■■■■たちが異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】   作:白結雪羽

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最近4000文字前後に持っていけない
長すぎるのも駄目なんですけど、短すぎるのも考え物なんですよね……



罠に乗じましょうか

 黒ウサギの捜索を明日に回した三人は一周回って翌日の陽の暮れたばかりの頃、町の噴水広場に集まっていた。三人とも、これからとっておきの遊び場に向かう子供のようにドコか生き生きとしている。

 彼らは前日に黒ウサギを探すとは言っていたものの、今日は午前中から思いっきり遊び、観光に惚けていた。それはもう、黒ウサギの事を忘れてしまっているのではないかと言うほどで、フェルナも大変困惑していた。

 だが、決して彼らも黒ウサギを完全に放置の姿勢に入った訳ではない。ちゃんと理由があっての事……夜間まで待つ必要があったのだ。それが分かっているのなら、昼間の内に無駄に歩き回って体力を浪費する事もないだろう。

 

 

「んじゃ、黒ウサギを迎えに行くとすっか……果てしなく面倒だが」

「そうね。本当世話を焼かせるんだから……面倒ねぇ」

「二人とも、本音が出てます……確かに面倒です」

「お姉さんも出てますよ?!」

 

 

 耀のツッコミがマトモに機能してない場合、誰かが自然とツッコミに回る事が良ぉく実感できた気がする。

 そんな今回のツッコミに回されたフェルナは、三人に疑問を投げかけた。

 

 

「あの……皆さん。どうしてお昼は積極的ではなかったのに、」

「──こんな暗くなってから探し始めるか。そんなの簡単よ、この時間じゃないと意味が無いじゃない」

「えっ? それって、どういう事ですか?」

「そのままの意味ですよ。昼間は表向きの顔、夜間は裏の本性を現す……ありふれた設定ですよね」

「そう言ってやんな。逆に昼間っから裏を見せて夜間表を見せるとか、んな斬新過ぎる団体さんが居んなら是非見てみたいもんだ」

「それもそうですね」

 

 

 遠回しな会話にフェルナは付いていけない。

 この時、彼女は三人に打ち明けておかねばならない事があったのだが、彼らの今の調子がその切欠を中々与えてくれずにいる。このままじゃいけないと分かってはいるのに、彼らがそれをさせてくれない。

 そして、その意思は更なる妨害者によって追いやられていく事になった。

 

 

「────ぃぃぃいいいいいいやっほおおおおおおおおおおおお会いたかったぞお黒ウサギイイイイイーーーーーー!!!」

 

 

 星の煌く空から、やけに聞き覚えの有る声が響いてきた。

 もう空から降ってくる事が定番になりつつある彼女は、箱庭の問題児様の一人。東側の現・階層支配者である〝白夜叉〟、その人であった。夜間に叫んで降ってくるなと言いたいものだが、そんな事彼女が聞くはずも無い。

 何時も通り白夜叉は黒ウサギの名を叫んで問題児一行の輪に突っ込んできて抱きつく。

 

 

「ハハハハッ! 正確には『揉みたかったぞ黒ウサギ』になるがの、ハーッハッハ! ──うーむ、やはり何度抱き付いてもこの触り心地は…………ん?」

 

 

 そこで白夜叉は違和感を覚えた────

 

 そして思い出してみよう。黒ウサギは只今絶賛行方不明中である。当然、十六夜たちの輪の中に居る筈もない。

 では、白夜叉は誰に抱き付いてセクハラ行為に望んでいるのか?

 

 ────黒ウサギにしては胸が大分小振りな気がする、と。

 彼女が顔を上げてみる。そこには……額に青筋を浮かべて、それはそれは何時に無く爽やかで清々しい笑みを浮かべた飛鳥の顔があった。冗談抜きで、威圧感が尋常じゃない。

 白夜叉は暫し硬直し、次に自分の手元を確認。ニギニギと動かし、帰ってくる感触は黒ウサギの物とは違えど確かに柔らかみがある。着物越しとは言えど、それはハッキリと発育途中の少女の『それ』を掴んでいた。

 彼女の背後で、十六夜とフェルナを小脇に抱えた耀が急いで少し離れた建物の屋根に避難していく。

 

 

「…………お、おぉ……あ、飛鳥、か?」

「フフフ。えぇ、私だけど?」

「……そ、その、な…………発育途上というのも中々悪くない、ぞ?」

「…………フフッ、そう────ユニークな遺言ねェ」

 

 

 ズゥンッ!! と飛鳥の背後にディーンが出現する。ついでに飛鳥の『心神の種』が密かに発動。

 数秒後、世にも珍しい白夜叉の悲鳴が夜の街に響き渡った。

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

「────んで? わざわざ白夜叉ちゃんは何をしにこの街へやって来たのかな?」

「こ、こどもあつかいするでないぞコワッパがぁ! っ、くぅ……アスカ! はやくもとにもどしゃんかっ!」

 

 

 やけに幼く聞こえる声音で白夜叉が叫ぶ。以前にもレティシアがされていた飛鳥のギフトによる幼児退行。だが今回は『威光』によるものではなく『心神の種』によるものだ。

 結果的には同じに思えるかもしれないが、後者は前者よりも幼児っぽくなるという違いがあるらしい。

 要するに、やや感情的になるのだ。

 

 舌足らずギャーギャー喚く白夜叉。一体階層支配者の威厳は何処へ消えてしまったのか……

 しかしながら、このままでは話が進まないので飛鳥も少しだけギフトの影響を解く事にした。

 

 

「ほら、少しだけ楽になったでしょう? とっとと用件だけ言って戻させてよ」

「もどすことはぜんていなのだな?! むぅ……しかたない。きゅうをよーするのでな、てみじかにいう────わたしがここにきたのは、とあるウワサをミミにしたからだ。『サーカスをみにいったものたちが、かえってこぬ』というウワサをな」

 

 

 拙い舌に悪戦苦闘しながらもそう伝えた白夜叉。

 その内容は、正に黒ウサギがあっているであろう現象と合致している。彼女もサーカスを見に行き、結果的には帰ってきてないのだから。

 三人はそれに、然も知っていたかの様な態度を示した。白夜叉もそれを感じる。

 

 

「……かんづいてはいたか?」

「まあな。こいつのコミュニティの奴らも行方知らずってんだからある程度予想は出来てた」

「えっ……?」

 

 

 突然話しに自身の事が上げられ、フェルナは目を丸くした。そして同時に、その瞳は何故知っているの? そうとも言っている。

 彼女に飛鳥が説明してあげる。

 

「ごめんなさいね。私って相手の思考とか感情とかが分かるギフトを持ってるのよ。だから、貴女の事情なら私たちをサーカスに招待してくれた時から分かっていたわ」

 

 唖然とした。なら何か、彼らは危険だとしっていて自分の嘘に乗じたとでも言うのか?

 十六夜と耀は、詳しい経緯を白夜叉に説明しだす。その間、都合よく話しに混ざらなかった飛鳥は立ち竦むフェルナの耳元で、

 

 

「安心して────貴女『たち』の茶番には付き合ってあげる。盛大に演じてあげるわ、貴女たちの舞台でね」

「ッ!?」

 

 

 彼女はギュッとスカートの端を握り締める。

 『心が読める』、『思考が読める』。なら当然、どの様な隠し事も彼女の前には意味をなさない。全て、知られてしまった。だけれど、目の前の少女は乗ってきた。罠だと知っていても、乗ってきたのだ。

 なら……慌てる必要は無い。自分の存在理由を思い出せ。そう、乗ってくれるならそれでいいのだ。舞台を盛り上げてくれるのなら、それで……

 

 

「おい飛鳥。白夜叉ちゃんの長い説明とかその他諸々全部終わったから、次行くぞ次」

「お、おんしなぁ……! わたしにケンカをうっているとかんがえていいのか、それはぁ!!」

「メッだよ、白夜叉ちゃん。夜は静かにしなきゃ」

「おんしもか、ヨウ?! あ、え、えぇい! こどもあつかいするでないわああああっ!!」

「「うるさい」」

 

 

 頭を撫でられ激昂して、二人に冷たくあしらわれる白夜叉。もう退行の作用でイジケテしまいそうだ、可愛……可哀想に。

 

 

「ふふ……。それじゃあね、フェルナ。楽しい一時の提供を、どうもアリガトウ」

「…………」

 

 

 フェルナの頭を優しく撫で、飛鳥は騒がしい三人と共にサーカス団のテントへと向かっていく。

 その彼女たちの背中を、フェルナは静かに佇んで…………喜悦の笑みを浮かべて見送った。

 

 

 

 

 

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