無く吹き飛ばす陣風を逆巻き、飛翔。ペストが風の速さで向かってくる彼女殺意の籠もった死の風を叩き込むが、接触する寸前、耀の姿が掻き消えた。再び彼女が現れたのは……萃の背後。その手に収束した神々しく閃く旋風で、人体の急所を穿とうとした…………が、
「ッ……!?」
「直情的な一手は控えた方が良いぞ〝堕神〟。でないと、」
「…………っぁ、……ぇ……?」
「こうなるぞ」
ズシュッと耀の右胸から華奢な腕が引き抜かれる。そしてそのまま前のめりになった彼女の背中に鋼をも砕く蹴脚が叩き込まれ、十六夜の元に砲弾となって還された。十六夜は衝撃を和らげるために後ろに飛びながら彼女を受けと止めた。
「耀さんッ!!? ……萃様。いくらお慕いしていた貴方でも……黒ウサギの許容は限界ですッ!! 覚悟してくださいッ!!」
「待て黒ウサギ! 今闇雲に突撃しても耀の二の舞だ! ここは一旦引くぞっ!」
「ですがレティシアさ(ドゴッ)、ま…………?」
リボンを外して臨戦の大人形態に入ったレティシア。彼女は黒ウサギを気絶させると、ペストによって沈められたジンと共に小脇に抱え舞台区画から飛び出した。サンドラを含む他の者達も後退しており、残った者は白夜叉と、血溜まりに倒れる飛鳥と耀を庇うように立つ十六夜だけだ。
萃とペストが二人の前に降り立つ。その気になれば仕留める事が可能だった後退した者達を見逃したのは、一種の余裕の表れか……それとも……
「小僧、おんしも二人を連れて行け。ここは私が引き受ける」
「馬鹿言うなよ白夜叉。身内が二人もこの有様だ。そう易々と退けると思うか? それにアイツは、個人的に見ていて不快だ」
「おんしはその場の胸懐で命を擲つのか? いいから大人しく、」
「断る。なぁ白夜叉……これ以上俺を不快にさせないでくれ。俺は勝てない相手の力量を見誤る程愚かな餓鬼なつもりはねえ」
「…………骨を拾ってやる余裕は無いと思え」
「アンタもな」
その言葉を聞くや、白夜叉は
「……太陽と白夜の星霊〝白き夜の魔王〟。これが……太陽の主権を有する彼女の一端」
「そんな大層な老生に喧嘩を売ろうなどと勇んでいたのだからな、ペストも中々肝が据わっておるわ。──じゃが、今回は譲れないかのう。そっちの悪童で我慢せい。なに、アレは────〝 〟じゃからな」
「? 〝 〟?」
「ま、直に解るじゃろ」
首を傾げるペストに萃はクツクツと笑い、腰を低く落とした。
「────白夜王、今更告げるまでも無いが……お主が落ちたら終わりじゃぞ。他の小童共では拳を交える事も儘成らぬからな。彼の時の東の凄惨たるや、青臭い小娘が揉まれるには酷じゃろう?」
「忌むべき過去の清算を付けてやるのは歳暮れの務め。貴様は今日日を以ってこの白夜の下に沈む運命よ!」
「カカッ!それはまた愉快愉快! ……仏門に下った星霊の小娘如きに────己を降せるものかッ!! 己の名は